中国海軍力の脅威ーもはや第一列島線の突破は可能
2009/02/13/Fri
冷戦時代、大陸勢力に対する防波堤の役割を担ってきた日本列島だが、今やその波に呑
まれるのか。
米国のマレン統合参謀本部議長が打ち鳴らす警鐘に耳を傾けよう。同議長は(2009年)二月
五日の講演で、「中国の戦略的意図に対して最も配慮している。なぜなら空母など先端兵
器を建造中だからだ」とし、「中国海軍はすでに第一列島線を越える能力を有している」と
指摘した。
マレン統合参謀本部議長
中国は日本本土、沖縄、台湾、フィリピンへ、ボルネオへと延びる列島線を第一列島線と
呼ぶ。それに対し伊豆諸島、小笠原諸島、グアム、サイパン、パプアニューギニアを繋ぐ線を
第二列島線とする。
第一列島線はこれまで、米軍によって中国封じ込めの役割を果たしてきたが、中国は逆に
その内側海域(日本海、東支那海、台湾海峡、南支那海)で制海権を固め、その列島線を
台湾有事などにおける対米防衛線にしようとしているのだ。
そしてその上で第二列島線まで進出し、支配海域を西太平洋にまで拡大する計画だ。沖ノ鳥
島を「ただの岩」として日本の排他的経済水域を否定し、周辺海域の調査を進めたのも、す
べてはそのためである。
第二列島線までの海域支配を目指す中国。すでに第一列島線を突破する力はあると言う
中国が今年一月に公表した国防白書では「遠洋での作戦能力の向上」が掲げられた。ソマ
リア沖への駆逐艦派遣や空母の建造計画などは海軍の遠洋型への脱皮の象徴とされてい
るが、それを達成するために、第一列島線の突破を目指すのは当然である。
第一・第二列島線の概念を打ち出し、遠洋型海軍の建設を提唱、指導したのが鄧小平の
下で中央軍事委副主席だった劉華清だが、その戦略計画によれば、二〇〇〇~一〇年に
第一列島線内部の制海権を、そして一〇~二〇年に第二列島線内部の制海権を確保し、
二〇~四〇年に太平洋、インド洋において、米軍と制海権を競うことが目指されている。
朝日新聞(二月十三日)も、中国軍は「15年をめどに2隻の通常型空母を完成させ…20
年までに運用体制を確立し、沖縄、台湾、フィリピンなどを結ぶ防衛ライン『第1列島線』を
越え、沿岸防衛からの脱却を目指す」上、 「20年以降、同国として初めてとなる原子力空
母2隻の建造を計画」、「将来的には日本列島からグアム島、インドネシアに至る『第2列
島線』内の西太平洋海域の制海権を確保したうえで、インド洋や太平洋全域で米海軍に
対抗することを目標に掲げている」と報じた。
制海権確保で欠かせないのが潜水艦戦力だ。アメリカ科学者連盟が二月三日に発表した
報告によると、「中国の潜水艦の活動が活発化し、昨年の哨戒活動は十二回。ロシア海軍
を上回った」とのこと。「太平洋の防衛ラインをより東側へと拡大するためだろう」と分析され
ている。
また、米本土やインドを射程内に収めることができる潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)
「JL-2(巨浪二号)」を搭載した晋級原子力潜水艦を来年初めまでに実戦配備する計画
も、最近報じられている。
巨浪二号を発射する晋級原子力潜水艦の想像図
もし第二列島線までの海域が中国に制せられることは、すなわち日本が中国の勢力範囲
に転がり落ちることを意味する。それなのに日本国内では、政府からして「中国は脅威では
ない」との公式見解を打ち出し、あの国への刺激を避ける始末。日本属国化の前提である
属国心理の扶植工作に、すっかりやられているとしか思えない。
第一列島線の要は台湾、そして日本だ。現実を直視した国防論議の喚起を。
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-659.html
なお、下記URLには沖ノ鳥島をはじめ、第二列島線近くで挑発演習をした中国最新鋭の5
隻艦隊の写真も掲載されている。この上の図はそこから借用している。
中国海軍の侵略目標 「第一、第二列島線」を許すのは国辱である!!!
<< 作成日時 : 2009/07/09 17:18 >>
http://mikitogo.at.webry.info/200907/article_14.html
」
(続く)