年央雑感(27)

そして「イカロス」は太陽光を受けて加速している。

   
24イカロス太陽光“追い風”…宇宙ヨット加速成功
(2010年7月10日  読売新聞)
(Photo)太陽光を受けて宇宙空間を進むイカロスの想像図(宇宙機構提供)

 世界初の宇宙ヨット「イカロス」(重さ310キロ・グラム)が、宇宙空間で太陽光を帆に受けて

加速することに成功したと、宇宙航空研究開発機構が9日発表した。帆を広げてから1か月

間に得た加速量は、静止状態から秒速10メートルへの変化に相当するという。


 イカロスの帆は約14メートル四方。光にはわずかな圧力があり、空気との摩擦がない宇宙

では時間をかければ加速につながる。現在は地上で0・1グラムの物を持ち上げる時と同じく

らいの力を帆に受けていて、地球から1800万キロ・メートル離れ、金星の方向へ向かってい

る。

http://osaka.yomiuri.co.jp/science/news/20100710-OYO8T00553.htm

   

もうひとつ、世界が注視している状況を示す記事を紹介しよう。

    

22知りたい!:光を帆に受け金星へ 「宇宙ヨット」イカロス、世界が注視
毎日新聞 2010年7月8日 東京夕刊

 ◇開発はJAXA若手陣

 世界初の宇宙ヨット「イカロス」に関心が集まっている。海外メディアが詳報し、インターネッ

トの簡易投稿サイト「ツイッター」では、ゆるキャラ「イカロス君」が約3万4000人のフォロワー

(閲覧者)を獲得。小惑星探査機「はやぶさ」に続く新しいアイドルになれるか?【山田大輔


 イカロスは5月21日に金星探査機「あかつき」と一緒に打ち上げられた。イカロスの主な任

務は宇宙ヨットの航行技術の確立で、6月10日に最大の難所だった帆(14メートル四方)の

展開に成功。現在、金星に向かって航行している。


 宇宙ヨットは、ごくわずかな運動エネルギーを持つ光の微粒子を帆に受け止めて飛ぶ。帆

の厚さは0・0075ミリ。台所用ラップの10分の1以下で一見、セロハンのような薄い膜だ

が、携帯電話の電子基板と同じ素材で、宇宙空間の強い放射線にも10年以上耐える。


 米国が過去3回打ち上げに失敗するなど開発が難航してきただけに各国の関心も高く、米

誌タイムは「はやぶさ」とともに「ウォークマンを発明した国が、テクノロジーの開拓者のイメー

ジを取り戻した」と報じた。英BBCテレビは「日本、帆の展開に成功」と伝え、打ち上げ時に

折りたたまれた帆の広げ方まで図解で詳報。「オリガミヨット」と巧みさをたたえた英情報誌も

あった。


 相模原市宇宙航空研究開発機構JAXA宇宙科学研究所はやぶさチームの隣にイカ

ロス運用室はある。約20人のメンバーの半分は大学院生、最年長は36歳の森治チーム長

と非常に若いチーム。メンバーふんするイカロス君はツイッターで頻繁につぶやく。「はやぶさ

兄さんみたいに頑張るからね」「今日はあまり忙しいことしないみたいー」「金星まではまだま

だあるねぇ」などなど。携帯電話のストラップや風呂敷などはやぶさと組み合わせたキャラク

ターグッズの企画も進行中で、6月下旬には手作りアニメ「イカロス君の大航海」もインターネ

ットで公開した。


 03年のJAXA発足時、イカロスは「挑戦的すぎる」としてプロジェクトが一時中断する苦杯も

なめてきた。だが、04年の基礎実験1号機では帆を四つ葉のクローバー形にするなど、一貫

して「より多くの人に、イカロスを通じて宇宙に興味を持ってもらえるよう意識して開発に当た

ってきた」(森チーム長)という。


 米の「ボイジャー」など従来の長距離探査機が搭載した原子力電池必要としないエコ

設計
」は、今後の惑星探査で不可欠な役割を果たすと期待される。イカロスでは、通電を切

ると帆の一部が曇りガラスのようになり、受けるエネルギーを減らして進路変更する装置も正

常に作動した。


 今後は宇宙に漂うちりの観測なども行い、金星付近に達する半年後には必要な実験を終

え、その後は地球と金星の軌道間を燃料なしに回り続ける

 小さな帆で大宇宙を旅する「イカロス」は、宇宙開発史に一ページを加えつつある。

イカロス:世界が注視「宇宙ヨット」 光を帆に受け金星へ
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2010/07/08/20100708k0000e040029000c.html

金星探査機:「あかつき」が試噴射…液体燃料エンジン
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2010/07/06/20100707k0000m040035000c.html

金星探査機:あかつきが地球撮影 25万キロから鮮明画像
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2010/05/23/20100524k0000m040017000c.html

金星探査機:「あかつき」が試噴射
http://mainichi.jp/select/science/news/20100707ddm012040154000c.html

http://mainichi.jp/select/science/news/20100708dde001040004000c.html

   

まあ、民主党の無策にもかかわらず「はやぶさ(のカプセル)」、「イカロス」は今のところ順調

だ。これは、しかし、過去の遺産の為せる業だ。これからはどうなるか分からない。それが心

配だ。日本は科学技術立国だ。最先端の科学技術を武器に、この無慈悲なグローバル世界

を渡っている。これで国民は、ある意味食っているワケである。自民党にも問題はある、しか

民主党よりは「たしなみ」はより多く持ち合わせている。日本の将来への洞察も確かだ。幸

い短い期間で鳩山は退陣して行った。あとを継いだ菅直人も化けの皮が剥がれている。今回

参院選では、見事過半数を割り込ませた。

(続く)