(※)電解質について
 水を電気分解するためには、電解質が必要となります。これは、純水の場合だと電気が流れず、電気分解が起こらないからです。そのため、主に酸(硫酸)やアルカリ(水酸化ナトリウム)の水溶液を使います。また、燃料電池にも同じように電解質が必要です。この場合、電解質は、イオンを通す性質(イオン伝導性)と、電子を通さない性質(電子非伝導性)を兼ね備えています。

本当にクリーンなの?

 燃料電池の発電のしくみのみをみると水だけが排出されるため、ほぼ無公害だといえます。しかし、供給される水素についてはちょっと勝手が違います。水素は地球上において海水、陸水(氷河、湖沼)、炭化水素、動植物の細胞水など、ほとんどすべての物質の構成要素になっているため、どこにでもあります。しかし、単体ではほとんど存在せず、水、炭化水素金属水素化合物、炭水化物の形で「化合物」として存在しています。そのため、燃料電池で使用するためには、これらの化合物から何らかの方法で水素を単体で取り出す必要があります。ただし、その製造段階において、少量の二酸化炭素を排出してしまうことがあります。でも、自動車の排気ガスなどとくらべると格段に少ないため、クリーンなエネルギーとして注目されています。 

 

燃料電池を使ってみよう!


 

燃料電池模型自動車      

 

 博物館の科学実験教室「電池の秘密?~太陽電池燃料電池~」の時間に燃料電池で模型自動車(写真)を走らせてみました。この時使用した燃料電池は、固体高分子型という電解質にイオン交換膜を用いたもので、水素を供給するだけ(酸素は空気中から供給します)で発電するものでした。
 参加した子どもたちは、電池を使わず、水素だけで動き出した模型自動車にびっくりしていました。でも、実際に人が乗れる燃料電池自動車が登場するのもあとわずかです。

 

 

http://ww.i-kahaku.jp/publications/dayori/backnumber/31/02.html 

 

 

まあそんな訳で、トラックでの水素活用が燃料電池車として普及してゆくことになるものと思われるが、乗用車での燃料電池車としての普及には、まだ時間がかかるものと思われる。一番のネックは水素ステーションの普及問題であろうが、トラックでの水素活用が進めば、それなりに水素ステーションも増えてゆくので、自ずと乗用FCVも増えてゆくことになろう。期待している。 

 

それと言うのも、米EPAがとんでもない「排ガス規制案」を、この4月に発表していることはご承知のことと思う。 

(続く)