こんな体たらくでは、グループ内に不正が蔓延っても当然である。いくら業績が良いと言っても、凋落方向へと向かっていってしまいかねない。
後を託された佐藤恒治新社長も、これでは大変だ。
少なくとも「BEVファクトリー」は、1年前には作っておくべきであったと、小生には感じられるものである。それでこそマルチパスウェイと言えるのではないのかな。
案の定(と言ってもBEVの遅れが主たる理由ではないが)、株主総会では、さる米議決権行使助言会社が豊田章男会長の「取締役選任議案」に反対を推奨している、と言うではないか。
中部2023年5月26日 19:26
米議決権行使助言会社のグラスルイスは26日までに、トヨタ自動車の豊田章男会長の取締役選任議案について反対を推奨した。グラスルイスが独立していると認める取締役の数が少ないことを理由に、「取締役の独立性が不十分である」と指摘。豊田氏の「取締役会議長」としての責任を疑問視した。
グラスルイスは監査役候補の小倉克幸氏、白根武史氏、酒井竜児氏の3人についても反対した。独立した監査役の数が不十分と指摘したほか、「適切な監視の役割を果たす能力について懸念がある」と述べた。
トヨタは欧州の運用会社などから、気候変動についての開示を具体的に記載するように定款変更を求める株主提案を受けている。グラスルイスは「必ずしも株主の利益にならない」として株主提案には反対を推奨した。
トヨタグループを巡っては、子会社の日野自動車で2022年に燃費や排ガスの不正が明らかになった。直近でも4月末に完全子会社のダイハツ工業で安全を確認する認証手続きの不正が発覚した。グラスルイスは一連の不正についても指摘したものの、各社で再発防止への取り組みが始まっているとして「現時点で取締役候補者の責任を追及することは控える」とした。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFD26AG50W3A520C2000000/
と言った海外株主の提案などがあったがこれらはすべて否決されて、会社側提案がすべて可決された。
豊田章男氏 独立取締役
取締役専任 大島真彦副会長
米グラスルイス 反対 賛成
米ISS 賛成 賛成
加州年金基金 反対
欧州3機関投資家 気候変動対策の効果開示提案・否決
グリーンピース EVシフトを訴え
この結果、トヨタの株価も上昇したようだ。
トヨタ株主総会で豊田氏を取締役選任、株価上昇-一部反対推奨も
稲島剛史、高橋ニコラス
2023年6月14日 0:01 JST更新日時 2023年6月14日 15:20 JST
取締役全員の選任案可決、海外機関投資家の気候変動の株主提案否決
企業統治への視線が厳しさ増す、好業績のトヨタ会長の選任も議論に
トヨタ自動車が14日に開いた株主総会で、一部の議決権助言会社が反対を推奨していた豊田章男会長の取締役選任を含め会社側が提案していた議案が全て可決された。一方、海外の機関投資家らが提出していた気候変動関連の株主提案は否決された。
愛知県豊田市の本社で開かれた総会では豊田氏を含めた取締役10人の選任は過半数の賛成を得て可決された。これを受け、5連騰で推移していたトヨタ株は午後の取引で上昇幅を拡大。一時前日比8.1%高の2350円まで値を上げ、2020年3月25日以来の日中上昇率を記録した。終値は同6.3%高の2310円だった。
トヨタ自動車株主総会(14日・豊田市)Source: Toyota Motor Corp.
また、気候変動に関する渉外活動の効果などについて充実した開示を求める株主提案は3分の2以上の賛成が得られず、否決された。
企業統治(コーポレート・ガバナンス)強化や気候変動問題への対応を求める投資家の声は高まる傾向にあるが、業績堅調なトヨタで長らく経営の舵取りを担ってきた豊田氏の取締役選任が議論の対象となることは珍しく注目を集めていた。
(続く)