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続続・次世代エコカー・本命は?(38)

さて次は「セレナ」に話を移そう。

 

この普通のミニバンには「プロパイロット」と言う運転支援機能がついている。いわゆる自動運転支援機能だ。レベル2の自動運転だろう。但しハンドルから手を放すと、この機能は解除されてしまうと言う設定になっているようだ。このほかにもミニバンとしての独特な機能も搭載されていると言う。

 

新型日産セレナ、アクセル・ブレーキ・ハンドルを自動制御する「プロパイロット」搭載

2016/08/24
中尾真二=タンクフル

 

 日産自動車2016824、新型日産セレナの発売開始にともない、横浜のグローバル本社で報道陣を集めた記者発表会と新車の公道デビュー式、一般ユーザーの試乗体験イベントを開催した。新型セレナについては、すでに国産車初という高速道路単一車線での自動操舵前車追従機能つきクルーズコントロールを実現した車として事前報道がなされている。この日の発表会では、同社の専務執行役員 星野朝子氏が、新型セレナの市場戦略やパッケージング、技術について包括的に紹介した。

 

新型セレナ  (撮影:中尾真二、以下同様)   新型セレナIMG_3218

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日産自動車 専務執行役員 星野 朝子氏

[画像のクリックで拡大表示]   星野朝子IMG_3231

 セレナに搭載された自動運転支援技術は「プロパイロットという名称だ。完全自動運転ではなく、ドライバーがハンドルに手を添えている状態や高速道路のように両側に車線が認識できるなど一定の条件で、アクセル、ブレーキ、ハンドルを自動制御する機能を備えている。以前からのオートクルーズ、レーンキープ、衝突回避ブレーキなどの技術をプロパイロットとして統合的に連携させることで、アクセルやブレーキなどの制御を可能としている。

 また、ステアリング操作のセンシングの度合いを強め、平均的な高速道路ならば、「車だけで曲がっていける設計」(日産のエンジニア)となっているという。ただし、手を離すと制御は解除される。

 輸入車や国産高級車には、ほぼ同様なクルーズコンピュータや渋滞追従機能を搭載した車は存在していた。日産のエンジニアによれば、「テストコースにおいて、類似機能を搭載した車で、ドライバーが介入操作をしないと曲がりきれないコーナーでも、プロパイロットは手を添えていれば曲がれる」という。

 もう一つの特徴は、同社がセレナという普及価格帯のミニバンから最初に投入したという点だ。星野氏によれば、「予約は順調で、全体の70がプロパイロット搭載車を選んでいる。計画では40%程度と見込んでいたので、予想外のニーズの高さを実感している」と市場での評価を喜んでいた。

 なお、新型セレナはプロパイロットのほか、縦二分割するリアゲート、横スライドしシートに固定されたシートベルトにより乗車しながら3列目へのアクセスが可能な2列目シート、両手がふさがっていても足をかざすだけで開閉できるオートスライドドアなどを装備。車内にはUSBポートが6か所、設けられている。

 

各所のスライド機構、ピラーの配置などで視界と広さを確保・演出

(発表資料より)

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2つのセンサーを使うことで、ボールやペットには反応しないハンズフリースライドドアを実現

(発表資料より)

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平均的な駐車場ならハーフドアを全開できる設計

(発表資料より)

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プロパイロットの操作インターフェイス7インチディスプレイを増設し、見やすくした

(発表資料より)

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 一方、記者発表会に続いて開催されたトークセッションには俳優の山本耕史さん、タレントで振付師のパパイヤ鈴木さんが登場。パパイヤ鈴木さんは、実際に高速道路でプロパイロットに試乗した感想について、「手は添えているけど、ハンドルが動くのがわかります」と語った。

トークセッションに呼ばれた山本耕史さん。「家族、友人らと釣りやバーベキューにいきます」

[画像のクリックで拡大表示] セレナ山本耕史

 

ゲストによるフォトセッション

[画像のクリックで拡大表示] レナトークセッション

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/082402449/?cx&rt=nocnt

 

日産はこの「プロパイロット」なるものを昨年の初めから、盛んに宣伝していた。そのプロパイロットなるものはどんなものであろうか。その紹介文からそれを探ってみよう。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(37)

しかもその自動運転のコンセプトモデルは、今年の2017.1月のデトロイトモーターショーで、紹介されている。「Vmotion2.0」がそれである。しかも4/19の上海モーターショーでも、それが展示されている。「ブロパイロット2.0」が搭載されている筈だ、「レベル3」の自動運転車だと言う。

 

 

日産が「レベル3」の自動運転車を公開!【上海モーターショー2017

2017/04/01 08:03 by Avanti Yasunori

1月のデトロイトモーターショーで、セダンスタイルの自動運転コンセプトモデルVmotion2.0」をワールドプレミアした日産自動車(以下日産)。 日産Nissan_Vmotion2.0_01-20170331170458

Vmotion 2.0」は同ショーで「2017 アイズ・オン・デザイン ベストコンセプトカー賞」における「ベストイノベイティブユース オブ カラー グラフィック アンド マテリアル賞」を受賞、同社の今後のセダンにおけるデザインの方向性を示すコンセプトカーです。

自動運転技術「日産インテリジェント・ドライビング 」を搭載し、2020年にSAE(米自動車技術会)が定める「レベル3」(緊急時のみ運転者が操作)の実用化を目指しています。


日産Nissan_Vmotion2.0_02-20170331170501

Aピラーから後部まで滑らかに流れるようなラインを持つフローティングルーフを特徴としており、ホイールベースを長くすることで広々としたキャビンを実現する一方、日産デザインの新しい形状表現である「エモーショナル・ジオメトリー」を採用することで、独特な外観を作り上げています。

 

リヤも高級感と力強さを強調したデザインとなっており、ブーメラン型のテールランプにより、同車の幅広さを強調。 日産Nissan_Vmotion2.0_04-20170331170507

センターコンソールには、インフォテイメントシステムを操作するための多機能タッチパッドを搭載。


日産Nissan_Vmotion2.0_05-20170331170510

車両のスリーサイズは全長4,860mm、全幅1,890mm、全高1,380mmホイールベース2,850mmと、米・中国向けの「マキシマ」に近いサイズとなっています。


