尖閣諸島問題その3(57)

このように中国の世界戦略は、太平洋をアメリカと分割統治しながら、アメリカの軍事力を

凌駕してこの地球をなかば自分のものとすることであり、この戦略は全くぶれていない。Big

3の日本はBig2の中国のこの戦略に飲み込まれないよう、Big1のアメリカと共に対抗処

置をとってゆかなければならないのであるが、中国は、Big2>Big1とするべく、西太平洋

を自分のものにするつもりなのである。このBig2とは、日本を属国化した中国のことであ

る。即ち中国は、Big2=(Big2+Big3)としたくて、したくて仕方ないのである。こうなった

ら日本に自由はなくなる。中国の奴隷となって奉仕させられている日本なんぞは、見たくも

ない。


この中国の戦略に対して、日本は毅然と対抗してゆかなければならないのであるが、しか

しそれには一つの条件がある。


それは、日本国憲法の改正である。


今の憲法では自分の国も自分では守れないのである。だから憲法を直して、具体的には現

憲法の九条の破棄と憲法前文の改定を実施して、そして自衛隊国防軍へ改組するこ

とである。当然核武装も検討しなくてはならない。しかしこの件は別途取り上げることとし

て、本論の
なぜ中国は、嘘をついてまで、執拗に尖閣を狙うのか。に戻ろう。

 

中国が執拗に尖閣諸島の奪取を画策するのは、南及び東シナ海を自分の海とするためで

ある。中国はアメリカの空母機動部隊、今の言葉で
空母打撃群に打ち勝つ力はまだな

い、と認識している。そのため原潜部隊の増強に邁進している。なぜなら、南及び東シナ

海、即ち第一列島線の防衛は中国の死活問題と考えているのである。


その空母打撃群に対する防御と攻撃の手段として、南及び東シナ海を中国戦略原潜の聖

域としたいがためなのである。


次の一文を参照願いたい。

 

南シナ海戦略原潜のための
「聖域」にしたい中国

2013年04月18日(木)岡崎研究所

 3月9日付米カーネギー財団のサイトで、Iskander Rehman同財団核政策プログラム・

アソシエイトは、中国が外国の軍事活動を許さないとの強硬姿勢を取っているのは、領土

問題もあるが、本当の理由は、南シナ海を中国の戦略原潜の基地に接続する原潜の展開

水域
として確保したいからである、と述べています。

 すなわち、南シナ海海南島三亜
(サンヤー)を基地とする中国の戦略原潜展開水域

あるが、中国は、対潜水艦兵器や海洋調査船を展開している米国と、インド・太平洋地域

の米国の同盟国網によって、第一列島線の中に閉じこまれかねないと感じている。そして

紛争の際には、戦略原潜第一列島線の外に出る前に、米海軍に発見され、無力化され

てしまうのではないかと懸念している。

 中国が南シナ海で外国の軍事活動にますます不寛容になっているのは、この懸念のため

である。

 中国は南シナ海での外国の軍事活動に対して、公には領土問題の観点から抗議してい

るが、中国の為政者たちは内々には戦略原潜が基本であり、如何に将来の原潜による抑止

を守るかが重要な関心事である、と言っている。

 冷戦中、ソ連戦略原潜は遠隔のバレンツ海オホーツク海を基地としていたが、中国

が原潜の基地として選んだのは世界で最も重要なシーレーンの真っ只中である。

 中国の原潜は最近まで旧式であったが、最近は新型の「晋」級戦略原潜に、射程距離

4600マイルの弾道ミサイルを搭載するものと見られ、おそらくこの原潜は海南島を基地とす

るだろう。第二期のオバマ政権は、領土紛争があるのみならず、世界で最も危うい核のホッ

トスポットに急速に姿を変えつつある地域の緊張に対処するという有難くない任務を抱える

こととなる、と論じています。

 * * *

 中国の南シナ海における強硬姿勢が、単なる領土主権の主張に留まらず、戦略原潜

開の必要性
に基づくものであるとの見解は、第一列島線第二列島線の概念を中心とする

中国の海洋戦略、そして戦略ミサイル搭載原潜という大きな抑止力を持つ対米核抑止戦略

に照らせば、当然のものでしょう。論説も中国の為政者たちが、内々このような見解を述べ

ていると説明しています。

 このような見解は、日本でも述べられてきています。中国は南シナ海を、かつてソ連が冷

戦中に対米核戦略の拠点としたオホーツク海のようにしようとしている、あるいは南シナ海

を、中国の戦略原潜のための「聖域」としようとしている、といった見解です。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2713

 

海南島三亜(サンヤー、さんあ)は、海南島の南端に位置し、丁度ハワイと同緯度に

ある。そのため中国唯一の海浜リゾート地となっている。以前はよくロシア人がリゾートに

来ていたといわれていたが、今は、金持ちになった中国人のリゾート地となっているようだ。

中国で唯一白浜があるようで、そのため恰好のリゾート地としてもっぱら開発が進んでいる。

しかしもともとこの地は南シナ海ににらみを利かすのに丁度よい地の利を得ており、昔から

交通・通信の要衝として開けた地でもある。現在はYulin Naval Baseとして、海軍基地とし

南シナ海ににらみを効かしている。その主力は、ここにも述べられているように中国原潜

の主要基地である。


Google Earth
でここを覗いてみると、Yulin Bay内の桟橋に原潜がごろごろたむろしてい

る様子が見て取れる。丁度現在では(2013.8.20)、原潜?が7隻があちこちの桟橋に係留

されている姿が見て取れた。もちろん海軍基地であるので、その他の艦艇も沢山係留され

ていた。


Yulin Bay
とは、Google Earthで見た写真に、その様に名付けられたものがあったので、

ここではそう呼んでいるが、それが正しいのか又何と発音するか詳らかでない。Google 

Earth
で三亜市とある市街地の東側に陸地から引っ込んで横たわる湾が、中国海軍の原

潜基地であるYulin Bayである。


2009年にアメリカの音響観測艦「インペッカブル」が、中国偽装漁船に妨害された事件は

記憶にあることと思うが、この事件の起こった地点もこの近くの海域であった。アメリカも中

国原潜のスクリュウ音の収集に、躍起になっていたのであろう。最近はその手のニュース

はあまり耳にしないが、米国原潜もこの南シナ海に入り込んでいるのであろうか。ここはあ

まり深くはないので、すぐに見つかってしまうが、公海上であれば堂々と動けばよいので

ある。
 

ここを参照願う。
http://www.youtube.com/watch?v=zAOJqx69dQs

 

中国も日本近海に海洋調査船を派遣して、我が物顔に航行しているので、日本もEEZ

での調査は許可が無いと出来ないと、強制排除する必要がある。

(続く)