続続・次世代エコカー・本命は?(61)

そして、トヨタ水素供給網の構築に向けて動き出したようだ。

 

トヨタやJXTG、水素拠点の新会社発表 燃料電池車普及狙う

2017/5/19 15:41
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

 トヨタ自動車JXTGホールディングスなどは19日、燃料電池車に燃料を供給する水素ステーション事業で提携すると発表した。年内に共同出資会社を設立し、政府の設置計画に沿ってステーション建設などを担う。電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)が次世代自動車として先行するなかで、供給網を拡充燃料電池車の普及を進めていく考えだ。

 トヨタやJXTGなど11が共同出資会社の設立に向けて基本合意した。出資を検討しているのは、ホンダ東京ガス出光興産岩谷産業日本政策投資銀行(DBJ)など。出資比率や資本金などは今後調整する。政府はまず2020年度までに160カ所のステーションを整備する計画があり、新会社はその一部を担う。将来的には新会社で300カ所程度のステーションを建設する計画もある。

 燃料電池車ではトヨタ14年に「ミライ」、16年にホンダが「クラリティフューエルセル」を発売したが、普及台数はまだ1700台程度にとどまる。水素ステーション全国約90カ所で、JXTGが40カ所、岩谷産業が約20カ所を運営している。一方、EVはすでに普及台数や燃料供給拠点数で燃料電池車を大きく上回っている。

 新会社が供給網を拡充することで、燃料電池車の普及促進につなげる。さらに供給拠点を一気に拡充することで、水素を車に充てんする設備などをより安価に量産できるようにする狙いもある。現在、ステーション1カ所あたり4億~6億円の建設コストがかかると言われており、ガソリンスタンドの数倍も高い。

 政府はすでに補助金を使い、建設や運営コストの半分程度を支援していているが、本格的な普及に向け建設コストを現在の半分程度まで引き下げることを目指す。30年には燃料電池車を80万台、ステーションを900カ所まで拡充する計画で、EVとともに次世代自動車の柱に育てていきたい考えだ。

 

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ19HRR_Z10C17A5000000/?n_cid=NMAIL002

 

 

そして更に「工場CO2ゼロチャレンジ」の一環として、FCVミライを生産しているトヨタの元町工場に、燃料電池フォークリフトを導入すると言う。当初は2台だけだが2020年頃までには170~180台規模になると言う。そのうちに再生可能エネルギー由来の水素で電気を起こし、それを工場で使ってCO2の削減につなげてゆく計画だと言う。

 

 

工場内からCO2を一掃!トヨタ自動車FCフォークリフトを大量導入へ

2017/02/02 08:03 by Avanti Yasunori

 

トヨタ自動車社(以下トヨタ)は一昨年20151014日)、「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表しました。

2010年比で新車のCO2排出量90%削減を目標に、様々な活動に取り組んでおり、今後も水素社会の実現に向けた活動を推進していくとしています。

TOYOTA

118日にはスイスのダボスで、エネルギー&自動車業界13社で構成する水素社会実現に向けた世界規模の水素協議会ハイドロゲン カウンシル」を発足させhttp://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/011905884/?ST=tomene&d=1485323771170、今年の5月からは、アラブ首長国連邦UAE)がゼロ・エミッションを目指して建設を進めている環境未来都市「マスダールシティ」で、FCV「MIRAI」による水素供給インフラの実証実験を開始するそうです。
https://clicccar.com/2017/01/22/438998/

TOYOTA_MIRAI

一方、同社は「トヨタ環境チャレンジ2050」の一つとして「工場CO2ゼロチャレンジ」の実現に向け、工場での水素利用を目指して水素エネルギー活用技術の開発・導入を推進しています。

2020年を目処に再生可能エネルギーで生成した水素を工場に供給し、空調や部品運搬用のフォークリフトのエネルギー源として活用するなど、工場内での水素の本格利用を予定しているようです。https://clicccar.com/2016/02/11/353500/

 

そうしたなか、同社は131日、水素で走る燃料電池車「MIRAI」を生産している愛知県豊田市の元町工場に豊田自動織機製の燃料電池FCフォークリフト2台導入、利用を開始したと発表しました。

TOYOTA_FCV

今回導入したFCフォークリフトは、環境省国土交通省連携事業である「水素社会実現に向けた産業車両の燃料電池化促進事業」を活用して導入したそうです。

フォークリフトは工場内での利用数や稼働率が大変高いことから、世界的にも環境対策の対象として注目されており、中でもFCフォークリフトに注目が集まっています。

水素を燃料とするFCフォークリフトは、稼動時にCO2環境負荷物質を排出しないことに加え、3分程度で燃料をクイックチャージできるなど、高い利便性を備えており、外部給電機能により災害などの非常時に電源としても活用が可能。

TOYOTA_FCV

トヨタでは工場でのCO2排出量削減に向け、現在工場内で多数使用しているエンジン式のフォークリフトFCフォークリフトに置き換えていくそうで、まずは元町工場において、2017年に2台、2018年に20台程度導入し、その後、2020年頃までに170180台程度の導入を目指していく模様。

TOYOTA_FCV

今後は再生可能エネルギー由来の水素を工場内に一旦ストック、電気に戻して車両の生産工程に活用するなど、工場からのCO2排出を抜本的に削減する計画も進んでいるようで、水素で先行する同社の今後の取組みが注目されます。
Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車

http://clicccar.com/2017/02/02/441955/2/

 

 

話の序に、トヨタ風力発電による水素供給網作りに取り組んでいる話を紹介しておこう。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(60)

まあこの記事は2015年のものであるが、2016~2017年にかけては少し事情が違ってきている。

 

FCV普及でも先行く米国 水素インフラ集中整備
先進地カリフォルニアをルポ

2017/1/26
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

 環境問題への意識が高い地域として知られるカリフォルニア州。ここで水素ビジネスが黎明(れいめい)期を迎えている。再生可能エネルギーで生産した水素を自動車の燃料として供給する仕組みが整いつつある。温暖化ガス削減が求められるなか、日本が追いつくには何が必要なのか。現地取材をもとに探った。

 「映画の街」ハリウッドのガソリンスタンドに自動販売機と同じくらいの大きさの青い箱が置かれていた。米ベンチャーファーストエレメントフューエル(FE)201610に設置した水素ステーションだ。

日本の4倍強

 燃料補給に訪れる燃料電池車(FCV)は「少なくとも1日8~10」(現地の担当者)。日本の平均的な水素ステーションの4倍強だ。

 カリフォルニア州は自動車の販売台数が米国で最も多い州であり、厳しい排ガス規制も敷かれている。世界の自動車メーカーは最新のエコカーを優先して投入しており、これまでに販売されたFCVの台数は1000を超える。そのためのインフラ整備も活発だ。


水素インフラ-DSXKZO1163740013012017X11000-PN1-21

 FE社が設置したような商用の水素ステーションは、15年には州全体で2カ所しかなかった。それが16年秋には23カ所に増えていた。17年には50カ所を超えるとみられている。

 16年秋の時点では、水素ステーションの設置数で、日本は約80カ所でカリフォルニア州を上回る。FCVの累計販売台数もカリフォルニア州と同じぐらいだ。

 

     2016年時点   
(注) FCV   H2 ST.     2030年時点

加州 1,000台  23箇所

日本 1,700台  90箇所→ 80万台 900箇所

 だが、カリフォルニア州政府は、日本とは異なり、ある工夫を凝らしている。「小さな成功」の積み上げだ。

 ロサンゼルス市内のホテルから空港へ移動する道すがら、トヨタ自動車のミライなどFCVを数台見つけることができた。日本ではFCVを見かけるのはまれで、1日に複数台と出くわす可能性はほとんどない。