日産Nissan_Vmotion2.0_03-20170331170503

日産によると、419日に開幕する「上海モーターショー」において、「Vmotion 2.0」に加え、人気のピックアップトラック市場に対応する「ナバラ」を出展するそうです。

さらに19日のプレスカンファレンスでは、もう1台の新型車を披露するとしており、欧米市場に加え、中国市場での販売拡大に力を入れる日産の取組みが注目されます。

Avanti Yasunori・画像:NISSAN

http://clicccar.com/2017/04/01/459163/2/

 

 

 

これを見ると、日産のデザインセンスも相当向上しているように見受けられる。やっと巷のデザインの上を行くものになったように感ずるものである。

 

但しこの「ノート」のデザインはお世辞にもよい、と小生には思われない。何と言っても、この「ノート」、ホンダのFITベンツのA(B)クラストヨタプリウススタイルのいいとこ取りをしたような形に見えてしまう。フロントがFIT、サイドがAクラスベンツ、トップがプリウス、と言った塩梅だ。まあ空気抵抗を減らすためには、旧プリウスに似てしまうのは仕方がないのであるが。

 

それに細かいことを言うと、リアのサイドのガラスが右上がりにカットされているのは、小生には誠にダサいと見えてしまう。反対に右下がりにカットされていた方が、スタイルはすっきりするのではないのかな。

 

更には、Vモーショングリルとか呼んでいるが、少しもVには見えない。逆台形、強いて言うのならU字形ではないのかな。Vモーションなどと言う物は、なんとなくこじつけたもののようにも感じてしまうのであるが。

 

それからもう一言。日産のテレビコマーシャルによくミュージシャンの矢沢永吉なるダサい人物が出てくるが、小生には、あの矢沢永吉の顔と日産のクルマのイメージがどうしてもしっくりと合うようには思えないのであるが、どんなもんでしょうか。どうしても胡散臭い田舎の爺さんのように感じてしまう。もっと洗練されて垢ぬけた人物がいなかったのかねえ。あの風体で「やったね日産」と言われても、何の洗練さも感じられないのだが。反対に「ドンくささ」を感じてしまうのであるが、皆さんはどう思われますか。

 

まあ何はさておき、次期型「リーフ」がどんな形で出てくるか、楽しみである。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(36)

日産・リーフのJC08モードでの航続距離は280kmであるが、今年2017年(末)投入の次期型リーフでは、350km~400kmに伸ばすと推定されている。まあこのくらいNO(ノー)充電で走れれば、先ずは御の字であろう。相当実用的なEVとなる。そして更には、

 

2020には、それを550kmまで伸ばすと見られている。この担当者はすでに開発済みと言っているが、すぐには発売できない事情があるのではないのかな。まずバッテリーは新開発されたものであるから、その耐久性や品質保証上の問題などまだ解決すべき問題が山積しているのではないのかな。それが2020年には解決されると、否解決しないといけれないとしているのであろう。何せバッテリーは厄介である。

 

 

20175月号 Automotive Report

エコカーの本命は「なぜPHEVか」
日産、エンジン並EV20年頃投入

  • 清水直茂

  • 2017/04/10 00:00

 

エコカーの本命は「なぜPHEVか」
日産、エンジン並EV20年頃投入

出典:日経Automotive20175月号、pp.14-16(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 日産自動車は、1回の充電あたりの航続距離が550km前後に達する電気自動車(EV2020年までに投入する検討に入った(図1)。「エコカーの本命」として、プラグインハイブリッド車PHEV)を推すトヨタ自動車。日産はEVの航続距離をエンジン車並みに延ばすことで、トヨタと真っ向勝負する。

1 日産はEVの航続距離をエンジン車並みに延ばす

a)リーフの航続距離。2010年の発売から少しずつ延ばしてきた。2020年までに550km前後に達しそうだ。2017年以降は本誌の推定値。(b2015年に発表したEVコンセプト車「IDS。電池容量は60kWhで、航続距離は550km程度に達する想定。

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 「十分な航続距離のEVができたときに、なぜPHEVがいるのか」──。

 日産で電動化技術の戦略をまとめる矢島和男氏EVHEV技術開発本部アライアンスグローバルダイレクター)は、トヨタへの対抗意識を口にする(図2)。PHEVは、日常の移動ではEV走行を主に据えて、長い距離を走るときにエンジンを併用するもの。EVの航続距離が延びて長距離走行時に充電する必要がなければ、充電用エンジンを搭載するPHEVの存在価値は低くなる。

2 エコカーの本命はEV

日産で電動化技術の戦略をまとめるキーパーソンが矢島和男氏(EVHEV技術開発本部アライアンスグローバルダイレクター)。同氏はPHEVではなくEVが優位とする考えを淡々と語る。

 PHEVに疑問を呈する日産の根拠が、EVの最大の課題である航続距離の問題を今後23年でほとんど解決できるとみていることだ。

 2017に投入する見込みの次期EV「リーフ」で、航続距離を現行の280kmJC08モード)から延ばして、350k400km(同)にするとみられる。価格は、補助金を引いた実質価格である約360万円を維持したい考えだ。

 2020までに、550km前後に達するEVの投入を検討する。現段階で、「現行リーフと同じ外形寸法で、荷室容量を維持したまま550km走れる試作車を開発済み」(矢島氏)だ。エネルギー密度を高めた新しい電池セルを使うことに加えて、電池パックに搭載するセルの充填密度を高めて実現する。

 

http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/mag/15/397260/040300156/

 

 

まあトヨタが「プリウスPHV」を2017.2.15に発売しているから、しかもEVとして68.2kmも走ると言うから、ある意味気が気ではないのでしょう。

 

しかもテスラの「モデル3」が今年中には発売されると言うし、その対抗上新型リーフの550kmをぶつけなければならない、と考えているとしても何にもおかしくない。

 

しかも自動運転機能を付けての販売となろう。

 

即ち、2018年には高速道路での複数レーンでの自動運転を可能とするとしているので、次期リーフの投入は2017年末ではなくて2018年のいつかになるのかも知れない。まあZEVはあまり関係はないが、2018年にはずれこまないであろうが、自動運転航続距離の延長350km~400kmの二つが同時に達成されれば、鬼に金棒と言ったところだ。これで一気にトヨタを引き離したい、と思っている筈だ。

 

ハイブリッドでは、既に「ノートe-POWER」がプリウスを凌駕しているから、次はEVでもトヨタを引き離したいと思っている筈だ。トヨタ2020年にはEVを投入すると言っているから、きっとそれに「新型リーフを当てたいのであろう。まあ、当然のことではあるが、自動運転2020年の550kmとくれば、トヨタも相当の脅威を感ずるであろう。

 

日産が新型「リーフ」の9月デビューを急遽発表!その理由と採用される新技術は?

