続続・次世代エコカー・本命は?(100)

前章でも触れたように、2015.12.12に「パリ協定」が採択され2016.11.4にそれが発効している。

 

これで(アメリカのトランプは抜けてしまったが)全世界が、地球の温暖化を防ぐためには、地球の気温上昇を産業革命以前よりも2℃未満に抑えることをしなければならなくなった訳だ。さもないと地球は(大袈裟に言うと)焼け焦げてしまいかねないのだ。そのためには地球上のCO2排出を、2050年までには、ゼロにしなければならないのである。

 

COP21の議長国であったフランスローラン・ファビウス外相が、汗水たらしてまとめ上げたこの「パリ協定」を、実のあるものにしてゆかなければならないという自負が、フランスにはある。

 

従ってオランドから代わったフランス大統領のマクロンは、アメリカのトランプに対しても、地球温暖化対策では完全な主導権をとってCO2削減の進めてゆく必要があると考えている。アメリカのトランプに対しても、己の発言(パリ協定からの離脱)が間違っていたと言う事を、思い知らせる必要があると考えていたに違いない。

 

そんな時(2017.7.7~8)に、ドイツ・ハンブルグで「主要20か国・地域(G20)首脳会議」が開かれた。当然アメリカのトランプも出席する。このG20では、自由貿易気候変動が主要議題(それに北朝鮮問題)となることは、当然の成り行きであった。

 

幸いにしてこの会議では、米国が離脱を決めた地球温暖化対策「パリ協定」履行では、アメリカを除く19か国・地域がまとまることが出来、アメリカなしでも行動が出来ることを示したものと見られている。

 

マクロン大統領は、ここぞとばかりに、「パリ協定」離脱を表明したアメリカのトランプに、気候問題を当て付ける必要があると考えたのではないのかな。

 

まあそれだけでもないのかも知れないがG20開催日前日に、フランスとしての二酸化炭素(CO2)排出削減の計画を発表したのだった。その柱の一つが、2040年までガソリン車とディーゼル車などの走行時にCO2を排出する車の販売禁止すると言うものである。

 

フランスには、ルノー電気自動車「ゾエZoeと言うものがあるが、それほどは売れていないと言う。

 

2012年発売開始したZOEは、当初160kmしか走らなかったものだが210km240kmと伸ばして、2016.4月には累計生産台数が5万台に達したと言う。2016.9月のパリモーターショーで発表された最新型は約400km近くは走ると言う。しかし実際には300kmも走れば御の字のようで、同種のバッテリーが次期日産リーフにも搭載されるのではないかと噂されている。日産はバッテリー会社を中国に売っ払うつもりなので、さもありなんと頷ける。

 

GetNavi クルマ&乗り物

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ルノーの新型EV「ゾエ」の航続距離が400kmへ! 日産リーフはどうなる?

2016/10/17 22:13

実際の走行でも300kmは航続

ルノーが欧州市場においてコンパクトEVの「ZOE(ゾエ)」をマイナーチェンジ、発売した。最大の特徴は、大容量バッテリー「ZE40」の搭載により、航続距離が400kmNEDCモード=新欧州ドライビングサイクルモード)にまで延びたことだ。

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ルノーによれば、実際の走行では300km程度になるというが、それでも現行型の日産リーフよりは航続距離が長くなりそうで、リーフが改良したあかつきには、同種のバッテリーの搭載が期待される。   ルノーゾエ

なお新型ゾエの標準グレードは「インテンス」で、16インチアルミホイールや電動格納式ドアミラーを装備。また、新型を機に登場した限定車「エディション・ワン」は、レザーシートやBOSEサウンドシステムなどの上級装備をプラス。ボディカラーはイットリウムグレーとなる。

http://getnavi.jp/vehicles/77190/

 

 

ルノー2040年までにはあらゆる種類のEVを投入してくるのではないのかな。あらゆる種類と言うと大げさだが、中心はこの手のコンパクトカーが中心となり、公式用に使われるある程度の大きさの車も当然EVとなる訳で、バッテリーの開発にしゃかりきにならざるを得ないであろう。

(続く)

12)モビリティ革命の進展や如何に?

 

トヨタ2015.10.14に「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表している。

 

そこで「6つのチャレンジ」を表明して、2050年には新車や新工場でのCO2の排出を限りなくゼロにすることを約束している。

 

当ブログの2016.6.15NO.54を参照願いたいが、その6つを次に羅列してみる。

 

1. 新車CO2ゼロ2050年新車CO2排出量90%削減(2010年比)

 

2. Lifecycle CO2ゼロ

 

3. 2050工場CO2排出ゼロ(2010年比)

 

4. 水環境影響最小化、水使用量最小化 排水管理

 

5. 循環社会・システム構築、適正処理やリサイクル技術・同システム展開

 

6. 人と自然が共生する未来、自然保全活動のグル ープから世界へ展開

 