 この差はどこから生まれるのか。業界団体が水素ステーションロサンゼルス市内に集中させるという計画を立てて整備を進めているからだ。一方、日本はステーションが4大都市圏に分散している。関東地区には35カ所あるが、東京の郊外を含めた数字だ。

 カリフォルニア州では、水素ステーションの大半がロサンゼルス市内にある。局所的ではあるが、インフラ整備がFCV普及を促し、それがインフラ整備を加速させるという好循環が起きている。1612月にはホンダがロサンゼルスで新型FCVのリース販売を始めた。

建設助成手厚く

 都市部から始まった小さな成功は、州全土に広がろうとしている。ネバダ州との州境の近くやメキシコに近いサンディエゴでも商用の水素ステーションが稼働している。FE社はワシントンで米エネルギー省と共同で実証実験用のステーションの運営を始めた。西海岸での成功モデルを東海岸で再現する狙いだ。

 燃やしても二酸化炭素(CO2)が発生しない水素は、環境に優しいエネルギー源として注目されている。

 だが、現時点では、天然ガスから製造するのが最も安く済むため、製造の過程でCO2が発生してしまう。再生可能エネルギーで起こした電気などで作る「CO2フリー」水素でなければ、温暖化ガス削減への貢献は限定的になる。

 カリフォルニア州はこの点でも日本より数歩先を行く。FCVに供給する水素の3分の1以上をCO2フリーにすればステーションの建設費85%を州が助成する。運営費についても最初の3年間は全額を肩代わりする。

 企業も本気だ。仏エア・リキードのドワイト・ズック水素エネルギー部門長は「供給する水素の半分を20年までにCO2フリーにしたい」と表明している。

 ステーションを運営するFE社もCO2フリーの水素の調達を増やすつもりだ。シェーン・スティーブンス最高開発責任者は「従来のガス会社とは考え方もやり方も変える」と意気込む。廃棄物などを微生物で分解して得るバイオガス、豊富な土地や日照を活用した太陽光風力などを元にした電気で作った水素の活用を検討している。

日本は整備息切れ、価格・安全対策に課題

 日本の水素インフラの整備は息切れの様相だ。「16年3月末までにステーション100カ所」という目標は達成できなかった。経済産業省16年度にステーションの整備補助事業として約60億円の予算を確保したが、使い切れないまま年度末を迎えそうだ。経産省の担当者は「商用として適切な用地の確保が難しいようだ」と説明する。

 国内でステーションを整備する企業の担当者は「水素価格が安すぎるのも要因」と指摘する。日本では1キログラム約1000で、経産省が発表した20年ごろの目標価格に事業者がならった。この価格は産業用水素ガスより安く、利ざやが薄い。

 カリフォルニア州の水素価格は1キログラム約1900で日本の2倍近い。ステーションの運営会社が利益を得やすい水準だ。FCVの利用者に対し、自動車メーカーが最初の3年間は水素の代金を全額負担する制度もある。

 カリフォルニア州水素ステーションの建設費用は日本の半分程度の2億~3億円。FE社のステーションは従業員の立ち会いが不要で、24時間セルフサービスで利便性も良い。担当者に「水素が漏れたりするようなトラブルは起きていないのか」と尋ねると、「一度もない」との答えが返ってきた。

 水素ステーションに詳しいある日本企業の関係者は「FE社の機器は小さく、温度や圧力の制御も厳密ではない。(安全への規制が厳しい)日本で同じことができるとは思えない」と語る。安全対策とコスト低減の両立は、普及への課題だ。

 国土が狭い日本で大量のCO2フリー水素を製造するのは難しい。円滑に流通させるには、海外から輸入するしかない。経産省のロードマップでは、水素の貯蔵や運搬の技術を確立できるのが30年、経済性と環境性を両立した水素製造は40年。いずれもはるか先だ。

 大和総研の大沢秀一・経済環境調査部主任研究員は「インフラ投資が進まないなら、FCV購入の補助金を上積みすべきだ」と語る。FCVが増えれば水素ステーション利用率が上がり、インフラ投資への意欲も高まるという。

国内水素ビジネス 東京五輪が正念場

 東京を水素社会のショーケースにしよう――。燃料電池車(FCV)を世界で初めて市販化した日本では、2020東京五輪パラリンピックに向けて関連産業の種まきが進む。ただ、FCVの市販直後に比べて、消費者の関心が薄れるなど減速感も強い。産業として確立するためにも、官民の本気度が問われている。

 福島県内で、世界最大の水素製造装置建設が動き始めている。東芝東北電力岩谷産業新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)などが太陽光で作った電気から、FCV1万台分の燃料に相当する900トンの水素を作る。

 作った水素は貯蔵や輸送が容易なエネルギーとして、トレーラーなどで都内に輸送する。20年にプラントを稼働し、五輪開催時に都内で走る燃料電池(FC)車両の燃料で使うもくろみだ。

 また、都は東京五輪の選手村の住戸で家庭用燃料電池エネファーム配備するほか、FCVを6千台、FCバスを100以上走らせる計画を掲げている。トヨタ自動車は年内にFCバスを市販化し、都交通局が路線バスとして2台導入する予定だ。

トヨタが市販化を予定している燃料電池バス

トヨタが市販化を予定している燃料電池バス

 「水素は政策的後押しで手が届くエネルギーになった。再生可能エネルギーの調整弁になることも五輪で訴え、産業を作っていきたい」。小池百合子都知事は意気込む。

 ただ都の構想に対し、事業者や消費者は、FCV「ミライ」が発売した2年前の熱気はない

 昨年1129日に都が開いた「水素社会の実現に向けた東京推進会議」。委員の1人である、ガソリンスタンド(GS)運営、垣見油化(東京・千代田)の垣見裕司社長はこう発言した。「業界向けに2年前は水素をテーマに2時間の講演依頼があった。今は10分も話せば十分といわれる」

 会議では水素エネルギーの今後を危ぶむ声が相次いだ。「大量輸送の前に、需要と供給のバランスが先だ」(神戸製鋼所)、「20年までにFCバス用の水素ステーションは着実に整備できるのか」(トヨタ自動車

 水素ステーション設置には、道路から距離をとるなどの規制が多い。国には規制緩和を求める声が強いが、この2年間で目立つ進捗はなかった。ガソリンスタンドの5倍とされる設置コストもネック。普及を促すには助成拡充も期待される。

 官と民の取り組みは、鶏と卵の関係だといえる。五輪開催時に遺産(レガシー)を残せなければ、水素エネルギーは過去に何度か訪れたブームの繰り返しで終わりかねない。

(大阪経済部 岩井淳哉、企業報道部 榊原健)

日経産業新聞2017年1月26日付]

http://www.nikkei.com/article/DGXKZO12113100V20C17A1X11000/?df=3

 

 

まあ日本の場合は「東京オリンピックパラリンピック2020」があるから、水素社会への起爆剤とはなりやすいのではないのかな。何れにしても、福島県では太陽光で作った電気で水を電気分解して水素を年間900トンも作る設備が建設されていると言う。なんだか頼もしい限りであるが、水素社会への動きを強めてゆきたいものである。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(59)

2つ前の論考でのテスラのCEOイーロン・マスクの言い分は、「電力で直接モーターを回せば済むのに、わざわざその電力を使って水素を生産し、それでもって酸素と化学反応させるというのは「まったく馬鹿げている」と言うことであるが、これもよく考えてみれば論理的におかしいことに気が付く。



イーロン・マスクの頭の中を整理してみると、こんなことではないのかな。



・電気派 火力発電所(CO2有り)→二次電池電気→モーター→走行

・水素派 電気(CO2無し)電気分解→水素(蓄積)電気→モーター→走行燃料電池

・再生可能派 太陽光発電など→二次電池→電気→モーター→走行(これならCO2ゼロとなる)

