続・戦後70年談話はヒストリーで!(14)

アメリカは、同盟国の日本をとるよりも共産主義国家の中国をとる、と明白に言っている。それは、

 

オーストラリア国防省の元高官で研究者のヒュー・ホワイト氏による「アメリカは、中国と対決の危険を冒すくらいなら、日本の利益を犠牲にした方がいいと考えている」という言葉だ。

 

更には、ジョン・ケリー国務長官の言ったという日本を「予測しにくくて危険だ」という言葉だ。

 

アメリカの現政権がこのような見解で政策を遂行している以上、日本は独自の防衛能力を早急に構築する必要がある。

 

だからこのアメリカに対して、日本はとっても失望しているのだ。


 

衛藤首相補佐官が「米に失望」投稿 靖国参拝反応巡り

2014/2/19 11:19   ニュースソース   日本経済新聞 電子版


 衛藤晟一(せいいち)首相補佐官安倍晋三首相の靖国神社参拝に「失望」を表明した米国への批判を動画サイト「ユーチューブ」に投稿していたことが19日、分かった。「むしろ我々が失望だ。米国はちゃんと中国にものが言えないようになっている。中国への言い訳として(失望と)言ったにすぎない」と指摘。「同盟関係の日本をなぜ大事にしないのか」と述べた。

 昨秋に訪米し、ラッセル国務次官補らに「首相はいずれ参拝する。ぜひ理解をお願いしたい」と伝えた経緯も紹介。中国に関しては「いくら(日本側が)抑制的に努力しても中国の膨張政策はやむことはない。これ以上、抑制的にやると日本にとってよくない」と強調した。

 菅義偉官房長官19日午前の記者会見で衛藤氏の発言について「あくまで個人的見解だ。日本政府の見解ではない」と語った。その後、菅氏は衛藤氏に電話し、発言を慎重にするよう求めた。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS19007_Z10C14A2EB1000/


 

いやしくも日本と同盟を結んでいる以上、更には日米で共同して中国に対峙している以上、米国は日本に対して「失望している」何ぞと言う言葉は使うべきでない。

 

そんな米国に対して、日本のほうが大いに「失望」してしまったのではないのかな。もはや米国はあらゆることに対して、日本の頼りにはならない。


 

櫻井よしこ 美しき勁ツヨき国へ】米への失望禁じ得ず

2014.1.6 03:16

 アメリカよ、どうしたのだと、思わず尋ねたくなる。

 

 わが国唯一の同盟国であるアメリカを最重要の戦略的パートナーと位置づけつつも、いま、私は、オバマ政権への失望を禁じ得ない。

 安倍晋三首相の靖国神社参拝を受けて、東京の米国大使館が「日本の指導者が近隣諸国との緊張を悪化させる行動をとったことに米国は失望している」と表明したことに、失望懸念を抱いている

 米国の反応を、膨張し続ける中国がどう解釈するかを考えれば、オバマ政権が長期的視点で中国の戦略を分析し、その真意を測ることをおろそかにしてはいないかと、懸念せざるを得ない。

 国務省も大使館同様の声明を発表した。米国は靖国問題が政治的要素となった経緯についてどれほど調べた上で発表したのだろうか。

 靖国参拝が問題視され始めたのは、歴代の日本国首相が合計60回の参拝を果たしたあとの19859だった。いわゆる「A級戦犯合祀(ごうし)が明らかになった79年以降も、歴代首相は6年半にわたって21回参拝した。中国の非難はそのあとだ。時間軸で見る中国の靖国参拝非難は、同問題が中国の政治的思惑から生じたもので、日本たたきのカードであることを示している。

 1226、安倍首相は靖国神社のみならず鎮霊社にも参拝し祈りをささげた。鎮霊社には靖国に祀(まつ)られていない全ての戦死者、日本人のみならず外国人戦死者の霊も祀られている。

 靖国英霊にも、鎮霊社英霊にも、さまざまな民族と宗教の人がいる。両御社での鎮魂の祈りは、宗教、民族および国境を越えてなされていることを心に刻みたい。

 首相の参拝意図は、直後の会見で「不戦の誓い」を表現を変えて三度繰り返したことにも見られるように、平和を守り二度と侵略戦争はしないとの誓いである。その上で日本に命をささげた人々に心からの哀悼の誠をささげるものだ。オバマ大統領アーリントンで祖国に殉じた英霊に敬意を表し祈りをささげるのと何ら変わりはない。指導者として、当然の責務である。

