尖閣諸島問題その2(75)

当ブログの

2012.7.18のNO.12では、1974.1.15~20
西沙諸島海戦(中国が西沙諸島ベトナム

ら分捕る)

2012.7.20のNO.14では、1988.3.14南沙諸島海戦(中国が南沙諸島をフィリピンなど

から分捕る)

2012.8.7のNO.16では、2012年4月8日スカボロー礁のフィリピンからの奪取状況など

を説明している。


その何れもで、中国はフランス軍やアメリカ軍が撤退した軍事的空白を狙って、軍事侵攻

しているのである。


中国が尖閣諸島の領有を主張し始めたのも、沖縄の日本返還が決まった直後の

1971.12.30
に、中国は外交部声明という形で初めて公式に「尖閣諸島の領有」を主張し出

したのである。


前年の1970.9.16には沖縄の日本復帰が決まっている。1972.5.15に沖縄は日本に正式

に返還されたのであるが、ここでも米軍の駐留が縮小されることがわかると、すかさず

尖閣諸島の奪取を公式に表明している。


この関係の時系列を下記してみる。(このことは既に、2012.10.1のNO.56でも記述して

いる。)


1969(S44)年    ECAFEの調査で尖閣諸島海域で石油があることが確認される。

1970(S45).9.16
 沖縄の日本復帰が決まる。

1971(S46).12.30
  中国外交部声明で、尖閣諸島の領有を主張しだす。

1972(S47).5.15
 沖縄返還

1972(S47).9.19
 
日中国交正常化


このことを見ても中国が如何に匪賊・馬賊の国柄であるか、と言うことがわかる筈だ。

米軍が沖縄からいなくなる事を想定して、尖閣への侵略に手を染め始めたのである。

だから日中国交正常化は10年は早すぎたのである。


ただ沖縄にはアメリカ軍の海兵隊が駐留している。最近は「オスプレイ」も配備されてい

る。中国にとっても手ごわい相手でもある。だから南シナ海の様にはいかないと中国も思っ

ているはずだ。だから搦め手から、現在攻め込んでいる。本日(2012.10.25)も中国の海

洋監視船が尖閣諸島の日本領海を侵犯している。日本も我慢のしどころだ。海上保安庁

海上自衛隊が連携をとりながら、きちっと対応してもらいたいものだ。


尖閣諸島で現在中国がやっていることは、この「法律戦」などの三戦から「武力戦」へと向

う道筋を作っている過程なのである。中国は昨年末に、尖閣海域で自国の漁船の取締り

を実施している。自国の領海なのだから、自国の漁船を取り締まるのは当然だと言う論理

なのだ。この中国の(違法な)法執行に対して日本が何らかの抗議を行えば、中国は「

力戦
」へとエスカレートさせて行くことになろう。


このような中国の侵略のやり方は、2012.8.15,NO.22から8.21,NO.26で海上民兵→人民

解放軍海軍へと危機を意識的に拡大させると言う中国の常套手段を、説明している。

これが「武力戦」へのエスカレートなのである。


このような状況は、「文芸春秋九月特別号」の「尖閣日中戦争の修羅場・徹底討論

櫻井よしこ×富坂聡)にも述べられていたことではあるが、このようなことはこのブログの

読者であれば想像に難くない事であろう。まあ中国のやり方は「確実・強引」で「ずるがし

こい」の一言に尽きる。しかし尖閣諸島を含む南西諸島には米軍が駐留している。その

海兵隊は精鋭だ。


しかし日本の民主党政権の弱体化と鳩山と小沢の対米離反外交のお陰で、日米関係が

弱体化すると見た中国は、すかさず尖閣諸島への侵略を始めた。民間漁船を半ば偽装し

た漁船
を繰り出してきたのである。2010.9.7中国漁船の衝突事件である。


週刊文春」の2010.11.18日号によれば、この中国漁船の船長を逮捕した直後

の2010.9.8
の未明に、中国外務省の報道官がこの逮捕に対して抗議声明を出していた

のである。日本側では東京の霞ヶ関がスッタモンダの大騒ぎをしている時で、当然公表など

もされていないし中国公館への「領事通報」も行われていない時にである。と言うことはこ

中国漁船がある種の「任務船」だったのである。その証拠に、アメリカ第七艦隊の監視

任務部隊は検挙された中国漁船から、中国本土に発せられた無線を傍受していた、

と言う。


この中国漁船は中国が軍事侵攻する際に、日本がどんな手段を執って来るかを探り、

その対抗措置をを立案するための「任務」であった可能性が高い、と言うことである。

だからある意味中国漁船拿捕は正解であったのである。ただ恫喝に怯えた管と仙石が船

長を釈放しなければ、もっと点数が上がったのではあるが。


そして、沖縄には在日米軍がどんと構えている。だから西沙諸島南沙諸島のようには行

くまい。そのため中国はあらゆる手練手管を繰り出してきている。いよいよ中国ずるが

しこい
プロパガンダ
に手を染め始めたのである。


武力戦」の前に、中国の得意とする『戦わずして勝つ』ための三戦、即ち「輿論」「

理戦
」「法律戦」の遂行だ。アメリカやイギリス、更にはパキスタンの新聞にも「尖閣は日本

が強奪した」などとのプロパガンダを始めたのだ。2012.9.28日付けの米紙NY・タイムズ

とWashington・ポストに全面広告を出して、世界世論を見方にしようと大々的なプロパガン

ダを始めたのだ。

 
 
尖閣、日本が強奪」と全面広告=中国紙が米有力紙に掲載
(2012/09/29-09:12)

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http://www.jiji.com/news/kiji_photos/0120929at14_p.jpg
28日付の米ニューヨーク・タイムズ紙(右)などに掲載された、中国が沖縄県尖閣諸島の領有権を主張する新聞広告 

 【ワシントン時事】28日付の米紙ニューヨーク・タイムズワシントン・ポストに、「釣魚

島(沖縄県尖閣諸島の中国名)は中国領」と題する広告が掲載された。広告主は中国の

英字紙チャイナ・デーリー。同諸島は「いにしえより中国固有の領土であり、争いの余地な

く主権を有する」と主張し、「日本が強奪した」と非難している。

 広告は、タイムズ紙は見開きの2ページを全て、ポスト紙は大部分を使い、尖閣諸島のカ

ラー写真を掲載。1403年の文書に島の存在が記録され、明の時代(1368~1644年)

には施政権下にあったと断定している。

 また、「日清戦争の結果、日本に強奪されたが、第2次世界大戦後に中国に返還された」

と主張。日本政府の国有化は「中国の主権を激しく侵し、反ファシスト戦争(第2次大戦)の

勝利を踏みにじるものだ」と訴えている。

 これを受け、在米日本大使館と在ニューヨーク総領事館はポスト、タイムズ両社にそれぞ

れ「事実に反する一方の主張を載せるのは不適当だ」と申し入れた。ポスト社は「広告

の内容は社の立場を反映していない」と回答したという。

 藤崎一郎駐米大使はこの日の記者会見で、「日中間で大きな問題になっている時に誤解

を与える。看過できない」と語った。
 
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201209/2012092900107

 
 

この米紙ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストは中国に買われてしまった新聞で

あり、毎月この「広告主」である「チャイナ・デーリー 中国日報」の記事を、これらの米紙

はそのまま取り込んで発行しているのである。だからこのような尖閣の広告を載せることが

出来るのである。このような記事ともつかない広告は、今後とも頻繁の載る事となろう。

(続く)