カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(71)

これもかなりの長文なので、小生のようなぼけた頭では整理が難しい。 

 

差し当たり次の様にまとめてみたが、どんなものであろうか。ご意見、ご指摘大歓迎。 

 

 

以前にも指摘しておいたが、(いわゆる)クルマをCO2フリーとするには、各種の方法がある。一覧すると次の様な方法である。 

 

ガソリンエンジン・ICEを使わない方法。 

1)BEV(バッテリー電気自動車)→当面の激戦区である。 

2)FCEV燃料電池自動車・H2と酸素で発電する一種の電気自動車である。) 

3)PHEV(エンジン付きの外部充電可能なEV、HEVとBEV の結合車、厳密には 

    CO2フリーではないが、一般的にはZEVとしている。) 

 

・ICEの燃料をCO2フリーとする方法。 

4)HICE(Hydrogen Internal Combustion Engin 水素エンジン) 

5)Synthetic fuel(合成燃料、CO2→CO(+)H2←H2O⇒FT合成→CnH2n) 

6)e-fuel(electro fuel、再生可能エネルギーによる電気で作った合成燃料) 

7)biofuelバイオマス・生物資源を原料とする燃料、トウモロコシ、サトウキビなど) 

 

当ブログ「世界の流れは、EV化(81)」(2022.03.10)を参照の事。 

 

 

このすべての方法をトヨタクループでは、研究対象として、実車を試作している。 

 

トヨタ本体は現在、4)HICEの水素エンジン車を盛んにレースで走らせている。 

合成燃料はスバルが、バイオフューエルはマツダが試作しているようだ。もちろんトヨタも研究しているのであろうが。 

下図にあるように、トヨタはこれにハイブリット車HEVを追加している。 

 

 

 

だから「Multi-pathwayマルチパスウェイ」なのである。 

 

この中で、BEVとしては、 

 

2026年までに 

10モデルを追加して 

150万台/年      の販売を計画している、と言っている。     

 

車種構成としては、 

売れ筋としては、先進国用の中上級価格帯モデル-bzシリーズ 

 この中には「スーパースポーツEV」も含まれている。 

実用ニーズでは、新興国用の短距離小型ベーシックモデル 

 

となる筈だ。 

 

スタイルについては、 

その中でも旗艦となるBEVは、シルエットで示された「4ドアクーペライクのセダン」となるようだ。4ドアのセダンでありながら、クーペそのもののスタイルのクルマである。 

 

ビックリするような新提案のように見受けられるが、スタイルとしては、今回の新型プリウスのデザインの流れと同一なもの、となるようだ。 

 

性能面では、 

航続距離は、現状のBEVの2倍の航続距離を目標としている、ようだ。 

と言うことは、現状性能でよければ、バッテリーを半減できることになり、価格を抑えることが出来る、と言うことになる。 

 

150万台をこなすには、 

追加の10モデルと 

現行の5モデル、(UX300e、C+Pod、bZ4X、bZ3X、RZ)を併せて 

年間、150万台の販売、 

 

と言うことは、15モデルで150万台、1モデル10万台は売らなければならない計算となる。 

 

150万台・15車種。1車種10万台の生産と販売/年 

トヨタは毎年何車種かはモデルチェンジを行い、新たに生産・販売をこなして大きくなってきたわけなので、15車種・150万台は(考えようによっては)それほど難しくはないこと、と思われる。が、生産の革新は静かに進行しているのではないのかな。 

 

問題は、顧客が好んでくれるBEVとなるかどうか、と言うことであろう。 

どんな電気自動車が出てくるのか、と言うことではないのかな。 

 

だから、豊田章男社長(同時)が「今までのトヨタのBEVには興味がなかった。これからのBEVに興味がある」と言ったわけは、このことなのであろう。 

 

次世代BEV用「専任組織」を新設 

この部分は、相当に含蓄がある部分のようだ。 

 

新設される「専任組織」はBEVファクトリー」と言うそうだが、「開発」+「生産」+「事業」で一人のリーダーに指揮されている組織だという。 

 

そしてこの「専任組織」には、従来のBEVは含まれない、と言うような感触すらあるのだ。この「専任組織」を1000万台で支える、と言っているので、 1000万台を元のトヨタ本体と考えれば、「専任組織」はBEVの新会社を意味していると言うことではないのかな。 

(続く)