続続・次世代エコカー・本命は?(54)

9トヨタ環境チャレンジ2050

 

 

2016.11.4に、今世紀末にはCO2の排出をゼロにすると言う国際的な枠組みの「バリ協定」が発効している。具体的には、地球の気温上昇を産業革命前に比べ2度未満とし、1.5度に抑える努力もする、と言う内容だ。

 

そのために日本は、省エネやCO2エネルギーへの転換によって「2030年度までに、2013年度比で、温室効果ガスの排出を26%削減」し、「2050年には、80%削減する」目標を掲げている。

 

自動車から排出されるCO2は、日本全体のCO218%程を占めていると言う。この削減対策は重要な課題である。

 

トヨタは率先してクルマからのCO2の排出削減に取り組んだ来た。1997年には世界で初めてハイブリット車プリウスを販売し、2014年には燃料電池車「ミライ」も発売している。しかしこれではこの削減目標には、到底追いつかないのだ。

 

そしてトヨタは、20151014に発表した「トヨタ環境チャレンジ2050」の必達を(このバリ協定で)半ば義務づけられたカタチとなった。この日本国の環境目標とトヨタの目標との整合性は、小生にとっては解らないとしか言いようがないが、トヨタとしては単なるチャレンジ目標から、必達目標として取り扱うことが求められることになった訳だ。いや、これ以上のことをしなければならないかも知れない。だから「トヨタ環境必達目標2050」となってしまったわけだ。2050年にはエンジンだけを動力とする新車の販売をゼロにする、と言う物である。

 

しからば「トヨタ環境チャレンジ2050」とはどんなものであろうか。

 

トヨタ自動車、「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表

 20151014http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/9886860/

 トヨタ自動車()(以下、トヨタ)は、持続可能な社会の実現に貢献するための新たなチャレンジとして、「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表した。

 「トヨタ環境チャレンジ2050」は、気候変動、水不足、資源枯渇、生物多様性の劣化といった地球環境の問題に対し、クルマの持つマイナス要因を限りなくゼロに近づけるとともに、社会にプラスをもたらすことを目指して、「もっといいクルマ」「もっといいモノづくり」「いい町・いい社会」の3つの領域で6つのチャレンジを掲げた。
 併せて、「トヨタ環境チャレンジ2050」の実現に向けて、当面の実行計画である第6次「トヨタ環境取組プラン」を策定し、2016年度から2020年度までの5ヶ年計画として展開を図る。

 

トヨタ環境チャレンジ2050」の6つのチャレンジと実現に向けた当面の主な取り組み・目標

 

  1. もっといいクルマ

チャレンジ1 新車CO2ゼロチャレンジ

  • 2050年グローバル新車平均走行時CO2排出量を90%削減2010年比)

当面の主な取り組み・目標

  • 燃料電池自動車FCVの販売は、2020年頃以降は、グローバルで年間3万台以上、日本では少なくとも月に1,000台レベル、年間では1万数千台程度

  • 燃料電池FC)バスは、2016年度中に東京都を中心に導入を開始し、2020年の東京オリンピックパラリンピックに向けて100台以上を目途に準備を推進

  • ハイブリッド車HVの販売は、2020年までに、年間で150万台、累計で1500万台

  • 2020グローバル新車平均走行時CO2排出量を22%以上削減2010年比)

チャレンジ2 ライフサイクルCO2ゼロチャレンジ

  • ライフサイクル視点で、材料・部品・モノづくりを含めたトータルでのCO2排出ゼロ

  1. もっといいモノづくり

チャレンジ3 工場CO2ゼロチャレンジ

  • 2050年グローバル工場CO2排出ゼロ

当面の主な取り組み・目標

  • 新工場と新生産ラインでは、生産1台あたりのCO2排出量を、2001年比で、2020年に約半減、2030年に約1/3へ削減。さらに、再生可能エネルギー水素の利用により2050年にCO2排出ゼロ

  • 工場での水素利用技術の開発を進め、2020年頃に、FCV生産ラインで導入に向けた実証を開始

  • 田原工場に、2020年頃を目指して、風力発電設備の設置を推進

  • 2019年メキシコ新工場生産開始時の生産1台あたりCO2排出量を、約40%以上削減(2001年比)

  • ブラジル工場では、2015年から、電力は100再生可能エネルギーの利用を達成

チャレンジ4 水環境インパクト最小化チャレンジ

  • 各国地域事情に応じた水使用量の最小化と排水の管理

  1. いい町・いい社会

チャレンジ5 循環型社会・システム構築チャレンジ

日本で培った「適正処理」やリサイクルの技術・システムのグローバル展開に向けて、2016年から2つのプロジェクトを開始

チャレンジ6 人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ

  • 自然保全活動を、グループ・関係会社から地域・世界へつなぎ、そして未来へつなぐために、2016年から3つのプロジェクトを展開

 6つのチャレンジ実現に向けた主な取り組みは、以下のとおり


この「以下のとおり」の内容を小生が、独断で一覧表にまとめてみた。

トヨタ環境チャレンジ2050

 