・再生可能派 太陽光発電など→二次電池電気分解→水素(蓄積)→燃料電池も可能

 

再生可能エネルギーなど)・この過程では一般的にCO2の発生は殆どない。

 

{ }内を考慮に入れずに、折角電気があるのならわざわざ水など電気分解せずに、すぐにモーターを動かせばよい、と言うわけだ。

 

但し、「折角電気がある」のには訳があるのである。その訳をイーロン・マスクは考慮していない。

 

イーロン・マスクはコンセントがあれば既に電気がある訳だからその電気でモーターを回せばよい、と全く短絡的に考えているように見受けられる。

 

その電気はどこから来るのか、と言うことを全く考えていない。どこか幼稚的な発想ではないか。そういえば、先の論考には、そんなことも書かれている。

 

一般的にその電気は、石油や石炭と言う地下資源を燃やして(CO2を放出しながら)、電気を作り出しているのである。「パリ協定」では、このCO2を極力なくしたい、と言っているのである。このCO2をどのようにして無くしてゆくかが、今の時代の最大のテーマである。それを考えずして、電気があるならすぐにモーターを回せばよい、などとは全く短絡的と言うか白痴的ではないのかな。

 

「初めに電気ありき」などと(考えてはいないと思うが)考えること自体が、間違っている。CO2フリーの再生可能エネルギーでも、太陽光発電風力発電地熱発電水力発電などと言った、かなり大掛かりな仕組みの構築が必要なのである。しかもそうした電気は、変動も激しく蓄積が難しい。その電気をテスラの充電器に送電して、18650バッテリーに直接充電することは、それなりに厄介なのではないのかな。それを水素に変換して蓄積するのである。蓄積できれば必要な時に必要な量の電気を発生させることが出来る訳で、しかも運搬が可能となるのである。これって、便利でないかい!バッテリーに長時間充電する手間暇はいらない

 

まあそうは言っても使える水素ST.がない、と言うのも事実だ。だからFCVもなかなか売れない。テスラは加州だけでも、自前で急速充電施設を40も設置して自分たちのEVの充電の手助けをしている。トヨタももFCVを売りたければ(売らなければならないのであるが)、自前で水素ST.を作る必要があろう。

 

 

Joe & Santaro ジョー&三太郎の意見 違憲はイケンのじゃ http://joe3taro.com/?cat=23

投稿日: 2015-11-232015-11-23作成者 adminカテゴリー FCV, 科学技術
FCV
の見えない未来(4水素ステーションZEVクレジット

Fueling_Station

上の写真は Alternative Fueling Station Locator(代替燃料ステーション検索)サイトにて、Hydrogen(上、水素ステーション)と Electric(下、充電ステーション)を表示させたものである2015-11-15時点)。一般客が利用可能な水素ステーションは全米でわずか12カ所のみで、うちカリフォルニア州10カ所、ロサンジェルス周辺に8カ所が集中する。

 

(注)2017年データによると、上記数字は次のように増えている。

11,159→15,96228,030→42,665 、 12→35



7月の記事によると、ロス地区にはヒュンダイ・ツーソンFCV71台ほどリース中であり、そのユーザへのインタビューから水素ステーションのお寒い実情が分かる:

  • 8つのうち、ちゃんと営業してるのは3つだけ

  • 何ヶ月も休業してる水素ステーションばかりだ

  • 営業してる所は客がかち合い、連続充填できずに1時間も待たされる

  • 2015年には20カ所新設されると言ってたのに、1つも出来てない・・・

Miraiが米国でも発売されたのにこの整備状況とは、いったいやる気があるのだろうのか? 定期的にこの Locatorサイトをチェックしているが、水素ステーション5月に 13=> 12カ所に減ったまま動きがない。一方、充電ステーションは年間+3000カ所のペースで着実に増え続けている。

米国の現状だと、FCVではほとんどどこにも行けない。水素ステーション周囲の半径200km内とロス地区ぐらいに限られ、大陸横断など夢のまた夢。しかしEVならTesla Model Sぐらいの航続距離があれば、ルートは限られるし充電にとても時間は掛かるだろうが、すでに大陸横断は可能であり、or西海岸沿いの南北旅行は問題ない。

日本でも似たような状況にある。EV充電ステーションはすでにほぼ全国をカバーしている。さらに各 EVに一つ、所有者の駐車場にも充電器が設置してあるはず。
水素ステーションは米国よりはずっと頑張っている。東京、名古屋、大阪圏、北九州圏に集中し、前3地域間は往来可能だが、大阪−北九州間はちょっと厳しい。多く見えるが、実証設備や計画中を除くと、一般客が使える所は全国でまだ 22カ所のみである。

水素ステーションには初期投資 5億円(営業費用は 5千万円/年)も掛かるのに対し、急速充電ステーションは100万円ほど(営業費用はほぼゼロ)で済み、500倍の価格差からして、ステーション数の差は当たり前すぎる必然である。

東京都内で一般客が使えるのは、芝公園、九段(移動式)、練馬、杉並、八王子だけなので、都心のMirai芝公園に集中するだろう。Carトップの7月の記事によると実情は:
https://www.webcartop.jp/2015/07/11172

  • 常設のステーションで「(来客は)平均すると1日6台程度ですね」

  •  移動式ステーション(なんと平日の913時のみ営業!)では「せいぜい1日1台です」【注1

  • 芝公園の営業時間は平日 9-17時だけだったのが、7月から土曜午前営業も始めた

FCVEVに比べて航続距離が長く3分で充填できるのがメリットと言うが、それは水素ステーションがあればの仮定の話であって、現実にはごく限られた所にしかない。無理に設置しても、巨額の投資は全く無駄になるかも知れず、まともな経営者なら手を出せない。建設費1億円のガソリンスタンドがどんどん廃業している現状なのに、5億円の水素ステーションの経営が成り立つとは考え難い。

FCVCO2排出量はハイブリッド車より多いという実情では、設置する大義名分もない。将来の見込みもないのに税金を投入するのは止めてほしい、というのが率直な認識である。こういう疑問を技術展示会などの機会に、トヨタやホンダや経産省関係者にぶつけてもほとんど反論は返ってこず、「でも、カリフォルニア州ZEVクレジットがあるので・・・」で終わってしまう。

ZEVクレジットとは、販売された無公害車(Zero Emission Vehicle)に与えられる認定ポイントのようなもので、無公害さの程度に応じて一台当たりのクレジット数が設定されている。自動車会社は年間を通して、販売台数×一定比率の総クレジット数獲得を義務づけられ、達成できないと 1クレジット当たり罰金 5000ドルも課せられるので、強烈に厳しい規制である。クレジットが足りないときは、余っている他社から(交渉価格で)購入してもよい。

2017年度までのクレジットは複雑な表pdfp.15参照)で設定されていたが、2018年度から制度が大幅に変わる。ハイブリッド車は非対象となり、50マイル(80km以上の航続距離(Range)を持つFCVEVプラグインハイブリッド車だけに、次式pdfp.6参照)のクレジットが与えられる:

ZEV Credit (2018-) = 0.01×Range + 0.50 50 ≦ Range ≦ 350miles

 

Range

Credit
-2017

Credit
2018-

Tesla model S 70

248mile

3.0

2.98

Nissan Leaf (30kWh)

107mile*a

3.0

1.57

Toyota Mirai

312mile

9.0*1

3.62

代表的な3車のクレジット値は上表の通り(*12015までは 7クレジット)。
FCV
に妙に手厚いクレジット設定である。これまでハイブリッド車でクレジットを稼いできたトヨタが、FCVを売り出したくなる気持ちも分かる。ホンダはFit EVをリース販売しているものの、クレジット数が不足でテスラ社から購入していると報じられており、FCVを売りたい事情も分かる。