 米国が日中関係に踏み込むのであれば、靖国神社参拝という、すぐれて精神的な事柄の前に、法治国家の指導者として他に踏み込むべき事柄があるのではないか。

(★5 たとえば尖閣諸島である。国際法上も日本国領土であることが明らかだからこそ、日本占領のとき、米国はこれを施政権下においたのではなかったか。であれば、尖閣諸島は日本国の領土であるとの見解を明らかにしてもよいのではないか。法を無視し、軍事力を背景にした中国の膨張主義の前に、どちらにもくみしない米国の姿勢が中国の尖閣領有への主張を増長させる要素のひとつとなっていることに、留意せざるを得ない。

                   ◇

 だがここで急いでつけ加えたい。日本人が日本の領土である尖閣防衛の任務を果たすのは当然であり、米国の助力を努々(ゆめゆめ)、当然と思ってはならない。同時に、尖閣諸島地政学および戦略的重要性を認識すれば、米国が立場を明確にして尖閣に対する中国の冒険主義を抑制することは米国の国益にも合致する。

 尖閣問題についても、靖国問題と同じく、事実に基づいた長期的観察を行い、それを大きな戦略的枠組みの中で分析する必要がある。

 米国は常に「現状変更は好ましくない」との牽制(けんせい)球を日本に投げてきた。日本政府は中国の反発への恐れと、米国の意向の尊重という2つの要素を前に、尖閣諸島が明確な日本国領土であるにもかかわらず、船だまりも作らず、日本国民の上陸も許さず、現状維持に終始してきた。

 対照的なのが中国だ。彼らは日本の反発を無視し、米国の出方をうかがいながら、サラミを切り取るように少しずつ、現状変更に挑み続けてきた

 振りかえってみよう。78トウ小平は日中間に棚上げ合意など存在しないにもかかわらず、記者会見で「棚上げに合意」と発表した。中国の現状変更への挑戦はこの時点から始まっている。以来40年余り、中国の野心は全く衰えていない東シナ海における彼らの執拗(しつよう)さは、南シナ海ベトナムやフィリピンから島々を奪い続けてきた執拗なる40年と重なる。つまり、現状維持を要求する相手を、米国はずっと間違えてきたと言わざるを得ない。

 1123に中国が突如尖閣を含む形で防空識別圏ADIZを設定した。(★6ホワイトハウスはいち早く「日本との緊張を高める、必要のない挑発行為だ」として中国を強く批判したが、124バイデン副大統領は北京での習近平主席との会談でADIZを撤回せよとは要求しなかった。加えて米政府は「外国の航空情報に合わせるのが望ましい」として事実上、民間機に飛行計画の提出を促した。

 ADIZに関する国際社会の常識を変え、領空であるかのように扱う中国に、撤回を求めないオバマ政権の、守るべき原理原則価値観とは何なのだろうか。

 米国国務省は、靖国参拝に関して推移を見守るという。米国の大戦略や方針が定かでないかに見えるいま、大事なのは日本の国家意思の堅固なることだ。激変する日本周辺の状況の中で、日本は偏狭であってはならず、健全な民主主義国家でなければならない。そのために必要なのが健全なナショナリズムである。安倍首相が鎮霊社に祈りを捧(ささ)げ、靖国神社を参拝したことは、その意味で極めて正しいことなのだ

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140106/plc14010603160002-n1.htm


 

ここでも櫻井よしこ氏が主張しているように、「現状維持を要求する相手を、米国はずっと間違えてきた」のだ。と言うよりも、体たらくなオバマは、あらゆる方面で現状変更に挑戦している一党独裁共産主義国家の中国に対して、その力に恐れるあまりに、その挑戦に対して「すぐさま現状変更を止めよ」と言えずにもたもたしているのである。この状態はシリアでも、イラクでも全く同じだ、世界最強の国家であるにも拘らず、ビクビクしている。だから中国は付け入るのだ。

(続く)