カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(76)

ただでさえトヨタは、BEV化に後れているとバッシングされているが、この状況に対して新社長はどう応えていたのか、知りたいところであると言いたいところであるが、それは既に5月22日のNO61以降で紹介済みである。 

 

それが、↓これである。 

 池田直渡「週刊モータージャーナル」 

トヨタは佐藤社長体制で何がどう変わるのか 」 

 

簡単に言えば 

 

トヨタは佐藤恒治新社長の下、この体制でBEVの2030年、30車種、350万台に挑むことになるわけだ。 

 

2023年4月7日には、その中間目標としてバッテリーEVを、 

 

2026年までに、       2030年までに、 

 10モデル          30モデル 

 150万台(年、世界販売)   350万台(年、世界販売) 

 '25年に米国で生産 

 全方位戦略は維持(HV,PHV,FCV,H2,CN) 

 

と言う数字を発表した。  

 

と言うことである。これもその時に紹介したものである。 

 

 

注目すべきは、↓この図表であるが、 

 

図4:稼げる体質の強化と、原資の確保による安定的な未来投資  

 


 

 

2008年           2022年  

891万台       ↓  823万台 と減っているにも拘らず 

2兆2千億円の利益が ↑  3兆円 と増加していることである。 

       

 

これこそがトヨタのすごいところで、ムキムキの筋肉体質に変えていったことを意味するものである。 

 

しかもHEVを2,250万台も販売しているので、CO2削減効果で換算するとこれは、BEV 750台分に相当する、とも言っているのである。 

 

ちなみにテスラの2022年のBEVの販売台数は、131.3万台であり、 

トヨタの750万台には到底及ばない数字である。 

 

2022年度のモデル別の販売台数 

テスラのモデル別の販売台数の推移 

年度 

普及型大衆車
モデル3/モデルY 

高級車
モデルS/モデルX 

2017年 

1764台 

10.1万台 

2018年 

14.6万台 

9.9万台 

2019年 

30.0万台 

6.7万台 

2020年 

44.2万台 

5.7万台 

2021年 

91.1万台 

2.5万台 

2022年 

124.7万台 

6.6万台 

数少ない車種を量産してドカッと稼ぐスタイル。テスラはそのやり方で高利益を出す。 

高級車であるモデルS/モデルXの売上台数が伸びない。 

https://positen.jp/910 による。) 

 

このことは、「小沢 コージ バラエティ自動車評論家 • 2023/04/24 9:00」の 

PRESIDENT Online」で説明されているので、ダブるかも知れないが参照されるとよい。 

トヨタはBEVで遅れている」に新社長はどう答えたか 

https://president.jp/articles/-/68756?page=1 

 

 

環境対策(CO2削減効果)では、トヨタはテスラなんぞには負けていないよ、ということを、声高に言っている訳だ。 

 

しかしながら、トヨタのHEVのCO2削減効果は、それほど世に知られていないことが残念である。欧米の政府もカーメーカーも、自分達にはHEVに匹敵する技術がないことを理由に、HEVも禁止しているというのが正直なところだ。 

(続く)