規制当局 California Air Resources Board(カリフォルニア大気資源委員会CARB)がFCVに妙に手厚いのは、ブッシュ政権時代にFCV開発を後押ししてきた当事者だったこともあるし、元来の組織目的が「大気汚染対策」であり、地球温暖化対策CO2排出削減)は二の次であったためだろう。つまり走行時の排ガスしか見てこなかったのである。しかしFCVではCO2排出は減らず(水素を化石燃料から作る限り)、エネルギーを多量に消費することが米国でも広く認識されており、当局の姿勢に対してこの記事のような批判も多く出ている。
https://www.greentechmedia.com/articles/read/should-california-reconsider-its-policy-support-for-fuel-cell-vehicles 英語のため詳しくは読んでいないが、2014.7.10付けの記事なのでいささか古い。

日米ともに政策に支えられて走り始めたFCVであるが、この先どうなるのだろうか? どのような政策であろうとも、水素の物理・化学的性質を変えることはできないのである。

 

*aNissan Leafの航続距離(107mile=171km)が、日本仕様(280kmJC08)に比べてひどく短い。 測定法の違いもあるが、定義の違いが大きいと思われる。日本仕様は満充電の 30kWhを使い切った場合なのに対して、米国仕様は 20%を残して 24kWhを使った場合と思われる。電池を痛めないためには後者の使い方が好ましく、米国仕様のほうが現実的である。日産は当初、全放電での航続距離を謳っていたが、実用上の航続距離が短いとして訴訟を起こされ、仕様を変更した経緯がある。

 

【注1移動式ステーションとはhttp://www.nimohyss.com/25トン大型トラックに、2.5億円の水素供給設備を積んだもので、1時間にMirai 2台(ポンプ能力で制約)、最大5台まで水素を満充填できる。これが所定の場所まで毎日往復して、せいぜい11台、売り上げ 4千円ほどなのだから、コストとか全く度外視している。水素がいかに高くつくかを最も分かり易くデモンストレーションしていると言える。

http://joe3taro.com/?p=650  

 

 

まあこんな調子では、ZEV対策車であるFCVミライは加州でも売れないであろう。いくら加州でプリウスPHVを売っても、トヨタZEVクレジットを確保することは難しいのではないのかな。罰金を払わなければならないのであれば、自前で水素ステーションを作るくらいの度胸があってもよいのではないのかな。遅きに失しているのであるが、トヨタEVを開発しておく必要があった、と言うわけだ。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(58)

振り回されるパナソニック

 「テスラが使っているのはすでに量産効果が出つくした家電用の電池。これ以上のコストダウンの余地は小さいはずだが」。田中はテスラの世界最大の蓄電池工場への巨額投資にも首を傾げる。テスラはコスト面でのEVの優位性を決定的にする切り札としてパナソニックと総額50億ドル(約6千億円)もの巨費を投じる計画だ。

テスラが建設する「ギガファクトリー」のイメージ図

テスラが建設する「ギガファクトリー」のイメージ図

 世界最大のバッテリーメーカーを目指すテスラがネバダ州の山間のへき地に建設中の工場は東京ドーム約28個分。巨大過ぎて設計上、地球の丸みを計算にいれなければならないほどだ。広大な駐車場の端から工場まで歩けば小一時間かかることもありうる。

 「工場までの移動効率化のためにジェットコースターを入れたらどうだろうか……ループも途中に入れたほうがいいかな」

 工場の設計がヤマ場を迎えた昨年、マスクは社内会議でそうつぶやいたまま、しばらく自分の世界に没入してしまったという。常識を意に介さないことで知られるマスクは、奇想天外な発想を披露する一方で、工場の移動手段のような細かな問題も一つ一つゼロから考え直していくのだ。

 つきあわされるパナソニックにとっては困惑の連続だ。「大阪の本社の承認をもらうのに2、3週間かかっている間に、テスラ側が勝手に事業計画を全く違う形で進めている」。担当者は当初、決裁の取り直しに追われたという。

 最終決定していないパナソニックの投資額をマスクが先に投資家に公表したこともある。パナソニックからテスラに転じた蓄電池担当ディレクターのカート・ケルティパナソニック側が期待する対応と現実の調整に腐心している。「実際、イーロン(マスク)が両社で調整する前に発表したり、合意前に投資が進んでいたりもする。そういうことが起こりうるということを分かってもらう。ただ、パナソニックもテスラとのやりとりの中で変わってきた」と笑う。

テスラとパナソニックは世界最大の蓄電池工場を作ることで合意した

テスラとパナソニックは世界最大の蓄電池工場を作ることで合意した

 テスラに促され、パナソニックネバダに幹部を送り、現地で意思決定できる体制を整えた。パナソニック社長津賀一宏とマスクとのホットラインもできている。すべては、2017年に発売する普及価格帯の量産車「モデル3」蓄電池を独占供給したいとの思いからだ。

自前の電池開発も画策か

 だが、蓄電池の調達は、マスクと、ナンバー2CTO(最高技術責任者)であるジェービー・ストローベル専権事項だ。

 テスラの内部ではひそかにパナソニックとは別の独自の電池技術の開発が同時に進んでいる。テスラのある調達担当者はこう明かす。「韓国LG化学など、パナソニックと競合する有力企業の電池と、性能を比べる能力を持つためだ」。パナソニックにとって最悪のケースだが、不測の事態があればテスラ単独でも電池の生産に入れる準備をしている、という。

 昨年、CTOのストローベルが政府系機関のイベントなどで披露した予測が波紋を広げた。蓄電池の価格低下は、調査会社の楽観的なシナリオのさらに倍のスピードを見込んでいる。これを見たパナソニックの技術者ですら「本当に達成できるのか疑問に思った」と打ち明ける。だが、マスクは「コストダウンのめどはすでに立っている」と意に介さない。

 ある日本の素材メーカーは昨年、蓄電池の性能を数割上げる可能性があるという期待の新素材をテスラに提案に行った。だが、「性能が出る実際の電池の形にして持ってこい」と冷たく突き返されたという。担当者は「既に技術的にある程度の当てがついているのかもしれない」と肩を落とす。

誰もが予想しなかった成長

米カリフォルニア州フリーモント近郊に集積する工場・ビル群「マスク村」。中心にあるのはかつてのGMとトヨタ自動車の合弁工場だった建物

カリフォルニア州フリーモント近郊に集積する工場・ビル群「マスク村」。中心にあるのはかつてのGMとトヨタ自動車の合弁工場だった建物

 米ゼネラル・モーターズ(GM)とトヨタ自動車の世界最大級の合弁工場「NUMMI」があった米カリフォルニア州フリーモントはいまやマスクがつくりあげたベンチャーの工場が集積する「マスク帝国」の心臓部だ。かつては米国市場に攻め込む日本の製造業の勢いを象徴する場所だったが、いまは米国への製造業回帰のシンボルになった。

 2012にテスラがここで生産を始めた時は年産数千台の規模しかなかった。1年ほど前まで、巨大な工場内のラインは分断され、空きスペースが目立ち、労働者には規律が欠けているように見えた。見学に来たトヨタも含む日本の自動車大手の技術者たちは一様に「生産台数が少ないから成り立っているだけ。学ぶものはない」と切り捨てていた。

 だが、そこには目標を達成の時期から逆算して事業計画を決めるマスクの哲学が凝縮されていた。NUMMIを買った当時、テスラには資金が2年分しかなかった。会社の命運を決めるセダンEV「モデルS」の仕様が全く固まらない状態で、並行して工場に投資していく必要があったのだ。自動車は通常、構想から発売まで5年かかる。それを短縮したといわれる韓国・現代自動車でも3年以上。テスラはこれを2年弱でやり遂げ、しかも客観性に定評がある米コンシューマーレポートで最高レベルの評価を得た。

