カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(124)

先には、この両者はOEMの供給関係であったことを書いておいたが、きっとそんなことでの関係で(多分)いすゞからホンダへ「共同研究」の話を持ち掛けたものではないのか、と小生は勘繰っている。 

 

まあこれは小生の推測ではあるが、「Carbon Neutral」などの排ガス規制の波がトラック業界にも押し寄せているわけだ。老舗の大型トラックメーカーとしていすゞは、カーボンニュートラル用のパワートレインの開発てこずっていたのではないのかな。ホンダはホンダで燃料電池車での仲間作りに苦慮していたので、この話は渡りに船だったはずだ。 

 

排ガス問題は2015.9.18に、米EPAVWの排ガス不正を公表してから、一編に有名になったものだ。 

 

VWは車両に違法ソフトを搭載して、台上試験時だけは排ガスを浄化し路上走行時にはその浄化装置が働かない様にしたものであった。それにもかかわらずVWは、この違法ソフト搭載のディーゼル車を「クリーンディーゼル」として1,100万台も世界で売りまくったのである。 

 

VWは排ガス規制をトヨタのハイブリッドに対抗して、CO2の排出の少ないディーゼル車で対応しようとしていたのであるが、NOxの排出を抑える装置のコストが高すぎたので、違法ソフトでごまかそうとしたものである。 

 

この件は小生のブログ「続・次世代エコカー・本命は(22~)」(2016.05.03~)に詳しく乗っているので参照頂きたいのだが、環境問題への対応がどの企業でも必須となっているので、いすゞでも、と言うよりもいすゞは、大型トラックの排ガス対策を早急に進める必要があった訳で、既にその方法は燃料電池によるものと分かっていたので、OEMなどで過去に関係があったホンダへ話を持ち込んだものと思われるのである。それが先の「ニュースリリース」であった、と推測しているが、間違っていれば、どしどし訂正願う。 

 

 

 

ホンダといすゞ20年ぶりの“復縁”、燃料電池商用車を共同開発へ[新聞ウォッチ] 

2020年1月15日(水)18時45分


 

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。………… 

 

自主路線を保っていくのかどうかが大いに気がかりだったホンダが、生き残りをかけた「仲間づくり」を急いでいるようだ。燃料に水素を使う燃料電池(FCV)で、いすゞ自動車とトラックを共同開発するという。 

 

きょうの日経が1面で「ホンダといすゞ、水素トラック共同開発」とのタイトルで準トップ記事として報じている。 

 

それによると、具体的な提携や開発の時期などには触れていないが、「早期の事業化を目指し、走行時に温暖化ガスを一切出さず『究極のエコカー』として世界的に注目されるFCVの普及に弾みをつける」と伝えている。 

 

ホンダがFCV技術を社外に提供するのは初めてのことで、FCVは燃料の水素の供給インフラが乏しく普及が進まないが、商用車なら走行ルートに応じ拠点を整えやすいという。 

 

いすゞといえば、トヨタ自動車日産自動車と肩を並べた「旧御三家」の一角を担っていたが、ホンダとの関係はこれまでも交流が全くなかったわけではない。1990年代には乗用車の相互OEM供給をしていたこともあった。例えば、ホンダの『アコード』をいすゞの『アスカ』として、『ドマーニ』を『ジェミニ』としてOEM供給。また、いすゞからは、SUVの『ビッグホーン』の供給を受けていたほか、いすゞ出身者がホンダの経営幹部になったケースもあったほど。その後、経営危機に陥ったいすゞ乗用車事業から撤退したことでOEMも立ち消えとなった経緯がある。今回の共同開発が実現すれば、20年ぶりの“復縁”になる。 

 

自動車業界では、次世代技術の開発などでトヨタを中心に「仲間づくり」を進めている。独立性にこだわってきたホンタもトヨタに比べると二番煎じで“落穂拾い”的な面があるものの、最近は柔軟な経営方針に転換しつつあることも興味深い。 

 


いすゞビッグホーン改めホンダ・ホライゾン(1994年)
   

 

https:///response.jp/article/2020/01/15/330700.html 

(続く)