2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ALPS処理水放出と習近平の凋落(43)

「中央経済工作会議」では、習近平はからきしダメであった。「逃亡した」とのうわさまであるのである。事実、習近平は工作会議の二日目の12月12日には一日欠席してベトナムのハノイに飛んでいるのだ。これは一種の「責任逃れ」ではないか。 中央経済工作会議…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(42)

米中関係と「トウキデイデスの罠」 2021年9月24日付米外交専門誌フォリーン・ポリシーは「衰退する中国、それが問題だ」と題する論文を掲載した。執筆したのはジョンズ・ホプキンズ大学のハル・ブランズ特別教授とタフツ大学のマイケル・ベックリー准教授だ…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(41)

先の論考では、「2027年か35年に台湾を侵攻するような計画は中国にない」と書かれていたが、この文章では「その時期は決まっていない」と、習近平は述べたという。 と言うことは、「その時期が決まっていない」だけで、場合によっては2027年にも2035年にも「…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(40)

しかもさらなる大きな失敗を、習主席は犯してしまった、と書かれている。 それは、習主席がバイデン大統領に「2027年か35年に台湾を侵攻するような計画は中国にない」と語っていることである。中国が「台湾侵攻計画を明確に否定」したことは、瞬く間に世界中…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(39)

「台湾を侵攻するような計画は中国にない」!? そしてもう一つ、首脳会談における習主席の言動は、およそ彼自身の思いもつかないところで、中国にとっての失敗を犯した。 首脳会談で習主席がバイデン大統領に対し、「2027年か35年に台湾を侵攻するような計…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(38)

バイデンの目標「衝突管理」は達成された ここでの「衝突の管理」は当然、軍事衝突を未然に防ぐための「管理」を重点中の重点とするものであるが、そのためには米中間の軍対話、すなわち両国軍の間の対話・意思疎通が必要不可欠であるのは自明のことである。…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(37)

米国には効果なし、なし崩し会談へ 10月30日、人民日報系の環球時報は米中首脳会談の開催を論じる社説を掲載した。それは「“サンフランシスコへの道のり”は平坦なものではない」という王外相の言葉を引用しながら、首脳会談実現のためには、米国側の対中関税…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(36)

台湾問題や半導体規制などでは、米国からの何らの譲歩も得られなかったと言うことである。反対に、中国側からは「台湾に侵攻する計画はない」とまで言ってしまった様だ。 米中首脳会談を渇望しながら「会いたいなら要求をきけ」と強請りの習近平、実はバイデ…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(35)

深まる「習近平独裁の危うさ」 習氏の一強体制が固まり、人事は習氏の一存で決まる状況下で、習氏の信任を失えば政府高官が即座に失脚する事態が相次いでいる。 すべては習近平の一存で決められていく…Photo/gettyimages 習氏は軍に対する不信感が強いとさ…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(34)

米中対話はそれなりに行われているようだが、これは中国の一種の隠れ蓑ではないのか。対話で安心させておいて、軍事力を増強していくという、中国得意の騙(ダマ)くらかし戦法である。 その証拠に、中国の核弾頭保有数は優に500発を超えている、と言うし、20…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(33)

中国は、現在、次の様に考えている、様だ。 日本はアメリカの属国の地位にあり独立国とは認めがたい。従って日本との対等な付き合いは出来ない、ものとして行動しようとしている。 中国の「台湾侵攻」に対しては、確実に日本(の米国軍の軍事基地)に対して…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(32)

その場合には、日本も戦場となる。事実、中国は台湾侵攻と同時に、日本への攻撃を開始する、と思って対処をしていなければならないのだ。 問題は、今年2023年4月30日の、駐日中国大使の呉江浩の日本記者クラブでの記者会見での発言だ。 呉江浩は「台湾問題」…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(31)

むしろ警戒が強まる台湾有事 習近平国家主席は「経済の低迷を乗り切るためにナショナリズムの高まりを利用する」との見方がある(10月11日付ニューズ・ウィーク日本版)。 最も有効な手段は「台湾の(武力)統一」だろう。米軍幹部は「経済よりも安全保障を…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(30)

小生はこの論考の趣旨を、次の様に理解したが、間違っていたらどしどし訂正願う。 1) 不動産開発業者は盛んに投資を行い、そのため中国経済は成長を続けたが 2) その資金を地方政府が融資したが、その額は莫大なものとなっている。 3) 地方政府はその資金の8…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(29)

世界2位の経済大国である中国が抱えているのは、しぼむ不動産バブル、債務返済に苦しむ地方政府、その両方が重くのしかかる銀行システムだ。 ほかの国であれば、こうした要因は金融危機の前兆と見なされるだろう。だが中国では違うと、これまでの常識では考…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(28)

<習近平時代には「小日本」が「人民の敵」に> 上位者にいじめられた人間は自分よりも下位の人間をいじめて憂さを晴らすものだが、最下層に位置する人間はどうやって鬱憤を晴らすのか。そう、サンドバッグ代わりの対象を攻撃するのだ。 共産党支配が始まっ…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(27)

先にALPS処理水放出に過剰反応する理由を五つ上げおいた。 次の五つである。 (1) 中国の美しい環境を汚染する日本は悪い国で、中国は良い国だと宣伝 (2) だから日本国民も岸田政権を批判、政府と人民の分断を画策 (3) 中国の海が汚されると喧伝し、人心を外…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(26)

『「中国の行動は、日本の世論を嫌中に向けてしまいました。それが日本の対中政策の手足を縛ることになる。そこに中国は気づくべきだ、いや、すでに気づいていると思います。 究極的には中国指導部が処理水放出批判は逆効果だと理解して、静かに批判をフェー…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(25)

処理水への「猛反発」は中国の首を絞めつつある 裏目に出た「孫子の兵法」 米倉昭仁 2023/09/07/ 06:30 香港の日本総領事館前で、日本政府に対し、処理水の海洋放出撤回を求めて抗議する親中派政党のメンバー=8月23日、香港 香港親中派抗議 東京電力福島第…

LPS処理水放出と習近平の凋落(24)

中国の科学的原則に基づかない「日本産水産物の輸入停止」に対しては、日本政府もWTOへは「容認できない」旨の中国への「反論書」を提出している。 「福島第一原発から放出される年間のトリチウム量は、中国の秦山原発から放出されるトリチウム量の約10分…

ALPS処理水放出と習近平の凋落(23)

仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナルは28日、「中国はなぜ日本の核廃水(福島第一原発処理水)の海洋放出にこれほど敏感なのか」と題する記事を掲載した。 仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)は28日、「中国はなぜ日本…