女々しいぞハリル、代表監督不適格(35)

 宮川氏側の 弁護士が、日大総務部の聞き取りに応じた際に、大学側が「大学と部は違う団体である。組織である。あくまで大学としてお聞きしたい」と説明した部分だ。

 日大アメフット部は、大学側が統括、監督責任を持っている学内のクラブ活動団体である。日大の有志やOBが集まって学外で行っているスポーツクラブでもなんでもない。100人を超える選手の練習場所を確保して、選手の一部をスポーツ推薦という形で入学させている。それを「大学と部とは違う団体」と語っているとすれば、日大アメフット部は、いったい何なのか。

 日大アメフット部を統括、管理する責任のある大学側が、まるで、それらを放棄したような発言であり姿勢である。学内ナンバー2の立場にある常務理事の内田氏が監督をしていた団体には、モノの言えない学内構造でもあるのだろうか。大学側が、その活動内容と実態を把握せず、コントロールできないような組織が、対外試合も含めた部活動を行っていること自体が大きな問題だろう。

 会見を受けて「激しい怒りを覚える」というコメントを発表した被害を受けたQB選手の父親、奥野康俊氏は、「監督やコーチが最初から自分の息子を怪我させようとしていた。絶対に許されないことだ。このような指示を出すこと自体あってはならないことだし、さらに強制し追い詰めるやり方は社会のルールをまったく逸脱している。こうしたことが学校の中でおきていたこと自体が信じられない」とも語った。

 学校内で“反則行為の教唆”が起きたことが問題なのだ。

 この日、日大の広報部に何度も電話をしたが、一度としてつながらなかった。また広報部が「質問は文書にてお願いします」ということだったので、先週の木曜日に送ったが、今なお、ナシのつぶてだ。夜になって公式コメントを出したが、今なお、監督、コーチの反則指示を認めていない、という矛盾したもので、本来、学生を守らねばならない立場の大学が迷走している。

 内田前監督の正式な記者会見をいったいいつになれば行い、今回の問題に対する大学としての見解、対応、そして学校側の処分、また今後の方針などを、いったいいつになれば“世間”に明らかにするつもりでいるのだろうか。日大は説明責任をまったく果たしていない

 対して、ここまで2度会見を開いている関学大は、この日、「宮川氏が不利益を被る可能性がある」として、18日に直接謝罪を受けていた事実をここまで公表してこなかったことを<お詫び>として謝罪していた。教育機関としての理念や姿勢が、この対応ひとつとってみればよくわかる。

 

 最後に。

 宮川氏は自らが犯した罪への懺悔を繰り返していた。
「判断できなかった自分の弱さです。少し考えれば間違っていたことを判断できた。自分の意思を強くもつことが今後重要だと思う。でも、あのとき自分はそのこと(違反行為をしない)は考えられなかった。1週間で追い詰められ、やらないという選択肢はない状態になっていた。今後は、自分の意思に反するようなことはフットボールにかかわらず、すべてにおいてするべきじゃないと思う」

 THE PAGEで、すでに記事にしたが、スポーツ心理学の権威である東海大の高妻容一教授は、「このような環境で、プレッシャーをかけられて追い込まれた選手は善悪の判断がつかなくなることがある」というスポーツの現場における心理を分析していた。「厳しい環境でフットボールが好きでなくなる」ほどの環境下におかれ、「日本代表を辞退しろ」というパワーハラスメントを受けても「言い返すこともできなかった」というチーム体質にどっぷりとつかってしまっていた宮川氏に正当な判断を求めることに無理があったのだ。

 やってしまった反則行為は罪だが、宮川氏もまた悲劇に巻き込まれた被害者である。

 関学大の鳥内秀晃監督も「行為そのものは許されるものではないが、勇気を出して真実を語ってくれたことには敬意を表したい。立派な態度だった」と評価。被害者の父親も「自分のしてしまったことを償い、再生していただきたい、勇気をもって真実を話してくれたことに感謝する」と再起へのエールを送っていた。

 繰り返すが、こんな指導者を野放しにしていた日大には重大な管理責任がある。もう教育機関という看板を下ろして、たんまりともらっている各種補助金を国へ返上したほうがいい。
 
(文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)

https://thepage.jp/detail/20180522-00000002-wordleafs?page=3

 

 

ここでは「教育機関の看板を下ろして、各種補助金も返上した方がよい」と結んでいる。まさにその通りである。アメフト部でなくて、日本大学本体の問題に言及している数少ない論考の一つではないのかな。ちなみに政府からの補助金93万円と言う、それだけ我々の税金が、日大に投入されていると言う事である。補助金支給には大反対である。

 

日本大学のこの煮え切らない動きに対して、当の反則タックルを受けたQBの父親奥野康俊氏は、怒り心頭だ。当然である。奥野康俊氏は大阪市市議会議員である。

 

 

「人生かけ問題向き合う」関学被害者の父、市議今期限り

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写真・図版
反則行為を受けた状況を説明する負傷選手の父・奥野康俊さん=5月21日午後、大阪市中央区

 

 アメリカンフットボールの日本大と関西学院大の定期戦(6日、東京)で、日大選手が関学大選手に悪質なタックルをして負傷させた問題で、被害者の父で大阪市議の奥野康俊さんは24日、自身のフェイスブックを更新し、日大に対する怒りをあらわにした。

 奥野さんは「指導者2人に対して、体の震えが止まりません。市議会維新代表にも伝えておりますが、私の記者会見前に決断していたことですが、任期満了をもって大阪市議会議員にピリオドをうち、次の選挙では立候補いたしません。残りの人生をかけ真剣に、とことん、この問題に向きあう覚悟です」とコメントした。

 日大は23日、午後8時ごろから東京都内で緊急記者会見を開き、内田正人前監督が「私からの指示ではございません。ただ、スタートからゴールまで私の責任だと思っている」と説明した。緊急会見には、日大の宮川泰介選手に指示をしたとされる井上奨コーチの2人が出席。井上コーチは定期戦前日の5日に「相手選手を1プレー目で潰せば(試合に)出してやる」という話をしたことを認めた。その理由について、「思いっきりタックルすることが、彼の課題だった。いつもと違うようなプレーをしてほしかった」「もう一つ上のレベルにいってほしかった」などと説明した。

 関学大アメフト部は24日、「…

https://www.asahi.com/articles/ASL5S2HZ7L5SPTQP001.html?iref=comtop_rnavi_arank_nr02

 

 

益々持って日大は抜き差しならない事態に突入してしまった。自ら進んで突っ込んでいったものである。これでは新設されたと言う「危機管理学部」も、高が知れてると言うものではないのかな。危機管理学部どころか、日大の全学部、日大そのものが二流どころか三流か四流の大学に成り下がってしまった訳だ。

(続く)