日韓併合100年(36)

下関条約の全十一条の概要を下記に示す。

第一条

清国は朝鮮国完全無欠なる独立自主の国たることを確認す。因って右独立

自主を損害すべき朝鮮国より清国に対する貢献典礼は将来全くこれを廃止

すべし。

第二条

清国は次の土地の主権とその地方にある城塁、兵器製造所や官有物を永久に

日本の物とする。

遼東半島、台湾、澎湖諸島及びそれらの付属諸島嶼

第三条

前条の付属地図の境界線はこの条約批准後直ちに日清両国より各二名の境

界画定委員を任命し実地について確定するものとする。

第四条

清国は軍費賠償金として2億両(テール)を日本国に支払うこと。これは八回に

分割して支払うこと。但し、初回と2回には五千万両を支払うこと。初回は半年

後、2回は一年後とする。以後一年ごとに六年賦とすること。

第五条

日本国に割與された土地の住民は、自由に持っている不動産を売却して退去す

ることが出来る。この期限は二ヵ年で、それを過ぎても居住するものは日本国の

都合で日本国の臣民とするとが出来る。

第六条

清国は本約批准後通商航海条約と陸路交通貿易に関する約定を締結するこ

と。そして日本国に最恵国待遇を与えること。

そして、湖北省沙市、四川省重慶江蘇省蘇州浙江省杭州に領事官を置くこ

とが出来る。

第七章

清国内に駐留する日本軍は批准交換後三ヶ月以内に撤退するものとする。

第八条

清国は本条約の規定を誠実に施行するための担保として日本国軍隊の一時的

な威海衛の占領を承諾するものとする。賠償金の支払いの約束に不備があれ

ば、軍隊は撤退しない。

第九条

本約批准交換の上は、直ちに日本人捕虜を解放すること。また日本から開放

された清国兵捕虜を虐待または処刑してはいけない。スパイとしてとらわれた

日本人も直ちに開放すること。更には日本に協力した清国人に対しても如何な

る処刑もしてはいけないし、処刑させてもいけない。

第十条

本約批准交換の日より戦闘を中止する。

第十一条

本条約は大日本国皇帝陛下および大清国皇帝陛下が批准し、その批准は

山東省芝罘(チーフー)にて、明治28年5月8日即ち光緒21年4月14日に

交換されるものとする。その証拠として両国全権大使が記名調印する。


明治28年4月17日
即ち光緒21年3月23日下関において二通作成する。


大日本帝国全権弁理大臣 内閣総理大臣従二位勲一等伯爵 伊藤博文 印

大日本帝国全権弁理大臣 外務大臣   従二位勲一等子爵 陸奥宗光 印

清帝国欽差頭等全権大臣太子太傳文華殿大学士北洋大臣直隷総督一等粛

毅伯 李鴻章

清帝国欽差全権大臣    二品頂戴前出使大臣   李経方 印

  
下関条約の第一条には、真っ先に朝鮮の独立自主がうたわれ、さらには貢女な

どの朝貢や属国扱いを禁止することをうたっている。日清戦争の最大目的は、あ

くまでも朝鮮の独立であり、そのために日本人と日本国は戦ったのである。


(続く)