2017/03/23 08:03 by Avanti Yasunori

日産自動車(以下日産)は一昨年、知能化により快適性と安全性を高めた自動運転を「日産インテリジェント ドライビング」と命名、それをPRするコンセプトカー「IDSコンセプト」を東京モーターショー15に出展しました。

2020年までに高速道路と市街地を走行できる自動運転車を商品化するとしており、数々の技術について、順次新型車に投入して行く考えを明らかにしています。

 

 

同社のロードマップによれば、昨夏新型セレナに搭載した単一レーン自動運転技術「パイロットドライブ1.0」に続き、来年には高速道路において複数レーンでの車線変更を自動で行いながら目的地まで向かう、自動運転技術「パイロットドライブ2.0」を商品化するとしています。

さらに2020には交差点を含む市街地での自動運転が可能な車両の商品化を計画しており、来年導入予定の「パイロットドライブ2.0」搭載モデルが次期「リーフ」と予想されています。

そうしたなか、日産の北米法人が39日、EVに関する公式ツイッターで、新型リーフを今年9月にワールドプレミアし、年内に発売すると発表しました(写真はジュネーブモーターショー15に出展された日産「Sway)。 日産

同社が新型「リーフ」の発表を半年前から告知するのは、米テスラが量販EVモデル3の受注を開始、今年後半のデリバリーを予定していることや、米カリフォルニア州ZEV(ゼロ・エミッション・ヴィークル)法が改正され、2018年モデル(今夏以降の新車)に対するZEV基準が厳しくなるため、各メーカーが電動車販売拡大に向け、新型EVPHVを相次いで投入することが背景にあるようです。   ↓これはテスラのモデル3です。

情報によると、次期「リーフ」には「IDSコンセプト」のデザイン要素が織り込まれるようで、現行「リーフ」の車体前後形状をアレンジして新型風に仕立てた覆面車両が走行する様子も既にスクープされているようです。

フランクフルト・モーターショー17でのデビューが注目される次期「リーフ」ですが、次世代の「プロパイロット」機能の詳細も含め、続報が待たれます。

Avanti Yasunori・画像:NISSANTESLA

http://clicccar.com/2017/03/23/456459/2/

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(35)

トヨタに必要なのは「プリウスからの卒業」

「燃やさない文明」のビジネス戦略

時代は電気自動車―「ノートe-POWER」に見る「新しい形」

20161221日(水)

村沢 義久

 日産自動車の「ノート」が、201611月の車名別新車販売台数で初めて首位に立った。11月の販売台数1万5784。前年同月比2.4倍というからまさに大躍進だ。日産車が月間販売で首位となるのは「サニー」以来30年ぶりらしい。

躍進の原動力「e-POWER

201611月の車名別新車販売台数で首位に立った日産ノート

 「ノート」躍進の原動力は11月2日に発売した新型ハイブリッド車ノート e-POWER」。発売3週間後の1123日時点での「ノート」全体の受注台数2348台(月間販売目標の約2倍)の内、実に78%が「e-POWER」車であった。一方、10月に首位だったトヨタ自動車プリウス」は3位に後退している(軽自動車を含む順位)。

 e-POWER」の躍進と「プリウス」の後退。まさに、これからの自動車産業の方向を示す事件だ。それは、一方が未来に繋がり、もう一方は今後の進化に限界があるからだ。

 ハイブリッド(HV)車には、大きく分けて「パラレル」、「シリーズ」の2方式がある。「パラレル」方式では、ガソリンエンジンと電気モーターが同時に並列して車輪を駆動する。対する「シリーズ」では、車輪を駆動するのはモーターだけであり、エンジンは発電して電気をモーターに供給するだけだ。だから、走行性能的には純粋電気自動車(EV)とほとんど変わりがない。

 「プリウス」は、通常走行ではエンジンだけで走り、馬力の必要な時にはエンジンとモーターの両方を使う。発進時などにモーターだけで数km走れるので「シリーズ」的な面も持っているが、基本的にはパラレルタイプ。モーターは脇役で、走りも音もガソリン車そのものだ。

 対する「ノート e-POWER」は「シリーズ」方式。筆者が「究極のエコカー」と考える純粋EVに近いのはシリーズ方式、すなわち「e-POWER」の方だ。だから、同じHVでも進化の余地が大きく未来に繋がるものだ。

 通常の発進は、エンジンを停止したままバッテリーからの電力のみで行う。ただし、バッテリー容量は1.5kWhしかないので、バッテリーのみで走れる距離は最大でも10km程度。それ以上の走行のためにはエンジンをかけて発電する必要がある。

 エンジンはアクセル操作とは関係なく、バッテリー残量や車速に応じて最適な回転数に維持される。これがシリーズ方式の燃費の良い一つの理由だ。減速時には回生ブレーキにより発電した電力をバッテリーに充電するが、この点はパラレル型と同じ。

HVエコカーにあらず?!

 トヨタの看板である「プリウス」に危機が迫っている。11月の販売台数で「ノート」に負けたというだけではない。

 問題は、世界各国での規制の強化。米国カリフォルニア州では、各メーカーはそれぞれ一定比率以上の「エコカー」を売らなければならないというゼロエミッション(ZEV)規制があるが、その内容が強化され「2018年モデル」(2017年秋以降発売)からは、HVは「エコカー」とは認められなくなる

 世界最大の自動車市場である中国でも当局が手厚い補助金EVの普及を後押しするが、対象はEVPHVでありHVは対象外。ヨーロッパでも同様の動きがある。

 1997年に国内販売が始まった「プリウス」は20119月には国内累計販売台数が100万台を突破。また、2016年上期(16月)の車名別新車販売台数(軽自動車を含む)で、前年同期比ほぼ倍増の142562台で首位となっている。

 2000年からは、北米やヨーロッパなどでも販売を開始。現在では日本、北米を中心に世界で約70の国・地域で販売され、全世界での累計販売台数は、20164月末で約437万台に達している。

