ロシアのウクライナ侵攻(18)

 

https://www.bing.com/search?q=ロシア+グルジア侵攻&form=ANSPH1&refig=a010ae31b15a4105b6ed1919f0725f2b&pc=U531&sp=1&qs=SC&pq=ロシア+グルジア侵攻&sc=1-10&cvid=cfa022e9a4234c8dee1242d9f1546141

 

 

 

ジョージアとは、昔の「グルジア」である。グルジア1991/12ソ連邦解体後に正式に独立国になった、とWikipediaに記載されている。その結果「オセチア地区」は南と北に分断されて、南オセチアグルジア(現ジョージア)に残り、北オセチアロシア連邦に残ることになった。

 

ロシアは「南オセチア」のロシア人が虐げられているとして、軍を派遣した。20088/7~8/16の間、「南オセチア紛争」と言うジョージアグルジア)とロシア連邦間の戦争を起こしている。

 

南オセチアには、ロシア人は5%しかいなかったにもかかわらず、ロシアはそれを口実に軍を派遣したのである。ロシアの領土的野心をよく示しているものである。

 

南オセチアの人口比率は、次のようになっていた。

 

オセット人60%グルジア20%アルメニア10%ロシア人5% となっている。

オセット人はイラン系の民族であり、オセチアの由来となっている。

 

グルジア」とはロシア語由来の呼び名であり、英語読みが「ジョージア」であり、グルジアの反ロ感情の高まりにより「グルジア」としてはロシア語読みではなく、「ジョルジア国」側から英語読みの「ジョージア」に変更するよう依頼があり、「ジョージア」が正式な国名となった、と書かれている。

 

更には翌200888には、ロシア海軍グルジア沿岸を封鎖しアブハジア経由でグルジアに侵攻し一部を占領した。

 

そして2008826、ロシアはグルジア領の南オセチアアブハジアの独立を承認し、占領を続けている。これは、国際的には認められていない。

 

この時のロシアの大統領はメドベージェフで、首相はプーチンであった。

 

2008829グルジアはロシアと断交、今もって断交状態が続いている。

 

1991/12月にソ連邦が解体しグルジアは正式に独立国となったわけだが、それ以降ロシアは何かとグルジアにちょっかいを出して、軍事行動をとっている。その結果が、南オセチアアブハジアへのロシアの侵略である。現在のウクライナへのロシアの侵略と全く同じ形のものである。

 

 

今年の2022年5月その「南オセチア」の大統領選挙で、親ロ派が破れたのである。

 

ロシアのウクライナ侵攻が、いかに親ロ派住民にも危機感を与えたことか、想像に余りある。

ロシア編入に傾いていた親ロ派住民でさえも、「ロシア編入」に”NO”を突きつけたのである。

 

 

だから中村先生も、『・・・「・・プーチン政権は長く持たないとみて、戦後を見据え、戦争に異論を唱えるメディア人が増えるのではないか」(中村逸郎氏)』と、ビックリしているのである。

 

ロシア政権の崩壊も近い・・・・・・・・・? と言うことか。

 

(続く)

ロシアのウクライナ侵攻(17)

南オセチア」(ジョージアの親ロ派支配地域)での大統領選(5/8決選投票)では、「ロシアへの編入」を訴えた現職の大統領候補が、編入反対派に敗れるという波乱が起きている。

 

ロシア政治の専門家である「中村逸郎氏」は、”プーチン政権の崩壊は近いか”と結論付けている。

 

 

 

プーチン政権崩壊の兆し国内外で加速 南オセチア大統領選で親ロシア派現職が衝撃の敗北

日刊ゲンダイDIGITAL    2022/05/14 06:30

 

戦勝記念日に衝撃的な記事(ロシアのプーチン大統領)/(C)ロイター

プーチン大統領は大きなショックを受けたに違いない。旧ソ連構成国「ジョージア」の親ロ派地域の住民や、政府系メディアの記者たちから相次いで「No」を突き付けられ、政権崩壊の兆しが現れつつある。戦争継続に固執する“皇帝”の孤立は深まる一方だ。

 

◇ ◇ ◇

 

ジョージアから一方的に分離独立を宣言している親ロシア派支配地域「南オセチア8日、「大統領選」の決選投票が実施された。同地域のロシアへの編入を訴えた現職アナトリー・ビビロフ氏(52)が、編入に慎重なアラン・ガグロエフ氏(41に敗れた。

