「日本学術会議」は親共・容共組織(42)

大井川の水源がどうなっているかは、素人の小生には、皆目見当もつかないが、このような懸念がある限り、国を挙げて科学的な実地調査などを行う必要があろう。

 

次の論考も、「水環境の課題に真摯に向き合うのが最善」と結論づけている。そうすれば丹那盆地のようなことは起きることはなかろう。

 

だがその段階は既に通り過ぎてしまっているのだが。

 

 

 

リニア静岡工区遅れで3つの代替案 実現難しく混迷も

静岡

202071518:40

         リニア中央新幹線計画の混迷が深まっている。JR東海は静岡工区について6月中に工事再開ができなければ「2027年の開業が困難」としていた一方、15日の会見で金子慎社長は延期の正式表明を避けた。静岡県内では県を迂回するルート変更など大別すると3つの代替案の議論も出始めているが、現状はいずれもハードルが高い。



リニア中央新幹線

「仮に遅れたとしても、早期の開業を目指していく」。この日の会見で金子社長はこう強調した。静岡工区は大井川の水量減を懸念する静岡県が一貫して工事の再開を認めていない。

'20.7月)10、計画を認可した国土交通省の藤田耕三事務次官静岡県川勝平太知事と対談し事態の打開を図った。この場でも工事再開は認められず、省と流域市町が直接対談する可能性は残された。

国交省JRと県の協議が平行線をたどり続けた場合、解決に向かう代替案の考え方は大きく3ある。一つがルート変更だ知事は次官との会談で「自然環境の保全とリニア開通を両立する一つの考え方」と切り出した。県議からも同様の意見が出始めている。

ただ、変更は容易ではない。実際にするとなると、環境評価、地層や地盤の強度を測るボーリング調査、用地確保といった複雑な手続きが必要だからだ。関係者からは「数年単位」、「10」といった開業延期が必要との声が挙がる。金子社長もこの日の会見で「ルート変更はありえない。全国新幹線鉄道整備法に基づいて11年からルートを決めている」と強調した。

まずは東京(品川)―甲府までの先行開業を唱える声もあるが、金子社長は「新たな施設を作る必要があり、運営しがたい」との見解を示す。

ルートを変えるのではなく、県が懸念する川の流量減を補うのも一つのアイデアだ。大井川では東京電力が管理する田代ダムなど、複数のダムが川の水を取水している。JRが工事によって出た流量を電力会社から補てんしてもらうことにより、相殺すれば良いとの考え方もある。

ただこれも電力会社などとの折衝が必要な上、ダムの渇水時は解決につながらない。「我々から積極的に要請することは難しい」(JR幹部)、「それで済む話でもない」(県関係者)と、JRと県からも否定的な声が目立つ。

金銭的な補償はどうか。水資源に絡む公共工事は影響が出た場合、一般的に完了後1年以内に申請すれば、最長30年の補償を受けられる。JR202月、今回の補償ではこうした申請期限を設けないと表明した。

また、過去には自然環境保全基金の創設や、東海道新幹線静岡空港の新駅を設置するといった、JRが負担する県への「代償」が議論に挙がったこともあった。

ただ、これらは多くの関係者が納得を得る計画の策定に時間がかかる。「補償や代償より、まずは水影響を徹底的に議論する方が先」との声は根強い。

金子社長は会見で、補償案について「いずれ重要な話の1つになる」との見方を示しつつ、「水影響については引き続き議論していく」と意気込んだ。リニアの27年の開業は絶望的でも、目の前の水環境の課題に真摯に向き合うのが最善という状況に変わりはなさそうだ。

(野口和弘、高畑公彦)

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61543520V10C20A7L91000

 

 

 

但し、静岡県の川勝知事としては、有識者会議(国主導)の結論を素直に認めるつもりはないようだ。

 

有識者会議の結論に対しては、県の専門部会で検討をさせたうえで、更に、地元の吉田町の理解を得る必要がある、と条件を付けている。吉田町は、大井川の河口の町だ。大井川が駿河湾に注ぐ河口の南西に隣接している。下記の論考を参照されたい。