 

領域

6つのチャレンジトヨタ環境チャレンジ2050

No

チャレンジ名称

内容

主な取り組みと目標

もっと
いい
クルマ

新車CO2ゼロ

2050年新車CO2排出量90%削減(2010年比)

1.省エネ、高熱効率・低燃費E/G
HV
車拡販

2.燃料多様化、・電気利用、PHV. EV.

  FCV、・全個体電池開発
水素社会2020年・FCV燃料電池
 3万台/年・ 世界、 1.2万台/年・日本

Lifecycle CO2ゼロ

ライフサイクルで材料 ・部品・モノづくりで全体で取り組む

・開発・設計段階から環境配慮設計
・リサイクル

もっといいモノづくり

工場CO2ゼロ

2020年新工場CO2半減 20301/3

2050年排出ゼロ(2010年比)

1.生産技術開発・導入と改善、・スリム・シンプル ・メキシコ新工場、2019CO2/台・約40%以上削減(2001年比)
2.
自然エネルギー水素エネルギー活用、・燃料電池発電・風力発電設置・ブラジル完全再生可能エネルギー使用

水環境影響
最小化

水使用量最小化
排水管理

・使用量削減、再利用、排水リサイクル
・排水水質の管理

いい町いい
社会

循環社会・
システム構築

適正処理やリサイクル技術・同システム展開

・エコ素材、長寿命化、リサイクル技術、
 廃車再生、・廃棄物処理技術展開

人と自然が共生する未来

自然保全活動のグル ープから世界へ展開

トヨタ森づくり、環境活動、環境教育

 

詳しくは、ここ(http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/9886860/)を参照のこと。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(53)

ホンダ、70MPa小型水素ステーションの実証実験を開始

  • 高田 隆

  • 2016/10/24 13:15

ホンダ、70MPa小型水素ステーションの実証実験を開始

 

図 実証実験施設のイメージ

[画像のクリックで拡大表示]

 ホンダは20161024日、充填圧力が70MPa小型水素ステーションを用いた実証実験を開始したと発表した。

 同ステーションを東京都江東区青海に設置し、同社の燃料電池車(FCV)「クラリティフューエルセル」と可搬型の外部給電装置を用いて、都市環境下におけるCO2排出量の削減効果や、緊急時における発電設備としての実用性を調べる(図)。

 充填圧力が70MPa水素ステーションは、太陽光発電システムで作った電力で水素を製造する。本体の床面積は、従来の同社の水素ステーション(充填圧力35MPa)より小さい6m2である。同社が開発した高圧水電解システムによって、圧縮機を使わずに製造圧力77MPaの水素を24時間で最大2.5kg造れる。

 造った水素は約18kg貯蔵できる。この貯蔵量は、同社のFCVを約750kmJC08モード、社内測定値)走らせることができる量に相当する。FCVへの充填条件は外気温が20℃、水素タンクの圧力が10MPaからの満充填である。

 なお今回の実証実験は、環境省の「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」に基づいて行うものである。

http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/102404664/

 

 

このパリ協定を達成するために、日本は「2030年に2013年比26.0%温室効果ガス・CO2等の削減」することを目標に定めている。運輸部門は日本のCO2排出量の実に2割を占めている。その大半が自動車だ、9割のCO2がクルマから排出されているのが現状だ。だから水素社会の実現・燃料電池車の普及は喫緊の課題となっているのだ。

 

 

持続可能なクルマ社会の実現への果敢なチャレンジ

2016.10.28 11:00

イワタニ水素ステーション芝公園 岩谷

 これまで日本経済を牽引してきた自動車産業が、排気ガスによる大気汚染や使用済み自動車の処理などの地球環境に対するマイナス要因の払拭に向けて本格的に動き始めている。地球温暖化や水不足、資源枯渇、生物多様性の損失といった地球環境の問題に対する取り組みを加速させなければ、持続可能なモータリゼーション社会の実現は困難となるからだ。年々厳格化する世界の環境規制への対応は欠かせないが、ビジネスの持続可能性からさらに一歩踏み出し、クルマが人間社会にプラスをもたらすことを目指した挑戦に乗り出している。

