FCVのミライ・コンセプト、に話を移そう。
その前に、先の一覧表で、LF-30 のFCVがあるように記載してあるが、ネットで探してみても見つからないので、これは小生の何かの勘違いであった様だ。
Lexus LF-30 Electrified は存在するが、FCV版はなかったようだ。レクサスLSのFCVは、2015年の東京モーターショーで公開した「Lexus LF-FC」がそれに該当するのであろう。2020.03.03の当ブログNO.83にその写真が載っているので、参照願う。
但し、LF-30 -FCVが出れば、これは大いに話題となる筈だ。水素ステーションが整備されていれば、EVと共に大いにその使い勝手が試される筈だ。
さて、今年の東京モーターショー・TMSに出品された「ミライ」は、コンセプト車だと表現されているが、巷の話によると、ほゞ市販車(トヨタで言う号口車)に近いものだと言う。そしてその姿カタチは相当でかい。まあ現行クラウンより少し大きい、と言ったところか。
主な変更点は、次の通り(だと思う)。
1) PFの変更 GA-Lプラットフォームを採用。←カムリのGA-Kベースからの変更だ。
クラウンやレクサスLSと同じPFを使用している。だからでかくなっている。
2) 駆動方式 FFの前輪駆動からFRの後輪駆動方式へ変更
3) 乗車人員 現行4人乗りから5人乗りとなる。
4) ボデーサイズ
現行・ミライ 4890✕1815✕1535mm WB2780mm
新型・ミライ 4975✕1885✕1470mm WB2920mm
トヨタ・クラウン 4910✕1800✕1455mm WB2920mm
5) 航続距離 845km←650km(現行ミライ)、30%アップ
6) 発売時期 2020年末(2020年夏と言う記事もあるが、年末が正しい)
と言ったように、かなり意欲的だ。スタイルは人それぞれだが、小生にはこの新型ミライのスタイルには、それほどわくわく感は湧いてこなかった。新型よりも現行型の方が、なんとなくわくわく感はあるように感じているのだが。
ちなみにトヨタのTNGA PFは次のようになっているようだ。
トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー TNGA についてまとめ
https://car-repo.jp/blog-entry-1761.html
GA-Aプラットフォーム DNGA
トヨタ新型ライズ、ダイハツ新型ロッキーなどのコンパクトSUV
GA-Bプラットフォーム
トヨタ新型ヤリス、新小型車のPF
GA-Cプラットフォーム
トヨタプリウス、同PHVやトヨタ新型C-HR、同新型カローラ
GA-Kプラットフォーム
GA-Lプラットフォーム
トヨタ新型クラウン、トヨタ新型ミライコンセプト、レクサス新型LS・GS
https://car-repo.jp/blog-entry-1761.html
クラウンやレクサスLSと同じPFを採用しているので、相当でかい感じだ。でかい割にはフロントの感じが(小生には)今一だ。これで10倍も売れるのかな。
モデルチェンジで生産台数が10倍に!?
「ミライ」は燃料電池車の未来を変えるか?
2019.10.18 デイリーコラム
「エコ」以外の魅力が大事
トヨタが東京モーターショー2019に出展する新型FCV(燃料電池車)は、予想外のものだった。2020年の年末に発売されるというこのクルマ、現行の「カムリ」を思わせる大きな顔はともかく、4ドアクーペとでもいうべき流麗なデザインは、従来のFCVのイメージとはずいぶん異なる。ボディーの長さは5mに迫り(全長×全幅×全高=4975×1885×1470mm)、ホイールベースは3m近い2920mm。20インチの大径タイヤと相まって、ダイナミックで軽快なイメージが演出されている。
乗れば、ワインディングロードでも意のままになる走りが楽しめるとうたわれている。デザインやプラットフォームが新しいだけでなく、駆動方式も前輪駆動から後輪駆動へと変更されているのだ。
この「MIRAI Concept(ミライ コンセプト)」は、2014年にデビューしたFCV「MIRAI(ミライ)」の次期型という。初代は、ずんぐりとしたマッシブなスタイル。まるで違うクルマのような気がするけれど……。なんでまた、これほどの方向転換が必要になったのか?
