どうも、例の11/11の清武氏の文部科学省における告発会見が、読売巨人軍の専務取締
役としての「忠実義務違反」であり、読売巨人軍は内部統制が取れていないかのような誤
解を世間に与え、さらには読売新聞グループ本社の名誉も傷つけたとして、それぞれ
5千万円、合計1億円の損害賠償請求の訴えを12/5に起こしたものである。
我々にしてみれば、読売巨人軍の内部統制が取れていないことは、自明の理であるし、
ナベツネのワンマン振りをぶちまけたことが、読売新聞グループ本社の名誉を傷つけたと
も思ってはいない。
何でこんなことで損害賠償となるのか疑問が沸くし、このほう(損害賠償訴訟を起こしたこ
と)が大人気(おとなげ)ない行動で、内部統制が取れていないようだと思われても仕方が
無い。しかし訴えられた方としても訴えられたままにしておく訳にはいかないし、もともと
清武氏の方が損害賠償をしたいと思っていた筈で、売られて喧嘩は買わねばならぬと、
今度は清武英利氏が12/13損害賠償訴訟を、これまた東京地裁に起こしている。
60清武氏、巨人&渡辺会長を提訴…6220万円賠償求める
2011.12.13
訴訟提起について会見する清武英利氏=13日午後、東京都千代田区(撮影・戸加里真司)
プロ野球巨人のコーチ人事をめぐり、渡辺恒雄球団会長(85)=読売新聞グループ本社
会長兼主筆=を記者会見で批判したとして、球団代表兼ゼネラルマネジャー(GM)を解任
された清武英利氏(61)が13日、正当な理由なく解任されたとして、巨人と読売新聞
グループ、渡辺氏を相手取り、計6220万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起
こした。
清武氏は球団代表だった11月11日に会見し、渡辺氏が決定していたコーチ人事を覆し
たと批判。混乱を招いたとして18日に代表を解任された。また、25日に開いた会見でも、
渡辺氏の行為を「適正手続きを無視したもの」と批判していた。
訴状などによると、清武氏側は「渡辺氏は適正手続によって確定したコーチ人事を突
如、自らの一存で公然と覆そうとしたのであり、重大なコンプライアンス違反である」と主
張。「(清武氏は)経営改革などに尽力しており、取締役の適格性に欠けるところは一切な
く、解任が違法かつ不当であることは明白」としている。
また、清武氏の会見内容を「まことに非常識で悪質なデマゴギー」と評した渡辺氏のコメ
ントなどは「明らかな名誉毀(き)損(そん)ないし侮辱的発言」としている。
一方、巨人は清武氏の解任理由について「独断で記者会見を強行し、業務執行に多大
な支障をもたらした」などと説明。読売新聞グループとともに、名誉を傷つけられたとして、
清武氏に計1億円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こしている。
http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20111213/bbl1112131913008-n1.htm
清武英利氏は、読売巨人軍の専務取締役球団代表(オーナー代行・GM兼編成本部長)
であった。清武氏は清武氏で、巨人の専務取締役兼球団代表であるからこそ、ナベツネ
の横暴を正さなくてはならなかったのである。しかもその行為に対して、取締役として適格
性が欠くなどとして解任されたことは、違法で不当だったのである。しかも侮辱もされてい
るので名誉も毀損されたのである。
清武氏もこれではたまったものではない。すぐさまとはいかなかったが、11/13に6220万円
の損害賠償の訴訟を起こしたものである。
両者の訴因を、これらの記事を基にまとめてみよう。
(1)
原告 読売新聞グループ本社 と 読売巨人軍
被告 元読売巨人軍・専務取締役球団代表(オーナー代行・GM兼編成本部長) 清武英利
訴因 1.清武氏の独断会見が、専務取締役としての忠実義務違反
2.江川氏に関する秘密情報の公表は、内部統制が無いとの巨人への誤解を与
えた。
3.清武氏の2度に渡る会見は、読売本社への名誉を毀損している。
賠償 5000万円×2=1億円
備考 長嶋茂雄専務取締役終身名誉監督のコメントを引用。
「清武氏の言動はあまりにひどい。戦前戦後を通じて巨人軍の歴史でこのようなことは
なかった。解任は妥当」
(2)
原告 元専務取締役球団代表(オーナー代行・GM兼編成本部長) 清武英利
被告 読売巨人軍(取締役会長渡辺恒雄)と読売新聞グループ本社と代表取締役会長・
渡辺恒雄
訴因 球団代表兼GM職を、不当に(正当な理由なく)解任され、そして侮辱的発言を
受けた。
賠償 6220万円
備考 渡辺氏は確定していたコーチ人事を、一存で覆したことはコンプライアンス違反。
渡辺氏は、清武氏の会見は、非常識で悪質なデマゴギーと発言している。
とまあこんな具合である。お互いに非難しあっていることがよくわかる。夫々どっちもどっち
とも思えるが、素人目には、(株)読売巨人軍の経営に関するマネジメントの衝突のように
も見えるが、経営管理としてみると、一旦決めたことを一存で覆そうとしたナベツネに、そ
の原因があるものと思われる。いわゆる経営問題が発生したわけであるから、ボードメン
バーとしては、それらを解決してゆかなけれはならない。解決しようとしなければ、それこそ
経営陣としての忠実義務違反ともなる。
(続く)