纏向遺跡と邪馬台国(日本古代史の謎)(28)

イザナキがその理由を尋ねると、スサノウは「ハハの国の根の堅州の国」に行きたいと答える。イザナキの鼻をすすいだ時に生まれたスサノウであるので、死んだ母の国は、厳密には存在していないのであるが、この書ではスサノウはもともと根の堅州国を領有する神だったのではないかと書かれているが、とすると「根の堅州国」はどこだったのかと言う話になるが、何はともあれ、これは神話(記憶にも乏しい古い)の話なのであるが、イザナキはこれを許さずに「この国に住むことはならず」と追放してしまうのである。 

 

そのため須佐之男は暇乞いに、高天原にいる姉の「天照大神」のもとに昇って(?)ゆくことになる。そして、これから天照大神須佐之男命の諍(いさか 

い)の話に移ってゆくのである。 

 

スサノウは建速と言われただけあって、高天原に昇るときには相当騒がしく大地が揺れたというので、天照大神は恐れ驚き武人の姿に身を整えて待ち受ける。しかも矢筒まで背負っている。 

 

この時アマテラスは、「頭の頂で結うていた女の髪を解いてみずらに編み上げて男の姿になり、」と書かれているので、アマテラスが女性であることがわかるのであるが、古事記ではこれが唯一の表現であると、その書には書かれている(P85)。 

 

アマテラスは「きっと邪ヨコシマな心があるであろう」と考えて、スサノウを問い詰めると、スサノウは「邪な心など持っていない。」と答えて、「宇気比ウケヒにて子を生みましょう」と神の判断を仰ぐことになる。 

 

場所は天の安の河原である。 

 

先ずアマテラスから、 

(1)スサノウの十拳の剣を三つ折りにし、かみ砕き吹き出して三つ柱の女の神を吹き成された。 

 

次にスサノウは、 

(2)アマテラスの八尺ヤサカの勾玉や玉などをかみ砕き、男の神を吹き成された。これを全五回繰り返して、五柱の男の神を吹き出して作り出す。  

 

この場合(古事記では)、どちらが清いのかの基準が定められていないので、心の清濁ははっきりしないのであるが、スサノウは自分の剣から女神が生まれたのであるから、自分が勝ったのだと大騒ぎする。 

 

普通は比べた場合には、男が勝つのであるが、この場合はなぜかスサノオに勝たせているが、日本書紀ではスサノウが男を生み勝利している。 

 

スサノウは勝ちに任せて、アマテラスが営んでいる田の畔を壊し、(田に水をやる水路の)を埋め、新穀を召し上がる大事な神殿に糞をまき散らしたりした。 

 

スサノウの騒ぎはさらに度を増し、アマテラスが機織り女たちに神衣を織らせていた時に、その家の屋根に穴をあけ、まだら毛のの皮をはぎ投げ入れている。すると機織り女が驚いて手にした杼ヒで体を突いて死んでしまう。 

 

いくら何でもこれでアマテラスも畏れて、「天の岩屋」に籠もり戸を閉ざしてしまわれた。 

そのため、高天原も地上も真っ暗闇になってしまった。 

(続く)