 デザインや機能の細部にまでこだわるマスクは製品化直前まで頻繁な仕様変更を要求する。その影響で製造工程も機動的に変える必要がある。好きなときに配置換えできるようラインを工程ごとに分断。大型のフォークリフトで頻繁に機械の場所を替える。

将来は年間50万台のEVを生産できるようにする(カリフォルニア州の工場)

将来は年間50万台のEVを生産できるようにする(カリフォルニア州の工場)

 ロボットはできるだけ一台で多機能なものを探し、カタログから機械を発注しただけの現場の素人社員とのやりとりにも対応してくれる担当者を置いてもらうよう求めた。工場内にはそれに応じた独クカのロボットが多い。黄色がシンボルのファナックのロボットもここではテスラのコーポレートカラーの赤に塗り替えられ、オタク気質のマスクが好きなコミックなどのキャラクターの名前がついている。

 米調査会社インサイドEVsがまとめた2015の米国のEV販売動向によると、テスラのEVセダン「モデルS」は49%増の2万5700となり、43%減の1万7269だった日産の小型EV「リーフ」を大きく引き離した。年産台数は約5万台。工場の空きスペースは次々と新たな工作機械で埋まり、効率化が進む。量産車モデル3」のラインの場所を確保するため、手狭になった本工場から近隣の工場へ拠点を広げつつある。5年後にはかつてのNUMMIの生産能力と並ぶ年産50万台を視野に入れる。

社内で見せる、別のマスク

 だが、その勢いは危うさもはらむ。SUVモデルX」を昨年から投入したが、車種が2つになり、ハンドルの位置、型番の増加などでラインのスピードが落ち、生産効率が下がったという。わずか2車種の混流で歩留まりが上がらないなら、さらなる量産はおぼつかない。労働者の熟練不足は大きな課題だ。

 工場労働者の賃金は大手の自動車工場より低く抑えられているフリーモントで配車サービスのウーバーに乗ると、運転手が副業しているテスラ工場の従業員であることが多い。「賃金水準が不満」だという。遠くないうちに労働組合ができ、賃上げを要求する可能性は高い。

 それでもテスラにとって、シリコンバレーの起業家で最も人気のあるマスクの存在は、激しい人材獲得競争の最大の武器だ。同社社員によると、「従業員の給与もIT(情報技術)大手にくらべれば安い」。アップルがEV開発部隊を立ちあげたときは、テスラの基本給の3倍の条件にボーナスもつける破格の待遇で中堅幹部を引き抜きにかかった。それでもアップルからテスラに入る社員の方がはるかに多く、セキュリティー担当の幹部など、中枢人材にまで及んでいる。社員によれば「感覚的にはテスラからアップルが1、その逆が3の割合」だという。こうしたテスラの求心力は、マスクの個性に過度に依存している。

少年のようにはにかむマスコミ向けとは別の顔がある

少年のようにはにかむマスコミ向けとは別の顔がある

 テスラは2010年に新規株式公開(IPO)にこぎ着けたが、年間の最終損益は一度も黒字化していない。強気の先行投資で四半期ベースでも13年1~3月期を除き黒字化は一度もない。

 見渡せばEVを手掛けるベンチャー企業は死屍累々だ。一時はテスラのライバルと目された米フィスカー・オートモーティブや米コーダオートモーティブなどは経営破綻した。投資規模が大きく、ベンチャーには一つのミスでも命取りになる世界だ。

 普段のプレゼンやメディア対応など、公的な場では少年のようなはにかんだ表情を見せるマスクも、社内では全く別の顔を見せる。会議では放送禁止用語を連発し、極限まで自分を追い込まない社員をつるし上げる。ある社員は、「製品発表の3カ月前くらいから、家族にしばらくいないものと思ってくれと伝えた」という。自らも猛烈に働くマスクからの激しい改善要請が押し寄せるからだ。

 テスラではまず実行が前提だ。マスクの目標に対し「物理学的に不可能」という理由以外で「できない」と言った瞬間にクビだ。最近、日系の大手自動車メーカーから2人が転職したが、すぐ解雇されて舞い戻ってきたという。ロボットの先端的な知識について知らなかった幹部はマスクと廊下で立ち話しした直後に解雇された。マスクの方が詳しい部分が少しでもあれば専門家として不要とみなされるのだ。

 その手法は社員や生産規模が増え続けても持続可能なのか。政府や自治体からの優遇策の引き出し、増資、そして私財提供と、マスクの天才的とも言える経営手腕で荒波を乗り越えてきたが、それもリスクだ。毎年、公表する年次報告書で同社自身も認めている。

 「主要な人材を失えば、事業が崩壊する恐れがある。特に、イーロン・マスク氏(とストローベル氏)への依存度が高い」

 独メルセデスベンツの研究ディレクター、エリック・ラーセンはテスラも「規模の呪い」は避けられないと予言する。「テスラのブランドは確かに脅威だ。だが、小さい規模の頃に見えなかった問題はすべて後から出てくる

=敬称略

シリコンバレー 兼松雄一郎)

 

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO96105360U6A110C1000000/

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(57)

航続距離は実用上ほとんど問題とされなくなってきた

 電気自動車は(1)車両価格が高いことと(2)航続距離が短いことが問題とされてきたが、テスラのモデル335000ドル(約390万円)である、米政府から7500ドル(約83万円)の所得税控除を受けることが出来れば、実質的な負担はもっと低くなる。レクサスのIS350(日本で約540万円)よりも格段に安い。

 テスラのモデル3は航続距離も346キロで、高価格のモデルS473キロ)に比べれば劣後するものの、運転する上でほとんど気にならないところまで改善されてきた。筆者の知人でも日本でテスラ車(モデルS)に乗っている人がいる。彼によると乗っていて航続距離を気にしたことはないという。ちなみに現在の日産リーフ1511月に改良が加えられ、航続距離はJC08モード(国土交通省審査値)で280キロとなっている(10年の発売当初は160キロだった)。

 なお日産が51%、日本電気NEC)グループが49%出資して設立されたオートモーティブエナジーサプライ(AESC)社は現在高エネルギー密度のリチウムイオン電池を開発中と報じられている。これは18年にも次世代リーフに搭載されると考えられており、その場合リーフの航続距離は420560キロになるとの予測もある。

トヨタもクレジットを購入する側に

カリフォルニア州の「排ガスゼロ車」(ZEV; Zero Emission Vehicle)規制では、17年秋以降に販売される「18年モデル」から規制が一段と厳しくなる。電気自動車と燃料電池車のみが「排ガスゼロ車」(ZEV)と認定され、プラグイン・ハイブリット車は「過渡的な(Transitional)排ガスゼロ車」(TZEV)と分類された。単なるハイブリット車はどちらの分類からも外れてしまっている。「18年モデル」ではGM、フォード、トヨタなどの大手メーカーは、最低でも2%のZEVと最大でも2.5%のTZEVを加えた台数が全販売量の4.5%以上であることが求められる。

 つまりプラグイン・ハイブリット車という過渡的なクッションが認められはしたが、自動車メーカーは電気自動車燃料電池のどちらかを一定比率販売することで規制をクリアすることが求められるようになる。規制をクリアできない場合は、罰金を払うか、クリアできたメーカーからクレジットを買う。ハイブリットに強いトヨタはこれまでクレジットの売り手とみなされてきたが、15年、公表ベースで初めて「買い手」に回ってしまった。 

トヨタやホンダが燃料電池車の開発を急いできたのも、こういった環境規制強化が見えてきたからに他ならない。

燃料電池車の利点と問題点

 さて、その燃料電池車だが電気自動車に比べ(1)航続距離が長い(MIRAIの場合、約650キロ)、(2)燃料となる水素の充填時間は3分程度と極めて短いといった利点をもつ。ただし次の3つの問題を抱えている。(1)車両価格が高い、(2)車の普及やインフラ整備に時間がかかる、(3)水素を生産するのに二酸化炭素が排出されることになるケースが多い。以下、順番に見ていこう。