 2020年の東京オリンピックパラリンピックを契機に、自動車産業は今後、水素社会の進展を視野に入れている。その象徴となる場所が、東京都心にある。トヨタ自動車が世界に先駆けて販売を開始した量産型の燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」のショールームを併設した「イワタニ水素ステーション芝公園」だ。今、石油やガス業界を中心に、関東や東海、関西、九州などで、このような「水素ステーション」の設置が進んでいる。東京オリンピックでは、観客の輸送手段として、燃料電池車を導入する計画もあり、首都圏を中心に水素網の構築が加速することが予想されている。

 国・地方プロジェクトを中心に30年以上にわたり積み重ねられてきた水素・燃料電池の開発は、社会実証から本格的な運用へ向けて動き出した。水素が次世代エネルギーとして注目されているのは、地球環境問題資源エネルギー問題同時に解決できる可能性を秘めたエネルギーであるためだ。

 水素は水や化合物の状態で地球上に無尽蔵に存在し、枯渇することがない。燃焼しても水に戻り、CO2や大気汚染物質の排出もない。将来、安価で安定的にCO2フリー水素を供給することが重要だ。20146月に経済産業省が発表した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」では、水素サプライチェーンの確立が掲げられ、岩谷産業やシェルジャパン、電源開発が水素サプライチェーンの推進機構を立ち上げている。

 2005年に発効した京都議定書の対策として、政府は1990年比でCO26%の削減を達成するため、「京都議定書目標達成計画」を策定した。この計画では、産業、民生、運輸などの部門ごとにCO2削減見込みと対策が掲げられている。運輸部門は日本のCO2排出量の約2を占め、その9割が自動車から排出されていることから、その削減対策は重要な課題だ。

 さらに、日本は2020年以降の新たな温室効果ガス削減目標として、2030年度に2013年度比26.0%削減(2005年度比25.4%削減)の水準を掲げている。エネルギーミックスと整合的なものとなるよう、技術的制約、コスト面の課題などを十分に考慮した裏付けのある対策・施策や技術の積み上げによる実現可能な削減目標として、国内の排出削減・吸収量の確保に取り組む。

 日本自動車工業会の会員企業各社は、CO2削減のため、燃費基準の早期達成を表明し、積極的に燃費基準達成車の商品展開を進めているほか、燃費の向上に寄与する車両の軽量化にも力を入れている。こうした取り組みの結果、自動車の燃費は年々向上し、乗用車の平均燃費(燃費測定方法:JC08モード)は21.3キロとなり、2015年度の燃費基準相当レベル(17.3キロ)を上回り、20年度の20.7キロも達成した(日本自動車工業会環境レポート2014)。

 さらに、次世代自動車の開発競争も進んでいる。普及期に入ったハイブリッド車をはじめ、プラグインハイブリッド車電気自動車、燃料電池天然ガス車、クリーンディーゼル車の日本市場での普及台数は約413万台に達している。政府も優遇税制などで、低燃費車へのシフトを後押ししている。

 自動車産業の地球環境保全への取り組みは、新車の開発にとどまらない。自工会会員各社の生産工場では、電力・燃料などのエネルギー使用量の低減と、それに伴うCO2の排出抑制に積極的に取り組んでいる。自工会日本自動車車体工業会2008年度からCO2排出量を合わせて、削減を推進してきた。2013年度からは「経団連低炭素社会実行計画」に参画し、2020年度には709万トン(1990年度比28%低減)、2030年度には662万トン(同33%低減)の目標を掲げた。

イワタニ水素ステーション芝公園
 トヨタ自動車201510月に発表した「トヨタ環境チャレンジ2050」では、「2050年グローバル工場でのCO2排出ゼロ」の実現に挑戦する目標だ。環境部の山戸昌子担当部長は「低CO2生産技術の開発と日常のカイゼン再生可能エネルギーと水素エネルギーの活用が柱になる」と話す。

 トヨタは、今後建設する新しい工場と生産ラインでは、生産1台あたりのCO2排出量は、2001年比で2020年に約半減、2030年には約3分の1への削減を目指す。工場のシンプル・スリム化、エネルギー利用率向上のほか、エネルギーを使わずに加工や搬送を行う「からくり仕掛け」の導入など新技術を導入し、世界各国の工場に導入する計画だ。また、工場での水素利用を目指し、水素を熱源として利用するための「燃焼技術」や、燃料電池技術のノウハウを生かした「発電技術」などの水素エネルギー活用技術の開発を推進し、2020年ごろに燃料電池車の生産ラインで導入に向けた実証を始める。

http://www.sankei.com/life/news/161028/lif1610280002-n1.html

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(52)

一つは、原子力発電だ。日本は相当数の原子力発電所を持っているが、東日本大震災福島第一原子力発電所の事故で、その稼働が押さえられている。これはとてももったいないことである。安全性が確認されたものから、通常運転に戻って行ってCO2を排出しない電気を供給してもらいたいものだ。原子力発電所の事故防止を最優先にして、積極的に稼働を進めるべきではないのかな。もうそんな時が来ている筈だ。

