カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(27)

BEVの普及が進む中国では、「充電渋滞」が問題となっているのです。 

 

 

中国の高速道路で電気自動車が「エラい目」に ユーザー急増で「充電の渋滞」が発生 

2021.10.15 

 

【10月14日 東方新報】中国は10月1日の国慶建国記念日)から7日まで秋の大型連休を迎えたが、今年は「電気自動車で高速道路を走ったら、エラい目に遭った」という複数の体験談が話題となった。

 

江蘇省海安市にある充電ステーション(2021年5月21日撮影、資料写真)。(c)CNS/翟慧勇 

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 「8時間のドライブのはずが16時間。渋滞したのは、高速道路でなく充電ステーションだった」。1日に中国南部の深セン市(Shenzhen)から湖南省(Hunan)に電気自動車で帰省したユーザーSNSにショートビデオを投稿し、ネット上でトレンド入りした。道路状況はスムーズだったが、充電ステーションの行列で4時間、さらに充電で1時間を要した。待機中はトイレにも行けないので、水を飲むのも控えたという。 

 

 別のドライバーも「運転中に電池が切れそうになったため、車内温度が一時は40度近くになったがエアコンをつけるのを我慢した」という過酷な体験を披露。別のユーザーは「ガソリン車の友人とドライブしたが、目的地に着いた時間は大幅に違った。私の電気自動車は途中で2回充電し、1回の充電時間は30分以上。友人は給油が1回だけで時間も数分で済んだ」と報告した。 

 

 国営電力配送会社の国家電網によると、今月1日の高速道路での充電設備の充電量は、通常の4倍にあたる142万9200キロワット時となり、過去最高を記録した。電気自動車がそれだけ殺到したため、各地で「充電渋滞」が発生した。 

 

 中国では9月末時点で、電気自動車などの新エネルギー車は678万台に達している。今年に入ってからの新規登録台数は187万台と急激な勢いで増えている。国慶節で初めて長距離ドライブをするユーザーも多かったようだ。メーカーが「1回の充電で走行距離300キロ」とうたう電気自動車が実際には200キロほどで充電が必要になることも多く、ドライバーたちが困惑する大きな要因となった。 

 

 電気自動車メーカーの上海蔚来汽車(NIO)は「当面は良い方法がなく、充電ステーションを今後増やしていく」、小鵬汽車(XPeng)も「携帯型充電器を使ってゆっくり走行してほしい」と呼びかけている。現時点では「どうしようもない」ということだ。 

 

 電気自動車は日常生活の「普段使い」では大きな力を発揮する。あるユーザーは「燃費は10キロにつき1元(約17円)程度。街中を走るだけなら1か月100元(約1740円)ぐらいで済む。ガソリン車だったら数百元から1000元(約1万740円)かかる」とメリットを説明する。 

 

 8月時点で全国の充電ステーションにある充電パイルは約210万台あり、車両との比率はおおむね3:1となっている。計算上はニーズを満たす数だが、充電に長時間かかるため土日にステーションを訪れるユーザーが多く、やはり「充電渋滞」が起きやすい。また、政府の補助金目当てで業者がへんぴな場所にステーションを建設し実際は利用されていない所もあれば、逆に都心の過当競争で業者が廃業し、「ゾンビ化」しているステーションもある。 

 

 中国政府は電気自動車を経済成長の柱の一つとしており、二酸化炭素(CO2)排出削減の切り札にも位置付けているが、電気自動車をサポートする環境整備も急務となっている。 

(c)東方新報/AFPBB News 【翻訳編集】AFPBB News 

 

https://www.afpbb.com/articles/-/3370474 

 

 

これは2021年10月の中国のニュースであるが、2年半ほど前の中国では既にその「充電渋滞」が発生していたのです。 

 

だから、BEVだけでのCO2フリーには、それ相応の問題点が存在ししかも既販車のBEV化は金がかかりすぎて、実用的ではないのではないでしょうか。 

 

 

電動化=EV化にあらず、メディアに異例の注文-自工会の豊田会長 

River Davis 2020年12月17日 18:09 JST 

 

純粋なEVのみ普及ならエネルギー問題に、HVなどと併用検討必要 

菅首相は2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロを目指すと表明 

 

日本自動車工業会豊田章男会長トヨタ自動車社長)は17日、菅義偉政権が掲げた新たな温室効果ガスの排出目標について言及し、自動車の電動化とバッテリーの電力のみでモーター駆動する電気自動車(EV)明確に区別するよう、メディアに異例の注文を付けた。 

(続く)