 

ここで注目すべきことは、「2050年の新車のCO2排出を限りなくゼロにする」と言う事である。

 

と言う事はトヨタは新設自工場で2050年に生産する新車は、ほとんどすべてがCO2を排出しないクルマ、即ちEVFCV(やPHV,HV)にすると言っているのである。しかもその工場でもCO2は排出しないエネルギーを使用して稼働していることになる。

 

まあ再生可能エネルギーと水素の社会になっている、と言う事なのであろう。2050年と言えば、2015年からは34~5年が経過していることになるから、どれほどの工場が新しくなってCO2を排出しないようになっていいるかはわからないが、「天変地異にも等しい変革が起きていることになろう。

 

 

などと感心していたら、とんでもない(というわけでもないが)ニュースが伝わってきた。

 

フランス2040年までにICEV(Internal Combustion Engine Vehicle内燃機関自動車)販売を禁止すると言うのだ。

 

 

 

フランス、EV社会へ大転換 ガソリン車禁止の余波



2017/7/7 16:05
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

 フランス政府が(2017.7.)6日2040年までに国内のガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針を明らかにした。自国に世界大手のメーカーを抱える国が、ガソリン車禁止を明確に打ち出したのは初めて。実はフランスに似た動きは欧州やアジアでも相次ぐ。同日には40年時点で全世界の新車販売に占める電気自動車(EV)比率が5割を超えるとの予測も出た。電動化の流れが一段と加速する。

20直前、マクロン流のエコアピール

ルノーのEVは航続距離400キロメートルに達する(3月、ジュネーブ国際自動車ショー)=AP

ルノーのEVは航続距離400キロメートルに達する(3月、ジュネーブ国際自動車ショー)=AP
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 仏のユロ・エコロジー相が6日に記者会見し、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」の目標達成に向けた、二酸化炭素(CO2)排出削減の計画を発表した。柱の一つが、40年までのガソリン車など走行時にCO2を排出する車の販売禁止。さらに22年までに予定する石炭火力発電所の停止なども着実に進め、50年までに国全体のCO2排出量を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すという。

 7日からはドイツで20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれる。マクロン仏大統領は就任以降、パリ協定からの離脱表明や保護主義的な主張を続けるトランプ米大統領に対抗し、メディアを意識し情報発信をしてきた。トランプ氏も参加するG20を前にした、「マクロン流」の広報戦略の一環とみるのが自然だ。

 産業界への影響は大きい。フランスはルノーグループPSAの二大メーカーが本社を置き、トヨタ自動車や独ダイムラーも工場を構える。16年の乗用車販売台数は約200万台と、ドイツ、英国に次ぐ欧州第3の規模だ。仏自動車工業会(CCFA)によると、自動車産業に従事するのは約20万人、関連産業も含めると約230万人に達する。

 フランスは欧州ではEV普及に熱心なことで知られるが、限界がある。17年上半期の新車販売ではガソリン車・ディーゼル車が95.2を占めた。ハイブリッド車(HV)は3.5EVは1.2にとどまるのが実情だ。

 ルノーEV「ゾエ」は欧州市場のEV販売ランキングで常に上位に位置する。だが、市場全体に占める存在感は小さく、収益貢献もまだ先だ。ユロ氏も、国内自動車メーカーなどへの影響は「厳しい」と認めた。同時に、国内メーカーは他社に先駆け変革をすることができると期待を示した。仏政府はルノーPSAの大株主で、官民連携で戦略転換を進めやすい面はある。

各国に広がるガソリン車販売禁止

 欧州ではCO2排出抑制と、都市部の大気汚染対策の両面からディーゼル車などへの逆風は強まる。オランダノルウェーでは、25年までにガソリンやディーゼルを燃料にする内燃機関の車の販売を禁止する動きがある。

 ドイツも同様のうねりがある。連邦参議院(上院)は昨秋、30年までにガソリン車などの車の販売を禁止する決議を採択した。連邦議会(下院)で法案が成立したわけではなく、ドブリント運輸相も決議を「非現実的」と評した。決議に拘束力はないが、欧州最大の自動車大国でさえこうした議論が公にされるのが現実だ。

 アジアにもこの波は及ぶ。代表がドイツを抜き世界4位の自動車市場になったインドゴヤル電力・石炭・再生可能エネルギー相は4月、「30年までに販売する車をすべてEVにする」と野心的な計画を表明した。EVに一気にシフトして自国産業を育成しようという狙いで、中国でも似た政策が打ち出されている。

 メーカー側の動きも急だ。米テスライーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は2日、初の量販EV「モデル3」の納車を今月末から始めると表明。ボルボ・カー(スウェーデンは5日、19年以降に販売するすべての車をEVかHVにすると発表した。すでにルノーは充電1回の航続距離を400キロメートル(欧州基準)に伸ばしたEVを発売。18年には独フォルクスワーゲン(VW)傘下のアウディと独ポルシェ500キロメートルを走れるEVを投入する予定だ。