 その「プリウス」が世界の主要市場でエコカー」と認められなくなる。危機感を募らせるトヨタは当面「プリウス」のプラグイン化で対応しようとしているようだ。すなわち、「プリウスPHV」の推進である。

トヨタが期待を寄せるプリウスPHV。今冬の発売予定だ

 最初の「プリウスPHV」は3代目「プリウス」後期型をベースとして、2009に登場した。今冬に4代目「プリウス」ベースの2代目「プリウスPHV」が登場するという。

 トヨタ幹部の期待は大きいようだが、筆者は、トヨタの戦略世界の趨勢とずれていると感じる。ガソリン車→HV→PHV→純粋EVは確かに一つの流れであるから、HVPHV化自体には意味がある。

 ただし、この流れに乗り易いのはシリーズ型。詳しくは後で触れるが、シリーズPHVである「Volt」は初代のEVレンジは56kmだったが、2代目ではバッテリーを大きくすることにより85kmに延長している。今後さらにバッテリーを大型化し、エンジンを外せばそのままEVになる。「ノート e-POWER」の場合はその前にプラグイン化が必要だが、「ノート e-POWER」→「ノートPHV」→「ノートEVという進化は可能で、方向的には間違っていない。

 一方、パラレル型である「プリウス」の場合はそう簡単ではない。バッテリー容量を大きくすることは可能で、実際、EV走行(バッテリーのみによる走行)の航続距離は第1世代の26.4kmから第2世代では60km以上に伸ばしている。

 しかし、エンジンとモーターの両方で最大出力を発揮する構造のパラレル方式では、モーターだけで走るEV走行時には出力が半減してしまうという大きな弱点がある。さらに、「プリウスPHV」を「プリウスEV」に進化させようとすると、エンジンを外すと同時にプリウス」が誇る複雑で精巧な機構をほとんど捨てることになってしまう。

 「プリウス」は素晴らしい車だが、人類の進化におけるネアンデルタール人のように、現生人類(純粋EV)につながらない存在と感じる。今トヨタに必要なことは「プリウス』からの卒業」である(「プリウスPHV」については、本稿201235日号「EVとしては中途半端な『プリウスPHV- 主役は低コストな改造PHVか?」でもコメントした)。

一歩先を行くレンジエクステンダーEV

 同じPHVでも有望なのは「シリーズ方式」だと先で述べたが、その代表がGMの「シボレーVolt。米国市場では、テスラ「モデルS」に続いて「EVPHV部門」売り上げで第2位と健闘している。エンジンは基本的に発電のためだけに使われ、車輪はモーターだけで駆動する。この点では「ノート e-POWER」と同じだ。

 大きな違いは、Volt」が外から充電できること。短距離なら充電した電気だけで走り(第2世代車は最大85km)、電気を使い切った後にはエンジンで発電しながら走行距離を伸ばせる(同680kmまで)。そのため、「レンジエクステンダー」(航続距離延長型)EVと呼ばれることもある。

「シボレーVolt」は「ノート e-POWER」の一歩先を行く。EV走行距離は85kmに達する

出所: 筆者撮影(デトロイトGM Worldにて)

 前述のように、シリーズ方式の「ノート e-POWER」はパラレル方式の「プリウス」よりは純粋EVに近いが、「Volt」には及ばない。また、今のままでは「プリウス」同様、世界の主要市場では「エコカー」とは認められない。

 日産のコマーシャルでは「どこまでも走れる電気自動車(の新しい形)」と称しているが表現は少し誇大だ。「ノート e-POWER」を「EV」と位置付けるなら、もう少しバッテリー容量を大きくし、外部からの充電を可能にする必要がある。

トヨタEVに本格参入:ようやく重い腰を…

 近いうちにエコカーでなくなってしまう「プリウス」。進化させてもPHV止まりでそのままEVに変身することはできない。だから、トヨタにとっては、本格的なEV開発が必要だ。

 そのトヨタ今年112020年までにEVの量産体制を整え、本格参入する方向で検討に入ったと発表した。これまで、「EVに冷淡」と見られてきたトヨタにとっては大きな方針転換だ。実際、昨年発表した2050年までの環境目標「チャレンジ1新車CO2ゼロチャレンジ)」においても、HVFCV(水素電池自動車)については意欲的な販売目標を掲げる一方、EVについては「航続距離や充電時間に課題があり、近距離の移動に向いている」と控えめな表現にとどまっている。

 本格参入では大きく出遅れたトヨタだが、EVへの取り組みには長い歴史がある。トヨタによる量産EV1号はRAV4 EV」(の第一世代車で、1997に日本とカリフォルニア州でデビューし、2003年まで販売された。投入目的は、同州のZEV規制に対応するためだった。非常に人気が高かったのだが、2003年に唐突に生産中止になってしまった。

 それから9年のブランクを経て、2012にはテスラモーターズと共同開発した第二世代SUVRAV4 EVを米国で販売した。車体はトヨタだが、心臓部であるモーターとバッテリーはテスラ提供。筆者は理想的なコンビと考え、大いに期待したのだが売り上げは伸びず、既に生産を終了した。トヨタは自前のEV開発で、どこまで本気度を示せるだろうか。

テスラとBYD

 EV時代の牽引役は間違いなくアメリカのテスラだ。20168月、新型の「モデルSを発売した。新しい100kWhバッテリーパック(P100D)を装備し、航続距離は613kmNEDC基準)に達する。市販の電気自動車としては初の航続距離600km超を達成。東京-大阪間を充電なしで走行できる実力を持つ。

 テスラの一番新しい車である「Model 3」は航続距離・走行性能と価格をバランスさせた車だ。車両本体価格は35000ドル(約390万円)とテスラ車の中では最も低価格だ。一回の充電で走れる距離は345km(予定)。日本でも予約受付は始まっているが、生産開始は来年から2017年後半から)

 筆者がテスラと並んで期待するのが中国のBYD。世界最大の自動車市場である中国はEV市場としても世界一であり、2015年のEV販売台数合計(PHVを含む)は20万台(日本の7倍以上)に上った。その中国市場で異彩を放つのがBYD。同社初のEVとして話題になった「e6」は深圳や西安でタクシーとして活躍している。

