日本近代化の流れ(72)

さて、そろそろ次の話に移ろう。アパホテルの件だ。

 

 

10) アパホテルの「南京大虐殺」否定本で、中国大炎上

 

まあこのブログをお読みいただいている先輩諸氏に置かれましては、南京大虐殺なんぞは蒋介石が欧米人につくらせた作り話だということは、重々お分かり頂ていることと思う。

 

しかし共産中国人にとっては、この捏造された南京事件共産党独裁政権の存立の基のように、思っているようなところがある。だから世界記憶遺産にまで手を伸ばして、南京事件を記憶遺産に登録しようともがいていたのである。

 

この基になった「戦争とは何か」と言う宣伝本は、蒋介石マンチェスターガーディアン」の特派員であった上海のオーストラリア人のハロルド・J・ティンパーリ記者等に書かせたものであった。

 

このことは、超極秘文書であった中国国民党中央宣伝部製作の『中央宣伝部国際宣伝処工作概要』に、『戦争とは何か』は中国国民党中央宣伝部の作成した宣伝本であると明記されていたからである。

 

これは、亜細亜大学教授の東中野修道の16年に渡る研究の成果であった。詳しくは20065月発売の「南京事件国民党極秘文書から読み解く」(草思社)を参照されたい。

 

ここら辺の事情は、小生のブログ「南京大虐殺の虚構宣伝と胡錦濤の秘密工作に騙されるな」(2007.6.6~9)を参照されるとよい。

 

さてそうはいっても中国としても、南京大虐殺なんぞは中国が作り上げた捏造話だ、などと宣伝されては面目丸つぶれだ。そのため即座に、その「南京大虐殺」否定本に対して、ヒステリックに反論を始めた。

 

このおばさんも、大分お疲れのご様子、とみえる。

 

 

【歴史戦】アパホテルを中国外務省が批判 客室の書籍「南京大虐殺」を否定

2017.1.18 00:09


華春瑩副報道局長=2016年12月29日、北京(共同)    

 【北京=西見由章】日本のビジネスホテルチェーン大手のアパグループが運営するアパホテルの客室に、「南京大虐殺」や「慰安婦の強制連行」を否定した書籍が備えられていることに対し、中国外務省の華春瑩報道官17、「日本国内の一部勢力は歴史を正視しようとしない。正しい歴史観を国民に教育し、実際の行動でアジアの隣国の信頼を得るよう促す」と述べた。中国外務省が日本の民間の言論にまで批判の矛先を向けるのは異例だ。

 華氏は「強制連行された慰安婦南京大虐殺は、国際社会が認める歴史的事実であり、確実な証拠が多くある」と主張した。

 この問題はアパホテルに宿泊した中国人と米国人の男女12日、中国版ツイッター・微博で書籍について指摘し、中国国内のネット上で非難の声が上がっていた。中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は、日本で営業している中国の旅行社がアパホテルの取り扱いを中止したと報じた。

http://www.sankei.com/world/news/170118/wor1701180001-n1.html

 

 

歴史を正視しないのは中国であり、正視しないどころか捏造までして全人民に教えているから、歴史を正視しなければならないのは中国共産党政府そのものである。しかし捏造がばれてしまってはまことに困るのである。この秋には、5年に1度の共産党大会があるからで、権力闘争真っただ中の習近平にとっては、波風を立たせたくなかったからではないのかな。

 

 

【歴史戦】中国外務省がアパホテルの「書籍」批判 愛国キャンペーン強化か 今秋の共産党大会控え

2017.1.18 20:24


アパホテルの客室に置かれている「理論 近現代史学II」   

 【北京=西見由章】アパホテルの客室におかれた書籍をめぐり、中国外務省の報道官が日本国内の言論に対する異例の批判に踏み切った。今秋に5年に1度の中国共産党大会を控え、国内では歴史問題を前面に出した愛国キャンペーンで党や指導部の求心力を高めようとする兆しもある。

 これまで中国外務省は日本の靖国神社について「戦争を美化している」と決めつけながら一般国民の参拝には反対しない立場を示すなど、歴史問題に関しては政府や政治家と国民の間で一定の線引きをしてきた。

 この問題をめぐっては中国共産党機関紙、人民日報系でタカ派の論調で知られる環球時報が連日報道し、外務省報道官のコメントも同紙の記者の質問に答えたものだ。同紙が17日、ネット上で「中国による国家としてのアパグループ制裁を支持するか」とのアンケートを実施したところ、33千人以上が参加し、うち82.9%が支持を表明したという。

 中国では海外への旅行者も多い27日からの春節休みを前に、複数の予約サイトでアパホテルの予約ができなくなっている。同サイト「携程」では18日現在、アパホテルを検索しても表示されない状態だ。

 中国の歴史教育をめぐっては、教育省が「抗日戦争」の期間についての歴史教科書の記述を8年から14年に修正するよう各地方に通知したことが判明。抗日戦争の意義を拡大し、共産党の貢献を強調する狙いがあるとみられる。

 一方、中国北京市の蔡奇代理市長は14日、人民代表大会(市議会)で今年の方針として「愛国主義教育を強化し、全民族抗戦勃発80周年の関連イベントを成功させる」と述べた。全国的にも同様の取り組みが進められそうだ。中国は抗日戦争の開始時期を1931年の「柳条湖事件」にさかのぼらせる一方で、従来の起点とされてきた「盧溝橋事件」の記念イベントも大々的に行うとみられる 

http://www.sankei.com/world/news/170118/wor1701180048-n1.html

 

 

またぞろ、反日デモが吹き荒れるかもしれない。しかし日本に理があるから、安倍首相は始終毅然としておればよい。もし先回のような破壊デモでもあれば、壊された建物はそのまま展示用に陳列しておけばよい。外国からの観光客が、物珍しそうに(でもないか)眺めては帰国した後周りに、「中国政府はひどいことをするものだ」と宣伝してくれることであろう。日本はそれを世界に触れ回ればよい。期待しよう。

(続く)