先ずは2015年の記事から。
柱谷哲二氏激怒「監督は日本代表をなめている」
[2015年8月6日7時51分 紙面から]
東アジア杯第2戦で日本(FIFAランク50位)は宿敵韓国(同52位)と1-1で引き分け。逆転負けした初戦の北朝鮮と合わせて勝ち点1にとどまり、最下位に転落、9日の中国との最終戦を前に連覇の可能性が消えた。
元日本代表主将の柱谷哲二氏(51)が怒った。闘将と呼ばれ、90年代前半の日本代表を引っ張った同氏は5日、横浜市内の自宅で日韓戦をテレビ観戦した。「若い選手たちがチャンスをもらったのに、必死さが感じられなかった。もっと死ぬ気で走らないと。日本代表というものは、先輩たちが積み重ねたもので、今の代表はその重みを感じないといけない」と厳しかった。
怒りの矛先をハリルホジッチ監督にも向け「試合後に相手が自分たちより(フィジカルが)上だと言ってるけど、日本代表をなめた発言だ。戦う気持ちが感じられないし、戦う前からこの考えだと勝てるわけがない。もっと選手たちを必死にやらせていれば、韓国にフィジカルで負けないはずだ」と話した。柱谷氏は今年6月、約4年半率いたJ2水戸の監督を退任した。
次はその1年後の2016年の記事。
ハリル監督は選出も起用法もデタラメだ
2016年10月12日7時58分 紙面から
◆セルジオ越後(せるじお・えちご) 1945年7月28日、サンパウロ生まれ、日系2世。18歳で名門「コリンチャンス」とプロ契約。右ウイングとして活躍しブラジル代表候補にも選ばれる。72年来日。藤和サッカー部(現:湘南ベルマーレ)ではゲームメーカーとして貢献。辛辣で辛口な内容とユニークな話しぶりにファンも多い。
<W杯アジア最終予選:オーストラリア1-1日本>◇B組◇11日◇メルボルン
引いて守って、ワンチャンスで1点は奪ったけど、対等には戦えていないね。アウェーだとしても、オーストラリア戦でこんなに引いて守った日本は初めて見た。いわゆる「弱いチーム作戦」ですか。プライドを捨てて、引いて守ってカウンターを狙うという、岡田監督の時のW杯南アフリカ大会を思い出したよ。
ただ右の小林も足を痛めたし、左の原口とともに両サイドに負担をかけたね。カウンターのチャンスがあっても長い距離を走らなければならないんだから。アウェーだから負けるよりはいいけれど、アジアの横綱同士の戦いではなかった。こんな戦い方でW杯に出たら勝つのは無理。アジアも勝ち抜けるか分からない。
ケガ人だなんだと言って台所事情が良くないのは分かる。だけどハリルホジッチ監督が今の日本を見て、このサッカーしかないと考えているのなら、日本のサッカーはこの世代で終わってしまう。そうしたら復活するのにしばらく時間がかかるだろうね。
監督はちゃんと選手を見ているのだろうか。選んでいる選手と使い方がデタラメだ。清武の代わりに香川を入れたのはどういう意味か。香川を守備中心に使うとは思わなかった。最後も1-1でドリブラーの斎藤ではなく丸山を起用した。しかもデビュー戦で自分のポジションじゃないところで。試合を通じて、日本のサッカーが何なのか、まったく分からなくなってしまったよ。(日刊スポーツ評論家)
そして、香川真司もこの戦いに対しては、相当批判的であった。次の記事を読めば、そのことがよくわかる。
香川不満「面白くない戦い方かも」 豪州戦“ハリル流”カウンター戦術で輝けず
2016.10.13
香川不満09576445
サッカー日本代表は12日、メルボルンで11日に行われたW杯アジア最終予選のオーストラリア戦を1-1で終えて空路帰国し、各所属クラブに戻った。日本はけが人続出など不測の事態に見舞われながらドローで勝ち点1をもぎとり、他カードの結果で同組3位に浮上。ただ、2戦ぶりにトップ下で先発したMF香川真司(27)=ドルトムント=はカウンター戦術の中で輝けずじまい。同組首位のサウジアラビアと対戦する第5戦に向け、臨機応変に“ハリル流”と“日本流”を使い分ける必要性を説いた。
香川の表情は敗者のように曇っていた。あえて相手にボールを持たせて逆襲を狙ったオーストラリア戦を「面白くない戦い方かもしれないけど…。まず最終予選を突破しなきゃいけないので」と受け入れつつも、はっきり不満を口にした。
「(攻撃は)カウンターしか道筋がなかった。オーストラリアというアジアの中でいいチームに対しても、もっとやらなきゃいけない。そういう意味では物足りなさをすごく感じる」
パスサッカーを完全に捨てた。アジア・サッカー連盟(AFC)のデータでは日本のボール支配率は35%。ハリルホジッチ監督は「わざとポゼッション(ボール保持)させた」と言い、狙い通りの速攻で前半5分に先制。敵地で、しかもボールをつなぐ相手に対し効果的な戦法だったことは間違いない。
10年W杯の岡田ジャパンは、守備的布陣で16強に入った。ただ、岡田ジャパンが世界の強豪に用いたような戦術を、今回はアジアで実践した。香川は「W杯だったり、ヨーロッパのチームと戦う上では、こういう戦いになるけど…」。明らかに納得していなかった。
ハリル流の「縦に速く」が形になる一方、ポゼッション力は低下。イラク戦(6日)はロングボールを多用して乱戦を招いた。ボール保持率を上げ、失点のリスクを減らす日本流の精度も、アジアで安定して勝つためには取り戻す必要がある。
何より、ハリル流だけでは、スペースがなくても巧みなパスワークなどで打開していく香川、FW本田(ACミラン)、MF清武(セビリア)らの長所が生かしにくい。主将のMF長谷部(Eフランクフルト)は「オーストラリアとホームでもこの戦い方をやるかと言ったら、やらないかなと思う」と話す。次戦・サウジ戦で「必ず勝たなきゃいけない」と誓った香川。日本らしい遅攻も織り交ぜる中で背番号10も再び輝きを取り戻すはずだ。
https://www.daily.co.jp/soccer/2016/10/13/0009576444.shtml
(続く)