 中国で一番売れているのは、同じBYDの「」と「」の「王朝シリーズ」。20151年間の販売台数では「秦」が約32000台でトップだったが、20165月の月間販売台数では「唐」が3249台でトップ、秦が2912台で2位だ。

 最近では、e6」「唐」「秦」などを合わせると、BYDEV生産台数はテスラ、日産を抜いて販売台数世界一になっているようだ。中国のEVパワーは凄まじい。

深圳郊外の高速道路を走るBYD「唐」 。中国のベストセラーEVだ。

出所:筆者撮影

 いくつかの調査機関によると、2015年のEVの世界販売台数は30万台程度で新車販売全体に占める割合は0.5%未満だった。しかし、2030年には8%に達するとの予測もある。中期的にはHVPHVEVが併存すると思われるが、長期的には純粋EVだけの世界になる

このコラムについて

「燃やさない文明」のビジネス戦略

 いま、大きな変革の節目を迎えようとしている。時代を突き動かしているのは、ひとつは言うまでもなく地球環境問題である。人口の増大や途上国の成長が必然だとしたら、いかに地球規模の安定を確保するかは世界共通の問題意識となった。そしてもう一つは、グローバル化する世界経済、情報が瞬時に駆け巡るフラット化した世界である。これは地球環境という世界共通の問題を巡って、世界が協調する基盤を広げるとともに、技術開発やルールづくりでは熾烈な競争を促す側面もある。

 筆者は「燃やさない文明」を提唱し、20世紀型の石油文明からの転換を訴える。このコラムではそのための歩みを企業や国、社会の変化やとるべき戦略として綴ってもらう。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/225434/121900014/?P=4

 

 

さてその電気自動車と言えば、「日産・リーフ」の次のモデルがどうなるか、ということの方が大事であろう。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(34)

そしてもう一つ。それは4代目プリウスの販売不振、と言うほどでもないが、2万台割れだ。

 

 

4代目プリウスは、なぜ早々に首位陥落したか

ハイブリッド車絶対王者ではなくなった

前之橋 三郎 :自動車業界ウォッチャー

20161220

 

登録車販売でプリウスが首位から陥落したのはなぜなのか(撮影:尾形文繁)

日本自動車販売協会連合会が発表した11月の新車乗用車販売台数ランキング(軽自動車除く)で、日産自動車のコンパクトカー「ノート」15784台を販売し初の1位を獲得した。13333台で次点だったトヨタ自動車の「プリウス」を抑えた

4代目プリウスが首位から陥落

日産が国内の登録車販売で月間トップを獲得したのは「サニー」以来、30年ぶり。このニュースは自動車業界内外に大きな驚きを与えたが、逆の「サプライズ」も見落としてはならない。昨年末に全面改良(フルモデルチェンジ)し、今年に入ってから単月トップを守り続けていた4代目プリウスが早々に首位から陥落したことだ。

もはや説明の必要がないかもしれないが、プリウスは車を運転する人はもちろん、そうではない多くの日本人の間でも名前が知られているハイブリッド車の代名詞的存在だ。エンジンとモーターを併用して走る世界初の量産ハイブリッド車としてトヨタ1997年に初代を世に送り出し、現行4代目はカタログ値ながら最高40kmL(ガソリン1リットル当たりの走行距離、JC08モード、以下同じ)という高い燃費性能と斬新な内外装デザイン、安全技術をはじめとする先進的な装備の数々などを引っさげて2015年末に登場した。

エネルギー環境への意識が高まる中、近年のプリウスは同じくハイブリッド専用のコンパクトカー「アクア」と並び、トヨタの国内販売の主軸。高級車ブランド「レクサス」を除くトヨタの国内販売4系列(トヨタ店、カローラ店、ネッツ店、トヨペット店)のすべてが取り扱っている。圧倒的な強さを誇るトヨタの国内乗用車販売の総力を結集して売っている、と言ってもいいほどの看板車種だ。


販売苦戦といっても1万台以上は統計上は販売しているのだが、その中身も気になるところだ

先代の3代目プリウスは商品の魅力に加えて、強力な販売網を武器に20095月のデビューから201012月まで20カ月連続で、乗用車車名別販売ランキングの首位に立ち続けた。一方、4代目プリウスその半分の期間となる10カ月しかトップを守れなかった。もちろん月販1万台超はまぎれもない大ヒット車ながら、新車効果がまだ一巡していない中で意外な展開でもある。いったいなぜなのか。

日産が行ったマイナーチェンジが影響している

まず、日産が112にマイナーチェンジ(一部改良)したノートが大きく台数を伸ばしたことが挙げられる。

東洋経済オンラインが森口将之氏執筆による「日産『ノート』が急にバカ売れし始めた理由」1214日配信http://toyokeizai.net/articles/-/149276?page=1)で詳しく解説しているが、ノートは発電用のエンジンを搭載し、モーターの電力で走行する新開発のパワーユニット「e-POWER」を導入した。これはシリーズ式と呼ばれるハイブリッド車の一種でもあり、その特性を生かした出足と燃費の良さに加え、コンパクトカーセグメントにハイブリッド車をラインナップしてこなかった日産の空白を埋める存在として、日産ファンへの訴求になっている。

ただ、「2015年度で月販平均約8000台のクルマが、改良発売した月に15000台へ登録が増えた理由を、ユーザーへの販売が好調だったということだけで説明してもいけない。別の仕掛けもあったはずだ」という業界関係者の見方もある。それは日産がレンタカーや販売店の試乗車向けにも少なくない数の新型ノートを一気に登録したとみられる動きだ。

筆者はある自動車販売業者から、「11月の統計結果が出たころに札幌ナンバーのノートのレンタカーが首都圏某所の中古車販売店のストックヤードに結構な台数が置いてあったのを目撃した」という情報を聞いている。全国の日産系新車販売ディーラーの店舗数は約2100拠点。これらの大部分の拠点で試乗車1台ずつでも自社登録すれば、結構な数にはなる。レンタカーも試乗車もどの程度の規模で登録されたのかは定かではないが、ノートの初速を上げる材料にはなっているだろう。