まず車両価格だが、トヨタ燃料電池車「MIRAI」を1412に日本で発売開始、米国でも1510に販売し始めた。価格は日本で720万円、米国で58000ドル(約640万円)。米国の場合、連邦政府と州政府から合計13000ドル(カリフォルニア州の場合)ほどの補助が出るので実質的な価格は45000ドル(約500万円)となる。それでも電気自動車テスラのモデル3に比べればかなり割高となってしまう。

 第二に、燃料電池車は普及に時間がかかることが問題視される。水素供給インフラが十分整っていないこともあり、米国におけるトヨタMIRAIの購入希望者は1510月の発売開始時点で2000名強(当初はカリフォルニア州のみで発売)。発表後3週間で40万台近くの予約が殺到したテスラのモデル3のような勢いは、残念ながらまったくない。

トヨタとしては、MIRAIを「一台一台丁寧に造り込みながら慎重に立ち上げていくため」、日本では現在注文しても納期は今から3年後の19年以降になる。MIRAIの生産台数15年までの約1年間で約700台、16年は2000台程度、17年は3000台程度の見通しだ。

水素を生産するのに二酸化炭素が排出されることになるケースが多い
燃料電池車の3つ目の問題は、燃料電池車は水素を必要とするが、これ生産するのには二酸化炭素が排出されてしまうことが多いという点だ。燃料電池車の仕組みは、酸素と水素の化学反応で起きた電気でモーターを駆動させて走るというものだ。つまり水素が必要なのだ。

151021日、米フォーチュン誌は、ガソリンなどの化石燃料原子力、太陽光などの再生エネルギーと違って、「水素はエネルギー源ではなく、エネルギー貯蔵の一方式」に過ぎないと論じた。水素をいちばんクリーンに生産する方法は水を電気分解することだ。しかしこの方法に対しては、同誌はテスラのCEOイーロン・マスクによる痛烈な批判を紹介している。いわく、電力で直接モーターを回せば済むのに、わざわざその電力を使って水素を生産し、それでもって酸素と化学反応させるというのは「まったく馬鹿げている

 フォーチュン誌はさらに日本政府のロードマップは水素を海外から輸入することであると紹介し、近い将来の可能性としてオーストラリア産の石炭を使って水素を生産し、これを日本に持ってくることが検討されていると報じている。そして「これでは東京の空気の質向上には役立つかもしれないが、地球規模で見た場合の二酸化炭素削減にはほとんど役立たない」と辛辣なコメントを載せている。

 こうした批判に対する燃料電池車擁護派の見解は、「電気は貯蔵が難しい(放っておけば放電してしまう)。したがって、化石燃料原子力、再生エネルギーなど、一次エネルギーで水素を製造し、必要に応じて水素を電気に変えて使用する方法には利がある」というものだ。

重要な米国カリフォルニア州の動向

 近未来の自動車を占ううえで、これまで重要な市場とされてきたのは米国カリフォルニア州だ。同州の環境規制は世界でもっとも厳しく、他州や他国をリードしてきた。世界の自動車メーカーが投入する新製品は米国カリフォルニア州で認められることで、やがては世界中に広まっていくと考えられてきた。

 たとえば今から11年前の052月、カリフォルニア州ハリウッドで行われたアカデミー賞授賞式。俳優のレオナルド・ディカプリオが会場にトヨタプリウスで乗りつけた。これを機にハイブリット車が一気に注目を浴び人気化したのは多くの日本人にとっても記憶に新しいところだ。ところがそれから3年後の08年、ディカプリオはプリウスから、発売されたばかりのテスラ・ロードスターに乗り換え、このことが世界中に瞬く間に報じられた。

ZEV(排ガスゼロ車)市場を「電気自動車」燃料電池車」という構図で見た場合、テスラトヨタスタンスはあまりにも対照的だ。シリコンバレーの多くのIT企業は、たとえ赤字になろうとも一気に売り上げを拡大し、一刻も早く市場を押さえ、デファクトスタンダード(事実上の標準)を確立してしまおうとの行動様式を取ってきた。

 テスラがこうしたシリコンバレー的な発想でZEV(排ガスゼロ車)市場の覇者になろうとしているのに対して、トヨタは日本的なものづくりのスタンスでこれに対峙する。「一台一台丁寧に造り込みながら慎重に立ち上げていく」というのは、いかにもトヨタらしい良心的な対応で、安心感もある。しかし普及に時間がかかり過ぎるため、これから先、19年~20年の段階でZEV(排ガスゼロ車)市場の大勢が電気自動車で決着してしまうことが懸念される。

422日現在、日経平均PER(株価収益率)16倍あるのに対し、トヨタPER8倍しかない。トヨタ燃料電池車だけでなくて、電気自動車においても、もっと本腰を入れて開発すべきだ ーー 株式市場はそう督促しているように思える。

 いわさき・ひでとし●プライベート・エクイティ投資と経営コンサルティングを手掛けるインフィニティ代表。22年間の日本興業銀行勤務の後、JPモルガン、メリルリンチ、リーマンブラザーズの各投資銀行を経て現職。日経CNBCテレビでコメンテーターも務める。近著に『不透明な10年後を見据えて、それでも投資する人が手に入れるもの』(SBクリエイティブ刊)。

 

http://shikiho.jp/tk/news/articles/0/115419

 

 

ここでも、「トヨタは腰を据えてEVの開発に取り組まないと、ZEVでの競争に負けてしまう。」と警告されている。「テスラは何が何でも、186502170バッテリーでのEVで勝者になる」と息巻いているので、「トヨタFCVだけで大丈夫か」と忠告されているようにも見える。

 

しかもテスラのイーロン・マスクCEOは、燃料電池Fuel Cell のことを馬鹿電池Fool Cellと蔑(さげす)み、燃料電池なんぞは相手にしていない。

 

 

トヨタを嘲笑うテスラの強気 「水素社会など来ない」

2016/1/18 3:30
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

 向かうところ敵なしのトヨタ自動車にかみついている相手がいる。電気自動車(EV)で急成長する米テスラ・モーターズ最高経営責任者(CEO)、イーロン・マスクだ。狂気をも感じさせるスピードと規模で事業を拡大するマスクはトヨタなどが提唱する水素社会」は来ないと断言する。

マスクがけんかを売るわけ


 「どうして自社以外の技術を攻撃して対立をあおる必要があるのか。水素社会はまだ始まったばかりで、判断は早計だ」――。昨年1113日、米サンフランシスコでトヨタ自動車が開催した燃料電池車「ミライ」の試乗会。登場した開発責任者の田中義和は困惑した表情を浮かべた。

 「フューエルセル(燃料電池)はフール(愚かな)セル」。「燃料電池はクソ」。「燃料電池は永遠のミライ技術

 マスクは昨年来、言葉を選ばず燃料電池車を激しく攻撃し続けている。価格が高く、エネルギー効率が悪いというのが主たる理由だ。トヨタ社長の豊田章男とマスクが米パロアルトで和やかに握手したのは、2010年5月のこと。トヨタがテスラに5000万ドル(当時約45億円)を出資し、新しいEVの共同開発を発表した。

 だがトヨタ2014一部株を売却。その後も目立った提携の進展はなく、テスラからトヨタの多目的スポーツ車(SUV)への蓄電池供給も終わり、両社の関係は冷めたものになっている。

 トヨタの田中は「我々はEVを否定しないし、様々なエネルギーが共存すればいい」と語る。ただ、米最大の人口を誇り、エコカーの最大市場のカリフォルニア州では、2017年モデルからトヨタの強みである従来型ハイブリッド車エコカーとしてみなされなくなる見通し。「ハイブリッドの次」となる次世代エコカーの拡販を急ぐ必要がある。