初代からミライの開発に携わってきたチーフエンジニア・田中義和さんは言う。
「初代にあたる現行型は、とにかく環境コンシャスなクルマでした。でも、いまのようにいろんな環境コンシャス車が並ぶ中で選んでいただくとしたら、もう環境性能がいいのは当たり前。これからは“クルマとしての素性のよさ”をどれだけ出せるかが大事になってくるはずなんです」
そのひとつが、エモーショナルで魅力的なデザインというわけだ。でも冷静に見れば、見た目にも“異形のもの”だった初代に比べて、この2代目ミライは“フツーなカタチ”と言えなくないか。
「う~ん。もし皆さんが初代のデザインを支持されるなら、われわれもまた、そちらに変えていけばいいんですよ! でも実際に両車を並べて『新型のほうがカッコ悪い』と思われたら、今回の僕の企画は失敗ですね(苦笑)」
もちろん見た目だけではなく、航続距離を30%アップさせるなど、燃料電池車としての性能向上も図られている。しかし新型には、ほかに重要な役割があるという。
FCVの今後がかかっている
「水素を使う燃料電池車のインフラ運用を考えると、ある程度、台数を出していく必要があるんです。いまの台数では、全然ダメなんです。10倍のオーダーで増やしていかないと」
10倍ですか!?
「いや、関連するほかのメーカーの方は『100倍は欲しい』っておっしゃるかもしれませんけど」
ミライがデビューした当初の生産台数は、年間700台(日本国内は400台)。少数ゆえにテレビCMもうたなかったのに、生産キャパシティーは早々にオーバーし、納車3年待ちという状況になってしまった。
「供給能力がないのが問題でした。だから、それほど大きな広がりにならなかった。確かにその後、すぐに目標台数は増えたし、実際に生産台数も増えましたが、3000台でいっぱいいっぱいです。もう、ユニットのつくり方を根本から変えていかないとたくさんつくれるクルマにならないんです」
根本的な生産能力を改善するというのが、新型開発の最大の根拠というわけだ。しかしそれなら、こういうスポーツクーペ的なキャラクターでいいのだろうか? 世の中的には、箱っぽい、実用的なクルマのほうが数字を取れるような気がするが……。
「そこは自分の中ではクリアなんです。台数を増やす、ケタを増やすといっても、現時点では数十万台規模のオーダーは前提にしていませんから、SUVも含めて潜在的なユーザーが多いところに行かなくていい。今回は、乗り味で『いままでなかった』と言われる“別格のクルマ”を目指しています。この走りはミニバンでは実現できない。マニアックなクルマ好きではない、一般的なドライバーが飛ばさずに乗っても、思わず笑顔になる。それくらい違うんです」
もちろん、これはSUVやミニバンのFCVを否定するものではなく、今後台数が必要になれば派生モデルが増える可能性もあるという。田中さん、FCVの未来は明るいでしょうか?
「わかりません(笑)。この新型がどれだけ注目していただけるかですね。フルスイングでやってきましたから。これでダメだったら厳しいかもしれませんね。2代目へとフルモデルチェンジして、本当に皆さんに欲しいと思っていただけるクルマになるかならないか。それが、ミライ(に代表されるFCV)が飛躍するかどうかの分水嶺(れい)になると考えてます」
(文と写真と編集=関 顕也)
2019年10月11日に概要が発表された「ミライ コンセプト」。新型「ミライ」は、2020年末の発売を目標に開発が進められている。
大きなヘッドランプとグリルが目を引くフロントフェイス。「フォースブルー マルチプルレイヤーズ」と呼ばれるボディーカラーも新たに開発された。
3/8新型のコンセプトを説明する、トヨタのスライド資料。中央に描かれているイメージは、現行型の「トヨタ・ミライ」。
次期型「ミライ」への思いを熱く語る、田中義和さん。これまで「プリウスPHV」や「ミライ」といったトヨタのエコカー開発に関わってきた。
ルーフは後方に向かってなだらかな曲線を描く。真一文字のリアコンビランプも特徴的。
https://www.webcg.net/articles/-/41696?page=2
(続く)