一方で、そもそも4代目プリウスの販売が失速気味になっていたという面がある。4代目プリウス20161月から9月の間で月販台数が2万台を割り込んだのは2月と8月だけ。2月は1.9万台なのでほぼ2万台といってもいいだろう。ところが、10月と11月は一気に1.5万台を割り込んだ。11月の販売台数は前年同月比で2.2倍を売ったが、現行プリウスの正式発表は201512月。201511月はモデルチェンジ直前で在庫もほぼなかった状況だったので、当然と言えば当然の結果で好調さを裏付けるものではない。


とあるトヨタ系ディーラーでプリウスの売れ行きを聞いた。

「極端に販売不振という印象はないですが、ただ30系(3代目)ほどの勢いがないのは確かです」。ベテランクラスの営業マンA氏はこう話した。4代目プリウスは正式発表時点の事前受注が6万台を突破。納車は34カ月待ちの状況だった。ただ、3代目プリウスの事前受注7.5万台には及んでいなかった。

気になるのは「4代目プリウスはエクステリアデザインの評判があまり芳しくない」(自動車販売業者)という評価だ。4代目プリウスのデザインはかなり先進的に見える一方、好き嫌いの好みが分かれるという見方もあった。

ハイブリッド車のニーズが分散化している

トヨタ内でもハイブリッドモデルのラインナップが増えており、需要が分散化しているのも影響していそうだ

ハイブリッド車のニーズがプリウスに集中しなくなったことだ。いまや「カローラ」「シエンタ」「ノアヴォクシー」などなど、トヨタ車の多くがハイブリッド仕様をラインナップしている。ダウンサイジングの流れもあり、ハイブリッド専用コンパクトカーのアクアに、かつては3代目プリウスを購入していた層が一部流れているという面もある。

1214日に国内で発売されたトヨタ新型コンパクトSUVC-HRHV仕様をラインナップ。プリウスと共通の基本骨格(プラットフォーム)を採用しており、世界的なSUV人気を受けて、事前受注は29000台に達した。この中にもプリウスと比較検討して買っているユーザーもいるだろう。

前出のA氏に納期を聞いてみると、ニッケル水素電池を採用するS系、リチウムイオン電池を採用するEA系どちらでも早ければ1カ月ほどで納車可能とのことなので、トヨタ車のなかでは「即納レベル」となっている。これまで納期遅延となっていたリチウムイオン電池搭載モデルのバックオーダーが解消されたことも販売台数落ち込みの要因となっているようだ。

4代目プリウスはレンタカーなどのフリートセールスも積極化しているようで、トヨタ系レンタカー会社以外のレンタカー専業店でも多く見かけるようになった。またインターネットの中古車検索サイトで見ても、未登録状態で中古車専業店へ委託販売している車両や走行距離がわずかの未使用中古車などが目立っており、前述した新車の納期が早いことからも、4代目プリウスは市場においてダブつき気味になりつつあるともいえる。


日本以外の有望市場である北米でもプリウスは苦戦している。ガソリンの安値傾向が続き、燃費のいい小排気量コンパクトカーやハイブリッドなどの次世代環境車などが軒並み販売苦戦しているなかでは知名度も抜群で健闘しているが、デザインの不評は北米でも指摘されている。


写真はロサンゼルス近郊のフリーウェイ近くのビルボード9月末のクリアランスセール時期のもので、その対象にはプリウスも含まれていた

南カリフォルニア在住の事情通によると、「米国では環境面というよりは、燃料代負担の軽減ということでハイブリッド車は注目されます。

同クラスガソリン車に比べ価格が高めとなるプリウス1ガロン(約4リットル)のガソリン価格が4ドルを超えないとなかなか買ってくれません」とのことであった。

販売台数が決して悪いものではないが……

国内販売に話を戻せば、プリウス2016暦年での登録車販売ランキングでトップがほぼ確実となっているので、11月は無理なフリート販売を避けたとの見方はできる。日本国内については、軽自動車でもないかぎり毎月のように2万台を販売すること自体が異常な状況であって、10月や11月の販売台数が決して悪いものではないが、それまでの2万台以上売っていたペースからの落ち込み方は尋常ではないので、いろいろと心配が募ってしまう

年明け早々にデビュー予定のプリウスPHVは話題作りの材料としては有効なのであろうが、販売台数の上積みについては未知数だ。それでも年明けから始まる年度末商戦では、プリウスは法人向け販売で強みも持っているので、2月や3月あたりは再び2万台近辺の販売台数を記録し、2016事業年度でも年間販売台数トップの座を獲る可能性は高いが、その先はわからない。プリウスは唯一無二なHV絶対王者ではなくなっている。

http://toyokeizai.net/articles/-/150334?page=4

 

 

ここにも指摘されているように、ハイブリッド車絶対王者ではなくなった、ということではないのかな。トヨタも早く電気自動車EVを世に出さないと、衰退してゆくことになりはしないか、心配した方がよいのではないのかな。トヨタは「プリウスから卒業」した方がよい、と言う論考もある。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(33)

日産新型ノート、「充電不要EV」がウケた理由

新駆動方式「e-POWER」をセレナにも搭載へ

木皮 透庸 :東洋経済 記者

2017315

 

エンジンで発電し、モーターで走る「ノートe-POWER」。発売後4カ月が経っても、人気を保っている(撮影:尾形文繁) ノート

ガソリンエンジンはあくまで”発電機”、車を動かすのはモーター。201611月、日産自動車のコンパクトカー「ノート」に新たに加わった駆動方式「e-POWER」はそんな仕組みだ。分類上はハイブリッド車HV)だが、すべての車速域をモーターで駆動する新方式である。

このe-POWERの販売が好調だ。ノートの月間販売目標は1万台だが、e-POWERを発売した201611月の月間販売台数は15784で、軽自動車を含む国内全モデルの中で首位に躍り出た。日産車としては19869月の「サニー」以来実に30年ぶりとなる「歴史的快挙」(日産マーケティング担当者)を達成した。

e-POWERが目標を超える売れ行き

e-POWERの仕組みは電気自動車ともハイブリッド車とも異なる(201611月の発表会にて、撮影:尾形文繁) ノート

その後もe-POWER人気は続いている。20172月まで4カ月連続で1万台の目標を大きく上回った。2月の販売台数も登録車で2位となる14859台となり、前年同月比で5割増を記録。内外装は2012年に発売した旧型モデルと変わっていないだけに、e-POWER効果の大きさを表している。