 

南オセチアは、2008年のジョージア紛争後にロシアが独立を承認。ロシア軍によるウクライナ侵攻後は戦闘員を派遣し、ロシア軍を支援してきた。戦死者まで出ている。

 

プーチン大統領ウクライナ侵攻の「目に見える戦果」として南オセチアをロシアへ編入しようと画策していたとされる。プーチン政権の意を受けたとみられるビビロフ大統領が3月末に編入手続きに入る方針を表明していた。大統領選で編入Noの審判が下されたのだ。

 

ロシアへの編入は「No」の審判(敗北したビビロフ氏) (C)Sputnik共同通信イメージズ   

 

 

筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)がこう言う。

 

「決選投票はロシア政府によってプーチン大統領に近い現職が当選するように不正が行われた可能性が高い。それでも現職が落選したということは、住民だけでなく選挙管理委員会などの公務員もプーチン大統領に批判的な立場だということです。同じ親ロ派地域のウクライナ・ドンバス地方の住民もロシアへの編入を望んでいないとみていいでしょう」

 

政府系メディアに糾弾記事「偏執症の独裁者」

米英メディアによると、ロシアの対独戦勝記念日9日、ロシア政府系のニュースサイト「レンタ・ル」に、所属する記者2人が30本以上の「反戦記事」を掲載。直後に削除されたという。同サイトは月間2億人以上が訪問するロシア最大級のサイト。ウクライナ侵攻直後は、プーチン政権のプロパガンダに手を貸していた。

 

記事ではプーチン大統領を「痛々しい偏執症の独裁者」と呼び、「21世紀で最も残虐な戦争」を始めたと糾弾。「プーチン氏とその取り巻きは戦後、法廷で裁かれる運命だ。自分たちを正当化したり、敗戦後に逃げたりすることはできない」とバッサリ。各記事の見出しの下には〈国の承認を得ていないため、大統領府に削除されるだろう〉として、表示画面の保存を求めていた。

 

ロシアの独立系ニュースサイト「メディア・ゾーン」は、記事掲載後に記者2人が出した声明を報じた。「プーチン氏は去らねばならない。無意味な戦争を始め、ロシアをどぶに突き落とすつもりだ」などと批判。読者には「恐れるな。沈黙するな。抵抗せよ。あなたは1人ではない。ウクライナに平和を」と呼び掛けている。

 

「明らかに言論統制が利かなくなっています。2人の記者は大統領府に記事を削除されることを楽しんでいるように見えます。戦時に反戦のアクションを取ったという事実も残しておきたいのでしょう。プーチン政権は長く持たないとみて、戦後を見据え、戦争に異論を唱えるメディア人が増えるのではないか」(中村逸郎氏)

 

プーチン政権の崩壊は近いか。

 

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/305127

 

 

 

旧ソ連構成国「ジョージア」の親ロ派地域」と書いてある地域は、「南オセチア」と呼ばれている。

 

(続く)

ロシアのウクライナ侵攻(16)

この元駐ウクライナ大使だった高玉生氏の発言は、中国政府により瞬く間にネットから削除されてしまったが、その発言録全文が次のURLに載っているので、ぜひ参照されるとよい。

 

衝撃の「ロシア敗北論」全文和訳…元駐ウクライナ中国大使は何を語ったのか

ロシアの最終的な敗北は時間の問題



近藤 大介 『週刊現代』特別編集委員
            『現代ビジネス』編集次長

    2022/05/17 06:00    近藤img_caf_fa5345709

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/95310  

 

 

拙いながら、次に小生の簡単なまとめを載せておく。

 

 

発言は次のような4部構成となっている。

 

1ウクライナ侵攻の戦況分析、2が近未来の戦況予測、3が戦争終結後のロシア、4が戦争終結後の新たな国際秩序について

 

 

1部 ロシアが失敗に向かった主要な原因

 ・ソ連解体で、ロシアは歴史的に衰退過程にある。

 ・経済力と財政力が弱すぎる。

 ・西側の有効な援助とウクライナの頑強な抵抗

 ・情報戦も含めての総合力がロシアにはなかった。

 ・ロシアには戦争終結の決定権を失っている。

 

