他の世界大手の発表した投資額は、次の通り。
(週刊エコノミスト 1月18日号による)
VW 1 1 .0兆円
Daimler 7.7兆円
GM 4.0兆円
NISSAN 2.0兆円
TOYOTA 8.0兆円
と言うことで、トヨタの8兆円の投資額はそんなに引けを取るものでもない。
だだ9年間で8兆円と言うことで、8兆円/9年≒8千9百億円/年と言うことで、年間9千万円足らずの額となり、それほどビックリするほどのものではないのである。
トヨタの年間の設備投資と研究開発額は、併せて2.4兆円ほどだそうですので、0.89/2.4≒37%
と言うことで、電動化投資が37%ほどになるということなのでしょう。
次の論考では、こんなことでは、世界ののけ者にされかねない、と危惧しているのでぜひ参照願う。地球の温暖化が切迫しており、少しのCO2の排出も許されない事態に陥りつつある、ということである。後進国のモビリティを考えるよりも、地球温暖化を阻止する方が重要だ、と言うことでしょう。
EV不毛の地ニッポンで「トヨタのEVシフト」は本物なのか?
鈴木貴博:百年コンサルティング代表 2021.12.17 4:30
Photo:JIJI
トヨタがEV巨額投資を発表
目標を大幅に上積み
これまで自動車のEV化について「後ろ向き」だと批判されてきたトヨタが、「EVへの巨額投資にかじを切った」と報道されました。
12月14日、トヨタはバッテリーEV戦略に関する説明会を開きEV戦略の目標を大幅に上積みしました。その内容は2030年の年間EV車販売台数をグローバルで350万台、2030年までの電動化投資を8兆円、うちEV投資を4兆円とするものです。
豊田章男社長は「これでもEVに前向きでないと言われるなら、どうすればご評価いただけるのか」と胸を張られていましたが、このトヨタのEVシフト、本当に評価できるのかどうかを検証してみたいと思います。
世界が日本を
「EV不毛の地」と呼ぶ背景
グローバルでは、日本は「EV不毛の地」と呼ばれ、乗用車のEV化が進んでいないとみられています。これまでは、経産省とトヨタそれぞれがEVに関して後ろ向きだと批判されてきたことも事実です。
直近の世界の新車販売に占めるEV車の比率はEUや中国ではだいたい12~13%であるのに対して、日本では1.2%程度。実際、知人でEV車に乗っている人を数えたら大半が「一人」か「ゼロ」と答えるように、日本ではEV車を見つけるほうが難しいというのが普及の実態です。
しかも、その1.2%の大半を売り上げるのはトヨタではなく、日産か、テスラなどの輸入車です。実際、自販連(一般社団法人日本自動車販売協会連合会)のデータを見てみるとわかりますが、2021年11月のトヨタのEV車の販売台数はわずかに36台。トヨタの国内販売台数に占めるEV車の比率は0.04%というのが現状です。この数字から見ても、これまでは極めて後ろ向きだったことは事実だと思います。
その状態からのスタートでありながら、2030年に年間350万台のEV車販売を目標に掲げるというのは確かに野心的な計画です。トヨタがEVに前向きに変わったと評価すべきだと、素直に思います。しかしこの野心的な計画は同時に、世界的な脱炭素の潮流から見ればかなり乗り遅れた数字だと言うことも報道すべきだと私は感じています。
そもそもトヨタがこれまでEVに後ろ向きだったのは、それが国益にかなっていたからです。そのことを説明するために、世界的な脱炭素の流れと、その議論の場で戦われている「国益とは何か?」について整理してみましょう。
(続く)