尖閣諸島問題その2(95)

日本の国会に相当するものは、2013.3の全国人民代表大会全人代)であるが、ここでは

国家主席習近平)、国務院総理(李克強)が選ばれる予定だ。

 
 

中国共産党大会】
総書記、海洋権益堅持を強調 尖閣国有化した日本牽制

2012.11.8 13:04

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開幕した第18回中国共産党大会で活動報告をする胡錦濤国家主席=8日午前、北京の人民大会堂(共同) 
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 【北京=川越一】第18回中国共産党大会が8日、北京の人民大会堂で開幕した。胡錦

総書記国家主席)は党中央委員会活動報告で、2020年までに国内総生産GDP)を

10年比で2倍
にすると表明、海洋権益の堅持を強調し、沖縄県尖閣諸島を国有化した

日本を牽制(けんせい)した。党大会の会期は14日までの7日間。閉幕翌日に開かれる見

通しの第1回党中央委員会総会(1中総会を経て、習近平国家副主席を中心とする

指導部
が船出する。


 過去5年間を総括し、新指導部に引き継ぐ施政方針を示す中で、胡氏は、「発展が不均

衡で、持続的ではないことは、依然として突出した問題だ」「都市と農村の発展の格差は大

きい」と述べ、急速な経済成長による貧富の格差拡大の是正や、環境悪化の改善を重視

する方針の堅持を強調。20年までに、自らが提唱してきた「和諧社会(調和社会)」の構築

という目標を達成するよう党と中国国民を鼓舞した。


 和諧社会を導くのが、胡氏が03年からスローガンとして掲げ、報告の中でも徹底を訴え

た指導理念「科学的発展観」だ。胡氏はその理念を、毛沢東思想トウ小平理論、江沢

民前総書記
の唱えた「三つの代表」と同じ「長期的に堅持すべき指導思想」と表現。

今回の党規約改正で位置づけが格上げされることが決まったことを物語っており、胡氏が

勇退後も、一定の影響力を維持する証といえる。


 経済目標としては、
GDPに加え、国民1人当たりの収入も20年までに10年の2倍にする

との目標を掲げた。海洋権益については「海洋開発能力を高め、断固として国家の

洋権益
を守り、海洋強国を建設する
」として、尖閣諸島南シナ海への権益拡大を明

言した。


 中国では官僚腐敗に対する庶民の不満が高まっており、腐敗根絶への取り組み強化も

急務だ。胡氏は「政治体制改革は全体的な改革の重要な一部分だ。改革を実行し、人民

の民主を拡大するための努力を続けなければならない」と述べた。しかし、その努力には

「積極的」と「慎重に」という相反する言葉が付随しており、早急な変化を期待するのは時

期尚早とみられる。

トウ小平のトウは「登」におおざと)



 中国共産党大会 中国共産党の最高意思決定機関で、正式名称は「中国共産党

国代表大会」。5年に1度開催される。総書記が行う中央委員会活動報告や党規約改正に

ついて審議するほか、中央委員会、中央規律検査委員会のメンバーを選出する。中央官

庁や地方政府、軍、国内各地の職場に広がる党組織から選ばれた代表が出席。第18回

党大会の代表者数は2268人。大会閉幕翌日に開かれる中央委第1回総会(1中総会)

で、政治局員・同候補、政治局常務委員、総書記および中央軍事委員会メンバー

が決まる。



 科学的発展観 中国共産党胡錦濤総書記国家主席)が2003年から提唱してきた

指導理念。経済成長が最優先される中、深刻化した環境破壊や過熱投資、幹部の腐敗と

いった社会のひずみを反省、都市と農村の格差是正、社会保障の充実などを推進し、将

来を見据えた持続可能かつ安定的な社会の発展を目指す考え方。「人本位」を掲げ、バラ

ンスの取れた「和諧社会」(調和社会)を構築するための「戦略的思想」と位置づけられて

いる。



 3つの代表
 江沢民総書記が2000年に発表し、02年の第16回党大会で正式に採択された思想。

共産党が、(1)先進的社会生産力の要請(2)先進的文化の発展(3)広範な人民の根本

的利益-
を代表するという考え方で、1990年代後半、私有経済が急速に発展する中、私

営企業家の入党を認めることで、共産党が経済社会発展の主導権を握るのが狙いとさ

れた。



 トウ小平理論
 市場原理を取り入れた社会主義市場経済の根拠となった理論。1978年以降のトウ氏の

談話などから理論化され、改革・開放の推進に利用された。全体が豊かになる「共同富

裕」を達成するのを目的に、一部地域や個人が先に豊かになる「先富論」を掲げた。



 毛沢東思想
 毛沢東の政治理念と革命理論。マルクス・レーニン主義の理論と中国革命の実践を統一

したとされる。大衆路線、実事求是(現実から理論を立てる)、階級闘争などが柱。1945

年以降、党の公式イデオロギーとして絶対化された。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/121108/chn12110811290004-n1.htm

 
 

中国は、「海洋開発能力を高め、断固として国家の海洋権益を守り、海洋強国を建設

する
と高らかに宣言して、南シナ海に続いて東シナ海日本固有の領土である尖閣

諸島
への侵攻
を顕(あらわ)にしている。これは恐ろしいことである。専守防衛をモットーと

している日本にとっては、尖閣諸島を守りきることは非常に困難となる。

(続く)