ALPS処理水放出と習近平の凋落(14)

日本のALPS処理水の放出に対して、文句を垂れているのは習近平中国だけである。 

 

あの韓国政府は早々に専門家を派遣して、安全性を確認している。 

 

 

汚染水放出 「福島派遣の専門家が安全性を再確認」=韓国政府 

2023.10.11 14:20 

 

【ソウル聯合ニュース】韓国政府は11日、東京電力福島第1原発の処理済み汚染水の海洋放出を巡り、福島に韓国の専門家を派遣して現地の設備の安全性を改めて確認したと明らかにした。国務調整室の朴購然(パク・グヨン)国務第1次長が定例記者会見で伝えた。 

 

 



定例記者会見で発言する朴購然氏=11日、ソウル(聯合ニュース)© 聯合ニュース 提供
      

 

政府によると、韓国の専門家らは福島第1原発内にある国際原子力機関IAEA)の事務所を訪れIAEA本部とのテレビ会議を行い、1回目の海洋放出以降、関連設備に特異事項がないことを確認した 

 

政府は東電側のデータを検討し、今月5日に始まった2回目の放出が東電の計画通り行われていることも確認した。 

 

tnak51@yna.co.kr 

 

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20231011002000882?section=search 

 

 

習近平政権は自国内の不満の塊をいかに処理するか、思案の真っ最中に日本のALPS処理水の放出が始まった。これを良いことに、「断固反対」をあらゆる機会を通じて声高にわめきだして、国内の不満を外に向けさせた。 

 

このキャンペーンはある意味成功し、中国の若者たちの不満を日本への「デタラメ」なメールの発信で解消させている。少し余裕のある中国人たちは、日本への旅行で、それを解消(?)している、と言う。 

 

この日本旅行でのストレス解消の「ガス抜き策」を、中国では「脳を洗う旅」と言っているそうだ。自国でストレスを解消できないとは、まことに困ったことである。習近平も、さぞかし困っていることでしょう。 

 

そろそろこの「核汚染水キャンペーン」も終わりにしなければ、自分たち(共産党政権)に降りかかって来はしないのか、と危惧しているのでしょう。 

 

 

 

中国「核汚染水キャンペーン」振り上げた拳はどこに置く? 

牧野 愛博| Official Columnist  朝日新聞外交専門記者  2023.10.14 

 

中国「核汚染水キャンペーン」振り上げた拳はどこに置く? 

 

10月5日、福島第1原子力発電所処理水2回目の放出が始まった。中国外務省は放出について、改めて「断固反対」との立場を強調した。ただ、日中韓三カ国は9月26日、ソウルで高級事務レベル協議を行い、日中韓首脳会談の早期開催を目指すことで一致した。韓国政府は早ければ12月にも開きたい意向を持っている。同首脳会談は2019年12月以降、中国の消極的な姿勢から開けずに来ていた。9月の高級事務レベル協議での中国の態度を見る限り、中国の戦狼外交も一休みといった風情だ。福島第一原発の処理水放出を巡り、振り上げた核汚染水キャンペーン」の拳の置きどころを探っているのかもしれない。 

関係者によれば、中国の農融外務次官補は、処理水放出について日中の2国間協議では言及したものの、日中韓三カ国協議では触れなかった。大騒ぎした経緯もあり、2国間では触れざるをえないが、必要以上に騒ぎを大きくしたくないという計算が働いたのかもしれない。9月6日には、インドネシアで開かれた東南アジア諸国連合ASEAN)関連首脳会議の機会に、李強首相が岸田文雄首相と立ち話を行ったが、処理水放出を批判すると同時に日中関係改善にも言及した。複数の関係者は「中国は振り上げた拳の置きどころを探っている」と指摘する。 

 