 

2つ目が、再生可能エネルギーの活用だ。以前にも言及したことがあるが、再生可能エネルギー自然エネルギー)で水を電気分解して水素を発生させて、それで燃料電池で電気を作ることやその水素を燃やして発電することを推奨した。いわゆる「水素社会」への変革である。この方法で作った水素を使った燃料電池車は、地球温暖化対策の優等生となろう。是非とも長い目で見て、この水素社会の達成に向けて、日本政府も我々も努力を積み重ねていきたいものである。

 

 

だから燃料電池車をトヨタがは発売した時には、世の中は騒いだのである。

EVだとか電気自動車とか大騒ぎしても、その電気はどこから来るのかしっかりと見極める必要があるのである。一般的には石油を燃やしてCO2を出しながら電気を作る火力発電所から、その電気は得ているのが普通である。これでは本末転倒であろう。

 

だからここでも「バイオマスCCS」に言及しているのである。

 

 

CCSとは

Carbon dioxide Capture and Storageの略であり、二酸化炭素CO2)の回収、貯留を意味しています。人類は、豊かな生活を築くために、長年にわたって地中深くに埋まっていた石油、石炭等の化石燃料を取り出して消費してきました。化石燃料を使用するとCO2が発生し、その結果大気中のCO2、これが地球温暖化の原因のひとつと言われています。CCSは、工場や発電所などから発生するCO2を大気放散する前に回収し、地中貯留に適した地層まで運び、長期間にわたり安定的に貯留する技術です。CO2の早期大規模削減が期待できる地球温暖化対策の切り札なのです。

CO2を貯留する場所は、地表から1,000m以上の深さにある一層の貯留層(帯水層等と呼ばれる)です。CO2が漏れ出すことのないよう、上部を遮へい層と呼ばれるCO2を通さない泥岩などの層で厚く覆われていることが必要です。

http://www.japanccs.com/about/setup/

 

 

大気中のCO2を減らすための技術

 

 大気中のCO2を減少させるネガティブエミッション技術として、特に バイオマスエネルギー利用(BE)CO2の回収貯留(CCS)を組み合わ せたバイオマスCCS(BECCS)技術の大規模な導入が検討されている。Bio-Energy with Carbon(dioxide) Capture and Storege

 

バイオマスCCSは、植物バ イオマスの燃焼時に発生す るCO2 を回収・貯留するこ とによって、CO2 収支を負 とするエネルギー利用技術 である。

 

その他にも

• 植林 • 大気中CO2直接回収 • 土壌中炭素貯留 • バイオ炭 等も同様の効果を持つ

 

 

CO2(-)        CO2(+)    CO2(-) CO2(-)

植物による吸収バイオマス発電所からの排出→回収と貯留< 0

[森林]   [木材]   [燃焼]    [CCS] [BECCS

 

http://www.nies.go.jp/ica-rus/symposium2014/PDF/yamagata_20141201.pdf

 

 

このようにCO2を減らすことは非常に難しいことなのである。地下に埋没している石油・石炭などを掘り起こして、折角貯蔵されているCO2を大気に解き放すことは、地球の環境的なバランスを痛く壊すことになるものである。

 

それと同時にCO2を吸収してくれている森林を破壊することも、地球環境を痛く破壊することなのである。人間はせっせと植林を進めてゆかなければならないのである。

 

さもないと我々の子孫には、この地球と言う揺り篭を引き渡せないのである。

 

だから電気自動車も、再生可能エネルギーからの電気で賄われなければならないのである。

 

燃料電池車の水素も同じことである。水素の場合も水の電気分解には電気が必要となり、EVの場合もバッテリーに充電するためには電気が必要となる。その電気を何から作るかが問題である。

 

そろそろ石油や石炭からは卒業しつつ、全面的に原子力自然エネルギーの活用に向かう必要がある。CO2を出さないエネルギーの確保が、絶対条件となって来ているのである。単なる放射能アレルギーのために原子力発電を忌避することは、反面地球滅亡への時間短縮となりかねないものとなろう。

 

 

水素に関しては、小生のブログ「次世代エコカー、本命は?(105~」(2015.4.24~)で、ホンダのパッケージ型スマート水素ステーションについて述べているが、それは太陽光発電システムで作った電力で水を電気分解して水素を作り出すものである。これこそCO2フリーで水素を作り出すことが出来る装置であり、実用化可能なものである。ホンダはその実証実験を、2016.10に始めている。しかも充填圧力が70MPaなので、今のFCVに打ってつけなのである。燃料電池車の普及には、水素ステーションの普及がカギだと言われているので、是非成功させたいものである。そうすればCO2フリーの自動車の普及が進むのである。地球温暖化を少しでも防ぐことが出来るということである。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(51)

