さて次には尖閣諸島に石垣市が設置した行政標識の写真を示そう。
これも、「尖閣諸島の写真と地図集」http://senkakusyashintizu.web.fc2.com/index.html の
うちの「地籍標柱・警告文・千早丸遭難の碑」
http://senkakusyashintizu.web.fc2.com/page013.html より引用している。
次の写真の標識板の方の銘文は次の通り。
「八重山尖閣群島、魚釣島・久場島・大正島・南小島・北小島・沖の北岩・沖の南岩・飛び
瀬、石垣市建之」
昭和44年(1969年)5月10日~11日にかけてこれらの標識は設置されている。
(1969.5.10に魚釣島、南小島、北小島、5.11に久場島、大正島に標識を設置している。)
石垣市が建立した行政標識、外務省文化局「尖閣諸島について」16頁・昭和47年
2012.8.27のNO.30のブログでは日本政府の「尖閣諸島の領有権についての基本見解」を
紹介しているが、1895年(明治28年)1月14日に正式に我が国の領土に編入しているが、
古賀氏はその翌年に借り受けている。しかしその10年以上も前の明治17年には尖閣諸
島を探検しているのである。
以下は
「尖閣諸島の歴史概要」
(http://www.seinensya.org/undo/ryodo/senkakushoto/070426history.htm)を参照している。
大正15年に30年間の無償貸与期間が終了した後は、1年契約の有料貸与となったが、
昭和7年3月31日に日本政府は古賀善次氏(古賀辰四郎氏の子息)に尖閣諸島の四島を
有料で払い下げた。そして時が経ち昭和44年に国連アジア極東経済委員会(ECAFE)
が、この海域に膨大な海底資源があることを発表する。日本政府も昭和44,45年と2度に
渡り東海大学に委託して海底調査を行っている。その結果、莫大な石油資源が存在する
可能性を確認した。それ以来台湾、中国がチョッカイを出し始めたのである。
しかし昭和53年(1978年)4月に中国の武装漁船団が尖閣諸島の領海をおおっぴらに
侵犯する事件が発生したために、日本青年社は自らの手で尖閣諸島の実効支配を強化
するために「上陸決死隊」を結成して、昭和53年(1978年)8月11日に魚釣島に上陸して
灯台を建設したのである。そしてその翌日日中平和条約調印の日に、建設した灯台に初
めて灯をともしたのである。将に「尖閣の灯」であった。
この灯台は平成17年(1995年)2月9日にようやく国有化され官報にも掲載され、同年
2月25日に魚釣島灯台が正式に掲載された海図が発売されたのである。
まあようやく国がこの灯台を認めたのであるが、いかにも遅すぎる。17年間も国はこの灯
台を無視してきてのである。中国に配慮する必要のないのに、配慮した軟弱外交をやって
きたのである。
尖閣諸島を国有化したのであれば、キチンと実効支配をして欲しいものである。
尖閣3島を国有化 政府、地権者と売買契約を締結
2012/9/11 9:31 (2012/9/11 13:11更新)
政府は11日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の魚釣島など3島を20億5千万円で購入する
売買契約を地権者と交わし、3島を国有化した。これに先立ち、閣議で2012年度予算の
予備費から購入費を拠出すると決定した。尖閣諸島の領有権を主張する中国は国有化に
強く反発しており、日中間の対立が強まりそうだ。
日本政府の買い取り対象は、5島と3つの岩礁からなる尖閣諸島のうち、魚釣島、北小
島、南小島。購入後は海上保安庁が管理する。中国に配慮して船の待避(船だまり)施設
や気象観測所などの建設は見送る方針だ。
政府と地権者の合意を受け、東京都の石原慎太郎知事は国有化を容認する構えを示し
ている。都が尖閣諸島を購入するために募った寄付金は7日現在で約14億7千万円。
寄付件数は約10万2千件に達する。都は具体的な国への寄付方法を検討し、早ければ
12月の都議会で関連議案を提出する。
外務省は11日、尖閣諸島の国有化を中国政府に説明するため、杉山晋輔アジア大洋州
局長を北京に派遣した。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1005C_R10C12A9000000/?dg=1
どこからか大分脅かされたのか、それとも借金の返済のためか。石原都知事に尖閣諸島
を売却してしまうと、尖閣諸島に船溜まりや灯台を建ててしまうから、中国にとっては極め
て都合が悪い。国が所有していれば、さし当たって民主党政権では、中国の言うことをよく
聞くから、国が保有することの方が中国にとっては都合がよいと思っているのである。
どうも野田政権は、次のような内容で中国と話が出来ている、と言われている。何と非国民
的なことか。だかこんなことでは中国は納得はしないであろう。何せ中国は「日本殲滅」を
提案している国であるからだ。元中国国防大臣で退役軍人の遅浩田の論文「戦争が正
に我々に向ってやって来る」に、その細部が記述されている。これは小生ブログ
2009.5.13~16の尖閣諸島問題(36~39)を参照願う。
尖閣問題で「対日3条件」=現状維持へ「上陸・調査・開発」拒否-中国政府
(2012/08/28-14:58)
【北京時事】中国政府が沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐり、日本政府に対し
て(1)上陸させない(2)(資源・環境)調査をしない(3)開発しない(建造物を造らない)-
の3条件を策定し、現状維持を求めていく方針を内部決定したことが分かった。対日問題
を担当する複数の中国政府筋が28日までに明らかにした。
同筋は、反中派として警戒する石原慎太郎東京都知事の主導で都が尖閣諸島を購入し
た場合、「現状維持は難しく、中日関係は最悪の状態になる」と懸念。「国有化したとしても
現状を維持してほしい」として、野田政権が表明している国有化を事実上黙認する一定
の柔軟姿勢も示唆している。
ただ、日本政府が国有化を正式決定した際には、中国外務省は特に国内向けとして強
い反対声明を出す予定。一方、現時点では、国有化決定だけの場合、日本との他の交流
などに影響を与える「強硬対抗措置」を控え、3条件が守られなかった際に強硬措置を本
格化させる方針だという。
これに対し、尖閣諸島で領土問題は存在しない立場を取る日本政府は、中国側が3条件
を提案してきても、こうした条件に基づいた外交交渉の受け入れを拒否する方針とみら
れる。
中国政府は、藤村修官房長官らが表明している尖閣諸島の「平穏かつ安定的な維持
管理」という日本政府の立場を重視。日本政府が27日、尖閣諸島購入に向けた東京都の
上陸申請を認めないと、都に文書で伝えたことを評価している。
一方、都は近く尖閣海域で洋上調査を行う方針で、石原知事は10月にも再調査を行
い、自らも同行する意向を表明。中国側は、都職員らが19日に尖閣諸島を訪れた地方議
員ら10人と同様に上陸を強行する可能性も懸念しているもようだ。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201208/2012082800517
(続く)