2部 ウクライナの)対抗するパワーと強度が一歩上がる

 ・ウクライナクリミア半島と東部ドンバスを取り返すつもりだ。 

 ・NATOと米国はウクライナへの援助を、国際化・制度化した。

 ・西側諸国は一致団結した。

 

3部 新たな国際関係のパラダイムと秩序

 ・2014年クリミア併合により反ロ感情高まる。

 ・ウクライナ国民が一致団結して救国抗ロとなる。

 ・CSTO諸国もロシア離れ

 ・米・西側諸国がロシアに完勝(ロシアの完敗

 

4部 戦争後の国際秩序の変化と要点

 ・ロシアの弱体化と孤立そして懲罰

 ・ウクライナのロシア離脱と西側諸国入り

 ・旧ソ連圏のロシア離脱

 ・日本とドイツの軍備拡張

 ・米・西側中心の国際秩序化

 ・日本の国防力の増強

 

 

と言ったところが、拙い小生の簡単なまとめであるが、訂正や追記があればどしどしやってほしい。

 

 

このウクライナ戦争では、ロシアは完敗し孤立化して世界から懲罰を受けるであろう、としているが、そんな兆しがすでに表れている。

(続く)

ロシアのウクライナ侵攻(15)

ロシアはキーウ占領を諦めて、ドンバス地方マリウポリに戦力を集中したようだが、これではウクライナ東南部へ勢力を集中させた意味がないではないか。それだけウクライナが頑強に攻撃しているということであり、西側(NATO)のウクライナへの支援が効果を上げている、と言うことだ。

 

だからと言ってロシアがウクライナ侵攻を諦めてくれればよいのだが、ロシアとしても、と言うよりもプーチンとしては、そうはやすやすとウクライナ侵攻をあきらめることはなかろう。

 

諦めるとなれば、自分の地位が危うくなることを、プーチンはよくわかっているからである。

 

 

 

 

 

ロシア軍のドンバス制圧作戦、「勢いを失っている」と英国防省が分析…兵士士気も低下

2022/05/16 11:47

 15日、ウクライナ東部ハルキウで、奪還した村のそばにある森の中を進むウクライナ軍の兵士たち=AP

 

 

 【キーウ(キエフ)=上地洋実】英国防省は15日、ウクライナ東部ドンバス地方(ドネツク州、ルハンスク州)で軍事作戦を続けるロシア軍について「攻撃の勢いを失っている」との分析を明らかにした。露軍はドンバス地方の制圧に向けて各地で攻撃を続けているが、反撃するウクライナ軍と激しい攻防となっている。

 

 英国防省は15日に発表したドンバス地方に関する分析で、露軍は「過去1か月で大きな制圧地域の拡大に至らなかった」と指摘した。ウクライナ軍の抗戦に加えて、露軍兵士の士気低下も続いているとし、「現状では、今後30日間で前進の度合いを劇的に加速させそうにない」との見方を示した。

 

 米国がウクライナ軍に提供した榴弾(りゅうだん)砲の大部分が前線に投入されるなど、軍事支援が効果を発揮しているとみられる。ロイター通信によると、北大西洋条約機構NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長は15日、「ウクライナは戦争に勝つ可能性がある」と述べた。

 

 ただ、ウクライナ国営通信などによると、露軍は15日も東部各地で攻撃を続けた。ドネツク州の知事は15日夜、同州北部で民間人3人が死亡、13人が負傷したと発表した。

 

 南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所でも露軍は制圧に向けた攻撃を継続しており、ウクライナ部隊が抗戦している。

 

 一方、ウクライナ側が求めている負傷者らの退避に向けた露側との交渉は進展が見えない。ウクライナ国防省の高官は15日、「プーチン(露大統領)が同意しない」と述べ、露側が拒否していると訴えた。

 

https://www.yomiuri.co.jp/world/20220516-OYT1T50088/

 

 

 

事ほど左様に、ロシア軍は勢いを失っているようだ。

 

中国までもが、ロシアを突き放しているようだ。中国までもと言うよりも、中国の元高官がそのように発言したとの情報が、ネット上を賑わしているということだ。

 

中国政府は、もともとロシアよりなので、この記事の拡散を真剣に防いでいるようで、この記事の削除に努めているという。

 

 

 