20年代後半、ガソリン車より安く」

 調査会社のブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンス(BNEF)は6日、40年時点の世界の乗用車販売に占めるEV比率は54に達するとの見通しを発表した。従来予想の35%から大幅な上方修正だ。新たな予測では20年時点のEVは全体の3%、25年では8%。その間に電池価格の下落と容量の増加が進み、「2529年までにはEVの販売価格内燃機関の車より安くなる」とみる。

 5月にはスイス金融大手UBSが、欧州では18年時点でEVを購入した場合のトータルコストが、ガソリン車と対等になるとのリポートを出し、業界で話題を呼んだ。ただ、これはEVを最後まで乗っての計算。BNEFの予測では、20年代後半にEVを店頭で買う時点から競争力を持ち、普及のハードルが一段と低くなる。

 BNEFは市場別の40の新車販売のEV比率も公表し、欧州が約67%、米国58%、中国51の見通し。「早くEV採用を進めた国は40年にはリーダーになる」と指摘し、具体的にノルウェー、フランス、英国の名前を挙げた。

 40年には世界の路上を走る車の33%がEVになるという。同社シニアアナリストのサリム・モーシー氏は「EVは確実に力強く成長するが、世界規模でさらに多くの充電インフラ投資が必要になる」と指摘する。EV充電の用途もにらんだ、再生可能エネルギーなど分散型電源の整備など関連投資の動きも活発になりそうだ。

(加藤貴行)

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ07HHP_X00C17A7000000/

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(98)

まあトヨタがまずやらなければならないことは、高性能な電気自動車を売り出すことではないのかな、と小生には思われるのであるが、かの書籍では次の2点の対応策が考えられると記述されている。

 

第一には、持ち駒の「高付加価値化」を図ることである。

 

高付加価値化とは、現在のポルシェやフェラーリ、ベンツなどの高級車のように「ラクジュアリー車」への特化を図ることである。ラクジュアリー車やプレミアム車に特化して、徹底的にわがままな顧客に対応してカスタマイズしてゆくことである。但しこの方法は、顧客が限定されしかも欧州老舗ブランドとの真っ向勝負となるので、とても勝ち目はなかろう。

 

第二には、あまりピンとこないが「超オペレーションエクセレンス」を図る、と言うものである。

 

これは台湾の電子機器製造受託メーカーのフォックスコン社のビジネスモデルのように、複数の他のカーメーカーから製造を受託すると言うものである。コスト競争力を持ち高品質を維持できる製造能力を持っていれば、こんなビジネスモデルもあながち不可能とは言えないだろう、と言っている。

 

この製造受託については、小生にはあまりピンとこないが、切羽詰まればこんな手もあると言う事なのかなあ。

 

何れも何かの作り話のような感じがしないでもないが、ZEVSAVの世の中になれば、こうでもしないと生き残れないと言う事なのであろう。それほど革命的ななのである。だから「モビリティ革命」と言うのかも知れない。

 

 

第三には、いっそのことクルマを使った「移動要求にオールマイティに合致するサービスを提供するビジネスを作り上げてゆくことではないのか、と言っている。

 

これを「モビリティー・ソリューション・プロバイダー」と、かの書籍は呼んでいる。

 

先程言及しておいたCO2の排出が最も少ない移動経路(方法)の提案・実行とか、交通事故を未然に防ぐ移動経路(方法)などの提案の実行などは、組織化されれば一つのビジネスとして成り立つかもしれない。

 

最も莫大な電力を必要とする高性能なAIはホストコンピューターに任せて、それらのネットワークにクルマをうまく繋げてあればよいので、ここでも「コネクティッド」は重要な要素である。まあそれにしても相当なエネルギーを消費する訳なので、ZEV化やSAV化に際しては、高性能なバッテリーが必須となることであろう。とするとまだまだ先は長い様な気もするが。

 

わがままな顧客の「移動」の要求を、その移動の目的・性質に応じて、「モビリティー・ソリューション・プロバイダー」が、その計画をプログラミングしてくれるのである。当然自動運転車の配車、パーキング、公共交通機関との乗り継ぎ、目的地での行動の段取りなどの全てを、顧客にうまく提案してくれることになろう。

 

当然クルマに乗車中にはビジネス上の必要な情報は、逐次表示されることになるし、その間にはコマーシャルなども取り入れられることになろう。場合によっては旅行業の免許も必要になるかもしれない。

 

とまあ、移動・運搬にまつわるあらゆるサービスを総合的にプログラミングするような、ビジネスモデルなのではないのかな。ここで述べたイメージは、どちらかと言うとカーメーカーの川下を取り込んで、サービスを提供してゆくようなイメージではあるが、突拍子もない複合的なサービスが生まれないとも限らない。

 

