2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

日韓併合100年(142)

戒厳令が発せられた東京の治安は劇的に回復した。群集の暴発を煽った新聞は、早速2日間の発行停止を食らっている。地方にはこの戒厳令は適用されない。そのため神戸では暴動が発生した。しかし組織されていないもので単発に終わっている。 9/8、夜、小村委…

日韓併合100年(141)

東京で戒厳令が発せられた9/7,零時頃、ボストンでは9/6,10:00頃小村は母校のハーバード大学訪問に出発していた。ハーバード大学での歓迎昼食会の後、構内に住む名誉教授C・ラングデルを訪問した。彼は小村委員の当時の恩師であった。名誉教授は、ひげを生や…

日韓併合100年(140)

ちなみに、内相とは内務省を指揮監督する内務大臣のことで、警察・治安・衛生・地方自治などを管轄していた。1947年限りで廃止されている。内大臣とは宮中のポストであり、内務大臣とは関係ない。とはWikipediaの説明である。 調印は、午後3時開始予定が、…

日韓併合100年(139)

9/3、日本国内では、益々反講和の気運が強くなっている。日本各地で反対集会がもたれていた。「大阪市民大会」は最も過激であった。「政府は国民に謝罪して、講和条件を破棄して、戦争を継続せよ」といった趣旨の決議を採択している。 東京では「講和問題同…

日韓併合100年(138)

このようなロシアの考えは、今の時代でも変わっていない。さらに厄介なことには、そのロシアと同じ考えのならず者国家が、その隣に存在していることである、共産中国である。それなのに日本の民主党政権には、そんな危機意識は少しもない。管も鳩山も小沢に…

日韓併合100年(137)

「ロシアは中立の朝鮮を必要とする。もし朝鮮が自由でなければ、我々は極東における全戦略が脅かされる。旅順からウラジオストクに至るルートには障害があってはならない。もし日本がこれに同意しないのならば、海陸における戦闘という犠牲を払わねばならな…

日韓併合100年(136)

8/30、米国の新聞は講和成立を祝う記事で賑わったが、ロシア、日本の両当事国の反応はすこぶる消極的であった。政府としては講和条約の調印がなされないうちは、正式決定とはしていなかったために、政府発表が無かったからである。 8/31、日本政府は朝から、…

日韓併合100年(135)

どのように外交交渉するかは、知恵を最大限に搾り出さなければならない。 日本は償金が取れるような戦争をしなければならなかった。戦争の行われている満州は、ロシアの地ではない。いくら奉天を取られても、ロシアはある意味痛くも痒くもない。だから北韓作…

日韓併合100年(134)

委員ウィッテは失望し、記者たちも談判決裂を確信した。 午前9時30分、会議が始まると同時に小村委員が秘密会議を要求し応諾される。両全権委員と通訳だけとなる。午前10時秘密会談開始。 (1)小村委員、8/23の提案='11/8/9,NO.129参照・(8/18の秘密合…

日韓併合100年(133)

それに仮に日本が勝ったとしても「ロマノフ王朝」が崩壊してしまえば、償金も権益も入手できなくなる可能性もある。また日本が必ずしも勝つとは限らない。負けるかもしれない。 そのため、「たとえ多少の譲歩を為すも、今回講和会議を機とし平和の局を結ぶこ…

日韓併合100年(132)

ウィッテは高平委員に「償金と割地の2要求を撤回せよ。8/29火曜日がその期限である。」事を伝えている。そしてそのことを本国にも電報で伝えている。日本もウィッテの言うことを十分よく理解していた。 日本の執るべき策は、次の二つしかない。 (1)軍費およ…

日韓併合100年(131)

8/28、早朝(日本時間)元老会議そして午前8時に引き続き閣僚会議がもたれた。当然議題は日本政府の最終態度である。談判決裂の場合は、陸軍の軍事力が頼りとなる。奉天戦のあと日露ともに戦力の増強に励んだが、日増しに日本軍の不利が明らかになった。ロ…

日韓併合100年(130)

8/18、小村・ウィッテの秘密合意、「日本は樺太南部を領有し、北半分を12億円で還付する。」8/21、大統領は金子に、賠償金(樺太半分の還付金)は12億円に対して7.5億円でどうか、と投げかける。8/22、7:00pm金子は小村にこのことを打電する。そして11:00pm…

日韓併合100年(129)

それにも増して、この「一文無しの妥協」を日本が知れば、日本は逆上してこの談判を無にするであろう。だから日本には知らせずに、反対にまさかの時の切り札に使えると思い、ルーズベルトは秘匿したものであろう。もともとアメリカは狡賢い国である。 しかも…

日韓併合100年(128)

散々意見交換した挙句ウィッテは次のように締めくくった。 「軍費の払い戻しのない講和案は、日本としては承諾できないということか。」 小村委員は「そうだ」と答える。 ウィッテは「(罠に)掛かった」と思ったであろう。「本員は、サガレン全島を放棄して…

日韓併合100年(127)

金子から小村にルーズベルトの変心が知らされていれば、小村からは何らかの対抗策がウィッテに向けられていたことであろう。例えば樺太全島の譲渡か、または樺太の北半分を(報酬金と引き替えに)還付するのどちらかを選択せよと迫るとか、はたまた、北韓作…

日韓併合100年(126)

大統領はN.Y.の金子元法相に秘密書簡を送っていた。午後11時、金子はそれを受け取った。「日本は賠償金のために会議を打ち切って戦争を継続すれば、世界の各国からの同情を失うであろう。多数の議員からも反発の意見を聞く。自分も同意見である。」と…

日韓併合100年(125)

8/22、午前7時に本日の会議が翌日午前9時に延期された旨、公式発表された。 記者たちの見方は、大統領は日本側に立ちロシアを説得する、と言うものと、否、日本は異人種・異教徒・異文化なのでロシア側に立つ、と2分されていた。当事者は日露の2国である…

日韓併合100年(124)

そして大統領がローゼンに言ったことは、(小生なりに簡単にまとめると)ロシアは樺太を割譲せよ。残るは賠償金だけである。これはいくら当事国同士で話し合ってもまとまらない。だからロシアは仏大統領E・ルーべに、日本は英国王エドワード七世に委任して…

日韓併合100年(123)

(1)樺太を二分して北緯五十度以北をロシアに還付し、以南を日本が領有する。(2)日露両国は、宗谷および間宮海峡の自由航行を阻害しないことを約束する。(3)樺太の北緯五十度以北の還付の報酬として、ロシアは日本に12億円を支払う。(4)以上の協定が成立す…

日韓併合100年(122)

そして次の5項目をまとめた。 (1)サガレン(樺太)を分割して処分する。(2)ロシアは、同島北部の還付について日本に報酬を支払う。(3)間宮、宗谷海峡の自由航行を相互に保障する。(4)右の三ヵ条が妥結すれば、日本は軍費の払い戻し要求を撤回する。(5)報酬…

日韓併合100年(121)

まずウィッテは、賠償金支払いとサガレンの割譲は「絶対に不可」との訓令を受けている。従って自分の権限ではどうしようもない。だからあくまでも日本がこの件を主張するなら、講和談判の破裂も止むを得ない。」と脅かしてから、「しかしこれに代わるよい案…