中国は当初、日本や韓国、台湾など国際社会がキャンペーンに同調すると計算した。7月に行われたASEAN関連外相会議での共同声明でも、中国は当初、処理水排出を非難する文言を入れようと活発な外交戦を展開していた。ところが、国際原子力機関IAEA)が日本の説明を支持したこともあり、日本政府を孤立させることに失敗した。太平洋地域でも、中国のキャンペーンを明確に同調したのは、安全保障協定を結ぶパプアニューギニアと、9月下旬に日本の水産物禁輸の検討に言及したロシア程度にとどまり、「中国の孤立」が目立っている 

 

防衛省防衛研究所の飯田将史地域研究部中国研究室長は「中国は自分たちのイメージを大事にします。処理水問題を巡る際だった言動は、国際社会に悪い印象を残します。中国もこれ以上、状況が悪化するのは避けたいでしょう」と語る。今後は、中国が「暫時」と但し書きをつけた、日本の水産物禁輸措置をいつ解くのかに注目が集まる。飯田氏は「中国の国内事情次第でしょう。今の時点では、全く予測できません」と語る。 

 

中国が振りかざした「核汚染水キャンペーン」の影響は、中国がもくろんだ国外よりも国内で大きな反響を呼び、中国から日本に大量の迷惑電話がかかる事態を招いた。中国が公明党山口那津男代表や自民党二階俊博元幹事長の訪中を受け入れていないのも、抗議の意思を示すというよりは、中国共産党国内世論が硬化しすぎたためだとみられる。 

 

中国の「国慶節」に伴う大型連休が9月29日から始まった。中国から日本に向かう航空便も満席かそれに近い状態だという。大勢の中国人客が、日本の食生活を楽しみ、その様子を発信してくれれば、中国の世論も徐々に軟化していくかもしれない。 

 

また、習近平中国国家主席は9月にインドで開かれたG20(主要20カ国・地域)首脳会議に出席しなかった外務省元幹部は「G20は、G7とグローバルサウスが一緒に集まる。世界に新しい秩序を築いてリーダーになりたい中国にとって欠かせない会議だ。習近平氏が欠席しなければならないほど、中国内に厳しい事情を抱えていたとみるべきだろう」と語る。国内が厳しければ、外に敵を作って国民の団結を狙うという手もあるが、処理水問題ではそれが裏目に出た。日本を悪者にして、国内の不満を吸収しようとしたところ、コントロールが効かくなって、対外関係も厳しい状況に追い込まれた。 

 

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、米中両政府は、中国の何立峰副首相の訪米を協議しているという。11月に米サンフランシスコで開かれるアジア太平洋経済協力会議APEC)首脳会議に合わせた米中首脳会談に向けた環境整備だろう。日中韓首脳会談を模索する動きと同様、中国が対外関係の立て直しを急いでいることはほぼ間違いない。日本産水産物の禁輸措置についても、すぐにとはいかないまでも、解除に向けた動きが徐々に始まるかもしれない。 

 

誇り高い中国のことだ。ただで引き下がることはないだろう。外交テクニックには「譲歩と見えないような格好で譲歩する」というものがある。5月に発表された「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」もその一つだ。ここでは、「包括的核実験禁止条約(CTBTの発効もまた喫緊の事項であることを強調する」という文言が盛り込まれた。米国はCTBTを批准していないから、被爆国の日本としては大きな成果と言えるだろう。しかし、米国はもちろん、主催国の日本もこの点をあまり強調しなかった。強調すれば、米議会の共和党や軍関係者を刺激し、せっかくの文言が後からひっくり返される事態になるかもしれないと懸念したからだろう。 

 

中国の場合、一般市民の生活と深くかかわる水産物禁輸措置の解除を発表しないで済ますわけにはいかない。おそらく、「処理水問題を協議する特別の日中協議体」などの創設を目指し、「日本が譲歩した」という形で禁輸措置解除にもっていく腹なのかもしれない。もちろん、日本としては中国だけを特別扱いできないから、合意は簡単ではないだろう。それでも、中国が自分のキャンペーンで招いてしまった「逆包囲網」は徐々に狭まっていると言えそうだ。 

 

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https://forbesjapan.com/articles/detail/66649 

(続く)