そんなビジネスをも取り込んでゆかないと、トヨタなどのカーメーカーは生き残れない状況がやってこないとも限らないのだ。

 

2030年代になると、きっとモビリティ状況は、このように一変していることであろう。この変化の内容がどんなものか、どのように企業を導いてゆくか、経営者は寝る暇もないほど大変なのであろう。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(97)

このZEVSAVに代表されるモビリティ革命は、現代の社会にどのような変革をもたらすことになるのか、興味は尽きない。と言っても短期間に社会が変化するわけではないのであるが、次のような形の変化は今でも想像ができる。

 

かの本は、次のように述べている。

 

第一に、地球温暖化問題」への対応が最重要課題であるために、自動車産業は最優先課題としてZEVを普及させなければならないことになる。それと同時に再生可能エネルギーでの電動化が進展しなければならないことになる。

 

何と言ってもこのまま自動車がCO2を排出してゆくと、2050年頃には地球の気温は上昇し続けて元に戻ることが出来なくなってしまう事態に遭遇することになる、と言う。だからZEV化は待ったなしなのである。

 

第二に、自動運転が日常化し、更にライドシェアが普及すれば、路上を走るクルマはかなり少なくなり且つ道路交通は安全となろう。そのため「交通渋滞」や「交通事故」は、限りなく減少することになる。このようにSAVも、社会に対して多大な影響を与えることになる。

 

第三に、ロボットタクシー」が走り出せば、交通インフラは不足している地域での公共交通機関の代替機能を果たすことが出来るようになろう。

 

第四に、高齢化・過疎化」に対する移動手段の解決策の提供となり得るのではないか。

 

第五に、ZEVSAVの進展は、当然のこととして、「資源の無駄遣い」を防ぐことになる。クルマの個人所有の無駄から、シェアリングエコノミーへの変換は、大量生産大量消費の無駄を無くすことになり、地球環境にやさしい形態となろう。

 

 

モビリティ革命」の結果、社会にはこのような影響と言うかインパクトが与えられることになるのであるが、自動車産業に対しては、もっと厳しい影響がもたらされるので構える必要がある、とかの本は分析している。

 

 

2030を想定すると、

 

(1) 乗用車メーカーの営業利益は半減する。

 

HV車はZEV車ではないが、これを含み、PHVEVFCVなどの電動車両が新車販売の半数を占めることになる。ZEVが当たり前の世の中になっているわけだ。だが、その開発・生産コストは、消費者は負担しようとは思わないと分析しているので、自動車メーカー・特に乗用車メーカーは、そのコストを車両価格に転嫁できないでいることになる。

 

そのため「電動車両の新車販売の半数を占めた場合、乗用車メーカーの営業利益の約48%が吹き飛ぶ」と、かの本は試算している。

 

(2) 自動運転車は8%となるが、営業利益は3%減る。

 

2030年の新車販売では、「レベル2」は7%、「レベル3」は1.2%と予測して、この約8%の自動運転車のコストを試算し、消費者がこの額を負担するかを分析したが、答えはNOであった。

 

だからこのコストも自動車メーカーがそれなりに負担せざるを得ず、その結果営業利益は、僅か8%の自動運転車のために3%減少すると予測された。

 

(3) シェアリングが急拡大して、新車販売は9%減少する。

 

2030年までには、カーシェアリングが進展し2台に1台がシェアされると予測している。そのため2030年のグローバルの販売台数は9%減少するとしている。ちなみにその時の総販売台数は12000万台程度に落ち込むと試算している。

 

どんな分析方法かは知らないが、「2030年のグローバル自動車販売台数予測」と言う図が、かの本には掲げられているが、それによると次のようになるようだ。

 

2015年  9千万台(実績)

2030年 131百万台 → カーシェアリング影響 → 119百万台(販売は約9%ダウンする)

 

 

カーメーカーに対しては、こんなダメッジが想定される以上、何らかの手を今から早急に打たねばならないのである。だからトヨタも、Uberと提携したりマツダ資本提携をしようとしたり、足搔いているんでしょうね。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(96)

このように、かの書籍モビリティー革命2030自動車産業の破壊と創造」(デロイト トーマツ コンサルティング著、日経BP社発行)は、来るべき「モビリティー革命」を駆り立てる要素としてこの三つを挙げている。

 

(1)「モビリティ革命」を引き起こす第1の要因環境問題である
   ここではパワートレーンの多様化(主に電動化)といっているが、元はCO2の削減である。

(2)「モビリティ革命」を引き起こす第2の要因は、クルマの知能化IoTである。

(3)「モビリティ革命」を引き起こす第3の要因は、シェアリングサービスの台頭となろう。

 

 

このためクルマとしては、

 

ZEVZero Emission VehicleCO2の排出ゼロの車)であり、且つ

SAVShared Autonomous vehicle、自律走行型の共有的利用車)と言うかたちをとることになる、としている。

 