ノートには従来どおりガソリン車の設定もあるが、足元では購入客の7割がe-POWERを選択e-POWERの最量販モデルの燃費はガソリン1リットル当たり34キロメートルと、同グレードのガソリン車の23.4キロを大きく上回る。ただその分、価格も46万円ほど高い。それでも顧客から選ばれていることについて、日産日本マーケティング本部の南智佳雄チーフマーケティングマネージャーは、「e-POWERが持つ新しい価値を認めてもらえている」と満足げだ。

「新しい価値」には大きく分けて二つある。一つは加速のよさだ。通常のガソリン車はエンジン内でガソリンと空気を混合し爆発を起こしてピストンを回すため、アクセルを踏んでも動力を生み出すまでにはコンマ数秒ながらタイムラグがある。一方、モーターで車軸を動かすe-POWERではそのタイムラグはほぼなく、アクセルを踏んだ瞬間に車が動き出す。

モーターならではの加速のよさは、日産が電気自動車(EV)「リーフ」の開発で培ってきた技術により実現されている。実はe-POWERの開発は、リーフが2010年に登場する前の2006年から始まっていた。足掛け10年で市場へ投入した新技術の完成度に、日産は強い自信を持っている。

もう一つは、アクセルペダル一つで加減速を可能にしている点だ。e-POWERではアクセルペダルを離したときに強めに減速することができる。慣れればペダル一つで速度調整や停止が可能となり、ブレーキペダルへの踏み換え頻度が大幅に下がる。

これは減速時のエネルギーを回収して駆動用電池に充電する「回生協調技術」を応用したもので、エンジンブレーキよりも減速度合いは強い。日産の実験ではe-POWERを運転した場合、市街地走行でブレーキペダルに踏み換える回数が従来車より約7割減るという。

来店客の試乗を徹底的に促進

東京・目黒にある日産ディーラーでは、店先に試乗車がずらりと並べられていた(記者撮影)

ただこうした訴求点は、いずれも一度車に乗ってみなければわからない。日産は「”来店者の100%試乗”を目標として掲げた」(南チーフマーケティングマネージャー)と言うほど、e-POWERの試乗に力を入れる。

多くの販売店で、1店舗当たり2台の試乗車を用意した。車検や点検などで販売店を訪れた人には、乗っている車種にかかわらず積極的に試乗を提案している。

実際に試乗の効果も表れ始めている。東京日産自動車販売の「新車のひろば目黒店」では最近、3年前に旧型ノートを購入した顧客が早くもe-POWERへの乗りかえを決めた。その顧客は初回車検で店を訪れた際、待ち時間にe-POWERを試乗して加速感が気に入り、「車検代って戻ってこないよね?」と苦笑いしながら購入を即決したという。

テレビCMでは「どこまでも走れる電気自動車のまったく新しいカタチ」というキャッチコピーを打ち出し、航続距離に不安を覚えてEVとは距離を置いていた消費者の目も向けさせようと試みている。従来のノート購入者は他社ユーザーが2割だったが、e-POWERの発売後は3割にまで上がった。

前出の目黒の販売店でも、今年に入ってトヨタ自動車やホンダなど他社ユーザーの来店が増えており、販売員が試乗を促す前に、顧客から「e-POWERに乗りたい」と言い出すことも珍しくないという。この店における2月のノートの試乗回数は1営業日当たり14.1回で、前年同月から4割以上伸びた。

e-POWERはセールストークで引きつけやすく売りやすい」と同店の白井正明マネージャーは話す。高速道路での合流や追い越しでの加速がよいことや、下り坂や雪道ではフットブレーキを使う頻度が下がることなど、安全性や使い勝手を強調すると顧客の反応がよいという。

もちろん、試乗した人すべてが購入に動くわけではない。ただ「モーターで走る車はどんなふうに動くかということを知ってもらうだけでも、将来の日産の電動車購入につながる資産になる」(日産の南チーフマーケティングマネージャー)。

ミニバン「セレナ」もe-POWER搭載へ

日産は昨年8月に発売した新型ミニバン「セレナ」にもe-POWERを搭載するもようだ(撮影:尾形文繁) セレナ

足元の人気の波に乗るべく、日産はe-POWERの他車種への搭載も始めようとしている。同社と取引のある複数の自動車部品メーカーや日産系販売会社によると、売れ行きが好調なミニバン「セレナ」にもe-POWERを搭載し、2017年度中に発売する準備を進めているもようだ。

EVの世界リーダー」を自負する日産はこれまでに世界で約29万台のEVを販売してきた。主力車「リーフ」は発売から6年が経過。201511月には満充電時の航続距離を旧型の200キロから280キロへ引き上げる商品改良を行った。2016年の国内販売は約15000台と前年から約6割増えたものの、本格的な普及につながっているとはいいがたい。

この数年でEVを取り巻く環境は大きく変わった。米新興EVメーカーのテスラ35000ドル~の普及価格帯で、航続距離345キロの新型「モデル3の生産を2017年半ばにも開始する。初期の受注は37万台を超え、自動車業界に衝撃を与えたことは記憶に新しい。米ゼネラル・モーターズGM)は航続距離380キロのEVボルトを米国で発売。補助金を受けると約3万ドルで購入できる。航続距離の長いEVが手頃な価格で買える時代は少しずつ近づいている。

日産もリーフの刷新を含め、EVの開発を加速している。今後投入する新型EVに消費者を振り向かせることができるか、電動車への理解を深めてもらううえでも、ノートe-POWERが担う責任は大きい。

http://toyokeizai.net/articles/-/162411?page=3

 

 

まあ、このe-POWERの発電用エンジンの代わりに、燃料電池を載せればFCVとなる訳である。そうすればCO2が全く排出されない完全な環境対応車となる訳であるが、日産の燃料電池車については何やら開発方針が定まっていないようで、水素社会の到来に対しては困ったわけではないがこのことは後に触れよう。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(32)

