これもかなりの長文なので、小生のようなぼけた頭では整理が難しい。
差し当たり次の様にまとめてみたが、どんなものであろうか。ご意見、ご指摘大歓迎。
以前にも指摘しておいたが、(いわゆる)クルマをCO2フリーとするには、各種の方法がある。一覧すると次の様な方法である。
・ガソリンエンジン・ICEを使わない方法。
1)BEV(バッテリー電気自動車)→当面の激戦区である。
2)FCEV(燃料電池自動車・H2と酸素で発電する一種の電気自動車である。)
3)PHEV(エンジン付きの外部充電可能なEV、HEVとBEV の結合車、厳密には
CO2フリーではないが、一般的にはZEVとしている。)
・ICEの燃料をCO2フリーとする方法。
4)HICE(Hydrogen Internal Combustion Engin 水素エンジン)
5)Synthetic fuel(合成燃料、CO2→CO(+)H2←H2O⇒FT合成→CnH2n)※
6)e-fuel(electro fuel、再生可能エネルギーによる電気で作った合成燃料)
7)biofuel(バイオマス・生物資源を原料とする燃料、トウモロコシ、サトウキビなど)
※当ブログ「世界の流れは、EV化(81)」(2022.03.10)を参照の事。
このすべての方法をトヨタクループでは、研究対象として、実車を試作している。
トヨタ本体は現在、4)HICEの水素エンジン車を盛んにレースで走らせている。
合成燃料はスバルが、バイオフューエルはマツダが試作しているようだ。もちろんトヨタも研究しているのであろうが。
下図にあるように、トヨタはこれにハイブリット車HEVを追加している。
だから「Multi-pathwayマルチパスウェイ」なのである。
この中で、BEVとしては、
2026年までに
10モデルを追加して
150万台/年 の販売を計画している、と言っている。
①車種構成としては、
売れ筋としては、先進国用の中上級価格帯モデル-bzシリーズ
この中には「スーパースポーツEV」も含まれている。
実用ニーズでは、新興国用の短距離小型ベーシックモデル
となる筈だ。
②スタイルについては、
その中でも旗艦となるBEVは、シルエットで示された「4ドアクーペライクのセダン」となるようだ。4ドアのセダンでありながら、クーペそのもののスタイルのクルマである。
ビックリするような新提案のように見受けられるが、スタイルとしては、今回の新型プリウスのデザインの流れと同一なもの、となるようだ。
③性能面では、
航続距離は、現状のBEVの2倍の航続距離を目標としている、ようだ。
と言うことは、現状性能でよければ、バッテリーを半減できることになり、価格を抑えることが出来る、と言うことになる。
④150万台をこなすには、
追加の10モデルと
現行の5モデル、(UX300e、C+Pod、bZ4X、bZ3X、RZ)を併せて
年間、150万台の販売、
と言うことは、15モデルで150万台、1モデル10万台は売らなければならない計算となる。
⑤150万台・15車種。1車種10万台の生産と販売/年
トヨタは毎年何車種かはモデルチェンジを行い、新たに生産・販売をこなして大きくなってきたわけなので、15車種・150万台は(考えようによっては)それほど難しくはないこと、と思われる。が、生産の革新は静かに進行しているのではないのかな。
問題は、顧客が好んでくれるBEVとなるかどうか、と言うことであろう。
どんな電気自動車が出てくるのか、と言うことではないのかな。
だから、豊田章男社長(同時)が「今までのトヨタのBEVには興味がなかった。これからのBEVに興味がある」と言ったわけは、このことなのであろう。
⑥次世代BEV用「専任組織」を新設
この部分は、相当に含蓄がある部分のようだ。
新設される「専任組織」は「BEVファクトリー」と言うそうだが、「開発」+「生産」+「事業」で一人のリーダーに指揮されている組織だという。
そしてこの「専任組織」には、従来のBEVは含まれない、と言うような感触すらあるのだ。この「専任組織」を1000万台で支える、と言っているので、 1000万台を元のトヨタ本体と考えれば、「専任組織」はBEVの新会社を意味していると言うことではないのかな。
(続く)