だからトヨタGMなどは、単なるモノ(クルマ)作りの会社からクルマを用いたサービスを提供する会社(プロバイダー)にならんと、それこそ死に物狂いの競争に晒されている、と言う認識なのであろう。

 

だからトヨタ豊田章男社長)としては、今年のル・マンの24時間耐久レースで優勝して、ルマンからは撤退して、そちら方面へ全力で集中したかったのではないのかな。トヨタとしては計画が狂ってしまったことになる。今やF1WECFormula-Eに、とってかわられようとしているくらいなのである。モータースポーツの世界でも、CO2は毛嫌いされだしているのである。ルマン24時間レースも、今年はAudiが抜けてトヨタとポルシェだけとなっている。そのポルシェ2017年の今季限りでルマンから撤退することを決めている。トヨタはどうするのかはわからないが、そのうちルマンもLMP1クラスは、ワークスチームは居なくなってしまうかもしれない。WECの各ワークスチームは、Formula-Eへの参戦となる筈ではないのかな。

 

LMP1については、2016.9.8の続・次世代エコカー・本命は?NO.104を参照のこと。)

 

既に世は、猫も杓子も電動化の時代となってきているのである。

 

 

18年はトヨタ単独ルマン? ポルシェはEV転戦

2017/8/1 11:50
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

 高級車メーカー、独ポルシェが自動車の世界耐久選手権(WEC)の最上位クラス「LMP1」から今季限りの撤退を決め、モータースポーツ関係者の間で波紋を呼んでいる。ハイブリッド車で競うこのクラスに参戦する自動車メーカーはポルシェとトヨタ自動車の2社。ポルシェが去ることで、2018の「ルマン24時間」トップクラスの戦いはトヨタだけになってしまう恐れもある。

ポルシェは「ルマン24時間」を3連覇した実績をひっさげ、EVレースに転戦する(今年6月)=AP

ポルシェは「ルマン24時間」を3連覇した実績をひっさげ、EVレースに転戦する(今年6月)=AP

ルマン3連覇、トヨタの前に立ちはだかる

 ポルシェは7月28日、17年末でのWECのLMP1からの撤退と、1920年シーズンから電気自動車(EV)レースの「フォーミュラE」に参戦を発表した。ポルシェは14年にルマンを含むWECに復帰し、1516年は製造者部門で総合優勝した。さらにルマンは15年から3連覇し、マツダ以来の日本勢の優勝をめざすトヨタの厚い壁になってきた。

 ポルシェ撤退の観測は以前からあったが、同社は今年初めに18年も参戦する考えを示していた。それだけに関係者のショックは広がる。WECを主催するフランス西部自動車クラブ(ACO)と国際自動車連盟(FIA)は声明で、「ポルシェの急な方針転換に衝撃を受け、彼らの旅立ちを残念に思う」と正直な気持ちを吐露している。

 ポルシェは来季も参戦中の「GTカテゴリー」と呼ばれるクラスは続けるが、最上位のLMP1から去る影響は大きい。すでにポルシェと同じ独フォルクスワーゲン(VW)傘下のアウディ16年シーズンでWECから撤退済み。最上位クラスでトヨタ以外の競合が不在となれば、ルマンなどのレースの価値そのものが問われかねない。

 ACOとFIAは早速、対策を打ち出す方針を明らかにした。「WECの存続と品質を守る者として、18年シーズンの概要を早急に提唱する。来年は様々なイノベーションが導入される」という。WECは以前から開発コストの高さが新規参入の妨げと指摘されてきた。コスト削減などにつながる新たな施策にも取り組むという。

存在感高める“格下”フォーミュラE

 ACOなどは9月上旬にWEC改革の詳細を発表する予定。「18年は前例のない年になる」「参戦するチームやシリーズのパートナー、そして耐久レースファンを興奮させるものになる」と結び、強気な姿勢を崩していない。

 モータースポーツは各社が先端技術を競い合い、ファンを魅了してきた。だが今や地殻変動が起き、従来は格下とみられた「フォーミュラE」は活気づく。1718年シーズンからアウディが本格参戦。1920年シーズンまでにBMWダイムラー傘下のメルセデス・ベンツポルシェの独高級車4社がそろう。すでに仏グループPSAの高級ブランド「DS」やジャガー・ランドローバーは参戦済みだ。

 ポルシェの場合、走りの性能を磨き長距離走行ができるEV「ミッションE」を開発中で、それを試す場がフォーミュラE。研究開発を担当するミヒャエル・シュタイナー取締役は「独自開発の技術の採用の自由度が増すフォーミュラEは非常に魅力的なカテゴリー」と語る。硬直的なWECの現行制度を暗に指摘している。

 各社の研究開発費が増え続ける中、EV開発の重要度が高まりレースの優先度も変わる。フォーミュラE運営会社のアレハンドロ・アガグ最高経営責任者(CEO)は「モータースポーツを通じて都市の電動革命を主導する」と唱え、各社がこの理念に共鳴している面もある。ちなみに現時点で日本車のフォーミュラE参戦表明はゼロだ。