中国の元ウクライナ大使「ロシアが敗れるのは時間の問題」…ネット記事が相次ぎ削除

読売新聞    2022/05/12 18:39

 

天安門広場         

 

 【北京=田川理恵】米政府系放送局「ラジオ自由アジア(RFA)」によると、中国の元駐ウクライナ大使がロシアのウクライナ侵攻を巡り、「ロシアが敗れるのは時間の問題」と述べた。

 

 中国の政府系調査研究機関・中国社会科学院などが内部向けに開いたとみられるオンラインの討論会で、2005年11月~07年1月ウクライナ大使だった高玉生氏が発言したという。

 

 中国のネット上では、香港のフェニックステレビの記事を含め、高氏の発言記事が相次いで削除された。ロシア寄りの立場を取る中国政府と異なる意見が広がることを、習近平(シージンピン)政権が警戒しているとみられる。

 

 RFAによると、高氏はプーチン露大統領の下でロシアが復興することはありえない、との考えを示した上で、ソ連解体後の衰退が露軍戦力にも「重大な悪影響をもたらした」と指摘したという。

 

https://www.yomiuri.co.jp/world/20220512-OYT1T50234/

(続く)

ロシアのウクライナ侵攻(14)

ロシアは専ら誘導弾に頼っているようだ。陸上での戦いは、今や、劣勢となってしまっているようなので、頼れるものは長距離のミサイルだけではないのかな。

 

但し精密誘導弾(ミサイル)はそれほど多くは使えずに、今や使い尽くしているのではないのか、と言った見方がもっぱらのようだ。だから今は無誘導のミサイルを、ある意味、メクラメッボウに撃っているに過ぎないのではないのかと言った塩梅の様だ。

 

だから困るのである、民間人への被害は甚大である。プーチンは戦犯として、真っ先に処刑さるべきではないのか。

 

 

 

露、精密誘導ミサイル枯渇か 米英分析

2022/05/11 22:24

10日、ウクライナ南部オデッサで、ロシア軍の砲撃で破壊されたショッピングセンターで作業する救急隊員(ロイター)    

 

ロシアのウクライナ侵攻で、米英の防衛当局が「露軍は精密誘導ミサイルを使い尽くしつつある」との見方を相次いで示した。侵攻の長期化に加え、対露制裁で輸入に依存してきた電子部品などが不足し、再生産が困難なことが要因だという。ただ、露軍は精密誘導弾の不足を補おうと旧式兵器の使用を増やしているとされ、民間人被害のさらなる拡大が懸念されている。

 

米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)によると、米国防総省高官は9日、露軍が保有する高精度の巡航・弾道ミサイルの多くを消費したと指摘。「実際、露軍による東部マリウポリの製鉄所への攻撃の多くは無誘導弾だ」とする当局者の話も伝えた。

 

国防省も9日、「露軍は精密誘導弾の備蓄が枯渇しているようだ。精度や信頼性の低い旧式兵器の使用を余儀なくされている」とする分析を公表した。

 

露軍の保有ミサイル数は軍事機密であり不明だが、米国防総省は2日、露軍が既に2125発超のミサイルを発射したと発表した。

 

ロシアは侵攻開始当初、「高精度兵器で軍事インフラだけを破壊する」と公言。しかし実際は市街地の被害が相次ぎ、多数の民間人が犠牲になってきた。背景には、露軍が精密誘導弾を温存しようと迫撃砲や無誘導爆弾などを使用し、制空権を奪えず遠距離攻撃を強いられていることロシアは伝統的に精密誘導弾への関心が低く、開発が遅れてきたこと精密誘導弾の運用経験の乏しさ正確な着弾地点を割り出す観測システムの性能の低さ-などがあると指摘されている。

 

今後、露軍が旧式兵器の使用を増加させた場合、市街地や民間人への被害がさらに増えるのは確実だ。

 

こうした指摘に対し、軍需生産を管轄するボリソフ露副首相はインタファクス通信が9日に配信したインタビューで「ロシアには任務達成に十分な精密誘導弾の在庫と生産能力がある」と反論。「民間人の被害は最小限に抑えている」とも強弁した。その上で、艦艇発射型の巡航ミサイル「カリブル」や、今回の侵攻で初使用した航空機発射型の極超音速巡航ミサイル「キンジャル」の性能向上に取り組んでいると述べた。

