尖閣諸島問題その2(16)

ちなみに地図上の○数字の説明を下記しておく。

中国海洋調査船、違法にブイ・鉄柱を設置(2011.5.21,24)

中国船がベトナム船の探査ケーブルを切断(2011.5.26)

中国船がベトナム漁船に威嚇射撃(2011.6.1)

中国偽装漁船が越南調査船の測量ケーブルを壊す(2011.6.9)

ベトナム海軍ダナン沖40kmで実弾射撃(2011.6.13)

 
 
さて、この建物が漁民の避難施設だとは、とてもじゃないが言えた物ではない。明らかに軍

事施設なのである。中国軍でなければ、こんなところに施設なんぞは建設しない。軍事施

設だからこそ、中国は建設したのである。


ここは日本にとっても大切な「シーレーン」なのである。一旦中国と事が起これば、中国は

ここから日本へ向うタンカーなどへの攻撃を始めることであろう。単に海底資源だけの問題

だけではない。中国は着々と第1列島線内を自国の海にしようと、あらゆる手を打っている。


西沙諸島南沙諸島にあちこちに、中国は軍事施設を作っていると言う。これは恐ろしい

ことである。そして最近ではフィリピンのEEZ中沙諸島の「スカボロー礁Scarbough

Reef
」にまで手を伸ばしているのである。


Wikipediaによれば、18世紀にこの地点で茶葉の貿易船スカボロー号が難破したことにち

なんで、名付けられたと言う。そしてフィリピンのスービックからは100海里の距離だと言う。

1海里は約1,852mであるので、スービックからは185km、当然200海里のフィリピンの

EEZ
に位置している。


もともと中国は1958年に東沙・西沙・中沙・南沙諸島の領有を宣言しているが、この時点

では石油の埋蔵は知られていなかったので、単なる領土野心での宣言であったが、これ

またWikipediaによれば、ィリピンスカボロー礁関係は次のようなものだ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%BC%E7%A4%81

  

1980年以降、フィリピン政府はスカボロー礁200海里排他的経済水域とする。

1997年、フィリピンが軍艦と軍用機を出動させて、中華民国(台湾)のラジオ局が派遣した領海侵犯船を追跡、監視する。

1997年4月30日、フィリピンの2人の国会議員が軍艦でスカボロー礁に上陸、旗と碑を建てる。

1998年1月から2ヶ月の間に中国海南省の漁船4隻が領海侵犯したため、フィリピン海軍に拿捕され、51名の漁民が半年間拘禁された。

1999年5月23日、フィリピン軍艦と中国漁船が衝突、中国外交部スポークスマンがフィリピンに抗議し、交渉を呼びかけた。

1999年6月、フィリピン政府教育部は新しい地図の中で、スカボロー礁南沙諸島自国の版図に入れた。

1999年8月フィリピン政府は「南沙諸島はフィリピン領土」である旨の憲法改正を行う。

1999年11月3日スカボロー礁をパトロール中のフィリピン艦船が座礁。中国政府は艦船の撤去を要求する。船はすぐに撤去されたが、以来、スカボロー礁とその周囲の経済水域はフィリピンの監視下に置かれている。

2000年フィリピン海軍が、領海侵犯した中国漁船船長を射殺する。

2012年4月8日フィリピン海軍は、スカボロー礁近くで中国漁船8隻が停泊しているのを発見し、拿捕する。これを受け中国の監視船が現場に急行、両国の艦船が睨みあう状態となる。

2012年4月17日、フィリピン政府は国際海洋裁判所に仲裁を仰ぐ様提案するが、中国はこれを拒否する。

と言った事が、スカボロー礁の状況のようだ。


先にに南シナ海の地図を示したが、スカボロー礁はまことにフィリピンに近いことが判

る。そして南沙諸島までも中国領だというのは、余りにも中国は虫が良すぎる。と言うより

も明らかに中国の侵略なのである。


もともとスカボロー礁は、フィリピン駐留の米軍の射爆場であった。だから1992年に

スービック海軍基地をフィリピンに返還した時に、この射爆場もフィリピンに返還している。

だから当然フィリピンの管理するべき領海なのである。しかしフィリピンは中国の覇権主

に注意を払わずに、しかも財政的な問題もあり、スカボロー礁の維持管理を疎かにし

ていた。


いくら憲法を改正したからと言って、その裏づけとなる軍事力がなければ中国には対向で

きないことは、わかりきっている。フィリピンはアメリカ軍を追い出してしまったために、その

直後から中国から侵略を受け始めたのである。アキノ政権はフィリピンにとって末代にまで

言われ続けると思われる失政をしてしまったことになる。


そのつけが回ってきてしまったのであろう。だから日本尖閣諸島の管理は、きちんとし

ておかないと、いつ何時中国が侵略してくるか、わかったものではない。日米同盟を堅持

して、更には国防軍自衛隊)を強化しておかなければならないのである。

(続く)