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続・次世代エコカー・本命は?(50)

そのトヨタが、マツダと包括的な業務提携を発表(2015.5.13)したのだ。と言っても、この時期はまだスズキとVWは係争中であったのだが。

 

 

May. 13, 2015

トヨタ自動車株式会社
マツダ株式会社

トヨタマツダ、業務提携に向け基本合意

-クルマの魅力を向上させるための具体的な協業の
検討を開始-

 

 トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ、本社 : 愛知県豊田市、社長 : 豊田 章男)とマツダ株式会社(以下、マツダ、本社 : 広島県安芸郡府中町、社長 : 小飼 雅道)は、本日、「クルマが持つ魅力をさらに高めていく」ことを念頭に、両社の経営資源の活用や、商品・技術の補完など、相互にシナジー効果を発揮しうる、継続性のある協力関係の構築に向けた覚書に調印したと発表しました。

 今後、両社で組織する検討委員会を立ち上げ、環境技術、先進安全技術といった分野をはじめとする、互いの強みを活かせる具体的な業務提携の内容の合意を目指していきます。

 トヨタマツダは、これまでもトヨタハイブリッドシステム技術のライセンス供与や、マツダのメキシコ工場におけるトヨタの小型車生産などで業務提携を行ってきました。

 今回の協業検討の合意は、「もっといいクルマづくり」を掲げ、持続的成長に向けた真の競争力強化のために会社を挙げた構造改革に取り組むトヨタと、「カーライフを通じて人々に人生の輝きを提供する」という企業理念を掲げ、「SKYACTIV技術」と「魂動デザイン」を導入し、お客さまに「走る歓び」を提供することを目指しているマツダの思い・姿勢とが一致したことにより、従来の提携の枠組みを超えて「クルマの新たな価値創造」に向けた中長期的な相互協力を目指すものです。

 トヨタ豊田章男社長は、「マツダは、『SKYACTIV技術』『魂動デザイン』など、基本にこだわったクルマづくりを進めるとともに、次代を担うクルマ・技術に挑戦し続けておられるクルマ会社と思っています。私たちのめざす『もっといいクルマづくり』を実践されている会社であり、志を同じくする企業同士で新しい『クルマの魅力向上』に取り組めるという期待感で一杯です。取り組みを通じて『次の100年もクルマは楽しいぞ!』というメッセージを世界に発信できれば、こんなに素晴らしいことはありません」と語りました。

 マツダの小飼雅道社長は、「トヨタは、地球環境保全、モノづくりの将来に責任を果たされようとする強い意志を持たれた企業です。また、『もっといいクルマづくり』という目標に向け、さらなる革新をされようとする真摯な姿勢に尊敬の念を抱いております。さらには、創業以来地元を大切にし、地元から愛されていることにも共感します。本協業により、さらなる『クルマの魅力向上』が実現でき、お客様にとっての真の価値の向上と広島のモノ造り力の向上にもつながることを期待しています」と語りました。

以上

 

 

トヨタマツダ、業務提携に関する共同記者発表会

ダウンロード(動画)

http://newsroom.toyota.co.jp/en/detail/7871943

 

相互にシナジー効果を発揮しうる、継続性のある協力関係の構築」が、トヨタマツダの業務提携の目的だとしているが、一方ではマツダの「スカイアクティブ」技術はトヨタのグループ企業である「デンソー」が一枚も二枚も噛んでいるようで、もしもマツダがどこかの外資企業に買収されると、その技術は国外の流出する恐れがあり、それを防ぐ意味もありトヨタは特に具体的な協業事業を定めずに業務提携を結んだのであろう、と言った論調もある。

 

対極的なトヨタマツダの提携。真の狙いはどこにあるか

2015914日(月)

PRESIDENT 2015817日号

ナカニシ自動車産業リサーチ 代表兼アナリスト 中西孝樹 構成=衣谷 康

 

今年5月、トヨタマツダが業務提携を発表。環境技術などで協力関係を築くというが、資本提携や具体的な事業構想はなかったため、その真意が伝わっていない。規模において大きく勝るトヨタのメリットを疑問視する声もある。


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そもそもこの2社は、非常に対極的な立ち位置にある。三河豊田市企業城下町を形成するトヨタに対し、広島の府中町に本拠を構えるマツダ1979年から米フォードと資本提携していたマツダに対し、83年にGM合弁会社を設立するなど関係を深めてきたトヨタ住友銀行をメーンバンクとしていたマツダ三井銀行と創業家が姻戚関係にあるトヨタ……。何から何まで対照的だ。

それがなぜ提携を結ぶことになったのか。ポイントはデンソーだ。

デンソーは言うまでもなくトヨタのグループ企業だが、実はマツダともエンジンの共同開発をしている。マツダの新世代エンジンシステム「スカイアクティブ」もデンソーなしでは実現できない技術と言っていい。この「マツダデンソー」で開発するエンジン技術は、トヨタにとってもいずれ自社の利益となる一方、マツダがどこかの外資企業に買収されれば、国外流出する恐れもある

トヨタは、マツダとの提携を単なる企業間関係ではなく、国家単位の長期的な視点で考えていると私は見ている。日本にとって、自動車産業は外貨の約半分を稼ぎ出すまさに中核産業。グローバルな競争力を維持するためには、電気自動車や自動運転も大切だが、まずは内燃機関で絶対的な優位を確立することが先決だ。トヨタは、それをマツダとの提携によって実現しようとしている。

提携の発表会見では、両社長が「ふるさと」という言葉を強調していた。2社の故郷である三河や広島の企業文化を守り、ひいては自動車産業、日本の産業構造を守っていく。非常に高所に立った提携なのだ。

 

 

中西 孝樹1986オレゴン大学ビジネス学部卒業。94年より一貫して自動車産業調査に従事。UBS証券、J.P.モルガン証券などを経て、2013年ナカニシ自動車産業リサーチを創業、独立。『トヨタVW』(日本経済新聞出版社)など著書多数。
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http://president.jp/articles/-/16182

(続く)