さて、一見落着してしまってかのように見える中国製毒餃子事件、一体全体その
後の捜査結果はどうなっているのであろうか。胡錦濤の来日なんぞのお陰で、こ
の問題の回答はどこかへ胡散霧消してしまったのか。
今一度この問題を振り返ってみよう。事の起こりは、今年の2月28日午前、中国
公安省と国家品質監督検査検疫総局が、北京市内で記者会見して、
(1)メタミドホスは包装の外側から染み込むという実験結果を公表し、
(2)中国内でのメタミドホスの冷凍餃子への浸透の可能性はきわめて低い、
(3)暗に、日本国内で混入したのではないかとの見方を強く示唆した
(4)日本の警察当局は必要な資料を提供してくれない、と批判した。
ことに始る。
そして、日本国内が総反発しているにもかかわらず、日本国の首相である筈の
福田康夫が、その日の夜記者団を前にして、
「(中国の)捜査当局の発表は日本と共同して、しっかり調査したいと言う事を
言っていたんじゃないですかね。非常に前向きですね。中国も原因を調査し、
その責任をはっきりさせたいと言う気持ちは十分に持っているとおもう」と、能天
気を決め込んだことで日本国民の不信と不満が頂点に達した。
さらに、日本警察庁の吉村博人長官は同日、強い不快感を示し、
(1)メタミドホスは、包装袋の外側から内側へは浸透しない。
(2)その実験の手法や条件の詳細、その他の詳細資料も提供してある。
(3)中国での浸透実験の結果の提供を求める。
と憤慨している。
福田の中国へのへつらいにはあきれかえってしまうが、その後状況を週刊新潮
5/15号から引用してみよう。
中国側が出してきたのは、驚くような実験結果であった。
(1)メタミドホスを袋の外側に塗り、しばらくすると87%の確立で内側に浸透する。
(2)その結果、密封した袋でもメタミドホスは、内側に浸透する。
(3)だから、メタミドホスの混入は、中国でなくて日本である。
との驚くべき内容であった。日本ではしっかりした実験結果を得ているため更な
る調査を要求したところ、4月上旬北京での日中担当者会議の席上で新事実を
提示してきた。
(1)実験に使った袋の一部には穴が空いていたり、
(2)切れていたものがあった。
これでは内部にメタミドホスが浸透と言うよりも、穴から流れ込むと言うことであ
り、全く話にならない。福田康夫も馬鹿にされたもんだ。こんなことをされて悔しく
ないのかね。
この話はすぐさま官邸に上げられた。ところが、である。
(1)官邸はこの話を公表せず、封印してしまった。
(2)胡錦濤来日を控え、これ以上対中感情が悪化しては困る、と言う配慮からだ。
(3)中国側は、この時期に新事実を明かしても日本は公表できないだろう、と足
元を見透かしていた。 という。
胡錦濤が来ようがこまいが、日本人の生命・財産が中国の毒で危険にさらされ
たのである。速やかに公表して、中国に再発防止を要求することが当たり前で
はないか。胡錦濤が来るのなら、再発防止を要求するのには、将に丁度良い機
会ではないか。これをやらずにぺこぺこしていた福田は非国民だ。
(続く)