カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(90)

はなしは脇道(でもないが)にそれてしまったが、 

 

トヨタは現在、米国のノースカロライナ州で「電池工場」((TBMNC) Toyota Battery Manufacturing North Carolina)を、建設中である。 

 

トヨタ・90%、豊田通商・10%の出資で、59億ドル(およそ8200万円)を投じて、2025年稼働を目指している。日本ではパナソニックと組んで、車載電池の作っているが、米国では通商と組んでおり、パナソニックとは組んでいない。 

 

どうも決定がもたつくことを恐れて、パナとは組まなかったようだ。 

 

米国にはIRA法・Inflation Reduction Actがあるので、どうしても北米での現地生産が必須となっているので、後はBEVの組み立て工場をどこに作るかが課題として残っているが、これも現在はHEVを組み立てているケンタッキー州の「TMMKToyota Motor Manufacturing Kentucky」で、ライン改造を施して「3列シートのSUV」のBEVを生産することになっている。 

 

もちろんバッテリーは、TBMNCから供給されるから、トヨタ初の電気自動車の生産も2025年からとなる。 

 

トヨタは、2026年までに10モデルを投入して、年間150万台のBEVを販売する計画であるので、このTMMKのBEVラインはEVの主力工場の一つとなろう。 

 

150万台も350万台も膨大な数字であり、各種の電気自動車を組み立てなければならないわけで、そのプラットフォームもキチンと準備されているようだ。 

 

プラットフォームも一つではない、次の3種類を考えているようである。と言うよりも、新工法によるP.Form出ないとBEVとしては効率的ではないようだ。 

 

(1)マルチパスウェイ プラットフォーム---現行TNGAタイプ 

(2)BEV専用のプラットフォーム-----e-TNGAタイプ(bz4xタイプ) 

(3)新工法による次世代プラットフォーム--次世代型(2026~,'30/170万台) 

 

 

さて注目の「全個体電池」であるが、トヨタは2023.6.13の技術説明会では、「2027~28年にチャレンジ」と言っているが、日産が「2024年にパイロットライン、2028年に市場投入」と言っていることから、「'27年~'28年に投入」と発表したわけだが、どちらかと言うと欧米メーカーの投入予定時期も考慮して、2027年に投入する可能性が高かろう。 

 

なんと言っても、トヨタ2020年8月から全個体電池を搭載した試作車の公道試験を実施している手前、それなりの実用化の目途は建っているのではないのかな。HEVのプリウスの投入の「21世紀に間に合いました」との宣言のように、全個体電池も「2027年に間に合わせました」として、発表するのではないのかな。 

 

次に、まとめの意味でトヨタの「全個体電池」の記事を載せるので、ダブるかも知れないが、ご一読願う。 

 

 

 

トヨタ、「全固体電池」市販時期を明言...新戦略発表の衝撃 一気にゲームチェンジへ! トヨタのEV反撃は「本物」か 

2023年06月26日08時15分 

 

  トヨタ自動車が全固体電池を用いた次世代のバッテリー電気自動車(BEV)の市販を目指す新たな戦略を発表し、業界に波紋を広げている。 

  

  BEV開発でトヨタは、テスラはじめ米欧中の自動車メーカーに出遅れていると言われて久しい。だが、そのトヨタがライバルに先駆けて全固体電池を実用化すれば、世界でBEVのゲームチェンジャーとなる可能性がある。 

 

   かつてハイブリッドカーHEV)で世界をリードしたような主導権を再びトヨタが握ることができるのか。 

 

次世代バッテリーEV戦略を語った、トヨタ自動車 BEVファクトリープレジデントの加藤 武郎氏(プレスリリースより)      

 

航続距離が飛躍的に伸びる「次世代電池」 トヨタ、2027~28年、BEVへの搭載目指す

(続く)