番外編・プリウス急加速問題(16)

大野和基氏はこの論文で、「過去十年間にNHTSAが記録した「意図しない

加速」は二万四千件ほどあるが、トヨタ車が占める割合はほんの一部であ

り、2004~09年では
フォードの「意図しない加速」のほうがトヨタより多

い。
」とも言っているので、GMやクライスラーも相当多いのではないかと思われ

る。だから、NASが全米の自動車業界全体のこの件の研究・調査をすると言う事

は、至極当たり前のことではないかな。


こんな状況なのでトヨタのアメリカにおける販売は、がた減りかと思いきや3月の

販売は急増していると言う。前年同月比で3割以上も増えていると言う。これも

今までのトヨタの品質をアメリカ国民が信頼している証なのであろう、ありがたい

ことである。トヨタもこんな顧客の信頼を裏切ってもらっては困るのである。このよ

うな顧客の信頼があるからこそ、トヨタもアメリカで商売をやってゆけるのである。

この信頼を裏切ってはならない。


尤もこれも、歴史的な販促策が功を奏しているものとみられるが、公聴会での

豊田章男社長のまじめな対応も影響しているのであろう。このまじめさも大事に

してゆかないといけない。

   

p44-5トヨタ浮上、“謝罪”世界の空気変えた 新車販売、米中で3、4割増
2010.4.2 21:49  このニュースのトピックス:リコール

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トヨタとGMの合弁工場「NUMMI」の前でチラシを配る男性=4月1日、米カリフォルニア州フリーモント(AP)

 大量リコール(回収・無償修理)で大きな打撃を受けたトヨタ自動車が失地を急

速に回復してきた。米国での3月の新車販売台数が前年同期比4割増だったこ

とが1日に判明。世界最大の自動車市場となった中国でも3割以上の増加となっ

た。世界で逆風にさらされたトヨタにとって、ようやく潮目が変わってきた。


 米調査会社オートデータが発表した3月の米新車販売統計によると、トヨタ

動車は前年同期比40・7%増の18万6863台となった。ゼネラル・モーター

ズ(GM)の18万8011台に肉薄し、フォード・モーターを抜いての2位への返り

咲き
。2月の落ち込みを一気に巻き返した。


 市場シェアは、2月の12・8%から17・5%へと急拡大した。日本車メーカ

ーで史上初の月間首位の可能性まで見えている。


 中国市場でも好調だ。3月のトヨタブランド車の販売台数は同33%増の6万

1200台に達したことが2日、明らかになった。中国では、同67・9%増の23万

48台と月間最高記録を更新したGMには及ばなかったものの、米国と同様、リ

コールの影響が懸念される中で大幅な伸びを示した。

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 トヨタは2月まで苦境が続いた。米国では、販売一時停止やライバル各社の値

引き合戦が響き、シェアは4年7カ月ぶりの低水準に下落。そこから復活した要

因の一つは「歴史的水準」(米メディア)とされる販売促進策だ。自動車ローン

金利をゼロにする優遇策や2年間の無料メンテナンスなどを打ち出した。中国で

も販促策が効果を上げた。


 米国では、トヨタに対する厳しい見方が変わり始めたことも大きい。2月は報

道が過熱し、トヨタ車への不信感がピークに達した。だが、2月下旬に豊田章男

社長が米議会公聴会に出席し、謝罪したころから変わり始めたようだ。


 品質改善を愚直に唱えるトヨタに対し、米議会の追及は不発に終わった。米

ABCテレビの実験報道に映像操作があったことや、急加速騒ぎを起こしたハイ

ブリッド車「プリウス」に異常がないと分かったことも一方的なトヨタたたきが影

を潜めた要因とされる。


 米議会には、秋の中間選挙を控え、世論の関心が高いトヨタ車の安全問題で

アピールしたい思惑が先行した面もある。その後、「スケープゴートは、トヨタ

ら中国の人民元
に移った」(日本政府関係者)との声もある。トヨタ側では「顧客

は安全性やブランドを引き続き信頼している」(幹部)とみている。


 ただ、逆風が順風に転じたかどうかは予断を許さない。急加速問題では、米

運輸省が米航空宇宙局(NASA)の専門家の協力を得て電子系統の調査に乗

り出す。今後、販促活動を縮小すれば、反動で販売が減少する可能性もあるし、

大事故が起きれば、顧客の動揺は再び高まるだろう。信頼回復の道は「米国民

に約束した改善策を地道に実施する以外にない」(別のトヨタ幹部)といえそう

だ。 (ワシントン 渡辺浩生、上海 河崎真澄)

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100402/biz1004022152023-n1.htm

  

しかし販売が好転したからと言って安心したり、気を緩めてはいけない。まだこ

の問題が完全に沈静化してわけでは無いからであり、真因が掴めたと言う状態

でもなかろうと思われるからである。早くNASAが的確な結論を提供する事を期

待したいものである。


小生は、素人ながら、この急加速問題の原因は人間系に原因があるのではな

いかと信じているのだが、しかし米運輸省は更なる制裁金も検討しているとい

うし、更には集団訴訟の審理も始まると言うのであるから、早くNASAも結論を

出してほしいものである。


まあトヨタ危機管理に問題があったと言うこと帰結するのであろう。

       

p50トヨタ訴訟、加州で審理へ 150件超を併合
2010.4.10 10:16 

(Photo)
カリフォルニア州サンディエゴでのトヨタに対する訴訟に関する会議で資料を見る弁護士(3月24日撮影)=ロイター

 トヨタ自動車の大規模リコール(回収・無償修理)問題で、トヨタに対して米各地

で起こされた計150件以上の訴訟について、米司法当局は9日、ロサンゼルス

郊外にあるカリフォルニア州オレンジ郡の連邦判事の下で併合して審理すること

を決めた。ロサンゼルス・タイムズ紙(電子版)が報じた。


 併合されるのは、リコール問題で車の価値が落ちたなどとする訴訟100件以

上と、トヨタ車の急加速による死傷事故で損害賠償を求める訴訟50件以上で、

連邦裁判所に起こした訴訟が対象。州の裁判所の訴訟は含まれないという。
(共同)

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100410/biz1004101019004-n1.htm
(続く)