「パリ協定発効 日本の課題は?」(時論公論

20161104()

室山 哲也  解説委員

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/256336.html

 

 

(途中省略)

 

 

日本の課題は?
では、日本の現状はどうでしょうか?
日本は、CO2の排出が世界5位の主要排出国です。しかし、パリ協定の批准が間に合わず117日にモロッコで始まるCOP22の、パリ協定締約国の第一回目の会議に、正式メンバーとして参加できなくなりました。今後は、少しでも批准を急ぎ、メンバーの仲間入りをしたいところですが、温暖化対策のルール作りに、直接かかわることができない状況は、残念としか言いようがありません。

では、日本国内の温暖化対策はどうなっているでしょうか?

 

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省エネや脱CO2エネルギーへの転換によって「2030年度までに、2013年度比で、温室効果ガスの排出を26%削減」し、2050年には、80%削減する目標を掲げています。

 

 

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これは、その目標の根拠の一つとなっている、2030年の電源構成です。
CO2
を出す化石燃料による発電と、CO2を出さない発電に分かれています。
この計画には、問題点が2指摘されています。
一つは「石炭火力発電」です。石炭は化石燃料の中でも、CO2排出量が最も多く、世界的には、有効な温暖化対策としては、認められていません。さらに価格が安いため、建設に歯止めがかかりにくい傾向があります。今後は、この比率を、これ以上増やさないよう、規制や方策を確立する必要があります。
もう一つの問題点は「原子力」です。原発の運用は、原則40年と決まっていますが、現在の原発をすべて40年稼働しても、2030年には14~15%にしかならず、2022の数字は、運用年数を延長するなどがふくまれていると考えられます。しかし、現在の、原発再稼働を巡る混乱を見ると、2030年までにこの数字が実現できるのか疑問がわいてきます。今後は、再生可能エネルギーの比率をさらに高める努力が必要といえます。

再生可能エネルギーの比率を、拡大することはできるのでしょうか?
可能性は十分にあります。

 

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日本の国土面積は世界61位ですが、排他的経済水域を含めた面積は世界6位。海岸線は3万キロ以上もあります。この海を舞台に、海洋風力発電温度差発電、潮流発電などを展開すれば大きな可能性が開けます。また地熱エネルギー世界3位バイオマス発電を可能にする森林比率も先進国では3位です。このように、実は、日本は自然エネルギーの宝庫で、先端技術と組み合わせて、再生可能エネルギーの比率を拡大する可能性は、十分あります。
又、開発した技術を、途上国と協力して展開し、削減したCO2の一部を、日本の成果としてカウントするアイデアも検討されています。
しかし、日本で、再生可能エネルギーを育てる前提として、電力網の強化、固定価格買い取り制度や電力自由化の促進など、社会制度の充実が欠かせません。

2030年を乗り切っても、その次に、2050年に80%削減という大きな壁が待ち構えています。その壁を越えるには、今までにない革新的エネルギー技術も必要です。

 

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たとえば、自然エネルギーを使って水を分解し、水素に変換して電力を得る水素技術」。温暖化対策に有効なバイオマス発電と、そこから出るCO2を地中に埋める技術を組み合わせたバイオマスCCS」。CO2を酸素に変換する「人工光合成」。送電ロスをゼロにする「超電導送電」など、日本が得意とする基礎技術を育て、同時に、成長戦略にも生かす工夫が必要となってきます。

まとめ
かつて、IPCC気候変動に関する政府間パネル)のパチャウリ議長は、「温暖化を止める技術は、すでに人類の手の中にある。ないのはやる気だけだ」と述べました。日本にいま必要なのは、まずは、本気で地球温暖化に向き合う「持続する志」ではないでしょうか?
地球温暖化に対する取り組みは、今後数十年、数世代にわたります。地球環境の仕組みはどうなっているのか?なぜ循環型社会が必要なのか?といった科学的知識を、子供たちに教えていく必要もあります。
今から50年、100年たったころ、未来の人間たちは、私達の世代を、そして日本を、どういう目で見るでしょうか?その時のためにも、パリ協定が発効した今、一人一人が現状を再認識し、行動を起こす時だと思います。

(室山 哲也 解説委員)

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/256336.html

 

 

これによると地球温暖化対策の日本としての方策には、主に次の2つのことが考えられるのではないのかな。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(50)

