そしてイビチャ・オシム前日本代表監督は、更に冷静だった。もっと先に進むこと
を念頭においていた。オシム氏だけが、全うな解説をしている。オシムだけが(と
思うのだが)、パラグアイ戦での引き分け・点を入れることが出来なかった「サム
ライJAPAN」を、(悔しそうに)叱責している、「もっと侍のように勇ましく戦う
べきだった」と。そして「どこまで勝ち進むか」と、暗に「ベスト4」まで勝ち進むに
はまだまだ実力不足ではないかと諭している。きっとオシムの頭の中には、その
道筋が見えていたのであろう。岡田も今一度オシムにその戦略と戦術を聞き、
日本サッカー協会にその要因と対策を残してゆくべきだったのではないかな。
26オシム節さく裂、成長太鼓判も「侍のように勇ましく戦うべき」
2010年6月30日(水)17:00 (夕刊フジ)
「スカパー!」の解説を務めた前日本代表監督のイビチャ・オシム氏(69)が、
8強を逃した日本代表について、「W杯で日本は自信を手にした」と評価。一方
で、「もっと侍のように勇ましく戦うべきだった」と苦言を呈し、メディアやファンに
も成長を求めた。
オシム氏は、日本がPK戦の末に敗れたパラグアイ戦後に解説として登場。
120分間の死闘を演じた日本代表について、「サッカーファンではない人の目を
開かせる戦いだった。選手たちはこの戦いで自信を手にしたはずだ」と賞賛した。
格上のカメルーンやデンマークを下し、強豪オランダと互角の戦いを演じた日
本の戦いぶりを「どんな強豪ともかなり対等な試合をすることができるということ
が証明された」と評価した。
一方、「自分の力だけでゴールを上げることができるという誤解に基づくプレー
があった」とワンマンプレーには苦言。「日本人は歴史を通じて勇敢さを保ってき
た民族。侍の時代にしろ、戦争中の神風攻撃にしろ、勇気がなければできない。
サッカーでは自分の命をピッチの上で失う危険はない。もっと侍のように勇まし
く戦うべきだった」と代表の消極プレーに注文も出した。
また、PK決着に批判的なオシム氏は、「W杯の試合でこういう形で決着する
のがふさわしいのかどうか」とFIFAにもチクリ。「『こぼれたミルクは戻らない』とい
うことわざがある。今日の日本はミルクをこぼしてしまった」と、悔やんだ。
「今後はW杯でどこまで勝ち進むかということを意識したトレーニングができ
る。そういう日本代表になることができる」と代表の成長に太鼓判を押したオシ
ム氏。
最後は「ゴールをあげた選手だけが注目される」とメディアを批判。「代表ばか
りでなくJリーグの試合も見るべき」とファンへの注文も忘れなかった。
http://news.goo.ne.jp/article/fuji/sports/zak20100630009.html
「もっと侍らしく勇ましく戦うべきだった」その手立てのひとつが、素人ながら小生
は、「中村俊輔’」+「本田圭佑’」だと感覚的に見立てているのである。だから目
標とした「ベスト4」に到達するための方策が、岡田では見つけられなかったの
ではないかと、推測しているのである。岡田のとった手立ては、「ベスト16」まで
の手立てではなかったのか、と勘ぐっているのである。「国内では、今のところ賞
賛の報道ばかりが目につくが、海外メディアはそうでもない」のである。これが
本当のメディアなのであろう。日本のメディアはこんなところでも後進性を暴露し
てしまっている。
28【風】健闘…けれど敗戦の現実
2010年7月1日(木)15:02 産経新聞
ベスト8にほんのわずか届かなかった日本代表。筆者は敗戦のショックから抜
け出せないが、本欄には、悲しみつつも代表に拍手を送るお便りがたくさん届い
ている。
《負けたのは悔しいけれど、日本が一つになった。W杯のすごさを実感した》と、
徳島市の会社員(32)。闘志あふれるプレーでピンチを乗り越えたディフェンス
陣、PK戦前に全員で円陣を組む選手やスタッフたち、PKを外して泣きじゃくる
駒野友一選手と、肩を抱くチームメート-。《感動で鳥肌が立ち、涙が出た。スポ
ーツでここまで胸が熱くなったのは初めて》という。
大阪市の男性(30)から届いたメールは、多くのファンの気持ちを代弁してい
る。《ドイツ大会で(1勝もできずに)がっかりさせられたのに比べ、これだけワク
ワクさせてくれたのだから十分でしょう。選手たちには「よくやってくれた」と感謝
したい》
健闘した日本代表。ただ、結果としては敗戦だし、内容は必ずしも満足できる
ものではなかった。
国内では、今のところ称賛の報道ばかりが目につくが、海外メディアはそ
うでもない。組織的な守備は評価されるものの、パラグアイ戦について「今大会
で最も退屈な試合の一つだった」(南アフリカの通信社)、「攻撃面で創造的にな
れなかった」(ブラジルのテレビ)、「極めて守備的。負けへの恐怖心が支配して
いた」(イギリスのテレビ)と、辛口な意見も目立つ。
前出の大阪市の男性も、最後にこうつづっている。《日本戦の後に放送された
スペイン対ポルトガル戦を見て、残念ですが、段違いに強く、面白いサッカーだ
と感じた。日本の実力ではベスト16が妥当なのかもしれない。まだまだ、世
界の強豪にはなれていないと実感させられました》
「堅守速攻」で臨んだ岡田ジャパンは、大方の予想を超える成績を収めた。お
そらく岡田武史監督は、勝ち残るための戦術として選択したのだろう。しかし長
い目で見て、果たしてそれが日本の目指すスタイルでいいのだろうか。
優勝を狙える強豪になるための道のりは遠いが、長い目でじっくり応援してい
きたい。(一)
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20100701066.html
(続く)