 もともとブランド戦略が巧みな欧州勢は、フォーミュラEを「EVでも走りを楽しめるクールなレース」(アウディ幹部)と位置づけ、若い世代中心にイメージを定着させたい考え。英仏の政府がガソリン車などの販売禁止を打ち出した「追い風」も吹く。相次ぐ主力の移籍に揺れるWECの巻き返し策だけでなく、日本勢がモータースポーツにも押し寄せる電動化の波にどう対応するかも注目だ。

(加藤貴行)

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ01H6Y_R00C17A8000000/?n_cid=NMAIL001

 

 

2018年のルマンLMP1クラスは、この調子だと、トヨタ一社だけとなってしまいかねない。となるとトヨタはどうするつもりなのかなあ。まさか依怙地になってトヨタ一社でもLMP1クラスに参戦するなどと、豊田章男社長なら言いかねない感じもするが、折角研究開発を進めてきた手前、2018年はタイムトライアル的にLMP1に参戦して次年度からは撤退するのではないのかな、などと推測もするが、トヨタだけのルマンなんぞはルマンではない、と潔く不参加とする方が余程良いのではないのかな。

 

トヨタは昨年は優勝に値する戦いをした訳であるから、そのように理解してきっぱりとあきらめることが肝心である。負け惜しみかも知れないが、CO2を出しながら何も速く走ることだけが能ではなかろう。

 

フォーミュラ Eがどんな規則になっているか小生は詳らかではないが、トヨタとしてはそれに参戦する準備は、まだ出来ていないのではないのかな。だから、トヨタは当分の間ルマンからは撤退することになろう、と言うよりも電動化での参戦ができる状態にはないと言った方がよいのかも知れない。

 

ここでもトヨタは一歩出遅れていた感がある。ヨーロッパに駐在しているトヨタマン(日本人に限らずに)が、欧州のこの電動化の動きに対するトヨタ本社への情報提供とか戦略的提案力が足らなかったし、トヨタ本社でもこれらの動きに対する洞察力や戦略的思考が偏っていたと言われても、仕方がないのではないのかな。

 

まあ、トヨタはきっぱりとルマンを諦めることが出来るか、と言う事が電動化への分水嶺となろう。

 

モビリティ革命」は、このような形でルマンにも押し寄せている、と言う事である。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(95)

トヨタは、ライドシェアー用にクルマを売りたいがためにUberと戦略的に提携したわけではないであろう。この戦略的と言うところに意味があるようだ。トヨタとしても、シェアリングエコノミーがどんな社会をもたらすかは、具体的には掴んではいないのではないのかな。だからどんな社会になるかを見極めるためにも、Uberと提携したのではないのかと小生は考えている。GMLyftとの提携も同じことであろう。

 

クルマはもう売れない、どうする自動車メーカー

The Economist

モビリティカンパニーへの脱皮に待つ試練

201662日(木)

The Economist

 

 自動車メーカーはずっと以前から、クルマの製造・販売ビジネスの脅威となるテクノロジーを取り込む構想について、雄弁に語ってきた。

 

乗車可能なクルマを表示するウーバーのアプリ(写真:AP/アフロ)

 1990年代、IT(情報技術)関連企業を中心とするドットコムバブル華やかなりし頃、当時の米フォード・モーターCEO最高経営責任者)のジャック・ナッサー氏は、モビリティサービスを提供する企業として生まれ変わると宣言した。インターネットの普及が可能にする新たなビジネスモデルの下で、同社は自動車の組み立てといった退屈な仕事は外注し、輸送をサービスとして販売するモビリティカンパニーに変身を遂げるとうたった。

 ナッサー氏のこの考えは、あまりにも時代を先取りし過ぎていた。大手自動車メーカーの多くが、輸送サービスを手掛けるテクノロジー企業と提携し、モビリティサービスの提供者となるべく業態転換を模索し出したのは、ようやく最近になってからだ。だが、彼らは、行動を起こすのが遅過ぎたかもしれない。

当面の舞台は配車サービス

 変身を急ぐべく従来型の自動車メーカーは、最近は配車アプリに焦点を合わせている。これらのサービスの利用者は、スマートフォンのアプリを使って車を呼び出し、次の目的地まで運んでもらうことができる。

 トヨタ自動車フォルクスワーゲンVW)は524日にそれぞれ、タクシー配車アプリと提携すると発表した。トヨタ米ウーバーに小規模な出資を行った(出資額は明らかにしていない)。ウーバーは70カ国で事業を展開する世界最大の配車サービス会社だ。

 VWイスラエルに拠点を置く配車アプリのゲット3億ドル(約330億円)出資する。ゲットの牙城は欧州だ。VWCEO、マティアス・ミューラー氏はさらに大きな野望を抱いている。2025年までに、モビリティサービスで世界最大手になると宣言した。