 マスクが作り出した「EV燃料電池」の議論の構図は、こうした絶妙のタイミングで仕掛けられた。影響力は大きい。識者やマスコミも同調し、米では燃料電池トヨタに対し悲観的な論調が目立つ。

 トヨタも流れを変えようとCMで一矢報いた。「クソ」とののしられたのを笑いに変え、農家の牛のフンからつくった水素を自動車の燃料にする「クソで動く燃料電池」という映像を作り話題を呼んだ。

テスラが自ら投資する充電ステーション。カリフォルニア州だけでも40近く設置されている

テスラが自ら投資する充電ステーション。カリフォルニア州だけでも40近く設置されている

 だが、水素ステーションの整備は進んでいない。あっても閑古鳥が鳴いているのは事実だ。カリフォルニア州の場合、最低でも水素ステーションは数十カ所は必要だが、現在、一般のドライバーが使えるものは確認できるもので6カ所しかない。可燃物の取り扱いなど、許認可手続きに時間がかかるのが一因だ。

 「我々はEV市場をつくるため、自分のカネで急速充電インフラを整備してきた」。テスラ渉外担当副社長のディアミッド・オコンネルは自動車大手を皮肉る。補助金を待つ時間を無駄と考えるテスラはカリフォルニア州だけでも40近い急速充電拠点を自ら設置してきた。


(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(56)

トヨタ環境チャレンジ2050」によれば、

 

2020年頃以降のことではあるが(2020年にはとは言っていない)、FCVを年間3万台以上販売すると言っている。そして日本での販売台数は、月に1千台以上だとしている。

 

とすると、ミライの生産計画は次のようになる。

 

FCVミライの販売計画

2014.12.15 発売開始(3/日生産)

2015年   700

2016年  2,000台  

2017年  3,000

   |

2020年 30,000(内日本では、12,000

 

(参考)      2016年(https://www.hyogo-mitsubishi.com/news/data20170224133000.html

テスラモデルS 50,944台(米国25,202http://shikiho.jp/tk/news/articles/0/115419

日産リーフ    51,882台(米国14,006https://response.jp/article/2017/01/30/289528.html

 

と言うことなので、2020年以降にならないと燃料電池車ミライは、見かけることにはならないかもしれない。

 

まあこんなに先行しているEVが売れている状態であるから、次世代エコカーとしては燃料電池車は落第であろう。トヨタも早く電気自動車に、立ち位置を定める必要があったわけだ。

 

しかしながらトヨタ環境チャレンジ2050」等から受ける印象は、EVFCVか(電気か水素か)未だに定まっていないように、小生は感ずるのであるが。

 

これだけモデルS日産リーフが売れていれば、トヨタも早々に電気自動車に取り組むべきであったのであろう。

 

しかもテスラの「モデル3」は、僅か3週間(20163/31~4/19)足らずで40万台の受注予約になっていると言うほどの注目を集めている。実際にはキャンセルや重複があり、正確には373000だった(http://jp.autoblog.com/2016/05/20/tesla-model-3-pre-orders-lower-report/)訳であるが、それでもZEV2018年規制でのZEV車の大勢は電気自動車で決まってしまいそうである。

 

 

 

近未来の勝ち組は、電気自動車か燃料電池車か

トヨタPER8倍台”が示す意味

岩崎 日出俊

20160428


https://shikiho.jp/tk/news/print/0/115419

146月に発表されたトヨタ燃料電池MIRAI(撮影:梅谷秀司)

 先週のことだが、米自動車大手のフォード・モーターが、販売開始となったばかりのテスラ・モーターズのスポーツ型多目的車(SUV)「モデルX」を、表示価格より5万5000ドル(約610万円)高い199950ドル(約2220万円)で第三者から購入していたことが判明、全米の話題を呼んだ。フォードとしては一刻も早くモデルXを手にして性能や構造、部品、素材を調べたかったに違いない。電気自動車をめぐる熾烈な開発競争を垣間見た一幕だった。

 このように最近は何かと話題に事欠かないテスラだが、先月末には新型量産車「モデル3」を初披露、17年終盤に発売すると発表した。モデル3は高級車の小型セダンといった位置づけで、レクサスISメルセデスベンツCクラス、BMW3シリーズを意識した車格になっている。価格は35000ドル(約390万円)で、米国で購入すれば米政府から7500ドル(約83万円)の所得税控除も受けられる。モデル3の予約には1000ドルのデポジット(保証金)の前払いが必要だが、発表後3週間で40万台近くの予約が殺到したという。



 さらに今月に入ってテスラは12日、高級大型セダン「モデルSの刷新を発表した。4年振りとなるこの刷新では、性能面での強化を図り、1回の充電で走行可能な距離(米国基準)は435キロから473キロへと9%改善した。

 こうした一連の動きを受け、テスラの株価も最近になってまた盛り返してきている。テスラ株は149月に286ドルをつけた後、今年2月、約半値の144ドルまで下落していた。それが422日には254ドルにまで回復してきたのだ。度重なる先行投資でテスラは037月の会社設立以来ずっと赤字決算を継続してきている。これをどう評価したらいいのか、投資家たちはつねに頭を悩ませてきたが、最近の株価上昇で、時価総額は約3.7兆円に達した。日本の自動車メーカーと比較するとトヨタ自動車(7203ホンダ(7267)日産自動車(7201の次に位置し、富士重工業(7270スズキ(7269マツダ(7261)よりも上位に来る。

何台くらいの電気自動車が売れているのか

 では、これまでに何台くらいのテスラ車が売れているのか。会社設立後、最初に販売したのはロードスター08年から12年にかけて2600が製造・販売された(現在は生産終了)。現時点でテスラが販売しているのは2車種。高級大型セダンのモデルS12年発売開始)とスポーツ型多目的車(SUV)のモデルX15年発売開始)である(これに加えて高級小型セダンのモデル3の購入予約を受付中だ)。

 テスラのCEOイーロン・マスク210日付で株主向けに発表した文書によると、テスラはモデルSとモデルXを合わせて15年末で、累積台数で107000を販売したという。そして16年末にはこの数字は187000台~197000のレンジへ到達する見込みであるという。

 これは驚異的な数字である。例えば15年の1年間の米国での販売台数において競合他車と比べてみると、テスラ車の人気が見て取れる。昨年(2015)1年間で、米国内でメルセデスベンツSクラスは21934売れた。BMW 7シリーズと6シリーズとを合わせて17438を販売、アウディA7A8とを合わせて12711を販売している。これに対してテスラのモデルSはこの間、これらを上回る25202を販売しているのだ。

 もっとも、これまで世界でいちばん多く売れている電気自動車はテスラのモデルSXよりも低価格帯の日産リーフである。ちなみにリーフの日本での販売価格は273万円(補助金考慮後246万円)からとなっている。リーフは今年1月には全世界累計販売台数20万台を達成、14年度1年間では66000を全世界で販売している。しかし価格帯を落としてこれから参入してくるテスラのモデル3がすでに40万台近くの購入予約を獲得していることを考えると、日産リーフの牙城はこれから先あっけなく崩れてしまうかもしれない。

販売を「禁止」する州も出現

 テスラは独特な販売方法で知られている。一般に消費者が自動車を買う場合、カタログを取り寄せ、それをじっくりと比較検討して買うことが多いのだが、テスラでは販売カタログは用意していない。テスラによれば、買わないかもしれない人に高価なカタログを配るのは無駄な支出ということになる。

 消費者はネットでスペックを確認しながら望みの車種、装備を決める。購入を勧めてくるディーラーや販売セールスパーソンもいない。あるのはショールームだけで、テスラ車を買う体験はまるでアップルストアでアップルのパソコンを見て買うような感じだ(ただしアップルのパソコンと違って、テスラ社の購入はショールームでは出来ず、あくまでもネットを通しての購入となる)。

