カーボンゼロ、クルマの未来はどうなる?(126)

いすゞ・ホンダの「ニュースリリース」から2ヵ月遅れの2020年3月に、日野とトヨタはFCトラックの共同開発を発表した。 

 

 

トヨタと日野、燃料電池大型トラックを共同開発 

商品・技術情報 

2020年3月23日 

トヨタ自動車株式会社
日野自動車株式会社 

 

 トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)と日野自動車株式会社(以下、日野)は、燃料電池大型トラック共同開発し、今後、走行実証などを通じて実用化に向けた取り組みを進めることになりました。 

 

 トヨタと日野は、地球環境問題を重要な経営課題の一つとして位置づけ、積極的に取り組んでいます。両社とも、2050年までに走行中CO2排出量の大幅削減を掲げ※1、電動車の技術開発と普及促進に尽力しています。今後、さらなるCO2排出量の削減を実現するためには、国内商用車全体のCO2排出量の約6割を占める※2大型トラックの環境性能の大幅な向上が必須です。
 商用車の電動化においては、高い環境性能はもちろんのこと、事業に使う車両としての実用性が求められるため、走行距離や積載物、稼働シーンなどに応じて適材適所で最適なパワートレインを採用していくことが重要となります。幹線輸送に使われる大型トラックには、十分な航続距離と積載量、そして短時間での燃料供給が求められるため、エネルギー密度の高い水素を燃料とする燃料電池車が有効であると考えています。 

 

 このたび共同開発する燃料電池大型トラックは、日野の大型トラック「日野プロフィア」をベースに、両社が培ってきた技術を最大限に活かして開発します。シャシは燃料電池車に最適なパッケージングを専用設計し、徹底した軽量化により十分な積載量の確保を目指します。パワートレインにはトヨタの次期「MIRAI」用に新開発されるトヨタFCスタックを2基搭載し、日野の強みである大型車ハイブリッド技術を応用した車両走行制御を組み合わせます。航続距離は600kmを目標とし、環境性能と商用車としての実用性を高次元で両立することを目指します。 

 

 トヨタと日野は、水素を将来の有力なエネルギーと位置づけており、2003年の燃料電池バスの共同実証から15年以上にわたり、燃料電池商用車の技術開発および普及促進に努めてまいりました。今後さらに関係を強固にし、水素社会の実現に向けて取り組みを加速してまいります。 

 

車両イメージ   

 

 

 

<参考> 車両概要 

車両 

ベース車型 

「日野プロフィア」 FR1AWHG 

全長/全幅/全高 

11990/2490/3780 mm 

車両総重量 

25t 

FCスタック 

名称(種類) 

トヨタFCスタック(固体高分子形) 

モーター 

種類 

交流同期電動機 

高圧水素タンク 

大容量高圧(70MPa)水素タンクを新開発 

駆動用バッテリー 

種類 

リチウムイオンバッテリ 

航続距離(目標) 

約600km 

* 都市間・市街地混合モードでのトヨタ・日野測定値 

 

※1 トヨタ環境チャレンジ2050 : 2015年策定。この中の「新車CO2ゼロチャレンジ」で2050年までに、新車1台あたりの平均CO2排出量の90%削減(2010年比)を目指す
  日野環境チャレンジ2050  : 2017年策定。この中の「新車CO2ゼロチャレンジ」で2050年までに、新車1台あたりの平均CO2排出量の90%削減(2013年比)を目指す 

 

※2 車両総重量3.5t超のトラック・バス、日野調べ(2020年2月末現在) 


(ご参考)日野の社会課題の解決に向けた取り組みについて 

 

https://www.hino.co.jp/corp/news/2020/20200323-002583.html 

 

 

この話はすでに2023年07月17日の当ブログNO.101以降で報告済みのものであるので、詳しくはそちらを参照願いたいが、中小型トラックではトヨタいすゞは共同でFCトラックを開発して実証実験も行っていることも、そこではご報告しているので、必要に応じてご参照願う。 

(続く)