世界自動車大戦争(36)

 

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さてC,DセグメントのEVを一覧してみよう。

 

(1) 日産 ARIYA Concept4WDSUV、前後のアクスルに夫々一個・計二個のモーター4WD

       日産の屋台骨を背負うとされる世界戦略のEV

(2) Lexus LF-30 ElectrifiedLexus創業30周年記念EV、電動化ビジョン。環境とドライビング
       四輪インホイールモーター、航続距離はWLTPモードで500km

 

(3) トヨタ LQAI搭載AutonomousEVコンセプト、乗り手と車の感情的な関係・愛車の具現化)
       航続距離は300km、乗車定員4人とやや物足りない。

 

(4) トヨタ e-Palette(自動運転のミニバス、東京2020オリパラ大会に十数台を提供、巡回バス)
       航続距離150km程度、最高速度19km/h、活躍が期待されている。

 

 

 

と言ったところだと思うが、

先ず何と言っても第一に目につくのは、日産のARIYA Concept だ。

 

このSUVEVは、一見カッコよく見えるが、フロントのフード部分とそれ以降のキャビン部分とが、どうもアンマッチに(小生には)見えて仕方がないのだ。小生にはSUVと言うよりもライトトラックの様に見えて仕方がないのである。なんとも惜しい所である。キャビンの流麗な曲線とボンネットのトラック風の造作が、前方からの姿見はあまりにもマッチしていない、と小生には感じられるのだが

 

まあ人は夫々なので、これはこれでよいのかも知れないが、このアンマッチはもう少し何とかならなかったものか、と残念で仕方がない。日産としては、空想的なコンセプトカーではなくて、本物として造ったと言っている様だが、もう少しセンスある造形にしてほしかったものだ。ボンネット内に色々とコントロールユニットなどを詰め込まざるを得なかったのか。まあ日産の欠点の一つが、このスタイルであることは、相変わらずだ。時々変わったものを出してくる。

 

ただEVの主要諸元の発表はないのが残念である。エクストレイル次期モデルだと言う説もあるので、それほど軟なバッテリーなどは積まないものと思われるが、少なくとも500kmくらいは走ってもらわないと、見劣りがするのではないかな。リーフに続く世界戦略のEVとしての位置づけなのだから。

 

 

次は、レクサスのLF-30 Electrified である。

 

30と言うのは、レクサス創業30周年記念30と言う事のようだ。コンセプトモデルなので、カンブリア紀に出現した捕食動物風の姿・形を思い浮かべるようなフロントのカタチが特徴的である。だが、これはこれで、日産のARIAよりも整っている、様に見える。

 

全長5m、全幅2m近い大柄で、110kWhの大容量のバッテリーを積んでいるようなので、WLTPモード500kmも走ると言う。 In Wheel Motorで4輪すべてに駆動モーターがある。そのため緻密にモーターを制御し、走る、曲がる、止まるの理想的な駆動制御を実現させている、と言う。

 

まあ、レクサスの理想的なモビリティの姿を現したかった、と言うところか。環境対策とドライビングプレジャーを両立させようとしているコンセプトモデルなのでしょう。

 

 

WLTPとは、Worldwide harmonized Light vehiclesTest Procedure 「乗用車等国際調和排出ガス・燃費試験法」と言い、乗用車や小型トラックの燃費やCO2他の汚染物質の排出レベルの国際的に整合した試験方法を定めたものであり、実態に即した車両を市街地、郊外、高速、超高速道と4フェーズでの燃費を計測して算出するものである。市街地や郊外を実際に走行して計測するものではないと思うが、JC08モードよりも値は悪化するものである。

もう一つWLTCなるものがあるが、これはCycleで試験法と試験サイクルの違い、と言うようだが、小生にはこの違い、よくわからない。

 

 

そして次はトヨタブランドのLQである。2017年に発表した「TOYOTA Concept-i」の発展形である。AIを搭載しており、クルマとのコミュニケーションが出来るようになっている。このAIは、トヨタ得意のTRIToyota Research Institute)との共同開発である。

 

トヨタ流の愛車の具現化したものであろう。より乗り手とクルマの関係を感情的なものとしたいと、設計者が考えたものと思われる。但し、愛くるしいカタチにしたために、バッテリーはそれほど載せられなかったようで、航続距離は300km程度だと言うし、乗車定員も5人ではなくて4人だと言う。もう少し奮発して貰いたかったものである。トヨタの号口化(市販量産型)の段階では、それなりに量産型の姿・形となってくるのではないのかな。

 

と言うのも、トヨタは「全個体電池」を研究開発しているから、このLQにはその全個体電池を載せて、市販する可能性もあるかもしれない。すると航続距離は300kmではなくて400500kmとして世に出すかもしれないのだ。最近全個体電池でよい結果を出した、と言う話もある。

 

まあLQはその物のかたちでは市販はされないのであろうが、何と言っても300kmそこそこの航続距離では、実用性がとても劣るのではないのかな。トヨタの設計者も市販車とするには、後ひと工夫もふた工夫もしてくるのではないのかな。

(続く)