COP22は、2016.11.7~11.18の間に開催された。モロッコのマラケシュで開かれたこの会議COP22は、「バリ協定」を実施するためのルール作りが目的であった。ルール作りは2020年までに完成する。これに基づいて各国は、2020年以降の自国のCO2の削減を遂行してゆかなければならないものである。ただ先に挙げた各国の目標には、法的拘束力はない。

 

 

COP22マラケシュ会議が終了 軌道に乗った「パリ協定」のルール作り

公開日:2016/11/19

アフリカのモロッコ、マラケシュにおいて2016117日から18まで開催されていた第22国連気候変動枠組条約COP22)及び第12京都議定書締約国会合(CMP12)が終了しました。21世紀末までに、温室効果ガスの排出をゼロにすることを世界が約束した「パリ協定」が発効して、初めての国際交渉となった今回の会議。交渉は最終日の深夜まで続きましたが、期待されていたパリ協定のルール作りは、無事にスタートすることが決まりました。また、最後には2017年の次回COP23は、世界で最も深刻な温暖化の脅威にさらされている国の一つ、フィジーがホスト国となることが決まりました。

期待された成果を挙げたCOP22マラケシュ会議

今回開かれたCOP22では、会期途中の1115日より、パリ協定第1回締約国会合(CMA1)も開催されました。

一連の会議において、期待された成果は主に二つありました。

  • パリ協定のルール作りの作業計画が明確な終了期限を持って具体的に決まること

  • パリ協定をまだ批准できていない国を含めてすべての国がルール作りに参加できるようにすること(つまり、ルール作りが終了するまでパリ協定第1回締約国会合を中断するなど)

この決定を目指す交渉が、各国政府の代表たちにより2週間続けられました。
その結果、次の流れが確認され、取り決められました。

  1. CMA1は中断の手続きを取る

  2. 2018年のCOP24までにパリ協定のルール作りを完了させ、

  3. その時にCMA1を再開

  4. このCMA1で、協定のルールを採択する

  5. 2020年にパリ協定の取り組みがスタート

つまり、パリ協定は必要なルール作りを2018年までに終え、予定通り2020年に始動する準備が整うことになったのです。

COP22マラケシュ会議は期待された成果を無事に上げたといえるでしょう。

また、COP22ではその最後に、2017年の次回ドイツ・ボンでのCOP23について、温暖化の悪影響に最も苦しんでいる国の一つ、南太平洋の島国フィジーが議長国となることが決まりました。

(以後略)

 

http://www.wwf.or.jp/activities/2016/11/1346519.html

 

 

これで一応「パリ協定」なるものが何たるか、おわかり頂けたことと思う。それだけ地球温暖化対策は大変なもので、喫緊な課題となっているということである。CO2の排出を押さえるために、日本は何をしなければならないのか。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(49)

 

8地球温暖化対策は待ったなしである。

 

 

2015.11.30から12.13の間、バリで、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)京都議定書第11回締約国会合(CMP11)が開かれた。

 

おさらいの意味で、

COP21=the 21th meeting of the Conference Of the Parties」、第21回締約国会議

CMP =The Conference of parties serving as the Meeting of the Parties to KYOTO protcol

 

ここで、地球温暖化対策の新しい法的な枠組み「バリ協定」が、2015.12.12に採択された。

 

その内容については、環境省 「COP21の成果と今後」14頁より抜粋する。(http://www.env.go.jp/earth/cop/cop21/

 

 

 

バリ協定には、以下の要素が盛り込まれた。

 ・ 世界共通の長期目標として2℃目標の設定。1.5℃に抑える努力を追求することに言及。

 ・ 主要排出国を含むすべての国が削減目標を5年ごとに提出・更新。

 ・ 我が国提案の二国間クレジット制度(JCM)も含めた市場メカニズムの活用を位置付け。

 ・ 適応の長期目標の設定、各国の適応計画プロセスや行動の実施、適応報告書の提出と定期

   的更新。

 ・ 先進国が資金の提供を継続するだけでなく、途上国も自主的に資金を提供

 ・ すべての国が共通且つ柔軟な方法で実施状況を報告し、レビューを受けること。

 ・ 5年ごとに世界全体の実施状況を確認する仕組み(グローバル・ストックテイク)。

 

 

この目標値は、今世紀末には地球温暖化ガス・CO2等の排出を実質ゼロにしなければ達成されないものと言う。

 

そしてパリ協定の第21条に、「55か国及び世界の排出量の55%を超える国の批准」の条件を満たし諸手続きが完了してから30日後に発行する、と決められている。

 

2016.10.5にこの2つの条件が満たされたため、その30日後の2016.11.4パリ協定は法的拘束力を持つものとなった。

 

