スバルとトヨタが用いる合成燃料は何になるのか
注目されるスバルとトヨタが用いるカーボンニュートラルの合成燃料については検討中だという。スーパーフォーミュラとSUPER GTでは2023年から共通のカーボンニュートラルフューエルを導入することを発表しているが、それと同じかと佐藤TGRプレジデントに確認したら、「それも選択肢の1つ」という。ただ、スーパー耐久という市販車が参加するレースということを考えると、ほかの選択肢も必要とのこと。
佐藤TGRはWRC(世界ラリー選手権)で導入されるP1というサステナブルフューエルも検討課題の1つと語っており、「その燃料を導入すると、スバルさんもWRCに復帰しやすくなりますよね」と質問を振ったところ、「おお、危ない(笑)」と質問から逃げられてしまった。
いずれにしろスーパー耐久にふさわしい燃料を検討しているとのこと。このふさわしいには、価格面も含まれているかも知れないし、将来の市販車に導入しやすいという意味が含まれているのかも知れない。
3気筒1.4リッターターボ搭載GR86については「がんばります!!」
佐藤TGRは、この日の午前中ラリージャパンの発表会のために愛知県豊田市で登壇。そこから軽やかに舞い戻った岡山で、豊田社長からのサプライズ発表があった。水素カローラの開発、合成燃料エンジンの開発、3気筒1.4リッターターボ搭載GR86の開発など多くの開発をものすごいスピードでこなしている。「3気筒1.4リッターターボ搭載GR86は大変ではないですか?」と聞いたところ、「がんばります!!」とにこやかに返してくれた。
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1366172.html
この記事では、トヨタのGR86が明確に合成燃料で参戦すると言っていないので、もう一つおさらいと言う訳でもないが、同内容の記事を参照願う。
投稿日: 2021.11.13 13:38
更新日: 2021.11.13 15:46
2022年のS耐ST-Qクラスにバイオマス由来の合成燃料を使用したスバルBRZ、トヨタGR 86が参戦へ
11月13日、岡山県の岡山国際サーキットで開催されているスーパー耐久シリーズ2021
Powered by Hankook第6戦『スーパー耐久レースin岡山』の会場内でマツダ、トヨタ、スバル、ヤマハ、カワサキの5社の社長が出席しカーボンニュートラル実現へ内燃機関活用のさらなる広がりへ向けた取り組みを発表し、このなかで2022年のスーパー耐久シリーズに、スバルBRZ、トヨタGR 86がバイオマス由来の合成燃料を使用し参戦することが発表された。
2021年からスーパー耐久に設けられたST-Qクラスは、S.T.Oが参加を認めたメーカー開発車両、または各クラスに該当しない車両が参加できる。今季はORC ROOKIE Racingが、トヨタGRスープラGT4の開発を兼ねたGRスープラで参戦しているほか、第3戦富士SUPER TEC 24時間レースから、同じくORC ROOKIE Racingが水素エンジンを積むトヨタ・カローラ・スポーツ『ORC ROOKIE Corolla H2 concept』を投入。さらに、第6戦岡山からは、MAZDA SPIRIT RACINGが100%バイオディーゼル燃料を使用したマツダ・デミオ・ディーゼルを投入するなど、メーカーが積極的に参画を開始し始めた。
13日に岡山国際サーキットで開催された記者会見では、川崎重工、スバル、トヨタ、マツダ、ヤマハ発動機の全社の社長が顔をそろえ、「まるで自動車工業会の記者会見を岡山でやっているような感じ(トヨタ自動車豊田章男社長)」という雰囲気のなか、カーボンニュートラル実現に向け、燃料を『つくる』『はこぶ』『つかう』選択肢を広げる取り組みのなかで、トヨタ、スバルから新たにバイオマス由来の合成燃料を使用したスバルBRZ、トヨタGR 86が参戦するということが明らかにされた。
「トヨタ自動車さんとアライアンスの協議を進めている中で、トヨタさんからモータースポーツの現場でカーボンニュートラルに向けて、モータースポーツの場で一緒に技術開発をやっていきませんか、というお声がけをいただきました」というのは、スバルの中村知美社長。
「我々としても、カーボンニュートラルに向けた選択肢を狭めない、バッテリーEV(BEV)だけでなく、内燃機関を活用した道にもチャレンジしたいという思いがあり、そこはまったくトヨタさんと一緒でした」
中村社長によれば、「開発に向けてどのように協力していき、お互いにやっていくかということはこれからですが、一方でレースはガチンコ勝負ですので、競い合いながら」と両社が同じ舞台で戦っていくことになる。
なお、すでにトヨタは水素エンジン搭載のORC ROOKIE Corolla H2 conceptをST-Qに投入しているが、豊田社長によれば、「こうして仲間が増えてきた以上、そのきっかけを作ったORC ROOKIE Racingとしては、GR 86、BRZに負けないようにしなければならない。ガチンコになるようプロドライバーが構えています」と水素エンジン搭載のカローラも継続したいのこと。
2022年に向けては、ORC ROOKIE Racingとしては、現在GRスープラで参戦している28号車を「GR 86の次期先行車」にしたいという。豊田社長はさまざまなバリエーションのGR 86、BRZ、86がST-4,ST-Qに出場し「盛り上がるのではないか」と語った。ちなみに豊田社長は「スバルさんも我々のGR 86も社内ドライバーを使いながら、ST-Qクラスである利点を使いたいと思います。あと中村社長には『なんならモリゾウをスバルチームでお使い下さい』と提案したのですが、相手にしてはもらえません(笑)」と会場の笑いを誘った。
https://www.as-web.jp/domestic/759498?all
合成燃料は、CO2(二酸化炭素)とH2(水素)を合成して製造される燃料で、そして「人工的な原油」とも言われているので、既存のエンジンやGAS.スタンドなどの現行の施設が利用できるところが、ミソなのである。
(続く)