しかもさらなる大きな失敗を、習主席は犯してしまった、と書かれている。
それは、習主席がバイデン大統領に「2027年か35年に台湾を侵攻するような計画は中国にない」と語っていることである。中国が「台湾侵攻計画を明確に否定」したことは、瞬く間に世界中に広まってしまった。
これは「台湾の総統戦」に、大きな影響を与えることになる、と続けている。
台湾の国民党は「民進党総裁であれば、中国は必ず戦争を仕掛けてくる」として、国民党に投票するように選挙戦を戦っていたのである。
しかしながらこれで、国民党の切り札は無効となってしまったのである。
取り立てて得るものがなかった中国側は、習主席がバイデン大統領と庭園を散策したことと、習主席をバイデン大統領が玄関口まで見送ったということしか、ニュースには出来なかった。
しかもさらに追い打ちをかけるように、バイデン大統領は会談後の記者会見で、「「習近平は独裁者だ」と明言」したことである。
中国側は、これに対して直ちに「反発」はして見たものの、中国国内にはこのことは一切報じてはいないのである。
「鳴り物入りの「習近平訪米」は習主席と中国にとっては全くの「失敗と屈辱の旅」となった。」と、この論考は結んでいる。
とは言うものの、中国は「台湾は中国のもの、絶対に手に入れる」とバイデン大統領に伝えていたのだ。
中国・習近平主席、台湾を手に入れるとバイデン大統領に語る…APECでの会談時に
Tom Porter [原文] (翻訳:仲田文子、編集:井上俊彦)
Dec. 21, 2023, 05:00 PM 国際
2023年11月15日、カリフォルニア州ウッドサイドで開催されたAPEC首脳会議の合間に、庭園を一緒に歩くジョー・バイデン大統領と習近平国家主席。Xinhua News Agency
・中国の習近平国家主席は、台湾を掌握するつもりだとジョー・バイデン大統
領に語ったとNBCニュースが報じている。
・この会話は、11月に開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の合間
に行われた首脳会談で交わされたという。
・台湾の総統選挙を前に、中国と台湾の緊張が高まっている。
NBCニュースが報じたところによると、中国の習近平国家主席はアメリカのジョー・バイデン(Joe Biden)大統領との直接会談で、
中国は台湾を掌握するつもりだと語ったという。
この発言は2023年11月に行われたサンフランシスコで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の合間に行われた首脳会談でなされたものだと3人の元・現アメリカ政府高官の話を引用して報じられた。
公式発表では、気候危機などの問題で両首脳が共通認識を見出したことが強調されたが、報告書によると、台湾の事実上の自治をめぐる長年の緊張も表面化したという。
中国は台湾を支配する権利があると習主席は率直に主張し、武力ではなく
平和的に台湾を奪取することを望んでいると述べたとNBCが報じている。また、中国が2027年までに台湾を掌握する用意があるとするアメリカの情報機関の主張を否定し、その時期は決まっていないと述べたという。
この報道は、日経アジアが報じた会談の内容とも合っている。同紙では、習近平の台湾に関する発言は緊張を和らげようとするものであり、中国は軍事行動を計画していないことを強調したが、攻撃する場合の条件は示したと報じている。
習主席は、中国経済の混乱の中でプレッシャーにさらされており、今回のAPECでは、投資を確保するためにアメリカの政府関係者やビジネスリーダーとの関係を円滑にしようとした。
1940年代の内戦後、台湾は中国共産党政権からの独立を主張したが、中国は台湾を統治する権利を長年主張してきた。
習主席は最近の演説で、台湾へ侵攻する可能性があると脅しをかけており、アメリカ政府関係者は、習主席が武力による台湾支配を目論んでいるのではないかとの懸念を強めている。
バイデン大統領は、台湾が攻撃された場合、アメリカは台湾を守ると述べたが、この発言はホワイトハウスによって修正された。
アメリカは長い間、台湾に対して「戦略的に曖昧」な立場を維持しており、中国が台湾を支配する権利があると主張していることを認識しながらも、台湾が攻撃された場合には、その自治権を擁護する可能性を示唆している。
2024年1月に行われる台湾総統選挙を前に、台湾と中国本土の緊張は高まっている。