京都議定書2005年)に次ぐ地球温暖化対策の「バリ協定」が採択されたのは、それまでかたくなに温暖化対策を拒んでいた中国が賛成に回ったからである。先進国だけの責任だとして世界一 の量のCO2をたれ流していた中国は、そのために、自国の大気汚染が回復不可能な点にまで進んでしまったために、やむを得ず賛成に回らざるを得なかったからであった。

 

中国のおかげ(だけではないかもしれないが)で、地球の環境は回復不可能な地点にまで到達してしまった、と考えておく必要がある。世界のEvil・中国。

 

 

パリ協定発効で開く温暖化対策の新時代

2016/11/5 3:30
ニュースソース
日本経済新聞 朝刊

 地球温暖化対策に関する「パリ協定」が4日、発効した。日米欧のほか中国、インドなどの新興国発展途上国を含む初の「全員参加型」の国際的な枠組みだ。温暖化ガスの「ゼロ排出」へ向けた新時代の幕開けとなる。

 7日にはモロッコで第22国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP22)が始まる。日本はパリ協定の批准が遅れたためTPPの審議に対して民主党などが妨害したため)、ルールづくりを担う公式な会議ではオブザーバーにとどまる。ただ、他の関連会合には参加できるので緊張感をもって臨んでほしい。

 パリ協定は2020年以降の温暖化対策を決めたが、すぐにやらなければならないことは多い。

 地球の気温上昇を産業革命前に比べ2度未満とし、1.5に抑える努力もするという目標を達成するには、今世紀後半に温暖化ガス排出量実質ゼロにしなければならない。各国が提出済みの削減目標を合計しても達成できない。

 協定は5年ごとに、より野心的な削減目標に改めるとし、18年に準備作業を本格化させる。各国政府は今からデータを整え、産業界との連携を密にして新たな目標の検討を始める必要がある。

 どれだけ目標を引き上げればよいか判断するには排出量の正確な測定、報告、検証が欠かせない。日本には計測技術や温暖化予測のノウハウがあり、新興・途上国の支援に生かせる。

 各国は20年までに、今世紀半ばにかけての長期的な排出削減戦略も示すことになっている。5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)では時期の前倒しで合意しており、時間的な余裕はない。

 政府は5月に閣議決定した地球温暖化対策計画で、50年までに排出量を現在に比べ80%減らす目標を明記した。絵に描いた餅に終わらぬよう、しっかり肉付けし行動に結びつけることが大切だ。

 温暖化ガスの削減技術はこれまで以上に、企業の国際競争力を左右するようになる。革新的な技術の開発やそのための投資を促す仕組みの工夫が必要だ。温暖化ガスの排出枠を売買する市場メカニズムの導入も検討を急ぐべきだ。

 国の長期的なエネルギー戦略をめぐる議論も深めなければならない。今世紀後半にかけて原子力発電にどこまで依存し、再生可能エネルギーをどれだけ増やしていくかは温暖化ガスの排出量に直結する。あいまいな状態は、企業の投資計画などの足かせになる。

http://www.nikkei.com/article/DGXKZO09189960V01C16A1EA1000/

 

 

 

各国が提出済みの削減目標は下記するが、これでもパリ協定の目標は達成できないのだ。


f:id:altairposeidon:20170607105151j:plain

http://www.jccca.org/trend_world/conference_report/cop21/

 

 

日本の2030年までに13年比で26%削減する目標値は、決して他国に引けを取るものではない。かなり厳しいものである。

 

ちなみに同条件比較すると、(2030年までに2013年比で)

 

日本 26%

米国 18~21%

EU  24%減        

 

だと言う。米国EUには、もっともっと頑張ってもらわなければならないだろう。中国においておや、である。

(続く)

続続・次世代エコカー・本命は?(47)

となれば、これは大変な事である。VWの排ガス不正と同じような組織的なもののようだが、VWとちがうのは、不正ソフトを搭載するようなものではなさそうだ。しかしゴーン社長を筆頭にルノーの経営陣も知っていたと言うではないか。

 

この上記のニュースは2017.3月のものであるが、ルノーの排ガス不正は一年以上前から話題に上っていたようで、2016.1には当局がルノーに立ち入れ調査をしているが、不正の証拠は見つからなかったと言う。

 

 

ルノーに当局立ち入り調査、排ガス不正の「証拠見つからず」

Business | 2016011505:03 JST    関連トピックス: ビジネス, トップニュース

 

 1月14日、仏ルノーは排ガス不正調査で、当局が拠点3カ所を調査したことを明らかにした。写真は同社のロゴマーク。ストラスブールで14日撮影(2016年 ロイター/Vincent Kessler)

 (2016)1月14日、仏ルノーは排ガス不正調査で、当局が拠点3カ所を調査したことを明らかにした。写真は同社のロゴマークストラスブールで14日撮影(2016年 ロイター/Vincent Kessler

