ALPS処理水放出と習近平の凋落(34)

米中対話それなりに行われているようだが、これは中国の一種の隠れ蓑ではないのか。対話で安心させておいて、軍事力を増強していくという、中国得意の騙(ダマ)くらかし戦法である。

 

その証拠に、中国の核弾頭保有数は優に500発超えている、と言うし、2030年には1千発を超すというではないか。(日本もうかうかとはしておられないということだ。)

 

だから中国は内心、自信を持ち始めているようだ。だから国際空域での、中国軍機の米軍機への煽り飛行を盛んに繰り返している。そのため米軍はその映像を公表して、中国に止めるように圧力をかけているが、習近平の中国は知らぬ存ぜぬである。 

 

これでは困るのである。

 

 

 

習近平、制御不能…!緊迫の「中東情勢」で高まる「米中衝突」の可能性と現実味を帯びる米政治学者「7年前の予言」、その「ヤバすぎる中身」 

2023.11.01 藤 和彦経済産業研究所コンサルティングフェロー 

 

中東で懸念される「米中衝突」の可能性 

 

10月27日、中国の王毅外相が訪米しブリンケン米国務長官らと会談したが、これはバイデン大統領と習近平国家主席の会談実現のための地ならしだ。 

 

米中高官は、このところ対話に前向きだが、雪解けムードとなる可能性は低い。むしろ、筆者はイスラエルパレスチナの緊張で、中東地域で米中衝突の危険が高まっていると身構えている。 

 

米中の緊張は高まる一方 Photo/gettyimages     

 

前編『習近平にいったい何が…米軍が激怒した日本近海「中国軍あおり飛行」と、実は中東がヤバい!危険レベル急上昇の「米中衝突」、緊迫の異常事態』でも紹介したが、米中の対立は、いまやいつ発火しても決して不思議ではない状況まで深まっている。 

 

これが、イスラエルパレスチナの衝突の最中に、「中東地域」で起こるとなれば、事態はさらに深刻となるだろう。 

 

傍若無人の中国軍 

 

いま、東シナ海南シナ海上空の国際空域で危険な飛行を行った中国軍機の「あおり飛行」への米中の応酬が激しくなっているが、空軍に加え、海軍の危険行為も問題になっている。 

フィリピン政府によれば、10月22日、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島のアユンギン礁近くでフィリピン国軍が契約する補給船と中国海警局の船舶がぶつかり、別の場所でもフィリピン沿岸警備隊と中国海上民兵武装した漁船団)の船が衝突する事案が起きた。  

 

東シナ海南シナ海で中国船の横暴が続いている Photo/gettyimages 

 

日本を始め西側諸国は中国船の行動を一斉に批判したのに対し、中国は「アユンギン礁は自国の領土だ。根拠のない中傷はやめろ」とけんもほろろだ。 

軍の異常行動の背景には中国の政治情勢が影響している可能性が高い。 

 

習近平の「国防相解任」で露わになる暴走 

 

習近平指導部は10月24日、尚福国務委員兼国防相の解任を決定した。 

 

中国の国防相は主に軍事外交を担い、これまで5年ごとに交代するのが通例だったことにかんがみれば、約7ヵ月で交代する李氏のケースは極めて異例だ。理由は明らかにされていないが、「軍事装備品を巡る不正に汚職に関わった」との見方がある。 

 

習氏の軍に対する締め付けは強まるばかりだ。 

 

今年の夏も、核ミサイルを扱うロケット軍のトップが変則的に交代させられている。 

 

習氏が軍の規律徹底にこだわるのは、党が軍を統治し、規律を徹底させられているかどうかが指導者の権力基盤に直結するからだ。 

(続く)