 

ウクライナ国防省も「露軍は保有ミサイルの約半数を使用したが、なお一定の再生産能力と部品調達能力を持つ」との見方を示し、警戒感を緩めていない。

 

https://www.sankei.com/article/20220511-3U4NSQFTI5MNRNXJQDKZPOZJ4M/

 

 

テレビなどでもさんざん報道されているので、すでにご承知のことと思うが、ロシアはルハンスク州のドネツ川の渡河作戦に失敗して、甚大な損害を被っている。「ロシアが失敗して」と言うことではなくて、ウクライナが渡河しようとしたロシア軍を攻撃して、渡河を何度も阻止しているということだ。

 

ドネツ川はドンバツ地方を南東に流れてロシア領でドン川に合流して、アゾフ海にそそいでる川である。

 

この結果ロシアがやろうとしているドンバス地方の完全占領不可能となった、と言うことではないのかな。永久にとは言わないが、少なくとも数か月は進軍が止まってしまう、と言うことであろう。

 

 

ロシア軍の渡河作戦、ウクライナ軍が「9回阻止」…戦車など「70台以上破壊」

2022/05/15 00:48   ウクライナ情

ウクライナ軍が12日に公表した、東部ドネツ川で破壊された橋などの写真=AP



【ワシントン=横堀裕也、キーウ(キエフ)=上地洋実】米英の国防当局は13日、ウクライナ東部ドンバス地方(ドネツク、ルハンスク州)の制圧を目指すロシア軍が渡河作戦中にウクライナ軍の攻撃を受け、重大な損失を被ったことを明らかにした。ウクライナ軍は14日、東部ハルキウ(ハリコフ)周辺でも反撃に転じた。

【随時更新】ロシア軍、ウクライナに侵攻…最新ニュース・速報まとめ

ウクライナ軍が12日に公表した、東部ドネツ川で破壊された橋などの写真=AP

 

 

 露軍が渡河を試みたのはルハンスク州西部のドネツ川ウクライナ軍はSNSで、露軍部隊の渡河を9回阻止し、計70台以上の戦車や装甲車などを破壊したと説明した。

 

 米国防総省高官は、露軍は渡河作戦の失敗で兵力をウクライナに送り込めず、「苦戦の要因にもなっている」と指摘。ドンバス地方制圧を目指す露軍の作戦に、当初の計画より少なくとも2週間の遅れが生じているとの分析を示した。英国防省は、「戦果を示さなければならない露軍司令官の重圧を物語っている」とした。

 

 ハルキウの知事は14日昼、SNSを通じ、ウクライナ軍が州南東部のイジューム方面に向け「反撃に転じた」と明らかにした。イジュームは露軍のドネツク州制圧作戦の拠点だ。露軍は13~14日にかけ、ハルキウ郊外の都市を含む複数箇所に砲撃を加えたという。

 

ウクライナ侵攻、最新ニュースと分析

 

https://www.yomiuri.co.jp/world/20220514-OYT1T50249/

(続く)

ロシアのウクライナ侵攻(13)

この論考にもあるように、ロシア経済はある意味青息吐息の状態に陥りつつあるようだ。

それは次の文章を見れば、よくわかる。

 

一例が鉱工業生産指数で、3月は3%増と2月(6.3%増)から勢いが鈍った。鈍化の主因は製造業だ。2月の6.9%増から一転、3月は0.3%減だった。自動車関連は45.5%低下し、電気機器やたばこも10%以上下がった。

 

4月のデータがあればよいのだが、4月はもっと落ち込んだ数字となっているはずだ、二けたに近い下落となっている可能性もあろう。

 

片や戦況も芳しくない。そのため、前線の兵士を鼓舞する必要が出てきているようだ。そんなことをしても戦況はよくなるはずはないのだが、いつもはやりもしない軍高官の前線視察が行われているようだ。しかも負傷までしてしまっているという。鼓舞どころではない。

 

プーチンの怒りと焦りが手に取るようにわかる事例である。

 

 

ロシア軍“制服組トップ”負傷か…最前線を異例の訪問“兵士鼓舞”するはずが…

テレ朝news 2022/05/03 10:13

 

 

VTR

 

 

 ロシア軍の制服組トップウクライナ最前線を異例の訪問。さらには、負傷したとの情報も出ています。一体、何が起きているのでしょうか。

 

プーチン氏…怒りと焦り?

