読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

続・次世代エコカー・本命は?(71)

ゴーン氏の長期政権に綻び?

 フジサンケイグループの広告大賞を日産が受けた。テレビCMの「やっちゃえ、NISSANシリーズ」が対象となった。グランドプリンスホテル高輪の贈賞式には日産の星野朝子専務執行役員が出席した。同氏は、41日付で「ヘッド・オブ・オペレーション・コミッティ-ジャパン」となり、国内販売の責任者となった。日産ディーラーのある社長は、星野氏について、「ディーラーの評価は高くない。日産のクルマが国内で売れない原因のひとつになっている」と指摘する。ゴーン氏の長期政権は、人事面でも綻びを見せ始めていたのかもしれない。

 

 星野氏について、もう少しみてみよう。星野氏は、星野リゾート代表の星野佳路氏の妻。慶應義塾大学卒業後、日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)に入行。3年で退職すると米ノースウエスタン大学ケロッグ経営学大学院でMBAを取得。2002年にゴーン社長にスカウトされて日産に入社。その後、トントン拍子に出世し、昨年専務執行役員に昇進と同時に日本マーケティング本部、日本営業本部の担当になった。いってみれば、星野氏はマーケティングの専門家。ディーラーから見れば、星野氏は単なる“ゴーンのお気に入り”にすぎない。信頼関係が構築できなければ、売ってもらいたいクルマをディーラーに押し付ける荒業などできっこない。

 ほかにも懸念点はある。米コンシューマーリポート誌の「嫌いな車トップ10」に日産のクルマが4車種も入った。日産のほかは米・クライスラー4車種、韓国の現代自動車と起亜自動車がそれぞれ1車種。日本車は日産車以外入っていない。日産、クライスラー、現代、起亜に共通するのは、信用力の低い借り手向けの自動車サブプライムローンを使ってクルマを売っているメーカーである点だ。ちなみに、「嫌いな車トップ10」の2位は日産の小型セダン「セントラ」だった。

 ゴーン氏は、事あるごとに「日産とルノーは対等な関係」と言う。しかし、その実態は「共同開発と称して日産の技術とコストで開発したクルマのおいしい部分をルノーが持っていく」関係だ。インドでは、車台などのプラットホームを日産と共同開発した小型クロスオーバー車「クウィッド」をルノーが先行販売し、売れ行きは順調だ。一方、日産は10カ月遅れで「ダットサン」ブランドで投入。日産のシェアはダットサンと合わせてわずか1%。ルノーと日産の対等な関係など絵に描いた餅である。

 ゴーン氏は三菱自に対しても共同開発、部品の共同購入を提案するだろう。今度は、三菱自のおいしい部分をルノーがさらっていくことになる。

危機感が欠如している三菱自動車

 韓国環境省516日、日産のディーゼル車キャシュカイ」が排ガス規制を不正に逃れたとして、販売中止と814台のリコールを命じ、33000万ウォン(約3000万円)の課徴金を課すと発表した。韓国日産社長を、燃費が良いように見せかける排出許容基準違反などの疑いで刑事告発する方針だとした。

 日産側は「不正はしていない。韓国当局の主張は誤りだ」と全面的に否定している。日産の幹部や技術者が訪韓して、主張の正当性を訴える。

 

 日産が英国で製造し、韓国日産が輸入販売している「キャシュカイ」は欧州の排ガス規制「ユーロ6」をパスしており、「他国(この場合は韓国)の規制当局が独自に行った厳格な試験を経て得られた判断と一貫性を欠く」としている。韓国環境省が日産の主張を退けると、日韓の経済摩擦という大ごとになる可能性もある。

 韓国国内では、韓国日産などを相手取り購入代金の返還を求める集団訴訟を起こす準備が進められているとの報道もある。

 こう見てくると、ゴーン氏は内憂外患なのである。その打開策が三菱自動車MA。大バーゲンセールとなってしまった三菱自だけが割を食ったという図式なのかもしれない。三菱グループの沈黙も気がかりだ。

 経済同友会の小林喜光代表幹事(三菱ケミカルホールディングス会長)は517日の記者会見で、三菱自の燃費データ不正問題について「三菱自動車には危機感がまったく欠如している」と痛烈に批判した。合わせて「企業の文化、ブランドをつくり上げるのには時間がかかるが、(こうした事件が起こると)1日で崩壊してしまう。トップは悪いことをしてはいけないことと、安全の確保を徹底すべきだ」と強調した。
(文=編集部)

http://biz-journal.jp/2016/05/post_15227_1.html

 

 

だからEV連合を作ると言っても、両社とも一筋縄ではいかない状況に陥っているものと思われる。

 

まずは、三菱自が現在の偽装問題に決着をつけなければならない。共同購入やプラットホーム共通化電気自動車EV)戦略の拡大などの具体策は、その後だ。」と言っているように、三菱自動車はどのようにこの偽装問題に決着をつけるのだろうか。また日産はそれに対して、どのように口を出してゆくことになるのであろうか。口出しするほどの余裕は日産にあるのだあろうか、と言う疑問も残る。

 

三菱自動車は燃費偽装に関する特別調査委員会を、4/25に設置している。その委員は弁護士3名であったが、自動車に関してはいずれも素人である。そのため自動車の玄人で、しかも第三者となる外部有識者として、トヨタ自動社出身の八重樫武久氏63日に追加選任した。

 

 

三菱自の燃費不正、調査委員会に初代 プリウス THS開発リーダーの八重樫氏

201663日(金) 1450

三菱自動車本社

三菱自動車は、燃費不正問題に関して、425日付で設置した特別調査委員会の委員として、トヨタ自動車出身の八重樫武久氏を追加選任したと発表した。
八重樫氏は1969トヨタ自動車に入社。1996年には、初代『プリウス』のトヨタハイブリッドシステム(THS)開発リーダーとして尽力。以降、ハイブリッドシステム全般の開発に従事してきた。2005年にトヨタを退職し、現在は、自動車環境技術コンサルタントとして活躍している。

特別調査委員会の委員は、元東京高等検察庁検事長の渡辺恵一委員長、委員の坂田吉郎弁護士、吉野弦太弁護士と合わせ、4名となる。 《纐纈敏也@DAYS

http://response.jp/article/2016/06/03/276313.html

(続く)