そう考えると、渡辺恒雄にも任命責任がある。渡辺は親会社の(株)読売新聞グループ本
社の代表取締役会長・主筆であり、(株)読売巨人軍の取締役会長もやっている。コーチ人
事を覆したこと以外にも、違った意味で今回の「清武の乱」の責任の一端は、渡辺恒雄に
も相当あるのであろう。巨人がクライマックスシリーズで惨敗したことや、さらにはペナント
レースで勝ち抜けなかったことなどにも、ナベツネにもかなりの責任はあるのではないか
な、と思えるのである。今の陣容では勝ち抜けない、と言うことを見抜けなかったではな
いか。
そして、そうこうしているうちに、お互いに訴訟合戦となってしまったのである。
12/ 2 巨人球団納会、熱海市で開かれる。滝鼻最高顧問が選手らに謝罪。
12/ 4 巨人OB会総会、東京ドームホテル。OB会王会長、勝てばこんなことは起きない。
12/ 5 読売本社と巨人は、清武氏に対して1億円の損害賠償の訴訟を東京地裁に提訴
する。
12/13 清武氏は、巨人と読売本社と同代表取締役会長兼巨人軍取締役会長の渡辺恒
雄を相手どり、6220万円の損害賠償訴訟を東京地裁に提訴する。
47【清武代表解任】「ある役員の行為でお騒がせ」 巨人の滝鼻元オーナーが球団納会で謝罪
2011.12.2 19:15 [巨人]
巨人のコーチ人事をめぐり、球団会長で読売新聞グループ本社会長兼主筆の渡辺恒雄
氏(85)を批判し、清武英利氏(61)が球団代表を解任された問題で、元オーナーの滝鼻
卓雄最高顧問(72)は2日、静岡県熱海市で開かれた球団納会で、選手らに対し、一連
の問題を謝罪した。
清武氏が代表時代にオーナーを務めた滝鼻氏は、あいさつの冒頭から「ここ数週間、あ
る役員の行為をめぐって世間をお騒がせした。選手、フロントのみなさんにご心配をおか
けし、最高顧問としておわびする」と陳謝。騒動の最中でも、秋季キャンプやファンイベント
に参加した選手らに感謝した。
その上で、今後に向けて「巨人ブランドの維持と、もし傷ついたとしたら回復のため全力
で努めたい」と権威回復に尽力することを約束した。
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/111202/bbl11120219160008-n1.htm
45【清武代表解任】巨人OB会総会で王会長「勝てばこういうことは表面に出ない」
2011.12.4 21:04 [巨人]
巨人OB会総会 並んで会場に入る王貞治・OB会会長(右)と広岡達朗氏=4日午後、東
京ドームホテル(撮影・大橋純人)
巨人の王貞治OB会会長は4日、コーチ人事をめぐり、球団会長で読売新聞グループ本
社会長兼主筆の渡辺恒雄氏を批判し、清武英利氏が球団代表を解任された問題につい
て、「勝てばこういうことは表面に出ない。われわれの仕事は勝つことだと、改めて認識し
てやっていけばいい」と話した。東京都内でOB会総会に出席後、報道陣の取材に応じた。
さらに王会長は「チームやOBは『雨降って地固まる』じゃないけど結束を固めていく」と強
調した。総会では、原監督が2年連続V逸を陳謝。その後の懇親会で、元オーナーの滝
鼻卓雄最高顧問が「ご迷惑とご心配をかけ、おわびします」と問題について謝罪した。
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/111204/bbl11120421060008-n1.htm
まあ、王OB会会長の発言は尤もなことである。長嶋茂雄の発言よりも、よほど素直であ
る。WBCでオールジャパンの監督を務めただけはある。しかし巨人がなぜ勝たなかった
のか、そして勝つためには何をすべきだったのか、今後何をすべきか、も聞かせてもらい
たかった。これがなければ、言い換えれば、対策しなければマネジメントは完結しない、と言
うことである。まあ巨人はそんなに強くならなくてもよいのだが。
先に渡辺恒雄の責任も相当あると述べたが、ナベツネの「社会規範」に違反するような言
動はまだある。
2004年の球界再編騒動で会長が言った『たかが選手が』という言葉もそうであるが、
2011年のペナントレースの開始時期をめぐる混乱だ。東日本大震災で仙台市やKスタ
宮城球場が大きな被害を受けている。それにもまして東日本が、否日本が大混乱である。
そしてもっと重大なことは、東京電力の福島第一原発が壊滅し、放射能問題や東京を始め
東京電力の管轄地域は、電力不足で計画停電をはじめ四苦八苦のの真っ最中だ。その
ためパリーグは4月12日に開幕を延期していると言うのに、巨人のセリーグは公式戦の
開幕を予定通り3月25日から実施すると(当初は)発表したのだ。
(続く)