 この結果、テスラは全米のディーラーを敵に回すようになってしまった。ディーラーを経由せずに、まるでパソコンを売るかのように直販されてしまうと、ディーラーはお役御免になってしまう。そういった販売方法を許してはいけないと、各州のディーラーたちが立ち上がって州議会議員たちに働きかけた。その結果、ニュージャージーアリゾナ、テキサス、バージニア、メリーランドなどの諸州では自動車の直販禁止の法律が可決され、テスラの販売が禁止されることとなってしまった(ただし一番厳しいとされるテキサス州の例でも、住民はテスラ車をネットで購入し、隣接する州で車のデリバリーを受けることが出来る)。

 これらの州以外でもテスラによる直販に制限を設けている州は多く、たとえばジョージア州では年間の販売台数が150台までであれば直販を認めるとしている。ニューヨーク州では州内にこれ以上のショールーム店舗を設けないことを条件に、既存のテスラ社所有店舗5カ所の維持が認められることとなった。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(55)

この後段部分で、初めてEV全個体電池の話が出てくるが、肝心な前段部分にはEVの話はでで来ない。

 

ということは、トヨタでは20151014現在ではまだEVCO2フリーの中距離移動手段だとは、考えられていないということではないのかな。

 

しかしトヨタは、その1年後の2016.12.1付けで「EV事業企画室」を設置した。この件は当ブログの2017.4.26NO.18で(詳しくはないが)述べているので参照されるとよいが、この間に豊田章男社長に、心境の変化があったものと思われる。

 

クルマを操る歓び・もっといいクルマを作ろうよ」の「いいクルマ」は「操るもの」から「移動するもの・運ぶもの」に変わっていった様だ。

 

トヨタでは、「クルマは操るもの」と言う概念へ、「クルマは移動するもの・運ぶもの」と言う概念を追加できたのだ。

 

しかしこれは自発的に、自律的に、クルマの概念を変えていったものではなくて、多分、外界からの力によって変えざるを得なかったからであろう。ただクルマ本来の機能に戻ったということだ。

 

クルマは移動するもの・運ぶもの」となれば、それほど操らなくてよいと言うわけでもないが動けばよいのであるから、多種多様な燃料を使えるようになる。短絡的に言うと、「もっといいクルマ」とは「限りなくCO2を排出しないクルマ」と言う事になる。

 

そして地球温暖化を絶対に防がなければならない、と言うことが急務となってきているから、クルマはCO2を排出しない燃料を使わなくてはならなくなったのである。

 

今のところ、それは電気しかないのである。そのため如何にしてCO2フリーで電気を作ってゆくかということが、勝負どころとなるのである。

 

この課題に対して、トヨタ水素に着目して、日産バイオエタノールに着目したのである。

 

但し水素自然エネルギー再生可能エネルギーで電気を起こし、その電気で水を電気分解すれば、CO2フリーで作ることが出来る。

 

しかしバイオエタノールは改質の際に発生するCO2を回収して貯留しなければ、CO2が大気に放出されてしまうので、元の木阿弥と化してしまう。だからCCSとかBECCSとかのこれまた複雑な操作が必要となってしまうし、食糧問題も惹起されることにもなる。また元となる植物(サトウキビやトウモロコシ)は機械を使って作られるので、この段階でも盛んにCO2を発生させている。だからバイオマスで水素を作ることは、環境的にはそれほど効率的ではないのである。

 

このことは先に言及しておいたが、何れにしても2050年には自動車からのCO2排出は限りなくゼロとしなければならないのだ。

 

先ずは何はともあれ、CO2フリーで電気を作ることを考えなければならない。

 

これに関して小生は、自然エネルギー再生可能エネルギーで電気を起こし、その電気で水を電気分解してCO2フリーで水素を作ることが、最も効率的で永続性があるものと思っている。電気を蓄えることが出来る形に変換しているからである。

 

その水素を使った燃料電池再生可能エネルギーで作った電気でバッテリーに充電して、電気自動車を走らせられれば、完全に(と言ってよいほどに)CO2フリーでクルマを使うことが出来るのである。

 

現在は化石燃料を使ってCO2を放出する火力発電所で作った電気で、電気自動車は走っているので走行中にCO2は排出しないが、2050CO2排出ゼロには必ずしも寄与しないのである。

 

だからかどうかは知らないが、トヨタEVを最優先事項に置いていない理由も、ここら辺にあるのかもしれない。だとしたら、水素をもっともっと活用して燃料電池で発電して(再生可能エネルギーも使って)電気を作り、その電気をバッテリーに蓄電して電気自動車を動かすことを考えればよい。

 

トヨタ環境チャレンジ2050」の[「水素社会」実現に向けた取り組み]の中には、このような考え方も含まれているものと、小生には感じられるのである。

 

 

トヨタは、この時点ではまだEVは、近距離用途のクルマとの認識である。ロイターは次のように伝えている。

 

 

 

Business | 2015101419:41 JST

関連トピックス: ビジネス, トップニュース
トヨタ50年にガソリン車販売ほぼゼロ 20年以降にFCV年3万台

 10月14日、トヨタ自動車は2020年までにハイブリッド車で年150万台の販売を目指すと発表した。都内で昨年3月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

 (2015)10月14日、トヨタ自動車は2020年までにハイブリッド車で年150万台の販売を目指すと発表した。都内で昨年3月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai

 

[東京 14日 ロイター] - トヨタ自動車(7203.T)は14日、中長期な環境への取り組みを発表した。地球温暖化につながるCO2(二酸化炭素)削減のため、2050年にはディーゼルやガソリンといったエンジン車の新車販売をほぼゼロにする方針を明らかにした。

一方、走行時に水しか出さず、究極の環境対応車と位置づける燃料電池車(FCV)は20年以降に年3万台以上の販売を目指す。

同社は50年時点での車種別の新車販売比率のイメージ図を公表。具体的な数字での比率は示さなかったが、新車販売のほとんどがFCVをはじめ、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)といった車両にし、エンジン車は限りなくゼロに設定した。



都内で会見した伊勢清貴専務役員は「地域によっては電気が使えないなどインフラ上の制約もあるため、少しは残る」としながらも、エンジン車は「なかなか生き残れない」と説明。自動車業界にとって「天変地異に等しい」とし、トヨタも対応していかなければならないとの考えを示した。

FCVの世界販売は、普及に向けた「熱を冷ましたくない」(伊勢専務)として、20年以降に年3万台以上とする目標を掲げた。日本では年1万数千台の販売を目指す。昨年末に発売した市販車「ミライ」は日本で約350台を販売したが、受注に生産が追いつかず、現在も納期まで3年以上かかる状態だ。欧米でも今秋から販売を開始。年生産規模は15年末までは約700台、16年は約2000台、17年には約3000台に拡大する計画。

HVの世界販売は、20年までに年150万台と14年の約126万台から2割近く増やし、累計で現在の800万台超から1500万台に引き上げる方針を示した。伊勢専務はHV販売拡大のため、引き続き燃費改善やコストの引き下げ、低価格化を進めるとした。

一方、EVは「電気容量を増やす開発は進めているが、充電時間を短くする技術が目先まったくない」(同)と説明、容量を増やしても充電に時間がかかると使い勝手が悪いため、引き続き近距離用途としての開発にとどめるとした。

こうした環境対応車の販売拡大により、世界で販売する新車平均の走行時のCO2排出量を2020年には)10年比で22%以上50年には90%の削減を狙う。自然エネルギーの利用拡大などで、50年には工場から排出するCO2をゼロにするなどの目標も盛り込んだ。

http://jp.reuters.com/article/toyota-hv-idJPKCN0S80ET20151014

(続く)