◇     ◇

【記者の目】 心地よい運転 グレード設定に疑問

内装はシンプル。「ECO(エコ)」「S(スポーツ)」などのモード変更は、シフトノブ近くに配置されたスイッチで行う

内装はシンプル。「ECO(エコ)」「S(スポーツ)」などのモード変更は、シフトノブ近くに配置されたスイッチで行う

 「eパワー」は心地よく運転できる。日産がアピールポイントにあげる「自分の足を操っているかのような一体感」「運転が楽で楽しい」というのは掛け値ない。モーターだけで十分な加速力を発揮する。「S(スポーツ)」モードなどでは、ほとんどアクセルペダル操作だけで運転でき、「ECO(エコ)」モードでは燃費を良くするための運転を積極的に楽しめる。特殊な運転感覚だけでなく、普通のガソリン車と同様の運転感覚の「ノーマル」モードがあるのもうれしい。連続コーナーを調子に乗って飛ばすと、ボディー剛性や足回り性能がついてきていないのを痛感させられるが、約177万円から選べるコンパクト車としては上々の加速感だ。

 ただ、その最も安い177万円の「eパワーS」は内情を知れば、ほとんど誰も買わないグレードだ。車両重量を減らすことでモード燃費を良くして、入り口価格を下げることで注目度を高める戦略で、日産だけでなく、各社も同様なことを繰り返してきた産物だ。特に価格志向、燃費志向が強いコンパクト車、軽自動車では、よくみられる。「eパワーS」ではガソリンタンク容量は他の2グレードより6L少なくし、エアコン、後席のパワーウインドー、後席のボトルホルダー付きドアポケットは不採用、ガソリン車の最廉価グレードにも標準装備している自動ブレーキさえも外した。多くのオプション装備にも対応できない。諸元表や装備表をじっくり見ないとわかりにくいが、そもそもカタログ上でもホームページ上でも「eパワーS」の露出度は低い。ディーラーでも最初から推奨しないだろう。最量販グレードの「eパワーX」は何とか200万円割れにもってきたのだから、ここから勝負してほしかった。(広光貢一)

【製品の仕様】

 

対象商品

ベンチマーク商品

製品名/社名

ノート e-POWER(eパワー)/日産自動車

アクア/トヨタ自動車

価格

17722802244240

1761382210109円(Gs除く)

発売日

201611月2日

201412月8日一部改良

 

以下、「e-POWER X」(1959120円)

以下、「X-URBAN」(210109円)

大きさ

全長4100×全幅1695×全高1520mm

全長4030×全幅1695×全高1490mm

エンジン・排気量

直列3気筒DOHC1198cc(発電用)

直列4気筒DOHC1496cc

エンジン最高出力

58kW79PS/5400rpm(発電用)

54kW74PS/4800rpm

モーター最高出力

80kW109PS

45kW61PS

燃費(JC08モード)

34.0km/L

33.8km/L

ホイールベース

2600mm

2550mm

車両重量

1210kg

1090kg

最小回転半径

4.9m

5.4m

 「新製品 プロが解剖」では注目の新製品を選び、同業他社や、卸・小売店の担当者ら流通関係者、大学教授や評論家などの専門家に1品目について3~5人に評価を依頼しています。チャート図は、日経産業新聞の「解剖 ニューフェース」面でご覧いただけます。コンセプト、新規性、技術革新度、生活提案性、性能・品質、デザイン、環境・健康への配慮度、価格メリットといった12の項目をベンチマーク製品(競合製品)と比較して採点しています。

http://www.nikkei.com/article/DGXKZO10444180Y6A201C1X42000/

 

 

エンジン・ミッションの改良とかモーター、バッテリーの性能向上とか、ボデーの重量軽減とか基本的な部分の改良にもっと力を注ぐべきであろう。

 

だから表面的な操作のために、実燃費ではアクアに負けてしまっているのではないのかな。

 

だから日産はシリーズ式ハイブリッド車ではなくて、ノートBEVを出すべきだったではないのかな。

まあノートクラスになれば、それほど航続距離が伸びなくても電気自動車としての価値は、認めてもらえるのではないのかな。例えば、三菱のi-MiEVのように180km程度の航続距離でも、十分使い勝手は良い電気自動車として認められるのではないのかな。あのリーフでも最初は200kmしか走らなかったのであるから(200km→228km→280km)。

 

とは言うものの売れれば良い訳で、2017.3月の新車登録台数は「日産ノート」がぶっちぎりのトップに立っている。これは大したものだ。メーカーも販売店もシャカリキに尻を叩き、叩かれて、新車を売りまくったものと思われる。通常月の5割増しどころか、6割から7割増しの販売増となっている。もともと3月は決算月でもありよく売れる月ではあるが、政策的に押し込んだ部分も多々あったかもしれないが、それにしてもよく売ったものである。

 

その点トヨタよりも日産の方が、強烈であったようだ。プリウスは新車効果が無くなったこともあるかもしれないが、前年比マイナス3割近くなっているので、それほど押し付けはやらなかったのでないのかな。まあ押し売りをやってもこんなものだったとしたら、それこそこれは大問題であろう。

 

 

 

新車乗用車販売台数月別ランキング

 

3月

 

4~3月

順位

ブランド通称名

ブランド名

台数

前年比

 

順位

ブランド通称名

ブランド名

台数

前年比

ノート

日産

24,383

178.2

 

プリウス

トヨタ

225,066

144.3

プリウス

トヨタ

22,447

71.4

 

アクア

トヨタ

155,566

80.9

アクア

トヨタ

17,798

76.3

 

シエンタ

トヨタ

127,392

140.8

C-HR

トヨタ

16,816

(28-12)

 

ノート

日産

123,938

129.9

フリード

ホンダ

14,799

319.5

 

フィット

ホンダ

98,923

88.3

セレナ

日産

14,577

192.7

 

ヴォクシー

トヨタ

92,421

99.9

シエンタ

トヨタ

13,336

103.5

 

セレナ

日産

90,369

150.5

ヴィッツ

トヨタ

12,654

128.9

 

カローラ

トヨタ

81,391

75.1

フィット

ホンダ

11,629

74.8

 

ヴィッツ

トヨタ

78,634

105.5

10

ヴォクシー

トヨタ

10,831

100.6

 

10

フリード

ホンダ

75,384

201.1

http://www.jada.or.jp/contents/data/ranking.html

 

 

技術の日産」と言っていたのでトップ102車種しかないことは、寂しい限りではあるが、これほどまでに「日産ノート」が売れまくっていれば、電気自動車などと横やりを入れなくても問題はなかろう。ただこれからの売れ行き動向とかセレナへの搭載などがどうなるかは、注視する必要がある。

(続く)