「日本学術会議」は親共・容共組織(49)

市はトンネル工事の許可を出す方針

驚くことに、市は県と違い、JRとの協議をすでに終えて、河川占用の許可を出す方針であることがわかった。同じ河川にもかかわらず大きな違いである。考えてみれば、源流の水は普通河川から1級河川に流れ込むから、普通河川の管理が重要であることは言うまでもない。

静岡市が普通河川だけでなく、1級河川まで管理すればリニア「静岡問題」は一挙に解決の方向に進む。河川法では、政令指定市の長が1級河川を管理できるとしているから、静岡市の行政範囲である井川地区から源流部までなら法的にも問題はない。

また、河川法施行規則では、貴重な自然環境の保全を河川管理と一体化することを求めている。川勝氏が問題にする南アルプスエコパークは、その指定から保全計画策定などすべては静岡市が行っている。

 

 

トンネル本体とは無関係の「準備工事」については、県が自然環境保全条例を拡大解釈して認めなかったが、同条例も県から市へ移譲することに問題はない。むしろ市が運用したほうが南アルプスエコパーク保全をスムーズに推進できる。

県は市町への権限移譲を推進してきた。リニア工事に関する権限のうち、土壌汚染対策法、県立自然公園条例、森林法、県土採取等規制条例などすべて静岡市に移している。1級河川でもすでに市内5カ所で移譲されている。市が手を挙げれば、県は反対しないはずだ。大井川の権限移譲について、県幹部は「まったく問題ない。大賛成」と答えた。

静岡市をみくびっている?

静岡県には、全国20ある政令市のうち、唯一、人口70万人を切り、若い女性の流出が止まらない不振の静岡市だけでなく、スズキ、ヤマハに代表される地場工業集積を持つ元気な浜松市がある。遠州方言で積極的に挑戦してみようを意味する「やらまいか」精神が息づく浜松市に比べて、何でも「やめまいか」と消極的で逃げる静岡市役所の気質をよく知る県幹部は「まず、無理だろう」と鼻で笑っている。そう考えると、県幹部の「大賛成」という回答の真意は、静岡市が手を挙げることなどまずありえない、とみくびっているからかもしれない。

だが、静岡市も「やらまいか」に動き出している。

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 静岡市田辺市長(筆者撮影) 

田辺氏は20186月、「井川地区はほったらかしだ」という知事批判に発奮したのか、県や流域市町の頭越しに、金子慎JR東海社長とリニア建設と地域振興に関する基本合意書を結び、井川地区の住民たちが長年、熱望してきた市内を結ぶ県道トンネル4kmJR東海の全額負担で新設することにこぎつけた。リニア工事には欠かせない約27kmの林道東俣線の通行許可などを認める代わりに、トンネル建設費用140億円の負担をJR東海にのませたのだ。

田辺氏は「当初、140億円のうち、100億円負担するよう求められた。最後はトップ会談で全額負担させた」と自らの政治力を誇示した。

 

リニア問題を議論する中、田辺氏の抜け駆けに、川勝氏らは激怒。だが田辺氏は、「政治とは利害調整。それができるのが政治家」と、どこ吹く風だ。

県とJR東海とのリニア議論で、蚊帳の外に置かれている田辺氏がはたして、問題解決のために乗り出すかどうかは、国の支援とJR東海の対応にかかっている。

大井川の管理権限を静岡市に移す場合、市の財政面、人的面の負担が最大のネックとなる。国については同じ国土交通省でも、リニア工事を推進する立場の鉄道局ではなく、河川担当部局の全面的な支援が不可欠だ。

国交省は一枚岩になれるか

国交省は旧建設省、旧運輸省の寄り合い所帯であり、事務次官ポストなどを巡る対立だけでなく、地方組織もまったく違う。旧建設省の河川担当部局は鉄道局のリニア工事を冷ややかに見ているというのが現実だ。田辺氏が決断するには、国交省が一枚岩となって支援できるかがカギとなる。

また、JR東海は中下流域の不信感を払拭するために地域振興策を打ち出すべきだ。難波副知事は102日の日本記者クラブでの会見で、県のメリットが何かを話すのは時期尚早と述べていたが、JR東海が積極的に地域に寄り添う姿勢を示せば、流域市町の対応も変わる。

当初、JR東海が提案していた静岡市道閑蔵線トンネル建設に打って出れば、川根本町はじめ中下流域と南アルプスを結ぶ観光のシンボルともなり、田辺氏の政治決断への強い後押しにもなる。

来夏の知事選に川勝氏が出馬し、再選されるかどうかも焦点となるが、いまのところ自民の有力な候補は見当たらない。難局を打開するには、国は、静岡市にリニア担当の「市長特別補佐官」を派遣することが最良の解決策となるかもしれない。

 

https://toyokeizai.net/articles/-/379656?page=4

 

 

 

意外と今年の6月の静岡県知事選挙と静岡市田辺信宏市長と国との良好な関係構築に掛かっている、と言ったところか。

 

これも6月まで待つとするか。現実は待っている余裕なんぞはないのであるが。

 

悪い奴に引っかかったものだ、JRも。

 

何故悪い奴に引っ掛かってしまったか、と言うと、静岡県は、JR東海の調査での「何もしなければ毎秒2tの減水が予測される」という表現を、最後まで読まずに2tも減ったら大変だ、住民の命が危険にさらされる、と言った大法螺を吹聴しだしたことだ。

 

JR東海は、そのために覆工ふっこうコンクリートや防水シート、薬液注入などの技術で湧水を防ぐ対策を施すことになるのであるが、これらの対策をすれば、毎秒2tは減水しないのである。

 

しかし静岡県川勝平太知事は、ベニスの商人の様に「一滴の水」も減らしてはならない、と言ったような恫喝を、JR東海に行っているのである。

 

これと言うのも、東海道新幹線掛川と静岡駅の間に「静岡空港」を、新設させたいがための川勝平太の方便なのである。

 

だが、現在は既にそんな地域貢献で済む段階を、はるかに通り過ぎてしまっている、と小生は思っているのであるが。

 

と言うのも、大井川の上流には、東京電力の田代ダムがあり、毎秒4.99tの水が県外に放出されていることに対しては、黙して語っていないからである。この事実を川勝平太は何とするのか。ただ丁度良い機会だからと言うことで、ごね得で「静岡空港」を造らせたいがための方便なのである、と推察できる。

 

このような事実がありながら、たった2tの減水がひょっとしたらあるかもしれない、と言った不確実なことを取り上げてごねているだけである。本当に命の水としてやるのなら、この4.99tも問題にすべきなのではないのかな、川勝平太は。

(続く)