 この方向に進もうとしているのは、VWだけではないだろう。1月に米ゼネラル・モーターズGM)は、米国においてウーバーの最大のライバルであるリフト5億ドル(約550億円)を出資した。目的の1つは配車サービスの展開。加えて、リフトが進めるロボットタクシーの開発への参加もにらむ。

 フォードのマーク・フィールズCEOは昨年、これからの同社は自動車メーカーであると同時にモビリティカンパニーでもあるとぶち上げた(多分、先のナッサー氏の宣言は忘れてしまったのだろう)。フォードは自前の配車アプリを展開するとともに、利用者の求めに応じて配車する自動車――恐らくオンデマンド・ベースのミニバスサービス――も提供する計画だと噂されている。

カーシェアリングも収益源の1

 最近の主戦場は配車サービスだが、自動車メーカーはモビリティを収益源にする他の方法も探っている。

 これまで自分の車を所有したいと思っていた人々が、今では、必要な時だけお金を払って乗れればいいと考えているのかもしれない。都会に住む若者達は、ほとんど使う機会がないまま価値を失っていく資産を高いお金を払って所有することに、そっぽを向き始めている。

 クルマの短期利用をアプリを使って予約できるカーシェアリングサービスの会員数が急速に伸びている。この分野で世界最大手のジップカー(ZipCar)はレンタカー会社のエイビス・バジェット の傘下にある。独ダイムラー・ベンツが運営するカーツーゴー(Car2Go)や独BMWのドライブナウ(Drive Now)アプリを真似る自動車メーカーも増えている。例えばフォードは米国、英国、ドイツ、インドでカーシェアリングサービスの試験運用を始めた。

 カーシェアリングや配車サービスは、いずれは自動車メーカーの収益源となるだろう。利益率が低いのが当たり前の大衆車メーカーにとって、福音となる可能性がある。だが高い利益率に慣れている高級車メーカーは、それだけでは満足できないかもしれない。自動車メーカーはこれらのサービスから上がる利益の分け前を得ようとするだけでなく、クルマを供給することでも鎬を削るようになると思われる。実際、トヨタとウーバーの合意には、ウーバーの運転手がクルマを買うための融資プランが含まれている。GMはリフトの運転手がクルマを取得するために同様のプランを提供している。

モビリティカンパニーへの課題

 クルマを所有してもらうことではなく利用してもらうことによって、自動車メーカーが利益を確保できるかどうか――この問題を考える際、次の2つが重要になる。1に、自動車メーカーは事業の運営方法を見直さなければならない。

 クルマの製造には複雑な技術を取得する必要がある。従来はこの困難さが新たなライバルの参入を阻んできた。常に顧客への対応を迫られるサービス事業を展開しながら、大量のデータを高速処理するという新たな取り組みは、新しいSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)を設計するのとはまるで異なる。

 自動車メーカーが競って配車アプリ分野に出資しているのは、利益を得るという直接的な目的と同じ程度に、これらの新事業の運営方法を学びたいとの意図が動機となっている。

 2は、データの処理やサービスの販売に長けた大手テクノロジー企業も成功するのは難しいということだ。グーグルは自動運転の分野で先頭を走っている。アップルは自ら自動車製造に乗り出す計画だと噂されている。最近、中国でウーバーと同様のサービスを提供する滴滴快的に出資した。グーグルとウーバー以外にも数多くの新興企業が、ある地点から別の地点に顧客を運ぶサービスを提供して利益を上げる方法を探っている。

 将来的には、自分のクルマを所有するのではなく複数の交通手段を組み合わせて、最も速く、かつ最も安く目的地に着けるようにしてくれるアプリと、月極め契約するような形態が普及するかもしれない。交通手段にはカーシェアリングからタクシー、バス、電車、クルマなど、車輪のついているあらゆる乗り物が含まれることになるだろう。

 公共交通機関が一層効率良く利用できるようになるとともに、カーシェアリングや配車サービスがさらに普及すれば、人々が今までのようにクルマを買うことはなくなる可能性がある。そうなれば、途上国の中所得層が拡大するに伴って自動車販売が伸びるという期待は消え失せる。自動車メーカーは販売台数の減少に直面する。

 その一方で、自動車製造という巨大な重荷を負っていない身軽なライバルたちは、様々な移動サービスを顧客に提供することによって、利益を上げることになるだろう。

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May. 28th, 2016 All rights reserved.