 

リニア、川勝知事の本心 なぜ「ルート変更」再提案
2020/7/21 2:00
 日本経済新聞 電子版

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO6160086016072020000000

 

 

 

これを読むと、静岡県としては、

 

有機者会議の結論は認めない

・地元の理解を得る必要がある

・県の専門部会での検討も必要

・その上で、『ルート変更』を持ち出しているので、これが川勝知事の本心である。

 

 

として、「リニアの現行計画がとん挫する可能性」があると結論づけている。

 

 

静岡県川勝平太知事の本心は、「地域貢献がなければ、JR東海への協力は難しい」と言うものであった。これは2017.10.10の川勝知事の記者会見での発言である。

 

まあ一寸した先端を通過するだけで、地域貢献なんぞと要求する方もする方であるが、これに対して、JR東海は、何の反応もしなかったと言う。此処から、両者の齟齬が拡大してゆくことになる。

 

現段階に至っては、次の論考を読むと、この「静岡問題」は解決することは不可能レベルに嵌まってしまっているように思えるのである。

 

だから、ルート変更しかないと言っているのである。

 

 

 

 

 

静岡リニア問題、県民視点で見た問題の本質

知事のメッセージは最初からJR東海に明示済み

2020/08/25 5:00

小林 一哉 : 「静岡経済新聞」編集長

 

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721日、川勝知事は7月豪雨で被害を受けた東俣林道を視察した。「地下水位300m低下」などリニア工事を認めない理由をいくつか挙げた(筆者撮影)

静岡県が着工を認めないため、JR東海は2027年のリニア開業は難しいという考えを示しています」。NHKをはじめとした各メディアが、リニア中央新幹線の開業遅れを「静岡問題」として毎回のように報道している。ニュースサイト・静岡経済新聞で「リニア騒動」を追い続けているジャーナリストの小林一哉氏が、静岡県民の視点から「静岡問題」の真相に迫る。

20113月の東日本大震災、福島第1原発事故の壊滅的な大打撃に日本中が打ちのめされた2カ月後、国は総工費9兆円超リニア中央新幹線整備計画を発表した。日本再生を図る国家的プロジェクトへの期待が大きく膨らんだ。

静岡県では最北部の南アルプス地下約10kmを通過することになったが、山梨、長野、岐阜などの大騒ぎに比べ、地元マスコミの扱いは小さく、ほとんどの県民には他人事だった。大井川源流部の南アルプスは、登山や渓流釣り以外にはなじみが薄く、あまりに遠く離れた“秘境”とも言える場所だからである。

静岡空港は閑古鳥

一方、年間160万~170万人の利用客を見込んで20096月に開港した静岡空港富士山静岡空港は、2010年の利用客が約59万人にとどまっていた。採算ラインの半分にしか達しない惨憺(さんたん)たる状況で、リーマンショック後の静岡県経済「停滞」の象徴となってしまった。リニア東海道新幹線から大都市間輸送における主役の座を奪い、静岡県経済の停滞に追い打ちをかけ、「衰退」へ向かうとの声が地元経済界から数多く聞かれた。

また、当時の静岡県は、リニアが開業すると東海道新幹線に余裕が生まれ、静岡空港付近に新幹線の新駅を造る構想に追い風になるという理由で、リニア開業支援を表明していた。

私の堪忍袋の緒が切れました」。大井川の水環境問題でJR東海への対応を川勝平太知事が旗色を鮮明にしたのは、20171010の記者会見だった。それ以前にリニアを問題視したことは一度もない。

同年4、県は「工事で出た湧水全量を大井川に戻す」よう求める意見書をJR東海に提出していた。JR東海は、大井川流域の利水者と協定を結ぶための話し合いを続けていた。その交渉について、地元の状況を聞いた知事は「あたかも水は一部戻してやるから、ともかく工事をさせろという、極めて傲慢な態度で臨んでいる」と、JR東海に強い不満を述べた。

(続く)