 

 プーチン大統領と握手を交わすこの人物は、ロシア軍の制服組トップ、ゲラシモフ参謀総長

 

 ロシア、ゲラシモフ参謀総長:「ロシアは、抑止力として核兵器の使用が可能です。NATO北大西洋条約機構)は、軍事兵器をロシア国境に近付けています。特に、新しく加盟した国がそうしているのです」

 

 大統領、国防相と共にウクライナ侵攻を計画したロシア軍の最高幹部です。このゲラシモフ氏がウクライナ東部の最前線を視察した際に、負傷したという一報が飛び込んできました。

 

 イギリスのデイリー・メール1日、非公式な情報筋の話として、ロシア軍が東部の拠点としているイジュームで、ゲラシモフ氏の右脚に砲弾の破片が刺さり負傷したと報じました。

 

 デイリー・メール(1日):「手術で破片は取り除かれ、命に別状はない。しかし、ゲラシモフ参謀総長のけがは深刻で、空路、ロシアに帰国した」

 

 そもそも、軍の最高幹部が最前線に入るのは“極めて異例”です。

 

 

 ロシアNIS経済研究所・服部倫卓氏:「参謀総長、自ら現地に赴くこと自体、プーチン大統領の怒りと焦り。打てる手は全部打って、不退転の覚悟で戦っている」

 

■“兵士鼓舞”負傷で逆効果か…

 

 ゲラシモフ氏が一躍名を馳せたのは、2014年のクリミア併合でした。

 

 ロシアNIS経済研究所・服部倫卓氏:「この人は、戦略家・理論家として知られている。特に『ゲラシモフ・ドクトリン』を2013年に提唱して、2014ウクライナ(クリミア併合)への対応に応用した」

 

 現代ロシア軍の戦略家にして理論家。とりわけ「ゲラシモフ・ドクトリン」と呼ばれる基本原則は軍事力だけに頼らず、情報戦など非軍事的な戦術を組み合わせてこそ、成功を収めることができるというものです。

 

 ロシアNIS経済研究所・服部倫卓氏:「クリミアを併合した時も、単純に軍の力だけでなく、ウクライナについてのネガティブな情報を現地にバラまく。現地の人たちが不安感を抱いたところで、ロシアが出ていく」

 

 名うての参謀総長の最前線訪問でロシア軍の士気を高揚させるはずが、負傷したという情報が正しければ、その狙いは逆効果になるかもしれません。

 

 デイリー・メールは「プーチン軍にとって、またしても屈辱的な敗北となった」と論評しています。

 

 今回の報道について、ウクライナ当局は「ゲラシモフ参謀総長が(ウクライナ東部の)最前線を視察したのは把握しているが、我々の攻撃で負傷したかどうかは承知していない」としています。

 

(「グッド!モーニング」202253日放送分より)

 

https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000253433.html

 

 

 

こんな状況であるから、ロシアとしては同盟国のペラルーシに参戦してもらいたのはやまやまではないのかな。しかしながらペラルーシのルカシェンコ大統領は、ロシアを誉め殺しているようだ、先にも記述しておいたが、「露軍は独力で目標を達成できる。助太刀は不要だ」と何度も発言を繰り返して、参戦を拒否しているという。

 

今となっては、参戦しても西側各国の一致したウクライナ支援により、相当な打撃を受ける可能性が高くなっているので、ロシアを誉め殺しで参戦を拒否しているといったところが実情のようだ。ロシアも落ちたものだ。

 

 

ベラルーシ大統領「ロシアの侵攻失敗」の認識示唆か SNSで憶測

2022/5/11 10:57

 









 

ベラルーシのルカシェンコ大統領(AP=共同)

ロシアの同盟国、ベラルーシルカシェンコ大統領が、ロシアのウクライナ侵攻は失敗に終わる-との認識を示したとも取れる発言をし、ロシア語圏のメディアやSNS(交流サイト)上で話題となっている。

