尖閣諸島問題その3(22)

尖閣問題に関する中国政府の「矛盾」はまだある

 中国共産党は、この二つの事実において大きな自己矛盾を来していることを認識しなけ

ればならない。

 実は、中国政府が自らのメディアを通して尖閣諸島問題に示した“意外な姿勢”は、これだ

けではない。

 1949101日に誕生した中華人民共和国(現在の中国)は、中国共産党の機関紙であ

る「人民日報」に、「尖閣諸島沖縄県の所属と認めた」うえで、「いかなる国際協定もこれ

らの島嶼が日本のものではないと規定したことはない」という周恩来(元)首相の言葉を明

記しているのである。これに関しては、一部は外務省のホームページにも出ているが、より

深い内容を次回にご紹介したい。

(筆者は、この「カイロ密談」を含めた一連の情報を中国が認めて、威嚇行動をやめること

を望む。そして安倍内閣には、これらの情報を最大限に活用し、尖閣問題の平和的手段に

よる解決を図ることを切望する)


遠藤 誉(えんどう・ほまれ)

 1941年、中国長春市生まれ、1953年帰国。理学博士、筑波大学名誉教授、東京福

大学・国際交流センター センター長。(中国)国務院西部開発弁工室人材開発法規組人材

開発顧問、(日本国)内閣府総合科学技術会議専門委員、中国社会科学院社会学研究所

客員教授などを歴任。

著書に『ネット大国中国――言論をめぐる攻防』(岩波新書)、『中国がシリコンバレーとつな

がるとき』『中国動漫新人類~日本のアニメと漫画が中国を動かす』(日経BP社)『拝金社

会主義 中国』(ちくま新書)『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『チャイナ・ジャ

ッジ 毛沢東になれなかった男』『チャーズ 中国建国の残火』(ともに朝日新聞出版) ほか

多数。2児の母、孫2人。


中国国盗り物語

中国の北京市(2012)35日、日本の国会に相当する全国人民代表大会全人代)が始

まった。胡錦濤政権が取り仕切る最後の会議だ。1年後のこの場で、次期政権の国家主席

が選出される。そのポストに就くのは現政権で国家副主席を務める習近平氏と目されて

いる。

世界は今、誰が中国の次期国家主席になり、誰が次期首相になるかに強い関心を寄せて

いる。だが、事は予想通り進むのか?

さらに、当の中国国民の関心は、誰が「中国共産党中央政治局常務委員」になるか、そし

て、その序列がどうなるかに集中している。集団指導体制に移った中国では、9人の常務

委員による多数決が基本だ。習近平氏が国家主席になっても、すべてを思い通りにできる

わけではない。

いま、この9つの椅子をめぐって中国の中枢では何が起きているのか?

この連載では、中国で生まれ育ち、中国政府のシンクタンク客員教授として政権中枢に近

くで仕事をしてきた遠藤誉氏が、中南海の内幕に迫り、次期政権成立までの軌跡を追う。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130208/243504/?mlp&rt=nocnt

 

カイロ会談やカイロ宣言などについては、2013.6.18NO.18で概略をまとめておいたの

で、今一度思い起こしてほしいのであるが、

蒋介石ルーズベルトに対して、次の3地域の領土の返還を要求していただけである。

それは、①満州、②台湾、③澎湖諸島 の3地域だけであった。

これに対して、ルーズベルトは④「琉球諸島(含む尖閣諸島)」もくれてやる、と蒋介石に提

案したのであるが、蒋介石国共内戦を優先して、それ④を断ったのである。しかも断っ

た後、蒋介石はそれをいたく後悔していたのである。

その上この情報が、中国共産党の「中国共産党新聞網」(ウェブサイト)、および中国政府

の新聞である新華社の「新華網」に載っていたのである。だから中華人民共和国自体が、

琉球諸島(含む尖閣諸島)は日本領である」と言うことを、明確に認めているのである。

だから習近平や楊潔ちなどが言う、「カイロ宣言」や「ポツダム宣言」で琉球諸島尖閣

島が中国に返還された、などと言うことはまったくの虚偽そのものであり、中国の得意とする

「プロパガンダ」以外の何ものでもないのである。


嘘も100回言えば真実となると言う中国の諺を、強大な軍事力を背景に、世界に示そうと

しているのである。日本は腰をすえて、これに対抗していかなければならないのである。

当然日本にもそれに対抗する(ある程度の)軍事力が必要である。これが「国防軍」なので

ある。

嘘をついてでも中国が「日本が盗んだ」などと言い続ける裏には、何か重大な意味が隠さ

れていると、日本は構えておかなければならないのである。

小生は、その裏に隠されている重大な意図は、2013.6.12NO.14で説明したように、日本

を中国の版図に組み入れることではないかと、確信している。

だから日本は、自分の国は自分で守る体制を至急構築しなければならないのである。それ

自民党の言う「日本を、取り戻す」なのである。朝鮮韓国はもともと中国の千年属国であ

り、春を売るパククネは今でも中国の属国になりたがっているようだが、しかし頑張らないと

日本も中国の属国となってしまいかねないのだ。詳しくは、2013.6.10,NO12を参照願う。

 

 

【11】「人民日報」が、『尖閣諸島は日本領』と断言しているのだ。

 

 

さて遠藤 誉氏が先の論考で言っていた「より深い内容を次回にご紹介したい」と言ってい

たものを、次に紹介しよう。

尚小生のブログの「尖閣諸島問題その2(38)2012.9.6」には、次に紹介するの1953.1.8

付け人民日報での「琉球群島(沖縄)は台湾の東北に点在し、尖閣諸島先島諸島、沖縄

諸島など7組の島嶼からなる」記事を既に紹介しているので、ご承知の方もおられることと

思う。またこの記事は日本の外務省のホームページにも載っているので、念のため。

(続く)