世界の流れは、EV化(9)

そんな中で、菅義偉首相(当時)が、トヨタ日本製鐵の社長と、脱炭素で意見交換をしたという。早速「国境炭素税」に関して欧米との話し合いの事前準備かと勘繰ったが、そうでもなかったようだ。この件で、日本として戦略的に進めることができれば、大したもんだと思いたいものだが。

 

 

首相が脱炭素で意見交換 トヨタ社長、日本製鉄会長と

2021/2/14 15:00 (2021/2/14 17:03更新)
日本経済新聞 電子版

 

関係閣僚会議で発言する菅首相14日、首相官邸

菅義偉首相は14日午後、首相公
邸で
トヨタ自動車豊田章男社長、日本製鉄の進藤孝生会長と相次いで会談した。2050年の脱炭素社会の実現に向けた方策について意見を交わした。

進藤氏は面会後、記者団に「ゼロカーボンを目指して我々の考え方を聞いていただいた。大変有意義だった」と語った。

豊田氏は東京五輪パラリンピック大会組織委員会会長の辞任を表明した森喜朗氏が女性を蔑視した発言を巡り「誠に遺憾だ」とのコメントを発表している。                 

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https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE141DN0U1A210C2000000/

 

さてアメリカの話が出たところで、バイデン大統領は脱炭素のための自動車政策をどんなふうにやりくりしようと考えているのであろうか。

 

ご承知の通りアメリカには、カリフォルニア州ZEV規制が存在している。

 

 

 

自動車の将来動向:EVが今後の主流になりうるのか 第2

2019-02-15

 

 

(略)

 

 

米国加州のZEV規制

米国加州のZEV規制は、2018年以降大幅強化されました。図表8の従来のZEV規制では、先進PZEVHV)/PZEV(ガスエンジン)がクレジット対象でしたが、2018年以降のクレジット対象は、ZEVTZEV対象車のみに強化されました。これまでクレジット対象であったHVは、日本メーカーが得意としていた分野でしたが、規制対象となり、また、対象メーカーも従来の6社から12社に増加されました。(スバルとJaguar Land roverIVMに含まれるはずだが!、すると6+8=14社となる筈。)

 

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    IVM 2.9 3.8 4.7 5.6 6.5 7.4 8.3 9.2%

  (TZEV+1/5ZEV)

 

TZEV: Transitional(過渡的) ZEV 又は Transient(一時的) ZEV で、PHEVPHV)を指す。

ZEV : Zero Emission Vehicle 排ガスゼロ車でBEVFCV(とHICE

HICE: Hidrojen Internal Combustion Engine ?、水素エンジン

 

 

(略)

 

 

https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/automotive-insight/vol4.html

 

 

このZEVの対象メーカーは2017年までは、

 

加州で年間6万台以上を販売する日産、トヨタ、ホンダ、GM、フォード、クライスラー の6社(LVM)だけであったが、2018年からはその販売台数が年間2万台以上(IVM)と引き下げられたために、次の8社が新たに規制対象に加わることになった。

 

BMWダイムラーVWジャガー・ランドローバーマツダスバル、現代、起亜

 

LVM : Large Volume Manufacturer

IVM : Intermediate Volume Manufacturer

 

 

例えば、2018年のLVMは販売台数の4.5%に当たるクレジットを稼がなければならないが、そのうち2%のクレジットはZEVEVFCV)で、TZEVPHV)では最大2.5%までのクレジットとすること。

 

しかもこの加州のZEV規制に賛同する州は、11州となっている。

なお、加州を含むこれら12州は早速2035年までに、全新車をZEVにすることを発表している。

 

 

(注)ニューヨーク州マサチューセッツ州メーン州コネチカット州ロードアイランド州ワシントン州オレゴン州ニュージャージー州ハワイ州ノースカロライナ州ニューメキシコ州

(大原典子) ビジネス短信 34e767f15a0d8a26

 

https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/08/34e767f15a0d8a26.html

(続く)