ベラルーシ国営ベルタ通信によると、ルカシェンコ氏は9日、同国で開かれた第二次大戦の対ドイツ戦勝記念式典の後、「自国内で領土や家族、子供のために戦う国民を打ち負かすのは不可能だ」と述べた。発言は、報道陣が「北大西洋条約機構NATO)側がベラルーシへの軍事圧力を強めている」とし、それに対するルカシェンコ氏の見解を尋ねた際のものだが、露SNS上などでは「暗にロシアを批判したのではないか」との憶測が広がった。

憶測の背景には、ルカシェンコ氏がロシアに忠誠を示しつつ、侵攻には否定的で、米欧側との決定的対立や国内の不安定化を招く参戦を巧妙に避けてきた-との見方が強いことがある。ベラルーシウクライナは歴史的に、同じ東スラブ系のロシアを長兄とする「兄弟国」ともされてきた。

米欧やウクライナの防衛当局は侵攻開始当初から、ロシアが「偽旗作戦」を用い、ベラルーシを参戦させる恐れがあると警戒。3月にはウクライナ国境警備隊が「露軍機が国境地帯のベラルーシ側を爆撃した」と発表し、ベラルーシの参戦が近いとの観測を示した。

しかし、ベラルーシは爆撃の情報を否定。ウクライナ情報当局は、ベラルーシ軍が「現場部隊が前進命令に従わない」との口実で、ロシアからの参戦要求を拒否しているとも発表した。

ルカシェンコ氏もこれまで、国内会議などで「露軍は独力で目標を達成できる。助太刀は不要だ」と何度も発言。ロシアを持ち上げつつ、ベラルーシは参戦しない方針を示してきた。

 

https://www.sankei.com/article/20220511-XZ3HGELNNNL43IZDFSAP7U6QHQ/

(続く)

ロシアのウクライナ侵攻(12)

ベラルーシ大統領「作戦がこんなに長引くとは…」

[2022/05/06 07:10]

 ベラルーシルカシェンコ大統領はロシアのウクライナ侵攻について、「この作戦がこんなにも長引くとは思っていなかった」と述べました。

 

 ベラルーシ、ルカシェンコ大統領:「正直、この作戦がこんなにも長引くとは思っていなかった。私はこの問題に深入りしていないので、ロシアが言っているように計画通りに進んでいるのか、私が感じていることが事実なのかは分からない。私が強調したいのは、この作戦が長引いているように感じるということだ」

 ロシアの同盟国ベラルーシのルカシェンコ大統領は5日、AP通信とのインタビューに応じました。

 ルカシェンコ大統領は「自分のおかげでロシアとウクライナの交渉は始まった」と自賛し、ウクライナがロシア側の提案を知ったうえでなぜ交渉に興味を示さないのか理解できないと述べました。

 

https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000253764.html

 

 

 

2022.2.24に始まったロシアのウクライナへの侵略戦争は、2ヵ月半が経過したが、今もってロシアは悪戦苦闘しているようだ。正確な情報がなかなか公表されていない中でも、上記のようにロシアの同盟国のペラルーシでも、ロシア軍の苦戦に対して相当危惧していると言ったありさまである。

 

世界が一致してロシアのこの侵略戦争に対して制裁を科していることは、ロシアの悪逆無道ぶりを証明しているものである。その結果は、徐々にロシア国内を苦境に陥(おとしい)れてきているようだ。

 

ロシアは経済制裁による外資が撤退し部品の輸入が滞り、製造業を中心に生産が大幅に縮小しており、更には、原油天然ガス、石油製品などの輸出の大幅な落ち込みによる外貨の縮小ルーブルの急落防止などの金利の金融政策などの三重苦に見舞われてる、と言う。

 

ロシアの実体経済への痛みが、社会生活へも悪影響を及ぼし始めているようだ。

 

 

 

ロシア、制裁で傷む経済 3月の製造業生産マイナスに
インフレ懸念、利下げ制約

2022/4/30 0:00 (2022/4/30 1:21更新)
日本経済新聞 電子版

自動車の生産落ち込みが大きい(写真はロシア自動車大手アフトワズグループの工場)=ロイター

自動車の生産落ち込みが大きい(写真はロシア自動車大手アフトワズグループの工場)=ロイター

ウクライナ侵攻をめぐり米欧から制裁を受けるロシアで、実体経済の傷みが目立ってきた。禁輸措置などのあおりを受け、3月の製造業の生産指数は前年同月比で11カ月ぶりにマイナスに転じた。ロシア中央銀行2回連続の利下げを決めたが、インフレ懸念から大胆な金融緩和には踏み切れない。ロシア経済の冷え込みが続けば、軍事作戦継続への影響が出そうだ。

