国慶節に思う。(43)

日本国憲法には「天皇の国事行為」については、次のように記されている。

           

第七条 [天皇の国事行為]

 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の告示に関する行為を行う。

一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。

二 国会を召集すること。

三 衆議院を解散すること。

四 国会議員の総選挙の施行を交付すること。

五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び講師の信任状を認証すること。

六 大赦、特赦、減刑、計の執行の免除及び復権を認証すること。

七 栄転を授与すること。

八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。

九 外国の大使及び公使を接受すること。

十 儀式を行うこと。

               

以上が日本国憲法の第七条[天皇の国事行為]の全文だ。さらには「アメシラスすめらみこと(皇尊)」としての各種神事・行事(国家と国民のために祈る)などが非常に沢山あり、毎日が多忙なのだ。十項目目の「儀式を行うこと。」が、そのことを言っているのではないかと思っている。そういう中での近平との会見なのだが、本来は近平などと会っている暇はないのである。小沢が言った国事行為の中には、習近平などと会う行為は入ってはいない。もし会うとなれば、それは公的行為なので、確かに内閣の助言と承認なんぞに基づいて国事行為に準じた扱いにはしているが、「一ヶ月ルール」に基づいて宮内庁の一存で断ることができるのである。小沢も偉そうなことを言っていたが、小沢こそ憲法を勉強しなければならない。これが民主党の幹事長で国会議員であるから、呆れてしまうね。

憲法を読んでもらわなくてはならない理由は、まだある。小沢は盛んに内閣の助言と承認を引き合いに出している。「今説明したじゃないですか。天皇陛下の国事行為、行動は、国民の代表である内閣、政府の助言と承認で行うことなんですよ。そんじゃ、全部、国事行為は全部、政治利用になっちゃうじゃない。諸君の理解が、まったくおかしいんだよ。マスコミの。そうでしょう」などと吼えているが、国事行為については先に説明したように小沢は理解が間違っていたが、それよりももっと国民を裏切るような行為を、小沢は行っていたのだ。

それは習近平天皇陛下と会えるように、鳩山を動かしたということだ。内閣の助言と承認という隠れ蓑を通して、小沢が指図していたと言う事だ。

中国から会見要請があったのは、11/26と言う。そして習が天皇陛下と会見したのが12/15だった。その間20日間しかない。一ヶ月ルールからは大いに外れている。そのため中国の楊潔チ外相は11/20に小沢と会い、その要請をしている。小沢は12/10に626人もの同行者を引き連れて北京に行く事になっていた。そしてその6日後の11/26に中国側は、正式に習と天皇陛下との会見を要請している。この6日間の間に小沢は、関係者へその旨の指示をセットしていたのであろう。そのお返しが12/10~の小沢への異例とも思われる中国側の歓待だったのである。そしてあのボケの平野官房長官は、12/7に宮内庁へ会見要請をしたものの一ヶ月ルールで断られていたのである。なかなか会見OKの返事がなかったので、中国大使の崔天凱は大慌てで12/9に小沢に泣き付いたのである。と、こんなところが真相ではないかと推測される。何れにしても小沢が習と天皇陛下との会見をセットしたのである。そのように、内閣を強制したのであり、その結果内閣は助言と承認を出さざるを得なかったのである。以下時系列的に経過を並べてみよう。このことがよくわかるであろう。

           
11/20  楊潔チ外相が、鳩山首相小沢幹事長と会談(会見を要請する)。

11/26  中国から習と天皇陛下との会見を正式に要請するも、断られる。

12/ 4   夜、小沢と鳩山と会談。(多分中国側は小沢に働きかけた。?)

12/ 7   平野官房長官宮内庁へ要請、断られる。

12/ 9   崔天凱中国大使が小沢に泣きつく。

12/ 9   小沢は平野に電話して、きつく叱責する(多分)。

12/10  朝、小沢一行が中国へ出発する。

12/10  夕、平野が羽毛田宮内庁長官に電話して、会見を強制する。

12/15  習が天皇陛下と会見する。

                 
小沢が習と天皇陛下との会見を強制したことがよくわかる。内閣の助言と承認などと言うものは、欠片(かけら)もない。将に政治利用そのもの。そしてさらに気になることがある。

「そして天皇陛下のお体がすぐれない、体調がすぐれないというならば、それよりも優位性の低い行事はお休みになればいいことじゃないですか。そうでしょう? わかった?」と言い放っているが、これって畏れ多くも天皇陛下にお指図していることにならないのか。傲慢にも程があるともうよ、小沢は。

次の記事を参照願いたい。

(続く)