尖閣諸島問題その2(11)

2011.02.24南沙諸島で中国海軍が演習、ベトナム(越南)が3/2に中国に抗議する。('12.7.9の当ブログなど)

2011.03.02南沙諸島で石油探査中の比・調査船中国軍艦に妨害される。('12.7.9の当ブログなど)

2011,05.21,24南沙諸島で中国船が領海を侵犯し鉄柱とブイを設置と、フィリピンが抗議。

2011.05.26EEZ内でベトナムの資源探査船探査用ケーブルが中国監視船に切断される。

2011.06.01南沙諸島越南漁船が中国艦船3隻から威嚇射撃を受ける。即刻抗議文を送る。('12.7.9当ブログ)

2011.06.05ハノイホーチミンの中国大使館前で抗議デモが行われる。('12.7.9の当ブログなど)

2011.06.09偽装中国漁船がペトロベトナム傘下の調査船測量用ケーブル破損させる。('12.7.9当ブログなど)

2011.06.11チャイナネットは6/11付けで「ベトナムは大損をする事になる」と恫喝する。('12.7.9の当ブログなど)

2011.06.12ハノイホーチミンの中国大使館前で、再度抗議デモが行われた。('12.7.9の当ブログなど)

2011.06.13ベトナム海軍、ダナン沖40km地点で実弾演習を行う。

2011.06.14中国の中金在線は、この演習を受け「必ずや報いを受ける」と再度恫喝する。('12.7.9の当ブログなど)

2011.07.22中国・ASEAN南シナ海行動宣言」ガイドラインに合意する。

2012.04.08フィリピン海軍は、スカボロー礁近くで中国漁船8隻が停泊しているのを発見し、拿捕する。これを受け中国の監視船が現場に急行、両国の艦船が睨みあう状態となる。

2012.04.11フィリピン政府は国際海洋裁判所に仲裁を仰ぐ様提案するが、中国はこれを拒否する。

 

 
と言った中国南シナ海への侵略状況を頭においたところで、中国の侵略の細部の分析

を試みよう。このガイドラインASEAN諸国が、この南シナ海での中国の無法な行動に何

らかの法的規制をかけたいがために、その道筋をつけようと打ち合わせたものと思われ

る。そしてそのガイドラインに中国が同意したと言うことは、このガイドラインは何ら中国へ

の足枷とはならないものとなったものと思われる。


さて、中国の動きを追ってみよう。


まず、1958年09月には「中華人民共和国政府の領海に関する声明」を発布して、

東沙・西沙・中沙・南沙諸島領有を宣言しているのである。1958年といえば、昭和33

年のことである。こんなに早いときから共産党中国は、南シナ海の海域の領有を企画して

いたのである。恐ろしいことである。

こんな恐ろしいことを考えている国が隣にあると言うことを、理解していない日本国民が多

いことはこれまたまことに恐ろしいことである。特に田嶋陽子のような全くの馬鹿か頓馬を

絵にかいたような人物がいることには要注意である。


7月6日の当ブログNO.2で言及しているように、中国は1980年代後半「戦略的国境」

言う概念を発表している。地理的国境は自国の軍事力で拡大できる、それが戦略的国境

であると宣言しているのである。だからこの南シナ海への中国の侵略は、明からに国家

的プロジェクト
で押し進められたものであった。このことを我々は、強く頭においておく必要

がある。


中国は早い段階から南シナ海の領有を企画していた。そしてそれを着実に実行に移して

いった。その領有が成功すると同時に、そのことを正当化するための理論武装に乗り出し

ている。それが「戦略的国境概念」であり、そのことを保障する軍事力を拡大して言った。

核武装、原潜、空母などである。それらを体系化したのが、「海軍発展戦略」であり、その

実行根拠が「領海法」の制定である。


「領海法」
1992年に制定して、西沙諸島南沙諸島、更には尖閣諸島までも、自国領だ

と宣言したのである。この南シナ海での侵略に成功した中国は、同年占拠した南沙諸島

石油探査権を米国の石油会社に与えて、アメリカをも懐柔したのである。やるんならこ

の1980年代から1990年代にかけての中国の侵略の進行時点に、中国に物申して欲し

かったものである。いまさら南シナ海の自由航行は米国にとっても重大な関心事だ、などと

言っても後の祭りであるが、これ以上中国にのさばらせない重石とはなろう。


このことを鑑みるに、この中国の侵略は南シナ海だけに留まらない。必ずや東シナ海にま

で延びてくる。


上の年表でもわかるように、2010.9.7尖閣諸島中国漁船が日本国海上保安庁

巡視船に体当たりしている。その4日後の2010.9.11には、西沙諸島の西端のベトナム

で中国がベトナム漁船を拿捕し9人を拘束している。南シナ海東シナ海で同じ時に同じ

ような中国の実力行使があったのである。このことは中国の政府機関からの何らかの指

に基いて、中国政府の手先機関が動いたものであろう。日本政府はこの中国漁船衝突

事件を、単なる突発的な衝突事故だと判断しては困るのである。中国政府の戦略的な意

に基いた、日本への目くらまし的な偵察の一種であろう。しかしながら中国漁船を日本

側が拘束したことは、中国政府にとっては予想外の出来事であったのであろう。中国政府

のあわて振りからもそのことがわかると言うものである。


それからもっとも注意して対処しなければならないことは、尖閣諸島への中国民兵の上陸

漁船団の襲来である。これらの南シナ海での中国の侵略の事象をよく検証して、日本

は自国の防衛を毅然と実施してゆかなければならないのだ。東シナ海日中中間線での

石油開発がその良い例である。すでに中国の侵略は始まっている。


出来るか、民主党政権よ。

 
 

米「中国包囲網」攻勢…「行動規範」強く要求
YOMIURI ONLINE    2012年7月12日(木)21:18

 【プノンペン山口香子】クリントン国務長官は、12日に当地で開かれた東南アジア

国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)で、中国とASEAN諸国が南シナ海の領有権争

いの平和的解決に向け、法的拘束力を持たせた「行動規範」を策定するよう強く求めた。


 米国はASEAN各国に働きかけ、「中国包囲網」を強化したい考えだ。


 クリントン長官は、12日に行われたARFと、ARFに先立って行われた米中外相会談で、

楊潔チ ( ヤンジエチー ) 外相に、ASEAN諸国との行動規範の策定に向けた協議入りを強

く迫った。中国とASEANは8日の高官協議で、9月に協議入りすることで基本合意してい

たが、11日の中・ASEAN外相会議では、中国側が、協議入りの合意を先送りにしていた。

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120712-OYT1T01257.htm
(続く)