エコノミスト誌の記事は、日経ビジネスがライセンス契約に基づき翻訳したものです。英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。

 

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The Economist

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http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/224217/060100083/?P=2

 

 

このサービスに対しては、今注目の「国家戦略特区諮問会議」で推奨されて、「自家用有償運送」が2015年に特区内で認められるようになったが、全国自動車交通労働組合総連合会、自交総連が「違法な白タクだ」と大反対している。東京オリンピック2020を控えているのに、このような既得権益にしがみつく利権団体の動きは、百害あって一利なしなのであろう。

 

ここを参照されたし。→(http://www.jikosoren.jp/check/sirotaku/sirotaku.html

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(94)

これもクルマの売り先を確保するためなのか。それとも来たるへき「モビリティ革命」に乗り遅れないための情報収集のためなのか、先ずは「ライドシェア」がどんなものか、トヨタはどう取り組むべきかの勉強のためなのであろう。トヨタはこれを「戦略的提携」と呼んでいる。

 

トヨタUberが提携、米国で加熱する「ドライバー獲得競争」

トヨタUberが提携、米国で加熱する「ドライバー獲得競争」

 

 トヨタ自動車Uber Technologies2016525戦略的提携を発表した。提携内容は今後協議するとしているが、注目すべきはトヨタUberドライバー向けの自動車リースを提供するとしている点。このようなドライバー支援策を巡って、Uberと米Lyftがしのぎを削っているからだ。

写真1●燃費の良いトヨタ車はUberドライバーの人気も高い

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 Uberの主力事業である「UberX」は、個人が自家用車を使ってタクシーとしてのサービスを提供するもの(写真1)。個人の自家用車をシェア(共有)するという点で「シェアリングエコノミー」を象徴するサービスだが、最近はその姿が大きく変わり始めている。なぜならUberLyftが、自家用車を持たない個人あってもドライバーとして働けるよう、さまざまな「ドライバー支援策」を始めているからだ。

 例えばUber20157月に本格的に始めたドライバー支援策「Uber Vehicle Solutions Programme」では、通常よりも有利な条件自動車リースサービスレンタカーサービスを提供している。自動車リースであれば、「走行距離無制限(通常のリースには走行距離の上限がある)」「解約自由(通常のリースは3年間などの契約期間がある)」といった点が、通常のリースよりも有利だ。

 Uberドライバー向けの自動車リースは「Uberドライバーとしての稼ぎ」がリース料金の支払い原資として見込めるため、本来であればローンを組んだりリースを利用したりできないような信用力の低い個人でも利用できる。

 米国ではクレジットカードの利用履歴などの「クレジットスコア」によって個人の信用力が算出されるため、留学生や移民は信用力がそもそも無い。しかしUberがこのような自動車リースを提供しているため、米国では渡米したばかりの留学生がUberのドライバーとして働いていたりする。

トヨタのリースは「Uberの稼ぎ」から支払う

 さらにトヨタが子会社のトヨタファイナンシャルサービスを通じて提供する自動車リースでは、Uberドライバーとしての「稼ぎ」からリース料金が支払われるという仕組みが導入される。初回のリース料金すら払えないようなドライバーでもリースが可能になるわけだ。

 Uberドライバー向けのレンタカーサービスは、米国の大手レンタカー会社、Enterprise Rent-A-Carと提携して提供している。料金は「トヨタカローラ」クラスの自動車で1週間210ドル。「自家用車は無いけれども1週間だけUberで稼ぎたい」という人でも、Uberドライバーになれるというわけだ。

LyftGMと提携して「自動車はタダ」

写真2●20161の「CES」でLyftとの提携を発表する米GMMary Barra CEO最高経営責任者

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 Uberの最大の競合であるLyftは、Lyft5億ドルを出資するGMと連携することで、よりアグレッシブなドライバー支援策を提供している(写真2)。LyftGM20163月に発表した「Express Drive Program」では、Lyftのドライバーが「乗客を週に65回以上乗せた場合」、GMの自動車を無料でレンタルできるのだ。

 「乗客を週に40回以上乗せた場合」でも「1週間82ドル(中型セダンの「Chevrolet Malibu」の場合)」と安価。「乗客を週に乗せた回数が40回未満の場合」は、1週間82ドル(同)に加えて、「1マイル当たり20セント」を支払う必要があるという仕組みだ。

 LyftExpress Drive Programを提供するのは、シカゴ、ボストン、ワシントンDCなどの限られた都市だけだが、Lyftドライバー専業として働くのであれば自動車は無料で提供してしまうという積極策を展開することで、Uberに対抗している。

 UberLyftがドライバー支援策に力を入れているのは、ドライバーの数が売り上げに直結するためだ。また現時点では両社とも、「需要」よりも「供給」を増やすことを最優先にしている模様だ。シリコンバレーでは「Uberに乗ろう」という広告に接する機会はまったく無い一方で、「Uberドライバーになろう」といったラジオ広告やWeb広告には頻繁に接する。

 今回の提携によって「Uberトヨタ連合」対「LyftGM連合」という構図も明確になった。LyftGMは自動運転車の開発でも提携している。巨大自動車メーカーを巻き込んだUberLyftの競争は、今後も過熱する一方になりそうだ。

http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/425482/052500137/?P=1

(続く)