ロシアのウクライナ侵攻(22)

国境を接している国々は、堪ったものではない。いつロシアが攻め込んでくるかもしれないと、注意しておく必要がある。

 

どんな注意をするのかと言うと、当然、国防力を強化することしかない。そのうえで外交力をつける、と言うことか。外交力と言うのは現時点では、共同防衛体制を形作るということである。もっと早くにウクライナNATOに加入していればよかったのではあるが。

 

遅ればせではあるが、ロシアのウクライナ侵攻で、西側諸国が一致団結して、ロシアに経済制裁を科したことはそのよい例である。本来は「多国籍軍」を組織して、ロシア軍に攻め込むことが最重要なことであるが、今のロシアへの経済制裁だけでは、まことに生ぬるい。

 

モスクワを廃墟とするような攻勢をかける必要がある、と言うことである。と言っても第三次世界大戦になっては、元も子もなくなってしまう。だからウクライナのロシア軍をせん滅して、ウクライナ国境近くのロシアの補給地点を完膚なきまでに叩いておく必要がある。

 

 

それから、いま少し深く考慮しておく事項が存在していることを認識しておく必要がある。

 

ロシアがなぜウクライナに侵攻を決断したのかと言うと、それはウクライナには核がなかったからである、と言うことである。

 

もしウクライナに核が存在していたら、ロシアはうかつには攻め込むことには躊躇したことであろう。

 

ここで次の2点を頭の隅に、と言うよりも中心に据えておくことが必要である。

 

それは、

 

(1) ロシアは、ウクライナ以外の他国を攻撃する可能性を持っている。

 

(2) もしその国に核が存在していなければ、攻撃は実行される。

 

と言うことである。

 

 

これに真っ先に反応したのが、北欧の2か国、フィンランドスウェーデンである。

 

フィンランド515日に、スウェーデン516日に夫々、北大西洋条約機構NATO)に加盟申請することを決めている。

 

 

 

NATO加盟申請を正式決定 フィンランド、ロシアの脅威受け―スウェーデンも追随

202205160042

15日、ヘルシンキで記者会見するフィンランドのニーニスト大統領(右)とマリン首相(AFP時事)
15日、ヘルシンキで記者会見するフィンランドのニーニスト大統領(右)とマリン首相(AFP時事)


 【ロンドン時事】フィンランド政府15日北大西洋条約機構NATO)に加盟を申請する方針を正式に決めた。ロシアのウクライナ侵攻を受け、軍事的中立の立場を転換する歴史的決断を下した。北欧のもう一つの中立国スウェーデンの与党も同国のNATO加盟支持を表明。両国がNATOに加われば、地域の地政学上の地図が塗り変わり、欧州は安全保障上の重大な転機を迎える。

 

フィンランド、プーチン氏にNATO加盟通告 ロシアは送電停止
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022051400432&g=int

 

 フィンランドのニーニスト大統領とマリン首相がヘルシンキで記者会見し、発表した。両氏は先に連名で「加盟支持」を宣言しており、政府の特別委員会がこれに合意し最終決定となった。

 大統領は会見で「歴史的な日だ。新しい時代が始まる」と表明。16日に行われる議会審議を経て申請手続きに入る運びだが、議員の大多数が賛成に回るのは確実な情勢だ。首相は「(申請まで)まだプロセスが残るが、議会は決意と責任感を持ってこの歴史的決断を議論すると信じる」と述べた。

 スウェーデンでも15日、与党の社会民主労働党が加盟支持を発表。党内には慎重な意見もあったが、全党が関わった13日公表の議会安保政策見直しは、「抑止効果をもたらす」と加盟を肯定的に評価していた。野党各党も加盟に賛成で、社民労働党の承認で申請がほぼ決まった。

 

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022051500380&g=int

 

 

 

北欧2国、NATO申請表明

非同盟を転換、ロシアは対抗示唆

2022/5/16 22:49 (JST)                 © 一般社団法人共同通信社

 

 NATO加盟を巡り記者会見するスウェーデンのアンデション首相(右)=16日、ストックホルムスウェーデン通信提供・AP=共同)

 

 【ストックホルム共同】北欧スウェーデンフィンランドが米欧の軍事同盟、北大西洋条約機構NATO)に加盟申請する見通しとなった。スウェーデンのアンデション首相は16、申請方針を正式表明した。隣国フィンランド15に表明しており、ロシアのウクライナ侵攻で共に軍事非同盟の国是を転換。加盟が実現すれば地政学的バランスが激変する。ロシアのプーチン大統領16日、NATO側の軍事施設が両国内に置かれれば対抗措置を取る考えを示した。

 

 スウェーデン政府は16日の議会討論後、臨時閣議で正式決定。地元メディアによると、17日にも申請するとみられる。

16日、議会での討論前に記者団に話すスウェーデンのアンデション首相(中央)(ロイター=共同)    

 

https://nordot.app/898898957573865472

 

 

 

これに対してロシアは「集団安全保障条約機構(CSTO)の加盟国首脳会合」を開いて、西側に警告している。

(続く)