 

ロシア中銀は29日、政策金利17%から14%へと引き下げると決めた。54日から実施する。利下げ発表は48日に続き2回連続。声明では利下げの背景として「企業は生産や物流面で相当な困難に直面している」と指摘した。

 

制裁の影響を見えにくくするため、ロシア政府は原油生産量など一部の経済統計の発表を取りやめている。それでも入手可能なデータの分析からは、同国経済の苦境が垣間見える。

 

一例が鉱工業生産指数で、3月は3%増と2月(6.3%増)から勢いが鈍った。鈍化の主因は製造業だ。2月の6.9%増から一転、3月は0.3%減だった。自動車関連は45.5%低下し、電気機器やたばこも10%以上下がった。

外資撤退部品不足による生産減が顕著に表れてきた」(三菱UFJリサーチ&コンサルティングの土田陽介副主任研究員)。2月下旬以降、欧米や日本は半導体や工作機械の輸出を停止し、ロシア産製品の輸入も禁じた。

 

外資に頼ってきた自動車生産は特に縮小が目立つ。仏ルノートヨタ自動車など車各社は3月にロシアでの生産を相次ぎ止めた。欧州ビジネス協議会(AEB)によると3月のロシアの新車販売台数は前年同月比63%減った。

 

雇用への影響は深刻だ。米エール大経営大学院によればロシア事業の停止や縮小を表明した企業は750社以上。モスクワ市長は同市の外国企業で働く「約20万人が職を失う恐れがある」とブログに投稿した。

 

同国の主力産業である石油や天然ガスなど鉱業は7.8%増と堅調さを保っており鉱工業生産指数全体ではプラス圏を維持した。欧州などはエネルギーをロシアに依存し、禁輸に踏み切れていない。

 

ただし直近では消費者からの批判を懸念して、商社などがロシア産原油を自主的に回避する動きがじわりと広がる。金融調査会社リフィニティブによると、欧州北西部向けの輸出量は3月後半以降、前年同期を12割下回る週が目立ち始めた。

 

国際エネルギー機関IEA)は、ロシア産の石油供給が5月以降日量300万バレル減るとの見方を示す。輸出量の4割に相当する。主に欧州向けに輸出されるロシア産原油は需要鈍化のせいで国際価格に比べて3割安で取引されている。

 

国際金融協会(IIF)の分析では原油・石油製品・天然ガスはロシアの輸出の56割、財政収入の25%を占める。「輸出や生産が落ち込めば財政への打撃は大きく、支出削減を迫られる可能性がある」(IIF

 

景況感の悪化を受け、ロシア中銀は金融政策を見直している。2月下旬はルーブル急落を食い止めるため政策金利をそれまでの約2倍となる20%に引き上げた。利上げや資本の流出規制でルーブル相場が回復すると、景気下支えのため一転利下げに転じた。

 

だが「政策金利が十数%に高止まりするうちは、景気を刺激する効果は乏しい」(第一生命経済研究所の西浜徹主席エコノミスト)。政策金利ウクライナ侵攻前の1ケタ台へ戻せば、制裁による物不足で加速したインフレがさらに悪化しかねない。ロシア中銀によると4月の物価上昇率は前年同月比17.6%に達する。

 

世界銀行2022年のロシアの経済成長率を前年比マイナス11%と見込む。国内景気の悪化と外貨収入の減少、インフレに手足を縛られる金融政策という三重苦になっている。

 

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鈴木一人東京大学 公共政策大学院 教授

 

分析・考察

ロシアの産業もグローバルサプライチェーンの中に深く組み込まれている。ロシアの工業生産は国際的な競争力があるわけではないが、広大なロシア市場では一定の存在となっている。しかし、その基礎的な部品や技術は海外のものに頼っており、制裁による部品などの供給不足が生産を難しくさせている。これがすぐにロシアにおける戦争反対の動きになるとは言えないが、工業生産が落ち込んでいけば、兵器生産にも影響してくるため、戦争継続が難しくなっていく。

202243019:10 (202243020:27更新)

 

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB2777P0X20C22A4000000/?n_cid=NMAIL006_20220430_A

                

(続く)