カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(51)

偏見ではないが、よく中国ではBEVの火災が報告されている。次の記事では中国EV大手のBYDのBEVが頻繁に火災事故を起こしているという。 

 

中国全土では、2022年第一四半期(と言うと'22/1~3月と言うことか)では、640台のBEVが燃えているという。おおよそ90日で640台が燃えているということで、一日7台のBEVが火災を起こしているという計算になる。これは恐ろしいことだ、中国のBEVだからか、それとも、EVとはそんなに燃えるものなのか。日本製EVでは、そんなことはあまり聞いたことがないが。 

 

これはバッテリーから自然に発火している火災事故もあるようであり、衝突などによる火災ではないので、猶更恐ろしいことである。バッテリーは充放電していると、熱を持つため熱管理には十分な安全対策(冷却など)がなされていなければならないのであるが、これらの発火した中国でのEVの安全管理はどんな状態であったのであろうか。 

 

一般的には、バッテリーは発火すると放水だけでは消化できないものである。バッテリーが熱暴走を起こし、いったん消火されても熱を発しているために再度発火してしまうのである。だからEV火災の消火には、発火車両を巨大水槽に沈めなければならないのである、さもなくば燃えきるまで待つことになる。 

 

車庫に駐停車している時に発火すると大変なことになる。家まで燃えてしまうことになりかねないのだ。と言うことは、中国製のBEVは買わない方がよい、と言うことか。 

 

今後このような設備を備えたEV火災消火の専用車両が必要となってくるものと思われる。 

 

 

炎上事故多発!日本に上陸した「中国製電気自動車」に募る不安 

FRIDAYデジタル 2023.03.21  07:00 

 

1月29日には、山東省済南市で新興EVメーカー・理想汽車のワゴン車が発火事故を起こした(中国のSNS「微博」より)    

 

今年(2023年)1月31日に日本で販売を始めた中国の大手電気自動車(EV)メーカー・BYD(比亜迪)の周辺がにわかに騒がしくなっている。日本に納品実績のあるEVバスに六価クロムを含有した溶剤が使用されていることが発覚したのだ。自動車業界関係者が言う。 

 

 

「ボルトやナットなどに使用される六価クロムは、金属表面の腐食を防ぐ特性がある一方で人体には有毒。欧州では使用が禁止されています。日本では法的な規制はないですが、日本自動車工業会自工会)が自主規制を呼びかけています」 

 

BYDの安全性に対する懸念は、これだけではない。中国でバッテリーが自然発火して火災を起こす事故が多発しているのだ。台湾メディア『T客邦』が2022年9月6日に報じたところによると、4ヵ月の間に実に13台もの火災事故が発生しているという。特に昨年6月には、6日に湖北省武漢市、広東省佛山市、 広西チワン族自治区貴港市で相次いでバッテリーが発火する事故が発生。12日には広東省珠海市で停車中のEVが炎上している。 

 

BYDは電池生産が祖業であり、バッテリー開発には特に力を入れている。 2020年には次世代型「ブレードバッテリー」を発表。前出のメディアによると、「EVの辞書から自然発火を抹消する」と自信を持って市場に送り出したが、同バッテリーを積んだ車も発火しており、残念ながら事故はなくなっていない。 

 

もっとも、発火事故が起きているのはBYDだけでない。1月29日には、山東省済南市で新興EVメーカー・理想汽車のワゴン車が発火。2月4日には、中国の大手自動車メーカー・奇瑞汽車の小型EVが充電中に炎上している。同車種は昨年も充電中に発火する事故が2件、起きているという。 

 

中国の災害管理や応急救援を管轄する省庁・中国応急管理部によると、2022年第1四半期EVの火災事故が640件起きており、前年の同じ時期より32%も増加している。1日平均7件の事故が起きている計算だ。 

 

BYDは中国最大手であるため、どうしても他のメーカーよりも事故が目立つが、日本で販売されている車種に問題はないのだろうか。日本法人・ビーワイディージャパン(BYDジャパン)に問い合わせると、以下のように回答があった。 

 

「中国国内での事故の原因については、外部の第三者機関で調査が実施されておりますが、個別の事象については、現時点で日本法人ではご回答しかねます。万が一、日本においてそうした事態が起きた場合には、早急な事実確認と原因究明を行い、お客様の信頼に足る対応を進めてまいります」 

 

日本で同様の事故が起きないことを祈りたい。 

 

取材・文:roadsiders 路邊社 


https://friday.kodansha.co.jp/article/300269 

 

 

韓国の「アイオニック 5」は、現代自動車ヒョンデが2021年2月に発表した5ドアのSUVのBEV(電気自動車)である。日本市場には2022年5月よりオンラインで受注が開始されたが、本国の韓国ではこれもよく燃えているようなのである。 

 

BYDの電気自動車はバッテリーの熱暴走による自然発火であったが、ヒョンデの電気自動車衝突により炎上である。いずれにしても、怖いことである。 

 

 

衝突後3秒で炎上…韓国・現代自動車「アイオニック5」の事故に見る、EVの怖さ 

2022.12.21 4:20  羽田真代:ビジネスライター国際・中国News&Analysis  

 

Photo:EPA=JIJI      

 

12月5日、韓国で現代自動車(ヒョンデ)アイオニック5が事故を起こし、運転手の男性が亡くなった。建物の外壁に衝突した直後に車両が燃え上がり、火は2時間も消えなかったという。これはリチウムイオンバッテリーの熱暴走という、電気自動車に特有の事故だ。ガソリン車であれば、助かる命だったのではないだろうか。(ビジネスライター 羽田真代) 

 

(続く)