 

[パリ 14日 ロイター] - 仏自動車大手ルノー(RENA.PA)は、排ガス不正に関する調査で、当局が同社の拠点3カ所を立ち入り調査したことを明らかにした。

これまでの調査結果では、「ルノー車にディフィート・デバイス(無効化装置)が取り付けられていたとの証拠は見つからなかった」としている。

ディフィート・デバイスとは、独フォルクスワーゲン(VW)(VOWG_p.DE)が排ガス量を不正操作していたとして米当局に指摘された違法なソフトウエアを示す。

フランスのロワイヤル環境・持続的開発・エネルギー相は記者団に対し、ルノーによる不正行為の兆候はないと指摘。「株主、従業員ともに安心していい」と述べた。

VWの排ガス不正発覚を受け、複数の国はVWに加え、他の自動車メーカーに対しても同様の調査を行なっている。

調査を指示したロワイヤル氏は、ディフィート・デバイスが見つかったのはVW車のみで、他のブランドではなかったとしている。

ただ、暫定結果からルノーと外国車の一部で、排出量が上限を超えていたことが分かったと明らかにした。国内の他のメーカーについても立ち入り調査したとしている。

ルノーによると、仏当局は先の調査に加え、排ガス技術に関し部品や工場を新たに調べた。独立委員会による初期の分析結果の正当性を検証するためという。調査の対象となったのは、本社と技術拠点2カ所で、調査に全面的に協力しているとした。

これに先立ち、ルノーの労組関係者が仏当局の調査について明らかにしたことで、同社株価は一時22%急落していた。

ロイターのデータによると、ルノーはこの日の急落で、約50億ユーロ時価総額が消失。その後は持ち直し、10.3%安の77.75ユーロで引けた。

*内容を追加して再送します。

http://jp.reuters.com/article/renault-search-idJPKCN0US1QT20160114?sp=true

 

 

2015.9月のVWの排ガス規制逃れのためにディフィート・デバイスが搭載されていたことを受けて、ルノーへの立ち入り調査となったようだが、ルノー車のNOxの排出濃度が規制値の3~4倍も高かったためである。

 

そしてフランス消費者問題監視当局は、ゴーンCEOに責任があると強調している。

 

ルノーの排ガス不正疑惑、ゴーンCEOが責任負うべき=当局

Business | 2017031607:11 JST    関連トピックス: ビジネス, トップニュース

 3月15日、フランス消費者問題監視当局は、自動車大手ルノーの排ガス不正疑惑をめぐり、カルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO、写真)が責任を負うべきとの考えを検察当局に示していたことが、司法筋の話から明らかになった。ブローニュ=ビヤンクールで2月撮影(2017年 ロイター/Philippe Wojazer)

 3月15日、フランス消費者問題監視当局は、自動車大手ルノーの排ガス不正疑惑をめぐり、カルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO、写真)が責任を負うべきとの考えを検察当局に示していたことが、司法筋の話から明らかになった。ブローニュ=ビヤンクールで2月撮影(2017年 ロイター/Philippe Wojazer

 

[パリ 15日 ロイター] - フランス消費者問題監視当局(DGCCRF)は、自動車大手ルノー(RENA.PA)の排ガス不正疑惑をめぐり、カルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)が責任を負うべきとの考えを検察当局に示していたことが、司法筋の話から15日明らかになった。

同筋によると、DGCCRFは昨年11月に提出した文書の中で、ゴーンCEOの経営者としての責任を指摘。ルノーの「指揮系統全体」に責任があるとしつつも、「エンジン制御機能の承認に関する権限委譲はなかった」とし、ゴーンCEOには説明責任があると強調した。

検察当局は1月、ルノーの排ガス不正問題について捜査を開始。ルノーは不正はなかったと繰り返し主張してきている。

ルノーとゴーンCEOからコメントは得られていない。

http://jp.reuters.com/article/renault-diesel-ghosn-idJPKBN16M35T

 

 

フランス当局からは201611月にカルロス・ゴーン社長の責任問題が提起されているようなので、

カルロス・ゴーンとしてもこの件には気がかりであったに違いない。これからこの件で幾分でも煩わされるものと判断して、急遽2017.2.22取締役会を開いて日産の社長の役を降りたのではないのかな。時系列的には、合点が行く流れとなっている。なにせ日産はルノーの金づるであるから混乱させたくなかった訳だ。

 

但し、その後のフランス当局のルノーへの捜査情報は見当たらないので、フランスとしてもさらなる突っ込みは止めたのではないのかな。ルノーが、こんな件で、ハチの巣をつついたようなことになれば、ただでさえ危なっかしいフランスの政情が混乱するからである。

(続く)