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続・次世代エコカー・本命は?(94)

それに熊本地震による部品供給の途絶については、サプライチェーンリスク管理の在り方にも疑問が残るものである。

 

 

熊本地震で全国のトヨタの工場が止まる理由
ジャストインタイムの罪か、フォース・マジョール(不可抗力)か

2016419日(火)池松 由香、島津 翔

被災したアイシン精機子会社の工場(熊本市) (写真:菅 敏一) 熊本地震img_01

 トヨタ自動車は熊本で発生した地震の影響で、国内にある16の車両工場のうち15工場段階的に、23日まで停止するアイシン精機の子会社であるアイシン九州(熊本市アイシン九州キャスティング(同)の工場が被災しドア部品エンジン部品の調達が滞ったためだ。トヨタ2月初旬、愛知製鋼の爆発事故を受けて全16工場を6日間にわたって停止し、約9万台の生産を遅らせた。今回もサプライヤーの被災がトヨタの車両生産全体に大きなダメージを与えることになりそうだ。

 アイシンの2工場は14日から稼働を停止している。「14日夜に全従業員が避難し、18日午前に初めて内部を確認したが、生産エリアの被害状況はいまだ完全に把握できていない」(アイシン精機広報)という。

東日本大震災の教訓は生かされたか

 状況確認を難しくしている要因の一つに、2工場が共同で使用している配電設備の故障がある。周辺の停電は解消されているが、工場内部は通電していない。そのため、「どのラインが稼働できるのかの判断にはまだ時間がかかる」(同)。

 トヨタ2011東日本大震災の時も、半導体部品などのサプライチェーンが寸断されて工場の稼働を停止した。その後、リスク分散体制を整備。ティア22次下請け)を含め、数千点の部品調達先代替生産が可能な工場を洗い出し、「RESCUEシステム」と呼ぶデータベースを構築してきた。有事の際、すぐに生産に支障が出る品目を特定し、別の調達先への代替生産を迅速に実施できるようにするためだ。

 実際、今回の震災でこれが生きたという。「東日本大震災以前だったら、このタイミングで調達が滞りそうな部品を特定し、代替調達先の検討に入ることはできなかっただろう。今回はすでに検討の段階に入っている」(トヨタ広報)。24日以降の工場稼働については、20日をめどに判断する予定だ。

 とはいえ、今回も工場を一定期間、停止せざるを得なかった。こうしたことが起こるたびに出る批判が、「在庫を持たないジャストインタイムサプライチェーン寸断の影響を増大させた」というもの。しかし、そう言い切れない事情が自動車などの組立メーカーにはある。

分散生産にコストの壁

 サプライチェーンの寸断リスクを減らすには、同じ部品を複数工場で生産する「分散生産」が効く。そんなことはトヨタとて百も承知だが、「全ての部品を分散することはできない。分散できる部品についても、代替委託先の生産能力に限界があるため、すぐに対応してもらえないこともある」(あるトヨタ関係者)のが実情だ。

 全ての部品について代替生産ができない理由は明快。分散生産にはコストがかかるからだ。自動車部品の多くは金型を必要とするが、金型の製作には通常数千万円単位のコストがかかる。生産場所を複数設ければ、それはそっくりそのまま製品価格に跳ね返る。

 「今回の被災によるサプライチェーンの寸断はフォース・マジョール(不可抗力)の範囲内ではないか」。こう見るのは、調達・購買コンサルタント坂口孝則氏だ。被災リスクの対策には、事前策事後策の両方がある。事前策としてトヨタは、前出のRESCUEシステムを構築した。事後策については、トヨタが工場を止めた原因となった部品の影響度や、復旧のためにトヨタが実践した対策の具体的内容が分からないため、現時点で評価することは難しい。

 しかし、坂口氏は「事後策でポイントになるのは、急なお願いをした時にどれだけの取引先が協力してくれるかにある。その点、トヨタは良好な関係を築けているように見える」と指摘する。現在、アイシン精機は他社への生産委託に向けた準備を急ピッチで進めている。「海外を含めれば、同様の部品を作っている工場は必ずある。輸入も含めて検討している」(同社)。

 なお、今回の工場停止に最も大きな影響を与えた部品は「アチェック」とされる。ドアの開く方向や動きの固さを一定に保つための部品だ。被災工場では月間90万本以上の同部品を出荷していた。

 エンジン部品では、エンジンの動力を車輪に伝達する部品「タイミングチェーン」のアルミ製カバーの生産が滞った。この影響はトヨタに留まらず、三菱自動車にも及んでいる

ニュースを斬る

日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、日経ビジネス編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/041800313/?P=1

 

 

フォース・マジュールとは

古くから認められてきた「不可抗力」による契約責任の免除

Force Majeure(以下、フォース・マジュール)」とは、「不可抗力」を意味するフランス語であり、地震・洪水・台風・戦争・暴動・ストライキなど、予測や制御のできない外的事由全般を指します。フォース・マジュールに類似する概念として「Act of God」(神の行為)がありますが、Act of God地震・洪水・台風などの自然災害に限られるのに対して、フォース・マジュールは、自然災害に限らず、戦争・暴動・ストライキなど人間によって引き起こされる出来事や事情も含むところに特徴があります。
http://www.hitachi-hri.com/keyword/k073.html

 

と言う事のようですが、

 

この熊本地震によるアイシン精機の子会社の被災による生産ラインの停止は、福岡県のトヨタ九州の宮田工場が415日からすでに停止しているが、2016.4.17から4.23までの間他の15工場でも段階的に生産ラインを停止すると言う。

 

この結果、先に提示した記事によれば、約8万台の生産後れがでている。

(続く)