多額の給与と生活費
被告はまた、外国の研究者らを引き寄せることを狙う中国の「千人計画」にも加わった。アメリカは以前、この計画について、安全保障上の懸念があると警告を発していた。
リーバー被告は武漢理工大学での役割の対価として、月給5万ドル(約550万円)と、生活費として上限15万8000ドル(約1700万円)が与えられていたという。
武漢理工大学からはさらに、同大学での研究所の設立費用として150万ドル以上を支給されていたとされる。リーバー被告はその見返りとして、同大学のために働き、特許を申請し、大学名で論文を発行することが期待されていたという。
そのことをリーバー被告は申告しなかったとされる。また、捜査員の調べに対し、「千人計画」との関わりや武漢理工大学との協力関係について、うそを述べたという。
マサチューセッツ地区連邦検事のアンドリュー・レリング氏は記者会見で、「これは中国政府が、戦略的なギャップと見なしたものを埋めようする、非常に直接的な行為だ」と述べた。
<解説> ヒステリー? それとも非伝統的スパイ行為?――馮兆音BBC中国語アメリカ特派員
中国は「千人計画」について、優秀な才能を国内に引き止め、頭脳流出を防ぐのが目的だと説明する。何十万人もの才能ある中国人がアメリカやイギリスなどの最高レベルの大学で学び、そのまま定住してしまうことを、政府は問題視しているのだという。
一方アメリカは、中国が知的財産を繰り返し盗んでいると見ている。アメリカは過去何十年にもわたって、中国が科学および技術分野で窃盗行為をしていると告発している。
米連邦捜査局(FBI)は「千人計画」について、中国による「非伝統的なスパイ行為」を実行するために利用され得ると警告している。ただ、問題として報告されたケースの多くは、スパイに絡むものではなく、金銭的利害関係を完全に申告しなかったなどの倫理規定違反だ。
アメリカは、中国との貿易戦争が始まった2018年以来、「千人計画」への監視を強めている。一方、中国は同計画についておおっぴらに話すのを避けていると言われている。
中国の国営タブロイド紙・環球時報は、アメリカの懐疑的な態度を「ヒステリー」と表現した。
2008年以降、中国国外に生活拠点を置く7000人以上の研究者や科学者が「千人計画」に参加している。その多くは中国系だ。
アメリカの取り締まりが人種による選別につながってはならないと、多くの人が警告している。台湾系アメリカ人の著名なHIV研究者、デイヴィッド・ホウ氏は、あるメディアのインタビューで、「政策を実施するなら、中国人科学者だけではなく、すべての人に対して実施すべきだ」と提言した。
(英語記事 US charges three scientists with hiding China ties)
https://www.bbc.com/japanese/51291717
また長文になるが、次も参照されるとよい。
ノーベル賞候補化学者の失墜 中国「千人計画」で厚遇 報酬は月500万円
2020年02月02日 09時14分
このほど、米司法省はハーバード大学化学部長・チャールズ・リーバー教授を逮捕し、刑事起訴した。米国の研究をしながら、中国政府の高度人材プログラム「千人計画」に加わっていたことを隠していた(Harvard University) t_kuxリーバー教授lt8keqd
(略)
https://www.epochtimes.jp/p/2020/02/51291.html
この「千人計画」への参加者は、世界で7,000人を超えていると言われている。莫大な数の科学者たちを中国は、自国へと呼び寄せていることになる。日本人の学者や科学者も例外ではない。相当数の日本人も含まれている筈だが、政府は何も把握していないと言う。これでは困るのである。日本は法体系から整備してゆく必要があると、「週刊新潮、10月22日号」は言っている。
この7,000と言う数字から推定するに、「千人計画」に参加している日本人は数百人に上るのではないのかな。この数百人の日本人科学者たちは、「最先端の知財をかの国に提供することのみならず、教育者としての役割も期待されているというわけだ。」と「週刊新潮、10月22日号」は危惧している。
その「週刊新潮」は独自の方法で、「千人計画」の日本人研究者を特定して、接触を試みたと言う。そのうち14人から回答があり、実際に取材に応じてくれた研究者は11名だったと言う。
「週刊新潮、10月22日と10月29日号」に掲載されている、人物を次に羅列してみる。まあ、言ってみれば彼らは、中国共産党人民解放軍の軍拡に協力する、非国民だと見て間違いがない。
2011年から3年間、学術会員だった名城大学の福田敏男教授-後掲
2012年から特任連携会員となった天文学の権威、東大の梶野敏貴准教授・北京航空航天大学教授
2008年からハルビン工程大学での原子炉工学の権威、京都大学名誉教授・吉川栄和氏78才
2011年から北京航空航天大学でソフトマター物理学教授の東大名誉教授・土井正夫氏72才
2018年3月定年後?華中科学技術大学に教授で赴任、阪大産業科学研・教授間島哲郎氏68才
2015年?にTopclassの浙江大学でサルの遺伝子研究の高橋亨教授43才
2013~2016年、福建省農業科学アカデミーに招聘ダニ研究北海道大学名誉教授斎藤裕氏72才
この北京航空航天大学は、大量破壊兵器などの開発・製造に関わる大学、研究機関、企業の名前の「外国ユーザーリスト」と言うブラックリストに載っている中国人民解放軍直下の大学なのである。
さらに、次のURLには34人もの多くの学者たちの名前が羅列されているので参照されたい。
(続く)